Roberta Flack - First Time Ever I Saw Your Face(1972年)~『glee 3』よりの選曲~今日は、
9月25日(水)午前0時40分からNHKで放送予定のドラマ『glee 3』第10話よりの選曲です。
今回のテーマを挙げるとすれば、“プロポーズ”!
シュースター先生がピルズバリー先生にプロポーズするというのがメイン・ストーリーになっていて、その際の選曲と演出をニュー・ディレクションズに相談すると女子メンバーが推したのが「愛は面影の中に」でした…。
紹介曲以外の作品は、以下の通りです♪
Summer Nights/ミュージカル「グリース」より
Wedding Bell Blues/Fifth Dimension
Moves Like Jagger - Jumpin' Jack Flash/The Rolling Stones
Without You/David Guetta
We Found Love/Rihanna
NHK『glee 3 ホームページ』~概要~ロバータ・フラックは、1969年に
1stアルバム『First Take』でデビューしました。
実は、今日紹介曲の「First Time Ever I Saw Your Face」はこのアルバムに収録された作品ですが、当初からシングル化されたわけではなくアルバム・シングル共に商業的には捗々(はかばか)しくはありませんでした。
しかし3枚のアルバムのキャリアを重ねた1971年、思わぬチャンスが舞い込みます…。
当時西部劇の大スターとして活躍していた
クリント・イーストウッドが、自らの路線変更と“初監督”を試みた映画作品に「First Time Ever I Saw Your Face」を使いたいと申し出てきたからです。
その映画とは1971年11月に公開された
『恐怖のメロディ(Play Misty for Me)』で、“モントレー・ジャズ・フェスティバル”で有名なモントレーのディスク・ジョッキーが主人公の物語だけあって、音楽は重要な要素でした。
この作品は1987年の映画『危険な情事』のお手本になったとも囁かれるように、クリントが女性ストーカーに追われる緊迫のサスペンス・スリラーで、非常にゆったりした曲調の「First Time Ever I Saw Your Face」とは結び付かないですが…?
クリントはそんなシリアスな作品にあって、恋人と過ごす安らかで平和なひと時を、甘美なこの曲で彩り対比させたかったのかもしれません。
映画起用による反響は予想外に大きく、劇場で映画を観た人々が「First Time Ever I Saw Your Face」を求めてレコード店に殺到したといいます。
そこで、翌年3月にシングルがリリースされると瞬く間にチャートを駆け上がり、Billboard Hot 100で
6週連続No.1(1972年・年間2位)に君臨する大ヒットで、これは女性ソロ・シンガーとしては1959年のゴギ・グラント以来の1位保持記録でした。
この影響により「愛は面影の中に」が収録された1stアルバム『First Take』にも注目が集まり、こちらもBillboard 200(アルバム・チャート)でNo.1に輝く大フィーバーとなりますが…。
その総仕上げは翌1973年の
グラミー賞で、「愛は面影の中に」は主要4部門のうち
曲単位を対象とする2部門(最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞)を独占する快挙を成し遂げることとなるのです!
~オリジナル&カバー~「First Time Ever I Saw Your Face」はロバータがオリジナルではなく、1957年にイギリスのシンガー・ソングライターのイワン・マッコールが後の妻となる
ペギー・シーガーのために作ったフォーク・ソングでした。
ところがこれを劇的に変えたのがロバータで、オリジナルが約2分半なのにも関わらず彼女のは5分半もあり、そのためテンポが非常にゆったりしています。
このテンポの変更はロバータの声質を際立たせ、元来“マロン”のように甘く落ち着いた濃厚な味わいがある歌声に、より深みを加える効果を与えました。
(個人的にも、そんな彼女の温かい歌声が大好きです…)
一方で、ロバータとは正反対の声質を持つ
セリーヌ・ディオンも1999年のアルバム『All the Way… A Decade of Song』でこの曲をカバーしていて、彼女独特の浮遊感を誘う透明な歌声もまた心地よい…。
リンクしてあるので、比較してみると面白いですよ♪
~Lyrics~The first time ever I saw your face…初めてあなたの顔を見た時よく、“第一印象が大事”といわれますが、運命はこの時すでに決まっていたのでしょう。
空にきらめく星でさえ、恋人からの贈りものと思える…
そんな素敵な境地に、いつも心を置いていたいものです。
この、暴走ともいえる豊かな想像こそが、人をシアワセへと導く?
And the first time ever I kissed your mouth…初めてあなたと唇を重ねた時唇って、表皮で最もやわらかい部分です。
それが触れ合うわけですから、悪い感触のはずがありません。
でも、震えるほどの感覚というのは、そこに“特別なスパイス”が仕込まれているから?
And the first time ever I lay with you…初めてあなたと結ばれた時母の胎内に起源する私たちは、鼓動を聴くと心が安らぐものです。
誰かに抱きしめられると安心するのは、そういう意味もあるでしょう。
よく、互いの気持が一致することを“息が合っている”と表現しますが、互いの“鼓動が合う”ことはもっと深い意味で一致した気持ちになれる?
~Epilogue~ロバータ・フラックの歌って、世の中が慌しい日常や流行音楽のせわしいリズムに流れる中でも、いつも変わらずゆったりとあったかい音の響きで迎えてくれます。
これまで“ロバータの歌を聴くと、どうして心が落ち着くのだろう?”と不思議に思ってきましたが、今回ようやく解った気がしました。
彼女の歌を聴くことで、私は
“あるべき正常な鼓動”を確かめていたのだと…。
「愛は面影の中に」
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1972年 バラード/soul 優しい愛 年間No.1ソング グラミー最優秀レコード賞 グラミー最優秀楽曲賞