I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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「シャタード・ドリームス」ジョニー・ヘイツ・ジャズ

2023.02.17

category : Johnny Hates Jazz

Johnny Hates Jazz - Shattered Dreams (1987年)

“Shattered Dreams”…あなたがくれたすべて。「反逆のヒーロー」と双璧を成すJHJの代表曲

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


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tags : 1987年 AC 別れの愛  名作MV デヴィッド・フィンチャー 

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「反逆のヒーロー」ジョニー・ヘイツ・ジャズ

2014.07.28

category : Johnny Hates Jazz

Johnny Hates Jazz - I Dont Want To Be A Hero1 Johnny Hates Jazz - I Dont Want To Be A Hero2


Johnny Hates Jazz - I Don't Want To Be A Hero (1987年)


~Prologue~

日本の長い歴史に於いて、最も重い意味を持つであろう1945(昭和20)年8月。
“たった2発の爆弾”が、想像も及ばぬほど多くの人命を奪いました。
広島・長崎両市HPによるとそれぞれの死者数は広島が約14万人(1945年12月末までに)、長崎は73,884人(昭和25年7月発表の報告による)です。
もちろん、その死すら確認されぬまま亡くなった方、その後原爆症に苦しみ亡くなった方々は含まれていません。

あれから69年が迫る今年7月28日、広島に原爆を投下したアメリカ軍のB29爆撃機“エノラ・ゲイ”の搭乗員の一人だった男性が93歳で亡くなりました(これにより広島・長崎に原爆を投下した爆撃機の乗組員全員が死去)。
少なくとも14万人の死に関与した彼は英雄? それとも…。



~概要~

ジョニー・ヘイツ・ジャズは、1986年にデビューしたイギリスのバンドです。
“Johnny Hates Jazz(ジョニーはジャズ嫌い)”という変わったバンド名は、奥さんがジャズ好きで朝から晩まで傍で聴かされたメンバーの友人が、半ばノイローゼになったというエピソードに由来します。
翌年2ndシングル「Shattered Dreams」が英米で大ヒット、それに続いて発売されたのが3rdシングル「I Don't Want To Be A Hero」でした。

イギリスでは11位とまずまずの成績でしたがアメリカのレコード会社はこの作品が“反戦的である”と発売に乗り気ではなかったそうです。
結局アメリカでもシングルは発売されることとなるのですが、当初イギリスで公開されたPVはヴォーカルのクラーク・ダッチェラーの美男子ぶりをフィーチャーした映像(カラー)なのに、アメリカ用(モノクロ)には戦争シーンを挿入させた重苦しい映像で、ヒットはしたもののBillboard Hot 100では31位に終わりました。

1988年初頭に「Shattered Dreams」「I Don't Want To Be A Hero」の入った1stアルバム『反ヒーロー宣言(Turn Back the Clock)』がリリースされ全英1位をはじめヨーロッパで大ヒット、アメリカBillboard 200(アルバム・チャート)では56位まで上昇しました。
日本では「ヴィーナス」をカバー・ヒットさせた長山洋子(現・演歌歌手)が、日本語カバー「反逆のヒーロー」としてオリコン10位とヒットさせています(内容はラブ・ソングに変更)。


I Don't Want To Be A Hero (US Version)




~Lyrics~

Oh, send me off to war With a gun in my hand
あぁ…銃を握らせ、戦場に送り出すがいい
But I won't pull the trigger
だけど、僕はトリガーを引いたりはしない

「反逆のヒーロー」たる所以です。
軍というものは、“任務遂行のためなら殺人も厭わない”性質の組織であり、“トリガーを引かない”という行動は自己矛盾に他なりません。
直後の“赤と白、青の支配”というのは恐らく“ユニオンジャック(イギリスの国旗)”のことで、この歌が批判しているのは1982年にアルゼンチンとの間に生じた“フォークランド紛争(Falklands War)”ともいわれます。


And what if I fail Will you put me in jail
…そしてあなたは、しくじった僕を投獄するというのか?
For a murder I will not commit?
“人を殺さなかった罪”として

一般社会では、“人を殺した罪”ですよね。
人を多く殺せば“英雄”と呼ばれ、人一人殺せなければ“臆病者”と呼ばれるのが戦場。
こんな“狂気”の中でサバイバルを強いられたら、心が壊れてしまっても不思議ではありません…。


And those who return Come back only to learn
生還した兵士は帰郷し、ただ思い知らされる
That they're hated by those who they love
愛する人にさえ、忌み嫌われる自分に

イラク戦争から帰還した米兵の6人に1人はPTSD(心的外傷後ストレス障害)など深刻な問題を抱えているとされ、戦後の復興支援に派遣された自衛隊員26人がその後自殺したと報告されています。
戦場から物理的に解放されても、残虐非道の世界に適応すべく高度に訓練された心と感覚は、直ぐには切り替われるものではありません。
平和の世界しか知らない家族には、彼の本当の苦しみは想像さえ及ばないことでしょう…。



~Epilogue~

冒頭に挙げた広島・長崎に原爆を投下したB29の搭乗員たちは、間違いなくアメリカにとって第二次世界大戦中の偉大な英雄のひとり(チーム)です。
戦後、彼ら自身もアメリカ政府も、あるいは次世代へ歴史を伝える教科書も一貫して“原爆の投下は、戦争終結を早め犠牲者拡大を防いだ正当な行為”と主張し、この点について公式に謝意を表明したことはありません。

公式な答弁は、彼らが勝者なのだから仕方ありませんが(日本が勝っていたら真珠湾攻撃も正当化していたはず…戦争とは、そうしたものです)、10万人もの命を殺害したという逃れようのない事実について彼ら自身、一人の人間として内心どう思っていたのでしょう?
目の前で微笑む我が子の澄んだ瞳に、曇りなき親心で応えることができたのだろうか…。


一方、現在の我が国へと目を向けると近年中国の尖閣諸島への領土・領海的野心は明らかで、日中両国の艦船・航空機が尖閣周辺で接近することは今や日常茶飯事の出来事であり、いつ不測の事態が起きても不思議ではありません。
安倍首相はこのような有事を想定して“米国頼み”を強固にすべく、これまで歴代内閣が決して認めてこなかった“集団的自衛権の(一部)容認”に踏み込みましたが、国民の理解と賛同を得ぬまま各国首脳との会談で“積極的平和主義”を触れ回って既成事実化を図っています。

また、7月1日の閣議決定では“憲法解釈変更した/しない、どちらとも取れる玉虫色”でお茶を濁しており、安倍政権にはこの問題を国民と徹底的に対話するつもりはないように感じられます(今年の知事選・来年の統一地方選で争点にしたくない)。
私が一番恐れるのは、ある軍事行動に対し“国民の大多数が反対”しているにも関わらず、海外で既成事実化した“日本は集団的自衛権を行使する国”が独り歩きし、この国を思いがけず戦争へと導くことです。

“敵を多く殺す英雄”を生まない社会こそ、69年前の8月の先人が切望した境地であるはずだし、この国の政権を受け継いだ“誰か”が目指すべき“美しい国”なのだと、私は思います…。



「反逆のヒーロー」


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tags : 1987年 ダンス/Pop 反戦 日本で人気 

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