Cyndi Lauper - Girls Just Want To Have Fun (1983年)~3月3日は“雛祭り”~いうまでもなく女の子のすこやかな成長を祈る節句ですが、文化は違っても我が子に幸あれと願う親心に変わりはありません。
でも年頃の本人(娘)は、それをどう受け止めているのでしょう…?
今日はそんな両親の元、“すこやか”に成長した女の子の歌です♪
えっ? ちょっとゲンキ過ぎ!?
~シンディ・ローパー~シンディ・ローパーというと個性的なキャラクターやファッション、強いメッセージ性の歌…
そして二度の震災にも駆けつけ、いち早く日本を支援してくれた慈母のようなやさしさは日本人…特に女性にカリスマ的な人気があります。
“外タレNo.1といっていい親日家”で、近年も
ユニクロのCMにも出演していましたね♪
(一瞬なので、気づきました?)
シンディは1980年、ブルーエンジェル(Blue Angel)というバンドでデビューしますが売れず、彼女自身自己破産を申請するハメに…。
一旦はバイトとクラブ歌手の生活に身を落としますが“熱烈な支援者”に救われ、ソロとして再デビューしたのが1983年10月にリリースされた1stソロ・アルバム
『She's So Unusual(N.Y.ダンステリア)』でした。
タイトルに添えられた
“Unusual(異常な・変わった・並はずれた)”はまさにシンディの持ち味を見事に捉えた言葉だし、それだけでも“おやっ!?”と思わせるインパクトがありますネっ!
~概要~さて、そのアルバムからの先行シングル(つまりシンディのソロ・デビュー曲)が1983年8月の「Girls Just Want To Have Fun」であり、Billboard Hot 100では7ヶ月近くかけてゆっくり上昇し翌84年3月に
2週連続2位(84年・年間15位)を記録しました。
当時日本での邦題は「ハイスクールはダンステリア」でしたが、後年シンディから“本来の歌詞のイメージと違う”という申し出があったため、現在では原題の英語をそのままカタカナ表記した
「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」に改められています。
しかし、私はこの邦題が大好きです!
確かにLyricsには
high schoolも
Danceも出てこないので言葉の意味としては全くデタラメなのですが、日本人的にはウキウキする曲のフィーリングに凄くピッタリくると思いません?(洋楽の邦題は、この位ぶっちゃけてる方が面白い!

)
主人公が高校生というのもイメージに合うし、“ダンステリア”はたぶんスペイン語の“
cafetería(カフェテリア)”を模した造語で、英語の“
dance hall”より女の子っぽい可愛らしさとポップ性を感じます。
たぶんダンステリアという言葉は現在も一般的ではないと思いますが、1979-1986年頃“
Danceteria”というナイトクラブがニューヨークに実在していたたそうですよ!
今回私は女の子らしい歌としてこの作品を紹介していますが、作者は
Robert Hazard という人。
…んっ? ロバート? …
男♂!?

実はこの曲のオリジナルは
ロバート・ハザードが1979年に歌い、“当初は男性の視点による歌詞”でした。
これをシンディがカバーする際、彼女が一部歌詞を調整して完成させたというワケです♪
~“エーヨー”たっぷり!?~この作品は強烈な個性を放ちながらも皆が楽しめる親しみを併せ持つことから、多くの
“栄誉”をシンディにもたらしています。
まず、1985年のグラミーでは授賞は果たせなかったものの“最優秀レコード賞”、“最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞”にノミネートされました。
また、オールタイムでもアメリカのケーブルテレビ・チャンネル
『VH1』“100 Greatest Songs of the 80'sの23位”にランクされています。
音楽だけでなく、ミュージック・・ビデオの評価も高く…
記念すべき第1回/1984年のMTV Video Music Awardsでは“最優秀ビデオ賞”ほか6部門にノミネートされ、
“最優秀女性ビデオ賞”を授賞しています。
オールタイムでも
Rolling Stone誌が22位・ MTV が58位・ VH1 が45位にランクされ、歴史的にも名作といえる映像でしょう!
~さまざまなアレンジ~1983年のバージョン以外に何度もシンディによるセルフ・カバーがなされた作品で、最も知られているのは1994年のアルバム『グレイテスト・ヒッツ』に収録された
「Hey Now (Girls Just Want to Have Fun)」でしょう。
彼女にとって公私に亘る復帰作で、レゲエをアレンジしたこのバージョンは世界でもヒットしHot 100は87位・イギリスは4位と大ヒットしました。
また、私はこの頃
『オールスター爆笑ものまね紅白歌合戦!!』にシンディ本人が出演し歌ったのを見た記憶があります!
さらに、2005年にはアルバム『The Body Acoustic』で当時北米進出していた日本の
パフィーをバック・コーラスに迎え、スカ・アレンジも試みられました。
~Lyrics~I come home in the morning light朝日を浴び、家に帰るとMy mother says when you gonna live your life rightママが言うの…“アンタ、いつになったらマトモな生活するの?”って娘が“朝帰り”すると親がウルサイのは、何処も同じようですね!
こんな説教、“耳にタコ”の方もあるのでは…?
PVでシンディのママを演じているのは、
“本物のシンディのママ”で、いい味出してるでしょ?
他のPVにも出てるので、ファンにはお馴染みですね♪
あと、出演者はシンディの弟や友人、関係者がいっぱいです!
The phone rings in the middle of the night真夜中、電話が鳴るとMy father yells what you gonna do with your lifeパパが怒鳴るの…“オマエは、人生どうするつもりだ!”ってタダでさえ、年頃の娘の電話が気になるお父さん!
でもケータイ時代はその動向さえ掴めず、心配は募るばかり…?
ワイルドなパパ役は、もちろんホンモノ…
…ではなく、プロレスラーの
“キャプテン”ルー・アルバーノ。
シンディはプロレスラーの友人が多く、彼女のPVによく出てきますね!
~Epilogue~この歌では、年頃になってもアレコレ説教する両親に少しウンザリしている女の子の心情が描かれていますが、実際のシンディは5歳の時に両親が離婚しお父さんとは離れて暮らしていました。
幼少から他とは異なる言動や奇抜な身なりの彼女は周囲と馴染めず、絵を描いたり歌を歌ったりする方が楽しかったそうです。
17歳で高校を中退し家を出て行ってしまった娘の行く末を、お母さんもさぞ心配したことでしょう…。
Oh mother dear we're not the fortunate onesあぁ…愛しのママ、アタシら女って損なイキモノね男と女、どっちが得なのか私にはわかりませんが、何れにしても一番大切なのは
“生きているのが楽しい”と実感できる人生。
それは単に性別で定められるべきではなく、まして本人以外が評価すべきものでもありません。
人生の喜びや楽しみとは、自分自身で見い出すべきものであり
その術たる“学び”や“修練”こそが究極の楽しみへと導くのだと、私は信じます…。
「ハイスクールはダンステリア」
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