マイアミ・サウンド・マシーンは、現在も世界的なキューバ系アメリカ人歌手として活躍を続けるグロリア・エステファンの出身母体となったバンドです。 このバンドは1987年に【Gloria Estefan and Miami Sound Machine】を名乗ることになりますが、本作発表時は【Miami Sound Machine】が正式名称でした(※以下、MSM)。
MSMはグロリアの夫となるエミリオ・エステファンがマイアミで結成したバンド【Miami Latin Boys】が前身で、デビューからの7年間で7作のスペイン語のアルバムを発表し、既にラテン・アメリカ圏で定評を獲得していました。 転機となったのは1984年、8thアルバム『Eyes of Innocence』で全曲英語に転進、「Dr. Beat」が全英6位をはじめヨーロッパで大ヒットとなり、これによってMSMから初めてメジャー・ヒットが生まれます。
続く1985年の9thアルバム『Primitive Love』も全曲英語で構成され、ここからの1stシングル「コンガ」を8月にリリースすると、実に半年をかけて全米チャートをゆっくり上昇、翌年2月にBillboard Hot 100で最高10位(1986年の年間40位)を記録、アメリカ国内だけで200万枚、カナダで100万枚という大ヒットとなりました。 この勢いのままの3月、MSMは『第15回東京音楽祭』に初参加、日本で既に著名だったシャカタクやアラベスク (Arabesque)のサンドラらを退け、「コンガ」で“グランプリ”を獲得しています。 (ちなみにこの時、小泉今日子が「なんてったってアイドル」で外国審査員団賞を受賞)
「コンガ」はお祭りにぴったりのラテン・ポップな作品で、1996年にアメリカで開催された『アトランタ・オリンピック』閉会式では、壮大なマスゲームを伴ってパフォーマンスされました。 1999年11月24日には、セリーヌ・ディオンが活動休止前の総決算として企画したライブ『All the Way... A Decade of Song』にグロリアがゲストとして招かれ、「コンガ」をはじめ「Here We Are」と「Because You Loved Me」(過去ログ)をデュエットしています。
~Lyrics~
Come on, shake your body baby, do the conga さぁこっちに来て、コンガを楽しみましょう I know you can't control yourself any longer もうあなた自身、抑え切れないのはわかってる
1999年に「Livin' la Vida Loca」で大ブレイクしたリッキー・マーティンは、『ビルボード・ラテン・ミュージック・アワード』ベスト・ポップ・アルバム受賞のスピーチで、会場にいたグロリアを指して次のような言葉を残しています。 “彼女が最初にラテンのポップ・ヒットを出してくれたからこそ、自分やその他のラテン・アーティストたちが世界中のレコード・マーケットで予想もしなかったような大成功を収めることができた…”
If you want to do the conga, コンガを楽しみたいなら you've got to listen to the beat そのビートを意識して耳を傾けるの