Journey - Faithfully (1983年)~七夕~
折角の七夕ですが、7月の台風としては過去最強クラスといわれる台風8号が沖縄に接近しています。
みなさま、まず身の安全の確保をお忘れなきよう…。

さて…
七夕といえば、
“織姫・彦星伝説”が有名ですね(中国の伝説)。
織姫は機織り上手な女性で、牛飼いの牽牛とは夫婦でした。
二人は仲が良過ぎて遊んでばかりいたため天帝の怒りを買い、天の川を隔てて引き離されるも7月7日だけは会うことを許された…
…というお話。
“織姫星”こと・こと座の
ベガと、
“彦星”こと・わし座の
アルタイルは“夏の大三角”(+はくちょう座デネブ)を形成する星で、七夕の時期だと東の空・天の川を挟んで頂点に織姫星、対岸(下の方)に彦星があります(22~0時頃が見ごろ)。
伝説によると2人は1年に一度会うことになっていますが、実際2人の距離は16光年… ? …アレレっ


どうやって、1年に一度会うんだ…!?

無粋なツッコミはともかく、今回の作品はそんな“彦星のキモチ”を汲んだ選曲にしてみました♪
お星さまをご覧になれなかった方は、映像でどうぞ。~概要~「時への誓い」はアメリカのロック・バンド“ジャーニー”1983年の8thアルバム
『フロンティアーズ (Frontiers) 』からの2ndシングルで
Billboard Hot 100の12位(3週間/年間81位)、アダルト・コンテンポラリーでも24位を記録するバラードの代表曲の一つです。
前作『エスケイプ』で
「ドント・ストップ・ビリーヴィン」や「オープン・アームズ」など大成功に導いたジョナサン・ケイン(key)の手による作品で、こうした一連の“しっとりした楽曲”が生まれたのも彼に由るところが大きいでしょう。
当時ジャーニーが人気絶頂で家を留守にしがちだったジョナサンが、
奥さんのトーニーへの淋しさと愛情を“Faithfully(忠実に)”と想いを込めた内容になっています。
イントロのちょっと淋しげなキーボードはジョナサン、情感豊かなヴォーカルはもちろんスティーヴ・ペリー。
そんな静かな展開から、後半にかけてニール・ショーンの情熱的なギターに誘われるかのように切ない想いが堪えきれないほどに昂ぶってゆきます…。
ニールとジョナサンのコンビといえば忘れてならないのが1989年の“バッド・イングリッシュ”で、
「ホエン・アイ・シー・ユー・スマイル」では更にドラマティックな名演奏を聴かせてくれました!
PVは歌詞を反映させた内容となっており、メンバーがバスや飛行機でツアーを回る映像が入っています。
興味深いのは珍しくスティーヴが口ひげを生やしていることで、映像中にその“ヒゲを自ら剃り落とす”という荒ワザを披露していますよ!
~Lyrics~They say that the road人は言う…Ain't no place to start a family“ロードに、安らかな家庭を育む場所はない”とロック・ミュージシャンにとってライブは活動の柱であり、ツアーが始まると彼らは長期間家庭を空けることになり、その間家族は淋しい思いをすることになります。
職業柄仕方ないといえばそれまでですが、中には“ロードで家庭と仕事の一挙両得を成し遂げたオトコ”もいます!
かのポール・マッカートニーがその人で、“ライブ大好き+奥さん大好き”なポールはビートルズ解散後結成したバンド“ウイングス”に演奏経験のない妻リンダを無理矢理メンバーに加え(key)、レコーディングもツアーも全て活動を共にしました。
お陰でリンダが亡くなるまでの約30年に亘り、日本での“あの日”以外ほとんど2人が別々に過ごした日は無かったそうです。
リンダは、さぞ大変だったでしょうケド…?
Circus lifeサーカス団の暮らしUnder the big top worldその一員として生きるにはそんな
“music man”の暮らしを、サーカスに喩えているのでしょうか…。
いくら音楽が好きでも年中ライブ・パフォーマンスや長距離移動を強いられたら、苦しい時だってあるはずです。
娯楽に不自由しない現代の人々の目や耳を満足させるのは、容易なことではありません。
歯を食いしばって続けられるのは、自分のため? お客さんのため? それとも…?
Sending all my loveありったけの愛を、君に届けよう Along the wire二人だけの“線”にのせて離れた相手にメッセージを送る手段といえば昔は手紙だったでしょうが、この作品当時はPVでスティーヴが演じているように“the wire(電話)”が最も有効といえたでしょう。
敢えて“線”としたのは、電話線はみんなが共有する公の線なので、もっと“二人だけが繋がる特別な心の線”という極めて限定的な意味合いを含ませたかったから。
でも織姫と彦星はお互いの距離を、どう繋いでいるのでしょうね…
まさか、“LINE”!?
~Epilogue~And being apart離れ離れの恋をAin't easy on this love affair遂げるのは容易いことではないけれど確かに“離れ離れ”というのは互いを直接確かめ合えない淋しさや不安が募り、見えない分余計な心配をしたり苦労が絶えません。
しかし近くにいるからと安心が油断に変わり、隣にあっても相手の変化に気づかなかったり、互いが傍にいられる幸せすら感じ取れなくなってしまうことだってあります。
まるで、生きるために不可欠な酸素の存在を、私たちが普段気にも留めないかのように…。
出逢った頃のあなた自身の気持ちを、思い出してみてください。
現在は、何か変わってはいませんか?
“離れ離れ”で本当に深刻なのは物理的距離ではなく、“心が離れ離れ”になってしまった時。
大切なのは、二人を繋ぐ“心の線”を力を合わせ紡ぎ続けること…。
「時への誓い」
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1983年 バラード/Rock せつない愛