Lady Gaga - The Edge Of Glory(2011年)~『glee 3』よりの選曲~約半年近くに亘ったドラマ『glee 3』も、いよいよあと2回を残すのみ。
次回
1月8日(水) 午前0時40分~からの第21話“夢の全国制覇!?”は、タイトルが示すとおり全国大会のエピソードなので歌がメインの展開です。
ウーピー・ゴールドバーグやリンジー・ローハンらがゲスト出演しているので、そちらもお楽しみに!
紹介曲以外の作品は、以下の通りです♪
It's All Coming Back To Me Now / Celine Dion
Paradise By The Dashboard Light / Meat Loaf
Starships / Nicki Minaj
Pinball Wizard / The Who
Starlight Express / Starlight Express
Tongue Tied / GROUPLOVE
We Are The Champions / Queen
NHK『glee 3 ホームページ』~概要~音楽情報サイト『BARKS』で2013年洋楽ニュースのTOP1を、レディー・ガガ(彼女の下半身に起こった
アノ悲劇…)”が飾ったように、良くも悪くも現在最も影響力を持ったスターである彼女。
そんなガガが2011年にリリースした2ndアルバム
『ボーン・ディス・ウェイ (Born This Way)』は1stシングルとなったタイトル曲のインパクトと奇抜なミュージック・ビデオにより世界中の目を釘付けにして、その存在の大きさを再認識させました。
しかしこのアルバム自体音楽評論家から高い評価も受けており、3rdシングルの「ジ・エッジ・オブ・グローリー」もその一つといえるでしょう。
「ジ・エッジ・オブ・グローリー」はStefani Germanotta (ガガの本名)らによる作品で、Billboard Hot 100で
3位を記録しました。
日本では、2011年の
ドラマ『ジウ 警視庁特殊犯捜査係』主題歌としてご存知の方も多いことでしょう。
ロック色の強いダンス・ナンバーで、ブルース・スプリングスティーンの“Eストリートバンド”でお馴染みのサックス奏者
クラレンス・クレモンズがプレイしたことでも話題を呼びましたが(PVにも出演)、この曲がシングルとしてリリースされた直後、残念ながら脳卒中のため彼はこの世を去ってしまいました(享年69)。
私は音楽的に「ボーン・ディス・ウェイ」より気に入っている作品で、シンプルなPVは奇抜さがない分好き嫌いもなく、大多数が“cool”と思える映像になっています。
~背景~この作品は、
ガガのおじいさんが亡くなった際の体験が素になって生まれたと、彼女自身が語っています。
上記のとおり正式版はロック・ビートの強いナンバーですが、元々はおじいさんが亡くなった後、ガガとお父さんが哀しみの感情の中で弾いたピアノから生まれたそうです。
ガガをテレビでしか見たことがなく彼女を単に“奇抜なファッションの人”という認識をお持ちの方は、この曲をピアノで弾き語るさまをご覧になると
“彼女が何者であるか”、ご理解いただけるでしょう…。
また、亡くなったおじいさんの遺骸のそばで付き添うガガのおばあさんを見つめている時、不思議な体験をしたそうです。
悲しんでいるおばあさんを前に、彼女と60年連れ添ったおじいさんが
“私たちは人生の勝者だ。二人の愛が勝利を導いたんだ。”と語ったように感じたといいます。
この体験がガガにインスピレーションを与え、作品の世界観を創っていったのです。
さらにガガはこの作品のヒントになったものとして、彼女の大好きなシルヴェスター・スタローン主演のボクシング
映画『ロッキー』を挙げています。
『ロッキー』というと、ロッキーが叫ぶ“エイドリァ~ン!!”のエンディングが鉄板シーンで、そういえば上記エピソードとも重なる気がしませんか?
~Lyrics~There ain't no reason you and me should be alone
Tonight, yeah, baby! (Tonight, yeah, baby!)あなたと私…今夜、互いが一人きりでいるべき理由なんてないAnd I got a reason that you're who should take me home tonight (Tonight)けれど、私…今夜、あなたの家に連れ帰られるべき理由があるの“There ain't no reason”と“I got a reason”の対比が効いて、ロックっぽいクールな表現。
どうやら“
お・も・ち・か・え・り
”されたがっているようですが、本人にとっては切実な想いがあるようです…。
Another shot before we kiss the other side今夜、もう一度…Tonight, yeah, baby! (Tonight, yeah, baby!)あの世でキスを交わす、その前にこの連は“the other side”をはじめ生死観が色づけされていて、ガガのおじいさんとおばあさんの“この世のお別れ”の影響を感じさせます。
あの世に行ってもキスはできるのだろうけど、せめてこの世であと一回、キスを交わそう…
そんな想いが、去来しているのでしょうか…。
I'm on the edge of glory, and I'm hanging on a moment of truth栄光の端…私はそこで、真実の一瞬に縋(すが)りつくOut on the edge of glory, and I'm hanging on a moment with you光の外…あなたとの一瞬に縋りつくタイトルにもなっている、歌のメイン・フレーズです。
“the edge of glory”の解釈はとても難しく、その表現は自分でも最後まで迷ったし満足してはいません。
でも、どうして折角の栄光を“端っこで縋りつく”ようにしなければなければならないのでしょう?
実はgloryは“絶頂”、edgeは“刃・端”という意味があって、私は“山の頂上はとても狭く、一歩踏み外せば断崖から転げ落ちる危うさを併せ持つ場所”という想像をしました。
当代一のスターであるガガ自身が置かれた境遇と合わせて“絶頂の断崖”も面白いかなとも思いましたが、“もう一つの説”と共存できるようなカタチでまとめた次第です…。
~Epilogue~“もう一つの説”とは…
映画『ロッキー』です!
ロッキーは賭け率50対1のチャンピオンとの闘いを前にして試合前夜、恋人のエイドリアンに“ちょっと前までクズだった俺が、ヤツに勝てっこない…”と弱音を吐きます。
“でも、もし最後のゴングまでリングに立っていられたなら、自分がもうゴロツキではないことを証明できる…。”…そう、彼女に誓うのです。
壮絶な打ち合いの末ロッキーは判定負けを喫しますが彼にとっては勝敗などどうでもよく、
前夜の誓いを遂げた悦びをエイドリアンと分かち合いたい一心で彼女の名を叫び続けます。
勝者に脚光が当てられる中、ロッキーはリングの片隅で、駆けつけたエイドリアンと抱き合って悦びに満たされるのでした…。
どうです、歌と重なりませんか?
本当の勝利とは…
真の栄光とは誰のため、どんな価値のものなのか、深く心に問い掛けるてくるようです。
そして…
その心は、上記ガガのおじいさんがおばあさんに向けた“私たちは人生の勝者だ。二人の愛が勝利を導いたんだ。”という言葉と繋がっているのではないでしょうか?
そう考えると、この曲が哀しいバラードではなくエネルギー溢れるロック・サウンドが採られた意味が理解できるような気がします…。
「ジ・エッジ・オブ・グローリー」
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2011年 ダンス/Rock 情熱の愛 ドラマ