「ワンダーウォール」は1995年10月にリリースしたオアシスの2ndアルバム『モーニング・グローリー[(What's the Story) Morning Glory?]』の収録曲で、3rdシングルとしてカットされ全英2位/126万枚売り上げ、アメリカBillboard Hot 100で8位(1996年の年間56位)を記録、オアシスにとってアメリカで唯一のTop10シングルです。 作者はノエル・ギャラガーで、リハーサルで初めて違うベース・ラインでこの曲を弾いた時、リアムは“バカ野郎、何やってんだ!オアシスはファンク・バンドじゃない”と気に入らない風だったものの、後になって彼が歌うことを希望したため自分で歌いたい気持ちを抑えてリアムに譲った経緯がありました。 …にも拘らず1996年の『MTVアンプラグド』に出演した際、喉の不調を理由にリアムが収録直前に突然歌うのを降りてしまったため(彼の場合“よくあること”ですが)、代わりにノエルが「Wonderwall」を含めた全曲でヴォーカルを務めています。
モノクロで描かれるPVは、1996年のブリット・アウォーズで“Best British Video”を受賞した名作です。 この映像で特徴的な“回転するレコード”を見るたび同時期日本でヒットしたスピッツの「ロビンソン」と重なり“スピッツがマネした?”と当時思い込んだものですが、発売日を調べると「ロビンソン」が1995年4月、「Wonderwall」が1995年10月なのでマネしたのはオアシス… …なワケないですね?
ノエルの“ビートルズは俺にとって、すべてはそれに尽きる最も重要な存在。そこに始まり、そこで終わる”という発言からも、彼がどれほどビートルズに多大な影響を受けているか想像に難くはないでしょう。 ただしこのアルバムは映画のためのサウンドトラックであり、収録される「Wonderwall To Be Here」ほか19曲の殆んどはインストゥルメンタルの上、多くはインドのボンベイで録音されたという通りのサウンドで、そこからはオアシスの「Wonderwall」をイメージさせるものは感じられません。
1994年のデビュー・アルバムから2008年のラスト・アルバムまで7作全てを全英No.1(UK Albums Chart) に送り込んだ正統派ブリティッシュ・ロック・バンド、“オアシス”。 「ホワットエヴァー」は1stアルバム『オアシス(Definitely Maybe)』大ヒットの後、その年のクリスマス・シーズンに合わせてリリースされたシングルで、初めて全英チャート(UK Singles Chart)でトップ5(3位)に入った作品です。 オリジナル・アルバムには収録されておらず、解散後発売されたベスト盤『タイム・フライズ…1994-2009』に収録されています。
作品はメンバーのノエル・ギャラガー作詞・作曲として発表されましたが、メロディーの一部がイギリスのミュージシャン/コメディアンのニール・イネス1973年の曲「How Sweet to Be an Idiot」を盗用したとして訴えられ、現在は権利を分け合う形でクレジットには二人の名前が併記されています。 ちなみに、このニール・イネスという人はビートルズのパロディ・バンド “ラトルズ(The Rutles)” の中心メンバーとして有名で、「Get Back」をパロった「Get Up And Go」はこんなカンジです♪