John Cougar - Jack & Diane (1982年)~ John Cougar - John Cougar Mellencamp - John Mellencamp ~ 先月23日、
22枚目となるアルバム『Plain Spoken』を発表 したばかりのジョン・メレンキャンプ。
「ジャック & ダイアン」がヒットした頃の“John Cougar”は芸名で、1983年から表記するようになった“Mellencamp”姓は本名です。
その最新アルバムの“ジャケット写真を撮影したのは
女優メグ・ライアン ”!
…という話題も興味深いトコロではありますが(後で触れる)、まずは出だし好調のアルバムから「Troubled Man」をお聴きください。
「Troubled Man」 ~概要~ 「ジャック & ダイアン」は1982年の5thアルバム
『American Fool』 からの2ndシングルで、
Billboard Hot 100で初のNo.1(4週間/年間7位) を記録した作品。
作者はジョン自身で、本人に依ると1962年のポール・ニューマン主演映画
『渇いた太陽(Sweet Bird of Youth)』 に発想を得ているそうですが、彼の経歴を辿ると
“ジョンの自伝” とも取れるのではないでしょうか…(詳細は別項)。
この曲のギターは2000年のジェシカ・シンプソンの作品
「I Think I'm In Love With You」 にもサンプリングされるなど
リフが特徴的 ですが、それ故に単独でギターを弾く分には最高でも、バンドと演奏を合わせると音が調和せずレコーディングは苦労したそうです。
それを救ったのがもう一つの特徴でもある“
ハンド・クラップ ”で、当初はリズムをサポートするだけの想定が、これ自体作品に欠かせない要素と気付いて最終的に音源に含められました。
また、演奏には1971~73年までデヴィッド・ボウイをサポートしたギタリストとして有名な
ミック・ロンソン が参加していて、大サビではコーラスを担当する他にもこの部分のパーカッションのアイデアに貢献してくれたとジョンは語っています。
ノスタルジックで情感誘うPVは、80年代前半を代表する名作です。
敢えて家庭用8mmフィルムで撮影し、ジャッキーとダイアンのフォト・ブックのように編集した手作り感がいいカンジでしょ♪
ここでダイアン役に扮しているのは当時新婚だったジョンの奥さん
ヴィクトリア(Victoria Granucci) で、歌詞に準えてジョンの膝に座ってチリドッグ(?)を食べるシーンが微笑ましいですね…。
Jack & Diane (Live On SCTV) ~Lyrics~ Jackie gonna be a football star ジャッキーは、フットボールのスターを夢見た少年 Diane debutante backseat of Jackie's car ダイアンは、ジャッキーの車で‘バックシート・デビュー’した少女 実際ジョンは高校時代フットボール・チームに所属し、喫煙によりクビになった経歴があります。
“
backseatでデビュー ”なんて意味深な表現ですが、想像力豊かな方には“その意味”はワカるでしょ?
物語に登場する【
heartland 】はアメリカ中部の保守的な地域、【
Bible Belt 】は中南部に伸びるキリスト教原理主義が強い一帯を指し、若者への抑圧はかなり強いと思われます(映画『フットルース』のような空気感)。
そんな土地柄でこんな素行じゃ、二人は浮いた存在だったはず…(実際、ジョンはそうだった)。
Well you know diane, we oughtta run of the city “なぁオレたち、街を出るべきじゃないか?” Diane says Baby, you aint missin' no-thing ダイアンも返す“アナタって、失うものが無いのね” やっぱり、女性の方が現実的?
以前
ビー・ジーズの「若葉のころ」 の記事で、映画『小さな恋のメロディ』の名シーンでも“二人の未来について現実的に考えていたのは女の子の方”だとお伝えしました。
実際のジョンも“駆け落ちした経歴”があるので、これはリアルなハナシだったのではないでしょうか…。
Hold on to 16 as long as you can 16歳の心を手放すな Changes come around real soon 時の流れは瞬く間にやって来て Make us women and men オレたちを、ツマらないタダの女と男へと変えてしまうから 16歳…
心身ともに、奥から湧き出るエネルギーの量が違いますね。
上手く昇華できれば最大の成長を遂げられますがそれを生かす術を知らないと、行き場のないエネルギーが暴発することも少なくありません。
“16歳のエネルギーと大人の抑制を併せ持つ”ことができれば、一番良いのですが…。
~Epilogue~ ジョンは高校卒業直前に恋人を妊娠させ、彼女と結婚するため婚姻に年齢制限のない州へと駆け落ち をしています。
その女性が、ビデオにも登場するヴィクトリア…
…だったらいいハナシですが、彼の人生はそんな風には運びません。
この女性は
プリシラ といい、恐らく彼女が本作品の
ダイアンのモデル となった人と思われます。
しかし二人は11年連れ添い、この作品を発表する前年の1981年に離婚してしまいました。
Oh yeah, life goes on そうさ、人生まだ先は長い Long after the thrill of livin is gone ゾクゾクする毎日が、遠い昔となってしまった後も 歳月を重ね…
やがてヴィクトリアとの別れが訪れ(1989年)、また次の妻とも別れ…
(おいおいっ、少しバツが多いんでナイの!?
)
ここ数年ジョンが交際していた女性がメグ・ライアン であり、『Plain Spoken』のジャケットは二人がプライベートでギリシャへ旅行した際メグが撮った写真だったのです!
(ところがこの8月に二人の破局報道が伝わり、ジョンはこれを否定している)
They walk on ずっと歩み続けるのさ… ジョンはこの歌について、“青春時代が終わってからも、長く生きなければならない”という悲観ではなく、
“青春時代が終わってからも、楽しくやっていけるんだ” という前向きな気持ちを込めた…というようなコメントを過去に残していますが、還暦過ぎた初老の男があのメグ・ライアンをモノにするのだから、身をもってそれを証明したことになりますね。
人生、“7回転んだら8回起き上がればいい” ♪
(えっ? 7回も転んでない!?
)
「ジャック & ダイアン」 続きはこちら >>
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