この公式English Ver.が最初にお目見えしたのは、1991年のビデオ映像『TATS YAMASHITA PRESENTS CHRISTMAS IN NEW YORK』でした。 その後1993年にクリスマス・ソング&アメリカン・スタンダードで構成されたアルバム『SEASON'S GREETINGS』に収録され、2000年からシングルにも採用されています。
Rudolph the red-nosed reindeer 赤鼻のトナカイ、ルドルフは Had a very shiny nose とてもつやつやした鼻の持ち主
【赤鼻のトナカイ、ルドルフ】は、大手総合小売り業チェーン『モンゴメリー・ウォード (Montgomery Ward)』の広告コピーライターのロバート・ルイス・メイ (Robert Lewis May)が、1939年に同社の宣伝配布用の小冊子のために書いた詩文『ルドルフ 赤鼻のトナカイ(Rudolph the Red-Nosed Reindeer)』の主人公として創作されたキャラクターです。
1948年、ロバートの義理の兄弟ジョニー・マークスがルドルフの詩に基づいた歌曲「Rudolph the Red-Nosed Reindeer」を作詞・作曲しビング・クロスビーらへの楽曲提供を試みるものの断られ、1949年にジーン・オートリーによって初めて世に発表されることとなりました。 その後『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』は1964年にNBCでパペット・アニメーションが制作され、以来現在に至るまで日本はもちろん世界中で同アニメが放送・DVDなどで愛され続けています。
「ワンダフル・クリスマスタイム」は1979年11月16日発売のポール・マッカートニーのシングルで(B面は「Rudolph The Red-Nosed Reggae」)、ビートルズ解散後初のソロ・シングル「Another Day」(1971年)以来8年ぶり、そして実現するはずだったウイングスの日本公演直前の1980年1月5日に全英6位を記録しました。 1979年6月、ポールはウイングスのアルバム『Back To The Egg』をリリース後6週間ほど自宅スタジオに籠って一人でレコーディングを行っており、この音源は翌年のソロ・アルバム『McCartney II』として発表されることとなりますが、「Wonderful Christmastime」もこの時の録音によるものです。
しかし2000年代に入ってから急に新しい世代によるカバーが増えたことでクリスマス・ソングとしての人気が確立され、カイリー・ミノーグのポップスはもちろんDe La Soulのヒップホップ、Helixのヘヴィー・メタル、Eli Young Bandのカントリーといった実に幅広いジャンルからのアプローチがみられます。 このためポールは現在でも本曲だけで年間40万ドルの印税収入があり、累積だと1500万ドルにも上るそうです!
2013年にはアメリカの人気番組『Saturday Night Live』でポール自身がコメディを演じると共に本曲を披露したり、昨年12月には『The Tonight Show』で司会のジミー・ファロンや番組の“ハウス・バンド”を務めるザ・ルーツ、今年3月に日本でも公開された映画『SING/シング』のキャラクターとその声優陣(スカーレット・ヨハンソン、リース・ウィザースプーンほか)らと共にアカペラ・バージョンの楽しい映像を公開しました。
スーパースターと呼ばれるミュージシャンは大抵何かしらのクリスマス・ソングやクリスマス・アルバムの類いを出しているものですが、意外にもビートルズはそうした作品をリリースしていません。 敢えてこじつけるなら1964年12月4日に発売で“クリスマス・セール”に引っ掛けてタイトルされたアルバム『Beatles for Sale』がありますが、選曲自体はクリスマスに関連したものではありませんでした。 解散後はご存知のように、ポールの「ワンダフル・クリスマスタイム」やジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス(戦争は終った)」がスタンダード・ナンバーとなっています。
また、最もクリスマスが似合いそうなリンゴ・スターはメンバー中唯一クリスマス・アルバム『I Wanna Be Santa Claus』(1999)を発表しています(タイトルが何とも彼らしい♪) 一方、ジョージ・ハリスンはヒンドゥー教徒なので恐らくクリスマス・ソングはありませんが、1974年12月6日に「Ding Dong, Ding Dong」というシングルをリリースしBillboard Hot 100で36位と小ヒットしました(タイトルと発売時期は明らかにクリスマス・セールを意識している!)。 この曲は【参加ミュージシャンがあり得ないほど豪華】で、ドラムスにリンゴ・スター、ギターにロン・ウッドとミック・ジョーンズ、ベースにクラウス・フォアマン、ピアノにゲイリー・ライト、ホーンにトム・スコットらを揃え、更にはPVでジョージ自らがビートルズ時代の自分の衣装を着せ替え人形状態で見せるサービスぶりで、とりわけ【襟なし服】は見ものです!
Ringo Starr - Christmas Eve / George Harrison - Ding Dong, Ding Dong
「Christmas Time (Is Here Again)」は、イギリスのファン・クラブ向けに1967年のクリスマスに製作されたソノシート・レコード(雑誌の付録に付いてくる赤いペラペラのアレ)のために録音された歌。 楽曲自体は【Christmas time is here again】ほかの短いフレーズをひたすら繰り返す極めて単純な構成で、恐らくその場の即興で創られたものと想像しますが、メンバー全員によるハーモニーがビートルズらしくて魅力的です。
その後1995年、「Free as a Bird」に本曲の短縮編集バージョンがカップリングされました。 (本項ではComplete Versionを紹介)
「ザ・クリスマス・ソング」はフランク・シナトラと並ぶアメリカ・ジャズ界の巨人であった歌手/作曲家メル・トーメ(Melvin Howard “Mel” Tormé)と、当時彼とコンビを組んでいたソングライター、ロバート・ウェルズ(Robert Wells)が1945年に共作した作品です。 楽曲自体はほんの40分で出来上がったものの最初のレコーディングはそのメル・トーメではなく、1946年6月にナット・キング・コール率いる“The King Cole Trio”による最少編成でのシンプルなものでした。 しかしこの音源は所属レーベルであったキャピトル・レコードの反対に遭い発表は叶わず、40年以上経った1989年にようやく初公開されています。
1946年8月、初めてレコードとして発売されることとなる音源が“The King Cole Trio with String Choir”によって録音、その名が示すとおりここで初めてストリングス(弦楽四重奏およびハープ)が編成されました。 このバージョンは同年11月に78回転盤(蓄音機用レコード)としてリリースされ、ポップス/R&Bチャートの双方で大ヒットという成果を残しています。 1953年11月には、初めて磁気テープを使用しネルソン・リドルのフル・オーケストラを加えた3度目の録音が78回転SP盤(10インチ)/7インチ45回転盤の双方で発売されました。
1961年3月、ナットの初期のヒット作をステレオで再録音するという企画のアルバム『The Nat King Cole Story』のため、「The Christmas Song」は4度目のレコーディングが試みられ、アレンジは1953年ver.とほぼ同じだったものの円熟味を増したナットのヴォーカルとステレオ録音ということから、現在まで最も知られているのがこの1961年ver.です(1991年にはデジタル・リマスターが施された)。
今秋スバル『Newインプレッサ』のCM(愛でつくるクルマ篇)にDREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE」が起用され気になっていましたが、11月28日からはクリスマス期間限定(愛で選ぶクルマ クリスマス特別篇)で同じくドリカム「雪のクリスマス ‐ VERSION‘16」が流れています。
Looking to the sky, I wonder where you are, 空を見上げ、あなたを想う…“いま、何処に?” The way you came into my life, filling every day with laughter あなたと出逢ってからの私は、毎日が笑い声に満ちていた…
「Winter Song」は雪の降る寒い夜、空を見上げ遠くにある愛する人に想いを巡らす歌です。 ただし、その相手についてLyricsは【Tonight wherever you are..】と、オリジナルの「雪のクリスマス」は【たとえあなたが誰といても】と言及しています。 そんな背景を考えると、彼女の一途な想いにはちょっと“複雑な事情”もありそうです…。
クリスマス・ソングはキリストの生誕や家族の絆を意識させることからハッピーで穏やかな作品が多いですが、一方で山下達郎の「クリスマス・イブ」や昨年特集した「I'll Be Home for Christmas」のように、“さみしいクリスマス”を歌ったせつない名曲も数多くあります。 みんなが幸福感を覚える時期だからこそ、その喜びを分かつべき誰かがそばにいない孤独…。