Sade - By Your Side (2000年)~June bride~6月といえば、“ジューン・ブライド(6月の花嫁)”♪
そこで今回は、近年欧米の結婚披露宴で人気の作品を選んでみました。
(昨年は、ピーボ・ブライソン&ロバータ・フラックの
「愛のセレブレーション」を特集)

ところで“ウェディング・ソング”というと、みなさんはどんな曲がお好きですか?
5月に音楽情報誌『CD&DLでーた』が実施したWeb調査によると(10~60代の男女を対象)…
1位:乾杯/長渕剛
2位:CAN YOU CELEBRATE?/安室奈美恵
3位:Butterfly/木村カエラ
…という、お馴染みの定番曲が上位に選ばれています。
ただ、“男女別”で比べてみると男性は「結婚しようよ」「君といつまでも」といった昔ながらの歌を好む傾向に対し(いくらナンでも古過ぎ?)、女性は「One Love」「ハナミズキ」といった比較的新しい曲を選ぶという特徴もあるようです。
まぁ…どっちっみち、私の紹介曲はランクに入ってはいませんが!?
~概要~シャーデーは女性ソロ歌手と勘違いされることも多いですが“バンド名”で、ヴォーカルの“
シャーデー・アデュ(Helen Folasade Adu)”の名に由来しています。
デビューから30年で発表したオリジナル・アルバムは通算6枚と寡作でありながら、常に高いクオリティとセールスを維持できた稀有なる存在といえるでしょう。
虚飾を排し落ち着いたサウンドと、クールでエキゾチックなアデュのジャズ/ソウルなヴォーカルは
アニタ・ベイカーと共に“クワイエット・ストーム”の代表格と位置づけられています。
「バイ・ユア・サイド」は2000年の5thアルバム
『ラヴァーズ・ロック(Lovers Rock)』の先行シングルで、Billboard Hot 100では75位・イギリスで17位を記録しました。
第44回グラミー賞ではこの曲で“Best Female Pop Vocal Performance”にノミネートされ、アルバム『ラヴァーズ・ロック』は見事
“Best Pop Vocal Album”を授賞しています!
また、この曲はドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ(シーズン4)』や『Lの世界(シーズン6)』にも起用されました。
欧米では
結婚披露宴で新郎新婦が最初に踊る“first dance”の曲として非常に高い人気の作品で、ジェニー・ガース&ピーター・ファシネリ、デイヴ・ナヴァロ&カルメン・エレクトラなど「バイ・ユア・サイド」を使った有名人も多いそうです。
鮮烈な色あいが印象的なミュージック・ビデオは日本やインドなど東洋から影響を受け、ストーリーはアデュと監督が街の道路端で実際に見かけた花売りの女性をヒントにしているそうです。
主人公の女性は都会から離れた静かな森に暮らし、そこで木の実や花を摘んで時々街に出掛けそれを売っている…
そんなストーリーですがこれはアデュ自身のライフ・スタイルを投影させていおり、これについては後にも触れたいと思います。
~Lyrics~You think I'd leave your side babyあなたは、私があなたを置き去りにする女と思っているの?You know me better than that…だとしたら、もっと私のことをよく知るべきね結婚に際し私たちは相手をどれだけ理解し、決断・実行するのでしょう?
その時点で“好き”は容易に確かめ合うことができたとしても、ありのままの相手の感じ方や考え方・願望について十分に理解しないまま一生のパートナーを選んでいることも多いのではないでしょうか…。
だからこそ夫婦はこの“知るべき”を、一生を懸けて一つずつ積み重ねてゆく必要があるのかもしれません。
When you're lost and you're alone and you can't get back again一人ぼっちで道に迷い、戻れなくなった時I will find you darling and I will bring you homeきっと見つけ出し、あなたを家に連れ帰りたいもし“一人”が道に迷ったら、“もう一人”は心配で心が安らかではいられません。
それが夫婦であり、家族というものです。
どうせ“もう一人”にも心配をかけてしまうなら、“一人に生じた問題は“二人で解決”した方が早い場合もあるのではないでしょうか?
まぁ…
コッチが必死でもがいているのに、“もう一人”は大いびきで全く気づかない…
なんて、オチもリアルにありそうですが!?
And in no timeそう…あっという間にYou'll be fineあなたは“晴れ”になる…主語はYouなのでfineは普通“元気になる”とするべきですが、
“涙を乾かす”(
dry your eyes)という場面なので
“晴れ”にこだわってみました。
私はこういう時くすぐって泣き止ませるのを得意としていますが(?)、そういうバカバカしいコトで一緒にケタケタ笑うと案外心って紛れるものです。
えっ?
そんなコトして“何する!”って怒られたら、どうしてくれる!?

う~ん…
その場合、“別なトコロ”に問題があるカモ…?
~Epilogue~ビートルズのように目映い輝きを放ち全力で駆け抜け、瞬く間に燃え尽きてしまうスターもいれば、シャーデーのように忘れられた頃メディアに“復活!”という形容で迎えられながら、発表した作品は何十年来ファンを魅了し続けるという例もあります。
こうしたシャーデーの活動振りは、シャーデー・アデュのミュージシャンとして、そして一人の女性としての信念に拠るところが大きいのでしょう。
「バイ・ユア・サイド」のミュージック・ビデオでアデュは森に住む花売りの女性を演じていますが、これは喧騒隔てた美しい島国ジャマイカに暮らし(結婚のため移住)そこで生まれた音楽を時々都会へ届ける彼女自身のライフスタイルを象徴しています。
社会的・経済に大成功を得ているのに、家庭では小さな平穏すら得られない人は幸福? それとも不幸?
…何を以って幸福と感じるかは、人によってそれぞれです。
でも、彼女にとってその答えは、ここにあります。
” By Your Side ” .....
「バイ・ユア・サイド」
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