「追憶」は1973年の映画『追憶(The Way We Were)』のために書き下ろされた主題歌であり、主演であるバーブラ・ストライサンド自らが歌った歌曲です。 作詞は1982年の映画『トッツィー』の「君に想いを」(過去ログ)の作者でもあるアラン&マリリン・バーグマン(Alan and Marilyn Bergman)夫妻、作曲は舞台『A Chorus Line』のマーヴィン・ハムリッシュ(Marvin Hamlisch)、プロデュースはTOTOのデヴィッド・ペイチのお父さんマーティ・ペイチ。
1973年9月27日に映画に先行してシングルがリリース、10月に映画が公開されると同年の北米興行収入5位に相当する大ヒットを記録しました。 年が明けた1月1日、映画のオリジナル・サウンドトラック『The Way We Were: Original Soundtrack Recording』とバーブラの15thアルバム『The Way We Were』が同日発売されるというトラブルが発生したものの、どちらもBillboard 200で20位とNo.1という成功を収めています。 そして2月、シングル「The Way We Were」もBillboard Hot 100で3週No.1(1974年の年間No.1)に輝き、バーブラに初のNo.1曲をもたらしました。
1974年4月の第46回アカデミーに於いて「The Way We Were」はアカデミー作曲賞(Academy Award for Original Music Score;マーヴィン・ハムリッシュ)とアカデミー歌曲賞(Academy Award for Best Original Song;作詞アラン&マリリン・バーグマン/作曲マーヴィン・ハムリッシュ)を、更にはゴールデン・グローブ主題歌賞(Golden Globe Award for Best Original Song)も受賞しました。 また、翌年グラミー最優秀楽曲賞(Song of the Year)にも輝いています。
バーブラを代表する曲の一つであり現在まで多くのパフォーマンスを披露したほか、2014年にはライオネル・リッチーとのデュエットでセルフ・カバーも果たしています。 そのほかのカバーはグラディス・ナイト&ピップスver.が有名で、1975年にHot 100で11位を記録しました(まったりテイスト)。 また、2008年の『Kennedy Center Honors』でバーブラの目前で捧げられたビヨンセのパフォーマンスは、“これぞ女王”の美しさです! 意外なのは(バーブラ熱の高くない)日本での人気で、松田聖子や薬師丸ひろ子、テレサ・テン、岩崎宏美、桜田淳子、尾崎紀世彦ほか多くの歌手がカバーしています。