「ガール・グッドバイ」は、1978年の1stアルバム『宇宙の騎士(TOTO)』の収録曲です。 ここから大ヒットした「Hold the Line」をはじめ3曲がシングル・カットされましたが、本曲はこれに含まれませんでした。 ただしハードでメロディアス、スリリングなロック・ナンバーは人気が高くTOTOのコンサートの定番曲の一つで、ボビー・キンボール在籍時はもちろん、ジョセフ・ウィリアムズ在籍時もセットリストとして継承されてきた作品です。
「ロザーナ」はTOTOが1982年に発表したアルバム『TOTO IV~聖なる剣』に収録された作品で、1stシングルとしてBillboard Hot 100で“5週連続2位”(年間14位)を記録した彼らの代表曲です。 惜しくも1位になれなかったのは「Don't You Want Me」(ヒューマン・リーグ/3週1位)と「Eye Of The Tiger」(サバイバー/6週1位)という強豪(それぞれ年間6位と2位)に阻まれたことによるものでした。 しかしこの2曲が無冠に終わった(または対象とならなかった)『第25回グラミー賞』で「Rosanna」は4部門にノミネートされ、“Record of the Year(最優秀レコード賞)”をはじめ“Best Vocal Arrangement for Two or More Voices”・“Best Instrumental Arrangement Accompanying Vocal(s)”の3部門の栄誉に輝きました。 ちなみにこの年のグラミーはまさに彼らが主役であり、これを含めTOTOは6部門を独占しています!
また、「ロザーナ」を語る上で欠かせないのが本人も[TOTOシャッフル]と形容した、ゴースト・ノート(音符と音符の間に聴こえるか聴こえないかの僅かなリズムを刻むテクニック)を多用した16ビートのリズムでしょう♪ これはバーナード・パーディ(スティーリー・ダン)が刻んだ「Home at Last」のリズム(パーディ・シャッフル)と、ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)による「Fool In The Rain」のリズム(ジョン・ボーナム・ビート)をミックスさせ、更にボ・ディドリーのギターのリズム(ボ・ディドリー・ビート)をバスドラムに取り入れ生まれたものであることをジェフ自身が解説しています。 (※この[TOTOシャッフル]は、【ハーフタイム・シャッフル(half-time shuffle)】として現在もドラマーの到達すべき目標の一つなっている)
デビュー・アルバム『宇宙の騎士』の大成功を受けて制作された1979年の2ndアルバム『ハイドラ(Hydra)』は、前作のスペーシーでハードなロック・サウンドに加え、タイトル曲「Hydra」などプログレ(Progressive rock)の実験的・前衛的な要素が組み込まれた作品です。 「99」はそこからの1stシングルとしてリリースされ、Billboard Hot 100で26位を記録しました。 作者はデヴィッド・ペイチ(key)ですが“哀愁=スティーヴ・ルカサー(g)”という役割分担からか(?)、自分では歌わずスティーヴにヴォーカルを任せています。
「99」は“名前が番号”ということを除き、歌詞とメロディーを辿っても一見普通のせつないラブ・バラードの名曲に思えますが、【I love you 99】などのフレーズをなぞる毎に“何で99?”…と疑問が募ることでしょう。 やっぱり【I love you】の後には“Emma”とか“Olivia”といった女性の名前(※2015年アメリカ赤ちゃんの名前ランキングの1・2位)の方が自然に感情移入できるし、番号だと受験かロボットみたいで味気ない…