I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

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「追憶」バーブラ・ストライサンド

2017.11.03

category : Barbra Streisand

Barbra Streisand - The Way We Were1 Barbra Streisand - The Way We Were2


Barbra Streisand - The Way We Were (1973年)



~古い歌を追憶したら、意外な真実を発見!~

秋が深まり、暦の上で立冬を迎えるこの時節は、バーブラ・ストライサンドの「追憶」がぴったり…
などと想いを巡らせていたところ、俄かに私の脳裏に甦ったのが荒木とよひさ作詞・作曲「四季の歌」の[秋]についてのフレーズでした。
子供心にも秋が“心深き人”というのは理解できましたが、“ぼくの恋人”に喩えられる【ハイネ】って何だろうと思いながら歌っていました。
なので、この際だからと調べてみると…!??

あなたは、【ハイネ】の意味をご存知でした? 



~概要~

「追憶」は1973年の映画『追憶(The Way We Were)』のために書き下ろされた主題歌であり、主演であるバーブラ・ストライサンド自らが歌った歌曲です。
作詞は1982年の映画『トッツィー』の「君に想いを」(過去ログ)の作者でもあるアラン&マリリン・バーグマン(Alan and Marilyn Bergman)夫妻、作曲は舞台『A Chorus Line』のマーヴィン・ハムリッシュ(Marvin Hamlisch)、プロデュースはTOTOのデヴィッド・ペイチのお父さんマーティ・ペイチ。

1973年9月27日に映画に先行してシングルがリリース、10月に映画が公開されると同年の北米興行収入5位に相当する大ヒットを記録しました。
年が明けた1月1日、映画のオリジナル・サウンドトラック『The Way We Were: Original Soundtrack Recording』とバーブラの15thアルバム『The Way We Were』が同日発売されるというトラブルが発生したものの、どちらもBillboard 200で20位とNo.1という成功を収めています。
そして2月、シングル「The Way We Were」もBillboard Hot 100で3週No.1(1974年の年間No.1)に輝き、バーブラに初のNo.1曲をもたらしました。

1974年4月の第46回アカデミーに於いて「The Way We Were」はアカデミー作曲賞(Academy Award for Original Music Score;マーヴィン・ハムリッシュ)とアカデミー歌曲賞(Academy Award for Best Original Song;作詞アラン&マリリン・バーグマン/作曲マーヴィン・ハムリッシュ)を、更にはゴールデン・グローブ主題歌賞(Golden Globe Award for Best Original Song)も受賞しました。
また、翌年グラミー最優秀楽曲賞(Song of the Year)にも輝いています。

バーブラを代表する曲の一つであり現在まで多くのパフォーマンスを披露したほか、2014年にはライオネル・リッチーとのデュエットでセルフ・カバーも果たしています。
そのほかのカバーはグラディス・ナイト&ピップスver.が有名で、1975年にHot 100で11位を記録しました(まったりテイスト)。
また、2008年の『Kennedy Center Honors』でバーブラの目前で捧げられたビヨンセのパフォーマンスは、“これぞ女王”の美しさです!
意外なのは(バーブラ熱の高くない)日本での人気で、松田聖子や薬師丸ひろ子、テレサ・テン、岩崎宏美、桜田淳子、尾崎紀世彦ほか多くの歌手がカバーしています。


 
 



~Lyrics~

Memories

バーブラのハミングから続くこのやわらかなオープニング・ラインは、とても印象に残ります。
出だしの言葉は当初【Daydream】(白日夢、空想)だったものの、バーブラのアイデアで【Memories】(思い出)に変更されたそうです。
どちらも心が関与して描かれることに変わりはありませんが【Daydream】だと“過去”のイメージに直結せず、詩的な憧憬を抱かせる邦題の「追憶」というタイトルが生まれることもなかったのではないでしょうか…。


Light the corners of my mind
思い出は、この胸の片隅まで照らすともし火
Misty watercolor memories
ぼんやりかすんだ水彩の思い出たち

【watercolor(水彩画)】は誰もが小学校で体験する画法ですが、私の場合、記憶を省みればぬり絵の延長でただ色を塗っていただけで、特に感慨はありませんでした。
でもそれは(恐らく根本的に)間違ったアプローチをしていたからで、大人になってその【Misty(霧がかかったように淡い)】なやさしい世界観に触れ、強い魅力を感じるようになりました。
画像検索してみると、これだけで[Misty]な色合いに心を癒されます…。


What's too painful to remember
思い出すには、あまりに辛すぎて
We simply to choose to forget
安易に忘却を選んでしまう

…でも、【painful(苦痛な)】が入るだけでイメージが一変! 
確かに、忘れてしまいたくなります…(予想以上に上のイメージとギャップがある)。 
【忘却】は感情を併せ持つ私たち人間に必要不可欠な機能であり、もしこんな不快なイメージが頭にこびりついて忘却(消去)できないままであったなら、精神が破綻してしまうでしょう。

 …なぁんだ、ボクが3歩歩くと忘れるのは正常な機能なんだ♪



~Epilogue~

「The Way We Were」は劇中、ケイティが同じ大学の学生だったハベル(ロバート・レッドフォード)と偶然再会し、当時の思い出に入ってゆくオープニングに使われています。
この再会が契機となって二人は結婚まで至りますがお互いの本質的な価値観の違いは致命的で、夫婦生活は長くは続きませんでした。



それから歳月が過ぎ…
相変わらずニューヨークの街で反戦運動を続けているケイティは偶然ハベルと再会しますが、彼は新たな妻を同伴していました。
かつての愛おしさが二人のまなざしやその仕草に甦る一方、そこへ戻りたい…戻ってはならないと言い聞かせるような言葉の遣り取りが印象的です。

そのエンディングに流れるフレーズ…

Whenever we remember
いつだって、思い出すのは
The way we were
二つの笑みが交わっていた日のこと
The way we were
二人で歩んだ道程…

私たちの人生は基本、【The way I am】
幸いにして、共に歩んでくれるパートナーが現れたなら【The way we are】
不幸にして、それが過去のものになってしまったなら【The way we were】

どんな道を選んでもその足取りには希望と失望、喜びと悲しみが常に表裏一体で、絶対不変の幸福などありません。
大切なのは何気ないやさしさや幸せを感じ取れる感性であり、過去の悲しみをわざわざ引っ張り出してまで現在という貴重な一瞬を悲しみ色に染めてしまわない知性です。

悲しみの記憶は“教訓”に、そして喜びの記憶は心を照らす“ともし火”に



「追憶」


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tags : 1973年 AC せつない愛 映画70's 年間No.1ソング アカデミー歌曲賞 グラミー最優秀楽曲賞 

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