Swing Out Sister - Now You're Not Here (1996年)~日本での高い人気~ 日本で人気を獲得する外タレには、どんな“法則”があるのでしょうか?
独断と偏見で当てはめてみました…。
①世界的に高名である(日本人は“ブランド”に弱い!
)
②良くも悪くも、見た目インパクトがある
(誰だって、美人と“悪魔メイク”には振り返ってしまいます!?
)
③マネしたくなるキャラやネタ(…ダッ・ヒィー、I'll be back、アチョー!
)
…そして④つ目、“テレビなどメディアで起用される”!
今回は、コレですね…♪
~概要~ スウィング・アウト・シスター(
SOS )はイギリス出身で、1985年に男女3人組のグループとしてデビューしますが1989年にドラマーのマーティン・ジャクソンが脱退し、キーボードのアンディー・コーネルとヴォーカルの
コリーン・ドリュリー のデュオ・グループとなります。
この辺りからサウンドもポップ色から、クラシックやジャズを漂わせたアダルト・コンテンポラリー色が強くなって流行の音とは一線を置いた作品づくりをするようになってゆきました。
コリーンの知的で落ち着いたヴォーカルと洗練されたスタイルはオシャレに敏感な日本の女性らを中心に元々注目されていましたが、“決定打”はやはりドラマ主題歌への起用でした。
1996年、SOSは織田裕二&常盤貴子主演ドラマ
『真昼の月』主題歌 の依頼を受けますが、これがナンと“ドラマのための書き下ろしで”というものだったのです!
正直この頃SOSはヒットを連発していたワケでもないし、80'sの洋楽ファンでもない限り一般の人に知られた存在とも思えないのに、まだ聴いてもいない曲を起用するなんて番組プロデューサーも思い切ったというか先見の明があると思いません?
実はこのドラマ、私は見たことがないのですが少し調べてみると
“エッ!常盤貴子が…!?” という衝撃的な内容のようで、ちょっぴり陰のある曲調なのはそのせいなのでしょうね…。
兎にも角にもドラマのヒットと共に「あなたにいてほしい」も34.9万枚を売り上げ、この年セリーヌ・ディオンの「トゥ・ラヴ・ユー・モア」、カーペンターズ の「青春の輝き/
トップ・オブ・ザ・ワールド 」に次ぐ
“オリコン洋楽年間3位” を記録しました。
このヒットによりこの曲は
“1997年第11回日本ゴールドディスク大賞洋楽部門のグランプリ・シングル賞” も受賞しています。
上記背景により生まれた作品のためシングル・カットは日本のみで、収録された
アルバム『Shapes and Patterns』 も当初は日本のみでの発売でした。
~Lyrics~ When our hearts were young and nights were long 二人の心が若かった頃、夜はゆったりと流れ We'd let the morning sun kiss our eyes open 朝は、太陽のやさしいキスで目覚めた 気に入ってるフレーズです。
恋の始まりの頃は、ただ一緒にいるだけで楽しい時間を過ごせるものです。
夢の世界から現実に戻る朝も、“その人に会える”と思えば目覚めるのも決して苦にはなりません。
私も、お日さまにキスで目覚めさせられるような朝を迎えてみたいものです♪
But time ran out of endless hours だけど時は、果てない闇へと堕ちてゆく Gave into doubt, were we just playing an endless game 疑いのブラック・ホールへと…まるで、終わることなく続く That no one ever wins 勝者もないゲームみたいに ココはちょっと脚色を入れて、前で宇宙に触れているのでブラック・ホールを喩えてみました。
光さえ脱出が叶わぬという暗黒の天体は、その極めて強い重力によって時空さえ歪めてしまうといいます。
二人を暗闇に引きずり込んだ重力の正体とは、一体なんだったのでしょう…。
If I could run away いっそ逃げ去り Hide away, Forget the way I feel 身を隠して、何もかも忘れてしまえたらいいのに… サビの冒頭部分です。
みなさんも、心の中で同じ言葉を叫んだことがあるのでは?
“If(もしも)”、あの人のことが忘れてしまえたなら…
なんて“考えてしまっている”のですから、忘れられるはずはありません。
でも彼女が辛いのは、
“忘れられないからではなく、忘れたくないものを無理に忘れようとしているから” ではないでしょうか…。
~Epilogue~ この作品はご存知のように“別れ”をテーマとしていて、主人公は「あなたにいてほしい」という想いを抱きながら「Now you're not here(今、あなたはここにいない)」という現実に苦しめられています。
私も、詞を何度も読み返すほどに…
Now you're not here もう、あなたはここにいない… …のフレーズが圧し掛かるようにどんどん重苦しい気持ちになり、だからこそ彼女の“いっそ逃げ去りたい”という切実な気持ちが少し解ったような気がしました。
でも最後の連、歌がフェード・アウトしてゆく辺りに微かな光が射しているように感じます。
この歌の大半で彼女は逃れ得ない葛藤に苦しんでいますがそれは、“忘れたくないものを無理に忘れようとしているから”です。
相手を忘れるために、好きなものを嫌いと思おうとしたり大切にしてきた想い出まで否定するなんて、人生の楽しい時間を捨て去るようで勿体ない と思いません?
だって成就はしなかったものの、それまで懸命に育んできたものなのですから。
それだけ心血を注いだモノって、他にそうはないでしょ?
少し気持ちを切り換えるだけで、ちょっとはマシになるものです♪
Now you're not here もう、あなたはここにいないけれど… んっ・・・!? チョビット…? 「あなたにいてほしい」 続きはこちら >>
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1996年 ジャズ/Pop せつない愛 ドラマ 日本で人気