I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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「愛は面影の中に」ロバータ・フラック

2013.09.21

category : Roberta Flack

Roberta Flack - First Time Ever I Saw Your Face2 Roberta Flack - First Time Ever I Saw Your Face1


Roberta Flack - First Time Ever I Saw Your Face(1972年)


~『glee 3』よりの選曲~

今日は、9月25日(水)午前0時40分からNHKで放送予定のドラマ『glee 3』第10話よりの選曲です。
今回のテーマを挙げるとすれば、“プロポーズ”!
シュースター先生がピルズバリー先生にプロポーズするというのがメイン・ストーリーになっていて、その際の選曲と演出をニュー・ディレクションズに相談すると女子メンバーが推したのが「愛は面影の中に」でした…。

紹介曲以外の作品は、以下の通りです♪

Summer Nights/ミュージカル「グリース」より
Wedding Bell Blues/Fifth Dimension
Moves Like Jagger - Jumpin' Jack Flash/The Rolling Stones
Without You/David Guetta
We Found Love/Rihanna

NHK『glee 3 ホームページ』


~概要~

ロバータ・フラックは、1969年に1stアルバム『First Take』でデビューしました。
実は、今日紹介曲の「First Time Ever I Saw Your Face」はこのアルバムに収録された作品ですが、当初からシングル化されたわけではなくアルバム・シングル共に商業的には捗々(はかばか)しくはありませんでした。
しかし3枚のアルバムのキャリアを重ねた1971年、思わぬチャンスが舞い込みます…。

当時西部劇の大スターとして活躍していたクリント・イーストウッドが、自らの路線変更と“初監督”を試みた映画作品に「First Time Ever I Saw Your Face」を使いたいと申し出てきたからです。
その映画とは1971年11月に公開された『恐怖のメロディ(Play Misty for Me)』で、“モントレー・ジャズ・フェスティバル”で有名なモントレーのディスク・ジョッキーが主人公の物語だけあって、音楽は重要な要素でした。

この作品は1987年の映画『危険な情事』のお手本になったとも囁かれるように、クリントが女性ストーカーに追われる緊迫のサスペンス・スリラーで、非常にゆったりした曲調の「First Time Ever I Saw Your Face」とは結び付かないですが…?
クリントはそんなシリアスな作品にあって、恋人と過ごす安らかで平和なひと時を、甘美なこの曲で彩り対比させたかったのかもしれません。

映画起用による反響は予想外に大きく、劇場で映画を観た人々が「First Time Ever I Saw Your Face」を求めてレコード店に殺到したといいます。
そこで、翌年3月にシングルがリリースされると瞬く間にチャートを駆け上がり、Billboard Hot 100で6週連続No.1(1972年・年間2位)に君臨する大ヒットで、これは女性ソロ・シンガーとしては1959年のゴギ・グラント以来の1位保持記録でした。

この影響により「愛は面影の中に」が収録された1stアルバム『First Take』にも注目が集まり、こちらもBillboard 200(アルバム・チャート)でNo.1に輝く大フィーバーとなりますが…。
その総仕上げは翌1973年のグラミー賞で、「愛は面影の中に」は主要4部門のうち曲単位を対象とする2部門(最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞)を独占する快挙を成し遂げることとなるのです!


~オリジナル&カバー~

「First Time Ever I Saw Your Face」はロバータがオリジナルではなく、1957年にイギリスのシンガー・ソングライターのイワン・マッコールが後の妻となるペギー・シーガーのために作ったフォーク・ソングでした。
ところがこれを劇的に変えたのがロバータで、オリジナルが約2分半なのにも関わらず彼女のは5分半もあり、そのためテンポが非常にゆったりしています。
このテンポの変更はロバータの声質を際立たせ、元来“マロン”のように甘く落ち着いた濃厚な味わいがある歌声に、より深みを加える効果を与えました。
(個人的にも、そんな彼女の温かい歌声が大好きです…)

一方で、ロバータとは正反対の声質を持つセリーヌ・ディオンも1999年のアルバム『All the Way… A Decade of Song』でこの曲をカバーしていて、彼女独特の浮遊感を誘う透明な歌声もまた心地よい…。
リンクしてあるので、比較してみると面白いですよ♪



~Lyrics~

The first time ever I saw your face…
初めてあなたの顔を見た時

よく、“第一印象が大事”といわれますが、運命はこの時すでに決まっていたのでしょう。
空にきらめく星でさえ、恋人からの贈りものと思える…
そんな素敵な境地に、いつも心を置いていたいものです。
この、暴走ともいえる豊かな想像こそが、人をシアワセへと導く?


And the first time ever I kissed your mouth…
初めてあなたと唇を重ねた時

唇って、表皮で最もやわらかい部分です。
それが触れ合うわけですから、悪い感触のはずがありません。
でも、震えるほどの感覚というのは、そこに“特別なスパイス”が仕込まれているから?


And the first time ever I lay with you…
初めてあなたと結ばれた時

母の胎内に起源する私たちは、鼓動を聴くと心が安らぐものです。
誰かに抱きしめられると安心するのは、そういう意味もあるでしょう。
よく、互いの気持が一致することを“息が合っている”と表現しますが、互いの“鼓動が合う”ことはもっと深い意味で一致した気持ちになれる?


~Epilogue~

ロバータ・フラックの歌って、世の中が慌しい日常や流行音楽のせわしいリズムに流れる中でも、いつも変わらずゆったりとあったかい音の響きで迎えてくれます。
これまで“ロバータの歌を聴くと、どうして心が落ち着くのだろう?”と不思議に思ってきましたが、今回ようやく解った気がしました。
彼女の歌を聴くことで、私は“あるべき正常な鼓動”を確かめていたのだと…。



「愛は面影の中に」





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tags : 1972年 バラード/soul 優しい愛 年間No.1ソング グラミー最優秀レコード賞 グラミー最優秀楽曲賞 

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「愛のセレブレーション」ピーボ・ブライソン&ロバータ・フラック

2013.06.17

category : Roberta Flack

Peabo Bryson Roberta Flack -Tonight,I Celebrate My Love1 Peabo Bryson Roberta Flack -Tonight,I Celebrate My Love2


Peabo Bryson &Roberta Flack -Tonight,I Celebrate My Love(1983年)



~Prologue~

6月は当ブログとしてはネタに困らない月ですが、本日はそのうちの1つ…
“ジューン・ブライド”(June bride/6月の花嫁)に焦点を当て、ブライダル関連でよく使われる作品を特集いたします。
この曲は1983年の作品ですが日本でよく知られるきっかけとなったのが1989年(平成元年)の小柳ルミ子と大澄賢也の結婚披露宴で、ここでダンスをパフォーマンスした際のBGMが「愛のセレブレーション」だったことから“ウェディング・ソング”として浸透していったというワケです…(作品自体は結婚をテーマとしてはいない)。


~概要~

ロバータ・フラックは1973・74年と、2年連続でグラミー・最優秀レコード賞(Record Of The Year)を授賞した類まれな女性ソウル・シンガーで、“ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー”に名を連ねる(49位)男性R&Bシンガー、ダニー・ハサウェイとのデュエット作品も数多く残してきました。
ところが1979年にダニーが亡くなってしまい、大切な仕事上のパートナーを失ってしまいます。
その後任として名前が挙がったのがピーボ・ブライソンで、ソフトな“シルキー・ヴォイス”はロバータとの相性は抜群でした。

二人はまず、1980年に共同でライブ・アルバム『Live & More』を発表します。
その後82年のロバータのアルバム『I'm the One』でも一部共演すると、翌83年には二人のデュエットで構成された『Born to Love』を発表しました。
このアルバムに収録されたのが「愛のセレブレーション」で、アメリカ・Billboard Hot 100では16位・イギリスでは2位を記録しています。

二人の共同アルバムはこれきりでしたがピーボ・ブライソンは90年代にディズニー・アニメの主題歌で活躍し、『美女と野獣』の「ビューティー・アンド・ザ・ビースト〜美女と野獣」でセリーヌ・ディオンと、『アラジン』の「ホール・ニュー・ワールド」をレジーナ・ベルと共演し、ますますデュエット・シンガーとして磨きをかけてゆきました。


~作品~

作者はキャロル・キングの元夫であり“Top40ヒット59曲の作詞家”ジェリー・ゴフィンと、ホイットニー・ヒューストンの「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」を作曲したマイケル・マッサー
この作家コンビは、やはりウェディング・ソングによく用いられるジョージ・ベンソンやグレン・メデイロスの「変わらぬ想い」も生んでいます。

“Celebrate”は儀式を行なうといった意味で、原題の「Tonight,I Celebrate My Love」は直訳すると“今夜、私の愛の儀式を行ないます”となるでしょう。
じゃあそれがどんな儀式かというと、“I make love to you”と歌われています。
“make love”は単に愛し合うというよりも“肉体関係を伴う”ものを指し、それを“今夜執り行う”というワケです。

んっ!?
二人が一夜を共にするのが儀式となるってコトは…!
そう、この“二人にとって今夜が初めて”ということになります。

あれっ!?
“この二人、すでに深い仲じゃなかったの?”

実は、この二人の関係
…に、ついては“動画を見てのお楽しみ”として、その一線を越えるための儀式であるということです。
“Celebrate”というと“祝賀する”といった華やかな意味合いもありますが曲調を聴いて解るとおりこの作品には厳かな空気が流れ、その静寂さが二人にとってどれほど大切な儀式であるかを伝えています…


~今回の動画について~ (※動画は変更いたしました)

こういった作品の空気感を、私は動画でもそれを表現したいと思いました。
厳かで、静寂な夜、二人だけの神聖な儀式…

それがしっくりくる具現とは何だろう…?
思案の結果、最も近いイメージとして辿り着いたのは“キャンドルの炎”でした。

暗闇に静かに灯る小さな炎…
そこには、どこかホッとする安らぎと心惹く魅惑があり、私たちはこういう感覚を求めて恋をするのかも…

…ナンて、ネっ!?



「愛のセレブレーション」


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tags : 1983年 バラード/soul ピュアな愛 結婚 デュエット 

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