I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

「フォーエヴァー・マン」エリック・クラプトン

2019.04.06

category : Eric Clapton

Eric Clapton - Forever Man (1985年)



~概要~

「フォーエヴァー・マン」は、エリック・クラプトン1985年の9thソロ・アルバム『ビハインド・ザ・サン(Behind the Sun)』の収録曲です。
1stシングルとしてカットされ、Billboard Hot 100 で26位を記録しました。

1984年、エリックは当代一のヒットメーカーの一人となっていたフィル・コリンズとセッションを行い、彼のプロデュースによりレコーディングして一枚のアルバムとしてまとめ上げました。
しかし移籍第一作であった前作『Money and Cigarettes』が移籍前のセールスを下回ったことや、今作でもシングルを担える曲に乏しいと判断したレコード会社は不満を示し、「Forever Man」を含むジェリー・リン・ウィリアムス(Jerry Lynn Williams)作詞・作曲による3曲と一部差し替えることを求めました。
このため「Forever Man」はフィル・コリンズではなく、レニー・ワロンカー(後のワーナー・ブラザース社長)とテッド・テンプルマン(ドゥービー・ブラザーズ/ヴァン・ヘイレンなど)のプロデュースによる作品となっています。

演奏面でも、「Forever Man」にはTOTOファミリーからスティーヴ・ルカサー(g)/ジェフ・ポーカロ(Dr)/レニー・カストロ(Conga)が参加しているのに加え、以降エリックを長年に亘ってサポートすることになるネイザン・イースト(b)が初参加ししていることも特筆すべきことでしょう。
また、2009年には『Live from Madison Square Garden』で【Blind Faith】の盟友スティーヴ・ウィンウッドとの共演が実現しており、ファンにとっては歓喜雀躍モノの映像となっています。

本曲はエリックにとって初めてプロモーション・ビデオが制作された作品であり、当時MTVでも人気となりました。
ここで貴重なのは、「Layla」をはじめエリック・クラプトンの数々のギター伝説を奏で続けてきた愛器フェンダー・ストラトキャスター“Blackie”で、70年代からの過酷使用による老朽化で同年のツアーを以って引退となっています(後年一部のCMやイベントで使用されたことはある)。

CMといえば、日本では1998年に“和製クラプトン”と称された柳ジョージが本曲をカバーしたバージョンが日産自動車『グロリア』のCMソングに起用され、話題を呼びました。



 



~Lyrics~

How many times must I say I love you
何度“I love you”と言えばいい?
Before you finally understand?
お前が分かってくれるまでに

「いとしのレイラ」(過去ログ)を彷彿とさせる恋に熱情を燃やす男の物語ですが、異なるのは前項のとおり「Forever Man」は“エリックの個人的なドキュメントではない”ことです。
ご存知のとおり「いとしのレイラ」は親友だったジョージ・ハリスンの妻パティ・ボイドへの“横恋慕”を表したものであり、その後も彼女への猛アタックを続けたエリックは、1979年に念願のパティとの結婚を手に入れました。

そんな長年の夢を叶えたエリックが、このような歌が似合ってしまうのは何故…?


Won't you be my forever woman?
俺の“永遠の女”になってくれないか?
I'll try to be your forever man,
俺も、お前の“永遠の男”になるよう努力する

主人公の熱烈なプロポーズとは正反対に1984年9月、パティは家を出ました。
その後数年間パティは母親の家やロンドンの小さな家、フランスのマイク・ラザフォード夫妻の家などを転々としたようですが、その度にエリックから戻ってくるよう接触があり、彼女も二人の家を出たり入ったり繰り返していたようです。
そんな二人のやり取りは、「Forever Man」と重なるものがあります。

そして1989年、二人に別れ(離婚)の時が訪れます…。



~Epilogue~

大規模なツアーはこれが最後になるだろう”(2014年)
今回は本当に最後の来日になるかもしれない”(2016年)

近年、エリックの公演についていろいろ言われてきましたが、
今回は“平成最後の来日公演”だそうです!(4/13-4/20;日本武道館) 

しかし今年で74歳を迎えたエリックが近年、手足に力が入らず痛みが生じる【末梢神経障害】や、難聴や耳鳴りなどの【聴覚障害】に悩まされているのは確かなことで、彼にとって今の一年一年の活動は“クラプトン(神)であり続けることへの挑戦”でもあるような気もします。
“平成最後の来日公演”が、無事遂げられますよう…。

 

エリックにとって、親友から奪ってまで手に入れたパティ。
しかし二人の結婚生活は、諍いに満ちていました…。

離婚理由は【infidelity and unreasonable behaviour(不貞と無分別な行動)】とされていますが、実情からして最も深刻だったのはエリックの【暴力】だったと思われます。
パティは夜も寝室に早く入り彼が触れて来ないことを願いながら眠り、いつか彼に殺されるのではと怯えたこともあったといいますから、1984年9月に彼女が家を出たのも“避難”と言う方が正しいかもしれません。
その暴力を導いていた元凶が【酒】で、エリックは何度かアルコール中毒治療施設にも入院していますが効果は殆んど得られず、退院すれば更に酒量が増える…といったことが繰り返されていました。

また、パティとの別居状態が続いていたため【別の悪い癖】も出てきてしまい、その間にエリックは少なくとも2人の女性と関係を持ち、それぞれ1985年1月に娘が、1986年に息子が生まれています。
このことは結婚以来、子どもができず不妊治療に取り組んできたパティを大いに傷つけ、離婚の決め手となりました(パティは息子については離婚後にその存在を知った)。

You have been abusing her for far too long
お前はずっと彼女を虐げ続けた
Think you are a king and she is your pawn
まるで自分が王様で、彼女がその人質であるかのように

アルバム『Behind the Sun』収録の自作曲「She's Waiting」は、まるで当時のエリックとパティの関係を語っているかのようです。
そう仮定すると浮かび上がるのは、エリックのパティへの罪の意識と、もはや“別の愛”を心待ちにしているパティ(She's waiting for another love)との、埋めようのない心の乖離。
それでも引き留めたい男は、やはりこうするしかないのでしょう…

Won't you be my forever woman?
俺の“永遠の女”になってくれないか?
I'll try to be your forever man,
俺も、お前の“永遠の男”になるよう努力する

女が、そこに留まることはないと知りながら…。



「フォーエヴァー・マン」


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「ホワイト・クリスマス」エリック・クラプトン

2018.12.08

category : Eric Clapton

Eric Clapton - White Christmas1 Eric Clapton - White Christmas2


Eric Clapton - White Christmas (2018年)



~概要~

「ホワイト・クリスマス」は、2018年10月12日発売(日本では11月7日)エリック・クラプトンの22thアルバム『ハッピー・クリスマス(Happy Xmas)』に収録されている作品です。
アルバム・タイトルのとおりクリスマス・アルバムで、これは長い彼のキャリアで初のこと。
クリスマスのスタンダード・ナンバーやホリデイ・ソングを中心として構成され、オリジナル新曲「For Love On Christmas Day」も収録されています。
アルバム・カバーのサンタクロースのイラストはKingston College of Art出身(中退)のエリック自身が描いたもので、インナーにも彼によるトナカイのソリに乗ったサンタの絵が挿入されました。


エリックは毎年クリスマス・シーズンになるとジャズやスウィング、ロックなどの曲でクリスマス用の独自のプレイリストを作ってモバイルで楽しんでいましたが、そんな彼をずっと見てきた奥さまに3年前“何でクリスマス・アルバムを演らないの?”と訊かれたそうです。
彼に当初その気はなかったものの、3年経ってようやく彼女への答えに確信が持てるようになり、本作の試みへと繋がりました。
ホリデー・ソングを少しブルース調で演奏できるかもしれないって思った。それで、ヴォーカルの間にブルース・ラインを入れる方法を見つけたんだ…

『Happy Xmas』を発表したエリックは、ラジオ番組で次のように語ったそうです。
クリスマスアルバムを作ったばかりだから、今年はプレイリストを作らなくていいかも…”


「White Christmas」は1940年にアメリカの作曲家アーヴィング・バーリンが作詞・作曲し、その後ビング・クロスビーによって歌唱され“史上・世界で最も売れたシングル”として有名なクリスマス・ソングのスタンダード・ナンバーです。
しかしエリック・クラプトンver.では、歌詞は基本的に継承されているものの“メロディーは別物”になっており、加えてエレキ・ギターやブルース調といったオリジナルと全く異なるアレンジは、歌詞を認識しないと“同名異曲の「White Christmas」”に聴こえるでしょう。
クレジットをみるとカッコ付きで(Arranged by Eric Clapton and Simon Climie) となっていますが、サイモン・クライミーは本作のプロデューサーで、80年代にはクライミー・フィッシャー(Climie Fisher)として活躍した人です。


『Happy Xmas』発売を記念して11月16日、MTVの特番『A Clapton Christmas』が放送され、ネットでも公開されました。
エリックとサイモン・クライミーがアルバム制作秘話やスタジオ・パフォーマンスする内容となっており、「White Christmas」も披露されています。


 



~サンタクロースに宛てた少年の願い~

クレイ・アニメーションを用いた「White Christmas」のミュージック・ビデオは、クリスマスにまつわる少年の心情を描いたハートウォーミングなストーリーとなっています(メイン動画)。

大御所ブルース・マンのギター・プレイに心を奪われた一人の少年…
両親にギターをねだりますがお金がないと断られ、諦め切れない彼はサンタクロースへのリクエストの手紙に願いを託すことにしました。
以来、家にいても街を歩いてもギターの幻覚を見てしまうほどギターに一心で、せっかくの両親からのクリスマス・プレゼントにも顔を曇らせてしまうほど。
しかし両親は、彼の顔をほころばせる“もう一つのプレゼント”を用意してくれていました…。


この少年のストーリーは、エリックの少年時代の姿を彷彿とさせます。
1957年にアメリカのジェリー・リー・ルイスが「火の玉ロック(Great Balls of Fire)」を大ヒットさせていますが、当時12歳のエリック少年もこの刺激的なロックンロールに衝撃を覚えた一人でした。
しかし多くの人は【The Killer】ジェリー・リー・ルイスのワイルドな“パンピン・ピアノ”に魅了されたのに対し、エリックが特に目をつけたのはバックで地味に演奏するギター(ベース)でした。

まるで宇宙人を見ている気分だった。僕もあそこへ行きたい…

そこで彼は木を削ってギターの自作を試みるものの断念、家族にねだって13歳の誕生日に買ってもらった初めてのギターはエルヴィス・プレスリー・モデルのプラスチック製ギターでした。
最初に練習したのはハリー・ベラフォンテの「Scarlet Ribbons (For Her Hair)」というフォーク・ソングだった。何度も聴いて、耳だけで覚えたよ

 



~Epilogue~

少年時代、学校の勉強や女の子との会話が苦手でシャイだったエリックですが、“音楽がやりたい”ことだけははっきりしていました。
やがて友人に“シカゴ・ブルースの父”マディ・ウォーターズらのレコードを紹介され、そこからロバート・ジョンソンなどブルースへの傾倒が始まります。
エリックのブルースへの探求心は尋常ではなく、彼は日夜自室に籠ってコピー対象を何度も弾いてテープに録音し、完全に同じになるまでそれを繰り返す単調な作業を何時間、何日でも続ける…というもので、この頃の彼の様子について彼の祖母は“毎夜、リックの部屋から聞こえてくる調子外れな音に頭が変になりそうだった”と、証言しました。
一方、進学したKingston College of Artへの熱意はサッパリで、授業をサボってばかりの彼は“やる気のない人間を置いておくことはできない”と、学校を追い出される羽目に陥ってしまいます。

僕を育ててくれた祖父母はがっかりしていたよ…”

この十代の頃のエピソードだけで、その後のエリックの人生を象徴しています。
ブルースにのめり込んで、その一心さ故にグループの安定を失い
ドラッグや酒にのめり込んで、一時の快楽は得たものの必然・心と体の安定を失い
親友の妻にのめり込んで、それを奪って自らの妻としたものの因果ゆえ安らかな幸せは訪れず

“一つにのめり込むが故に、別の何かを失う…”

エリックの人生は、その繰り返しのような気がします。
一つにのめり込むからこそ一点は“光”として輝き、それ以外は“影”として自分や身近な人を傷つける…
その“痛み”こそが、【blues】なのだと。

【blues】は“孤独と憂鬱”であり、【Christmas】は“家族と幸福”です。
【blues】な生き方をしてきた自分が、【Christmas】を演じる…
その矛盾があるからこそ、長年エリックはクリスマス・アルバムを作ろうとしなかったのではないでしょうか?
或いは、【blues】も【Christmas】も彼にとって大事なものであるが故、安易にブレンドして両方の魅力を台無しにしたくなかったのかもしれません。

そして、齢73歳を迎えて試みたクリスマス・スタンダード「White Christmas」…
ここには、あらゆる【blues】を乗り越えてきたエリックだからこそ演じられた【Christmas】があるような気がします。

"May your days be merry and bright"
“あなたの日々が笑いと輝きに溢れ
"And may all your Christmases be white"
クリスマスが、真っ白な雪で素敵に彩られますよう…”



「ホワイト・クリスマス」


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「チェンジ・ザ・ワールド」エリック・クラプトン

2016.04.08

category : Eric Clapton

Eric Clapton - Change The World1 Eric Clapton - Change The World2


Eric Clapton - Change The World (1996年)



~日本大好き!エリック・クラプトン、21度目の来日~

エリック・クラプトンが4/13日から、“ホーム・グラウンド(※)”日本武道館で5夜限定の来日公演を行います。
(※格闘技オタクの彼にとって、そういう意味でも聖地である)
現在来日中の74歳ボブ・ディラン(過去ログ)が“最後の来日”といわれるように、現在71歳のエリックも“今回が最後”らしい…
…とはいっても彼の場合、もう15年前から来日の度にそんなことが囁かれており(その後6回も来ている!)、その信ぴょう性は微妙…?

ただ、以前からエリックは“70歳になったらツアーをやめる”と公言しており、今回の来日がそうであるようにこれからも単発的なライブはあり得るのかもしれません。
(原宿・明治神宮前『福よし』“鳥かつを食べたくなったら日本に来る”? ケコ~オッ!!



~概要~

「チェンジ・ザ・ワールド」は、1996年7月に公開されたジョン・トラボルタ主演のファンタジー恋愛映画『フェノミナン(Phenomenon)』の挿入曲としてエリック・クラプトンが歌唱した作品です。
シングルとしてBillboard Hot 100の5位(年間19位)を記録し日本でもラジオ局J-WAVE(TOKIO HOT 100)で年間No.1に輝くなど、世界各国で大ヒットしました。
その後も日本ではカバー&CMなどで広く・長く愛され続け、2015年3月からはトミー・リー・ジョーンズ&タモリの不思議な空気感と共に“サントリー・コーヒー・プレミアムボス”のCM曲としてお馴染みでしょう♪

“ギター・レジェンド”のエリックが“当代随一の音楽プロデューサー”ベイビーフェイス (Babyface)とコンビを組んだことでも話題を呼んだ作品であり、ベイビーフェイスはPVにもギター・プレイヤーとして出演しました。
翌年のグラミーで「Change The World」は“最優秀レコード賞/最優秀楽曲賞/最優秀ポップ男性ヴォーカル賞”の三冠を獲得しており、その授賞式でもこの2人のギターの弾き語りによってパフォーマンスされています。
以来エリックのアコースティックの定番としてライブには欠かせないナンバーとなりましたが、一方のベイビーフェイスにとっても長年のレパートリーとなっているようです。


あまりにもこのイメージが強いせいか、彼またはベイビーフェイスの作曲と思われがちですが作者はこの何れでもなくトミー・シムズ(ブルース スプリングスティーンの「Streets of Philadelphia」をプロデュース)、ゴードン・ケネディ、ウェイン・カークパトリックによって1990年代前半に書かれたものです。
エリックがこの曲を聴いたとき車を運転しながらノンストップで200回聴き続けるほど気に入ったそうで、ヒットを確信したといわれます。

さらに、初めて「Change The World」を正式に発表したのはアメリカの女性カントリー歌手ワイノナ・ジャッド(Wynonna Judd)で、エリックver.の5カ月前の1996年2月にリリースしたアルバム『Revelations』に於いてでした。
エリックver.がグラミーで最高の評価を得たにもかかわらず、アカデミー歌曲賞の候補に挙がらなかったのはこのためと思われます。

 
 
Eric Clapton Change the World 投稿者 cloudy_boy



~Lyrics~

If I could reach the stars
もしもこの手が星に届くなら
Pull one down for you
ひとつ、君に取ってあげよう

“星に手が届くワケないじゃん!”
…なんて、ツッコミ入れているのは誰です?
折角のムードですから、そっとしておいてあげましょう♪

 星なんて持ってきたら、押し潰されるに決まってるし?
 ・・・・


If I could be king, even for a day
僕が一日、キングになれたなら
I'd take you as my queen
君をクイーンに迎えよう

覚えておいでですか?
“オリジナルは女性が歌っていた”ということを!
そのため、“エリックver.ではkingとqueenを入れ換えて”歌っています。

ちなみに[United Kingdom]ウィンザー朝の君主エリザベス2世の称号は【Queen】ですが、夫エディンバラ公の称号は【Prince】です。


But for now I find
今はまだ
It's only in my dreams
夢の中にある物語

…そう、これは何もかもまだ夢の物語。
道理で【stars】【world】【universe】など、ハナシが大きいわけですね♪

 う~む、“君という宇宙を照らす陽の光となろう”は使えそうだ…。
 また悪いコトに使うつもりじゃないでしょうね?



~Epilogue~

“Change The World”

…なんて、大業を目標に掲げた偉人が好んで言いそうなセリフ?
例えば2008年のアメリカ大統領選挙でバラク・オバマ氏が連呼した
Change, Yes, we can.変えよう、我々ならできる)”が浮かびます。

あるいは、アップル・コンピュータ創業者のスティーブ・ジョブズ氏の有名な殺し文句!
Do you want to sell sugared water for the rest of your life, or do you want to come with me and change the world?
このまま一生砂糖水を売り続けたいか、それとも私と一緒に世界を変えたいか?
[ペプシコーラの事業担当社長ジョン・スカリー氏(※)をアップルに引き抜いた際の言葉(※マイケル・ジャクソンをCMに起用するなど、ペプシをコーラ業界トップにした人)]

主人公は、“大業を成し遂げられたら君と幸せを築く”というのだろうか…
それとも、映画『フェノミナン』のように奇跡によって世界は変わる?


私は、大業とか奇跡ではない、ごく普通の人のストーリーを想像しました。
誰かに恋をして、ひとり胸を膨らませ、あるいは想いは共有しているものの【kingdom】を築くだけの条件がまだ揃っていない…
そんな、誰にでもあるような平凡な夢や悩みです。
それが叶おうと叶うまいと、きっと世の中の大勢に影響を及ぼすこともないささやかな人生…

You would think my love was really something good,
きっと心からこの愛を喜んでもらえる
Baby if I could change the world
僕が、世界を変えることができたなら…

たとえ自分という小さな世界であれ、人はままならないその現実に悩み、苦しむ。
そして、彼は明日という日に光を描かずには生きられない。

この詩は、そんな“あなたという宇宙を照らす陽の光”… 
 ハテ、何処かで聞いたような…



「チェンジ・ザ・ワールド」

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「ホワイト・ルーム」クリーム

2014.10.31

category : Eric Clapton

Cream - White Room1 Cream - White Room2


Cream - White Room (1968年)



~ジャック・ブルース死去~

エリック・クラプトンが1960年代に在籍し、実働僅か2年で伝説となったロック・バンド“Cream”の元ベーシスト兼ヴォーカリストのジャック・ブルースが、10月25日に亡くなりました(肝疾患と思われる/享年71)。
ジャックはロック界を代表するベーシストとして同世代・後進を問わず多大な影響を与え、彼の死を悼んだリンゴ・スターやトニー・アイオミ(ブラック・サバス)、フリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)ほか多くのコメントが寄せられたそうです。

盟友であるエリック・クラプトンからは、“彼は素晴らしいミュージシャンで作曲家だった。そして、僕にとってとてつもなく大きなインスピレーションだった。”のメッセージと共に、エリック自身のアコースティック・ギターによる「For Jack」という追悼曲が捧げられています。

 Cream - White Room3Jack Bruce(1943-2014)

 ブラウザの環境(IE?)によって「For Jack」の再生画面が正しく表示されない場合は
直接オフィシャル・サイトでお聴きください。



~概要~

クリームは1966年に“The Graham Bond Organisation”のジンジャー・ベイカー(dr)が、当時早くも“CLAPTON IS GOD”と形容される存在となっていたエリック(g/vo)を新しいバンドに誘い、彼の“ジャック・ブルース(b/vo)を加えるなら”という条件の下に結成され、同年1stアルバム『Fresh Cream』でデビューしました。
1968年7月、3rdアルバム『クリームの素晴らしき世界(Wheels of Fire)』がリリースされますが、それとほぼ同時期に“バンドの解散(の意向)”という悲しい知らせが発表されてしまいます。
同年9月、「ホワイト・ルーム」はアルバムからの1stシングルとしてカットされBillboard Hot 100で6位(年間69位)を記録するものの、まさにその光の陰でクリーム最後のライブ(1968年11月26日のロイヤル・アルバート・ホール)が遂行され、バンドは実働2年という短い歴史の幕を下ろしました。

「ホワイト・ルーム」の作者は作曲がジャック・ブルース/作詞が詩人ピート・ブラウンで、もう1つの代表曲「Sunshine of Your Love」もこの二人のコンビによるものです。
「ホワイト・ルーム」…というか、クリーム・サウンドの特徴の一つであるギター音の独特な歪みは“ワウペダル (Wah-wah pedal)”というペダルを足で操作するエフェクターを用いたもので、当時のジミ・ヘンドリックスの影響を受けています。


オリジナルのリード・ヴォーカルはブルースですが、1985年の“LIVE AID”以降エリックも「ホワイト・ルーム」をステージで歌っているので、この曲を(露出の多い)エリックの作品と思っている方も少なくないのではないでしょうか?

 Eric Clapton (Live Aid 1985)


 2005年にクリームが再結成されたロイヤル・アルバート・ホールのステージでは、ジャックとエリックが分け合うカタチで歌われました。

 Cream (Royal Albert Hall 2005)



~Lyrics~

In the white room with black curtains near the station.
“その駅”の近くにある、黒のカーテンに閉ざされた白い部屋
Black-roof country, no gold pavements, tired starlings.
黒い屋根で覆われた国…黄金の舗道も無く、疲れたムクドリが佇む

この作品は抽象的で、論理的な成文というより何かを暗示する言葉を羅列して構成されています。
“その駅”、“黒カーテンの白い部屋”、“黒屋根の国”、“黄金の舗道が無い”、“疲れたムクドリたち”…

何を意味するか、あなたもご一緒に想像してみでくださいネ? 


Silver horses run down moonbeams in your dark eyes.
銀色の馬が月光を駆け下り、お前の黒い瞳に宿る
Dawn-light smiles on you leaving, my contentment.
暁陽が微笑み、俺を満たしお前は去りゆく

この作品は独特な言葉遣いが多いので、私も言葉を創ってみました!
(あかつき)の(ひ)と書いて、“ぎょうよう”。
早速辞書を2,3当たってみると該当せず、どうやら“新語”っぽい♪
ところが、ネットを検索してみると“先客”が…!?

【暁陽】は“人名”として用いられることがあるようで、【あきひと】という呼び方もありました。
それ以外にも、最近は【暁陽=あきひ・あけひ】と読ませる人もいるようで…
でもコレって、男の子? 女の子? 


I walked into such a sad time
あぁ、これ程まで悲しい時間の渦に足を踏み入れてしまった
at the station.
“その駅”で…

この物語に於いて、“the station”はとても大切な意味を持っていると思われます。
一般的にも“駅”は人と人との出会いの場であり、別れの場。
主人公にとっても、それが当てはまるかもしれません。
walked intoが悲しみのはじまり”だとしたら、二人の間に何があったのでしょう…。



~Epilogue~

あなたはこの歌に、どんな物語を想像しましたか?

何せロックだし彼ら自身が“曰く付きな人達”なので、ロックの世界にどっぷり浸っている人ほど“これは麻薬を示唆した歌で、駅は主人公とヤクの売人と接点”…といった連想を働かせるかもしれません。
確かにそれでも筋が通るし、私が意味を理解できなかった3番の歌詞(At the party… )の不可解さも説明が可能でしょう。
どんなストーリーを描くかは、あなたの心に全て託されています…。


I'll wait in the queue when the trains come back;
俺は待つ…列に並び、列車の帰りを
Lie with you where the shadows run from themselves.
お前の幻影を抱き…影さえ逃れんとする暗闇の中

私が描いたのは、“倫ならぬ恋”…
あるいは、“コール・ガールとの恋”なのかもしれません。
相手の女性は割り切って付き合っているのに対し、主人公は“自分だけのものにする”ことを強く望んでいます。

二人の現在が交わるのが“駅”や“黒カーテンの白い部屋”・“黒屋根の国”と秘密めいており、これらの場所は実在というより彼の心象風景なのかもしれません。
二人が描く未来は一致しておらず、だからこそ彼らの世界には“黄金の舗道(=希望?)”が存在しない。

彼は、孤独な暗黒の中で一人待ち続けることでしょう。
いつか“列車”が帰って来ることを信じ、いつまでも、いつまででも。
それがきっと、彼女に“walked into”してしまった彼の生きる意味…。



「ホワイト・ルーム」

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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「ワンダフル・トゥナイト」エリック・クラプトン

2013.10.23

category : Eric Clapton

Eric Clapton - Wonderful Tonight1 Eric Clapton - Wonderful Tonight2
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Eric Clapton - Wonderful Tonight(1977年)


~Prologue~


「いとしのレイラ」で親友ジョージ・ハリスンの妻パティ・ボイドへの恋を高らかに“宣言”し、何年もの“茨(いばら)の道”の末とうとう彼女を手に入れたエリック・クラプトン。
「ワンダフル・トゥナイト」は、そんな幸せの絶頂にあった彼の心境を物語る“Love Story”です。
果たして、神はこの二人に“永遠”をお与えになったのでしょうか…。


~概要~

「ワンダフル・トゥナイト」は1977年のアルバム『スローハンド(Slowhand)』の収録曲です。
“Slowhand”はヤードバーズ時代にライブでギターの弦を切って、弦を張り替える間観客がゆっくり拍手(スローハンド)して彼の戻りを待ったという逸話から名付けられたエリックの愛称で、彼の“代名詞”にもなっています。
アルバムはBillboardで2位を記録、ローリング・ストーン誌“500 Greatest Albums Of All Time”325位にも選ばれる名盤です。

「ワンダフル・トゥナイト」は78年に2ndシングルとしてBillboard Hot 100で16位を記録し、日本では1992年のドラマ『しあわせの決断』の主題歌にも起用されました。
当時の彼にしては珍しいしっとりとしたバラード・ナンバーで、ファンの間では賛否が分かれたようですが「いとしのレイラ」のように攻撃的でなくとも、この曲で聴かせる“泣きのギター”はやはり見事としか言いようがありません!

エリックの作品中でも屈指の人気ナンバーでありライブでもよく演奏されますが、オリジナルに比べてもさらに
スローに歌われることが多いようです。

1974年にパティはジョージと別居しエリックの元に身を寄せたわけですが、すぐに離婚が成立したわけではありません。
「ワンダフル・トゥナイト」は、1976年9月7日に催されたポール・マッカートニー夫妻が主催の“バディ・ホリー・パーティ”のあった一日のことを書いたとされ、この時パティは法的にはまだ“ハリスン夫人”でした。
パーティといってもホーム・パーティなどではなく音楽関係者が多数集まる盛大なもので、当時二人は“ビミョ~な関係”のまま、この晴れがましい場に“連れ”として出席していたことになります…。


~Lyrics~

It's late in the evening
夕暮れが宵へと移ろうころ
She's wondering what clothes to wear
ドレス選びに思いを巡らす君

夫婦が出掛ける前の、ごくありふれた光景です。
パティは準備に時間が掛かりエリックはそれを待っていますが、そこはさすがに一流のミュージシャン!
実は「ワンダフル・トゥナイト」は、この待ち時間に書かれたといわれています。


Is that you just don't realize
君は気づいてはいないね
How much I love you
どれほど俺が、深く君を愛しているか…

ちょっと回りくどい表現ですが、要は“君が想像する以上に、僕は君を愛している”と言いたかったのでしょう。
でも、“パティがエリックを十分理解してくれていないという不満(不安)”とも、取れなくもない…?
(その辺についての根拠は、この後…)


As I turn out the light
君に語り掛ける…
I say my darling, you were wonderful tonight
“今夜の君は特別に素敵だった”

タイトルは「Wonderful Tonight」ですが、本当に言いたかったのは“you were wonderful”ですよね!
昔だったら酔っ払って帰ってきたら、そのまま倒れて朝まで…
…みたいな生活が、やさしく介抱してくれる人がいるという幸せを、しみじみ思う瞬間かもしれません。


~激しい愛、穏やかな愛~

さて、その後1977年にパティとジョージの正式離婚を経て、1979年にようやく二人の結婚は叶えられています。
しかし、幸せな結婚生活は長くは続きませんでした。
原因はエリックの女癖とアルコール依存症(どちらも重度)で、パティが“命があったのは幸運”と振り返るほど二人の生活は荒れていたようです。
決定的だったのは1985年、子どものできないパティをよそにエリックが別の女性と子どもを設けただけでなく、翌年にもまた別の女性との間に息子が生まれたことでした。
結局、エリックの熱烈な略奪愛に始まった二人の結婚生活は哀しみ色に満ちたまま、1989年に幕を閉じることとなります…。

当時のことをパティは“まるで大人ぶって遊んでいる子供だった”と振り返り、エリックとの結婚については後悔しているそうです。
彼女のことを歌った「ワンダフル・トゥナイト」についても、“舞い上がるほどうれしかった。でも幸せだったあの頃を思い起こさせるだけに、エリックとダメになってからは拷問のようだった”といいます。
一方で、“エリックに出会うまで、あれほど誰かを深く想い抱くことなどなかった。彼を拒んでいたら、私はあの情熱的な愛を知る事は出来なかった。”とも語っています。

また、最初の夫であるジョージ・ハリスンとは生涯仲の良い兄妹のような関係であったそうです。
別れに際し“困ったことがあった時は、いつでも頼っておいで。”とパティに言い渡した彼は、実際にもエリックとの生活でお金に困っていた彼女を黙って支援してあげたこともあったとか…。
“ジョージの愛はエリックの激しい愛に比べ、穏やかで優しい愛だった。私がもっと我慢すれば、最後は二人で笑えていたかもしれないのに…。”と、後悔を述べています。


~Epilogue~

身も心も焦がすような激しい愛か、穏やかで包み込むような優しい愛か…
人は、恐らくどちらの願望も持ち合わせているものなのでしょう。
でもパティの場合、出逢う順番が違っていたら人生そのものが違った色になっていたのかもしれませんね…。



「ワンダフル・トゥナイト」

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

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