I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「パワー・オブ・ラヴ」ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース

2023.09.06

category : Huey Lewis And The News

Huey Lewis And The News - The Power Of Love (1985年)

80年代を象徴する映画(BTTF)とポップ・アイコン(MJF)、HL&TNの「パワー・オブ・ラヴ」♪

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


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tags : 1985年 ロック/ポップ 希望の愛 恋のアドバイス スポーツ/ドライブ 映画80's マイケル・J・フォックス CM曲 

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「アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ」ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース

2018.05.11

category : Huey Lewis And The News

Huey Lewis And The News - I Want A New Drug1 Huey Lewis And The News - I Want A New Drug2


Huey Lewis And The News - I Want A New Drug (1984年)



~概要~

「アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ」はアメリカのロック・バンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース1983年の3rdアルバム『スポーツ(Sports)』からの2ndシングルで、1枚目の「Heart and Soul」に続いてBillboard Hot 100の6位(年間55位)を記録しました。
このバンド特有のハートフルなロック・ナンバーですが珍しくdance mixもリリースされており、Billboard US Dance/Disco Top 80でNo.1に輝いた(全キャリアで唯一)のをはじめ海外でもヒットを遂げています。

ヒューイ・ルイスとギタリストのクリス・ヘイズによる作曲で、ヒューイによると彼が代理人の家に行く途中車の中でほんの数分で出来たもので、代理人の家に着いた途端に急いで紙をもらって書き留めたそうです。
当時、映画『ゴーストバスターズ』の制作者側から「I Want a New Drug」をサウンドトラックに使わせて欲しいと要望があったものの、ヒューイがこれを断ったという経緯もありました。
その後、主題歌に採用されたレイ・パーカー Jr.の「Ghostbusters」があまりに本曲と似ていたため、ヒューイが盗作で訴えるという騒ぎに発展したことはあまりに有名な話です。

一方、本曲の“パクり”が公認されたのはパロディ界のレジェンドとしてお馴染みアル・ヤンコビック(“Weird Al” Yankovic)で、「I Want a New Drug」を捩(もじ)った「I Want A New Duckではサックスの代わりに文字通り“アヒルの大合唱”がフィーチャーされていますが、アルはアヒルの研究のために図書館に1週間通ったそうです。
また、「I Want a New Drug」のPVはライブの仕事が入っているのに寝坊してしまったヒューイが台所に氷水を張って無理矢理顔を突っ込んで二日酔い(?)を覚まし、お気に入りの黒Tシャツと真っ赤なスーツに着替えて、車と船とヘリコプターを乗り継いで「I Want a New Drug」をメンバーが演奏中のステージに駆けつけるという道中を描いたものになっています。


 
 



~Lyrics~

I want a new drug
新しいクスリが欲しい
One that won't make me sick
病気にさせたりせず

【drug】は、【ドラッグストア】で一般人が買い物するように“合法薬物”を指すものと、覚せい剤・麻薬類など【危険ドラッグ】と表現されるような“違法薬物”も含まれます。
ロック界で【drug】というと後者を指すことが多いですが、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは基本的にそうした趣向のバンドではありません。
(ただし、1995年に脱退したベーシストのマリオ・シポリナが後年覚醒剤所持で逮捕された例はある)


One that won't hurt my head
アタマがガンガン痛くならず
One that won't make my mouth too dry
口がカラカラに乾いたり

…とはいえ、この歌に描かれる症状の数々は一々中毒者のそれをイメージさせます。
しかし薬物摂取で異常な症状が現れるのは麻薬の類ばかりでなく、市販薬・処方薬でも起こる危険があります。

頭痛薬を常用する頭痛持ちの人が次第にその頻度や持続時間が増加するなど症状が悪化し、医者に相談した所【薬物乱用頭痛】と診察され、薬を止めたら頭痛が改善した事例…
つまり、“痛みを緩和するために服用していた頭痛薬が逆に頭痛を多発させる原因”となってしまうというのです(薬の使用量・頻度が増えると、脳が痛みに敏感になってしまう)。


One that makes me feel like I feel when I'm with you
いつも一緒にいる気分にさせてくれるやつがいい
When I'm alone with you
…君と二人っきりでいる時のような

急にムードが変わりましたが、サビとして繰り返される部分なので重要なメッセージです。
ここまでくると彼が欲しがっている【New Drug】とは何か、お判りでしょう…
PVでもこのフレーズが流れる度、“それ”が映し出されています。
よい“お薬”との出逢いは、人生を豊かにしてくれるものです。

 彼の手の中にはまだ、“ジェネリック(特許切れの後発薬)”が残っていたりして?
 ナンか、奥歯に物の挟まったような言い方ね…。



~Epilogue~

4月中旬、メニエール病のため年内の公演全てを中止すると発表したヒューイ・ルイス。
【メニエール病】とは、“激しい回転性のめまいと難聴・耳鳴り・耳閉感の4症状が同時に重なる症状を繰り返す内耳の疾患”で、病気が完成してしまうと難治であるとされています。

5月7日、彼はNBCの『Today』に出演し、自身の病状について語っています。
ステージに上がると、ジェット・エンジンのような音がしたんだ。何かおかしいと思った。
君の声は聞こえるし、この場や電話で話すことはできるけど、歌うことができない。音楽が聞こえない。何だってできるよ。自分が最も好きなこと以外はね…





コンサートやカラオケなど大音量の中に数時間いると直後に耳鳴りや耳の聴こえ難さを感じることがありますが、そんな毎日を何十年も続けているミュージシャンにとって、耳の障害は職業病といえるものでしょう。
一般に耳の老化は20代から始まり、特にモスキート音のような高音から聴こえなくなると言われています(※こちらのサイトで“耳年齢”をご確認できます)。
特に大音量を長時間聴き続けることは耳の老化を早める危険があるそうで、WHO(世界保健機関)は“91db(デシベル)の音は1日1時間以内に”と警鐘を鳴らしています。

“たかが耳の不自由”と侮るべきでない理由の一つは、耳の中で音を認識する役割を果たす【有毛細胞】は“いったん傷害されるとその再生がきわめて困難”で、基本的に二度と回復できないとされていることです。
そしてもう一つ耳の重要な機能は【平衡感覚】で、これは単に運動能力を左右するだけでなく、ここに障害が生じると何もしていなくても【眩暈(めまい)】を発症させ日常を破たんさせます。
私も一度だけ回転性めまいを体験したことがありますが、横になっていると普通であるのに体を起こしただけで激しい眼振(目が回る)と嘔気に襲われ、一日中寝ているほかに何もできませんでした。


映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でオーディションの審査員として、「The Power of Love」を演奏するマーティ(マイケル・J・フォックス)に“もういい、音が大きすぎる”と言い渡す役を演じたヒューイ・ルイス(カメオ出演)。
マイケルは1990年代に難病・パーキンソン病を発症するも、2013年には13年ぶりにドラマで主演を務めるなど奮闘をみせています。
ヒューイも現在、カフェインと塩分を控える基本的な対処法をはじめ様々な新技術を試しながら病と闘っているそうです。

I want a new drug
新しいクスリが欲しい
One that does what it should
ちゃんと効果が現れるやつ

音刺激を知覚する内耳の有毛細胞はこれまで再生不可能とされてきましたが、2013年の研究では【γ(ガンマ)セレクターゼ阻害剤】という薬をマウスの内耳に投与したところ、有毛細胞数の回復が確認されたとの報告がなされています。
この研究がいつ実用化に至るかはわかりませんが、近い将来この薬がヒューイと世界中の患者の方々の苦しみを救う決め手になってくれるといいですね。



「アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ」


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tags : 1984年 ニューウェイヴ 医薬 

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「ビリーヴ・イン・ラヴ」ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース

2017.11.17

category : Huey Lewis And The News

Huey Lewis And The News - Do You Believe In Love1 Huey Lewis And The News - Do You Believe In Love2


Huey Lewis And The News - Do You Believe In Love (1982年)



~<HUEY LEWIS AND THE NEWS JAPAN TOUR 2017>~

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌「パワー・オブ・ラヴ」を歌い、“まさに1980年代のアメリカン・テイスト”を体現するアメリカン・ロック・バンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースが4年ぶりとなる日本公演を行います(11/20-24)。
とりわけ11月22日は彼らの全米トップ20入りした14曲+『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のEDテーマ「バック・イン・タイム」などを加えた全17曲という豪華なセットリストの特別公演『ALL THE HITS』が予定されているそうです。

もちろん今回ご紹介する「ビリーヴ・イン・ラヴ」もその一つですが、当のヒューイ・ルイスもこれを楽しみにしているようで、ヒューイ本人が世界初披露となるイベントについて日本のファンにメッセージをくれています。





~概要~

「ビリーヴ・イン・ラヴ」は1982年の2ndアルバム『ベイエリアの風(Picture This)』からの1stシングル、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースとしては初のヒット曲でBillboard Hot 100の7位(年間51位)を記録しました。
『Picture This』のオリジナル・ジャケット《写真・左》はヒューイの顔写真であるのに対し、日本盤(アナログ盤)『ベイエリアの風』《写真・右》では当時FM情報誌『FM STATION』の表紙を担当し人気を集めていた鈴木英人によるイラストが当てられています。

Huey Lewis And The News - Do You Believe In Love3 Huey Lewis And The News - Do You Believe In Love4

「Do You Believe In Love」の作者はAC/DCやフォリナー、デフ・レパードなどHR/HM系のプロデューサーとして当時大ヒットを連発していたロバート・ジョン・マット・ランジ(Robert John "Mutt" Lange)。
本曲はそのロバートが1979年にプロデュースしたイギリスのロック・バンド【Supercharge】に提供した楽曲で、ロバート自身がヴォーカルを務めていたものがオリジナルです。
元々タイトルは「We Both Believe in Love」でしたがヒューイのレコーディングの際に彼の提案で「Do You Believe In Love」に変更され、歌詞の一部も改められています。

一見畑違いで国籍も異なるロバートとの関わりは、メンバーのヒューイとショーン・ホッパー(key)がかつて所属していたことのあるクローバー(Clover)というバンドのプロデュースを、ロバートが務めていたことに依ります。
クローバーはエルヴィス・コステロのデビュー・アルバム『My Aim is True』の演奏を務めたことでも知られるバンドですが自身のヒットには恵まれておらず、解散後二人は【American Express】を結成しシングルをリリースするも失敗、改名して1980年に1stアルバム『Huey Lewis and the News』を出すものの、これもチャート・インできず…。

このため所属レコード会社からは次のアルバムからヒットが出なければ解雇すると告げられ、加えて「Do You Believe In Love」をアルバムに含めることを強く求められていました。
結果、本曲及びアルバムはヒット(Billboard 200で13位)して首がつながっただけでなく、曲作りの“コツ”を掴み次作『Sports』の大ブレイクへと繋がってゆくわけです。

 



~Lyrics~

I was walking, down a one way street
ワン・ウェイ・ストリートをボクは歩いていた
Just a looking, for someone to meet
ステキな“誰か”に出会うことを期待しながら

【one‐way street】は“一方通行の通り”ですが、通常歩行者用の一方通行道なんてありませんよね?
…なのでこの場合単純に通りを歩いているというより、もっと“彼自身に関わる道”を内包していると想像しました。

一方、通りで【someone to meet】を求め歩いているというと不純な動機を連想させますが、彼は決してそんな男ではない…
と、私は信じていますけどね? 


One woman
…そこに、一人の女性!
Who was looking for a man
彼女も一人の男を求めていた…

絶妙のタイミングで女性が登場!

彼女は【a man】を探しているといいますが、オリジナルのSupercharge ver.の歌詞では[looking for me]と、その相手が自分であることをハッキリと明記しています。
つまりこの二人はお互い意中の人とめぐり逢うべく【one‐way street】を歩いている、というところでしょう…。


So I'm coming
そして、今すぐそこへ行くよ
(I don't want to be lonely baby please tell me)
(一人ぼっちになりたくない…どうかよい返事を聞かせてね)
I wanna love you all over
…丸ごとキミを愛してあげるから

ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの魅力の一つはハート・ウォーミングなコーラスで、ここであるようにリードのヒューイとの臨場感あふれる掛け合いは、恋への期待と不安に揺れる主人公の心情を生き生きと表現しています[( )内がコーラス]。
幼少期に黒人居住区に居住していたヒューイにとって1950~60年代のモータウン音楽はとても身近なものであり、特にコーラスにはその影響を感じさせます。

PVではヒューイらが散々女の子にその熱い想いを伝えようとしていますが、彼女はベットで気持ち良さそうに眠り続け気に掛けようともしません!
 …ねぇヒューイ、そのピンクのトレーナーがマズかったんじゃない?



~Epilogue~

今回のテーマは、【believe in love愛を信じる)】。

でも、[believe]も[love]もどちらも心の中の感情であり、人間の感情ほど扱いの難しいものはありません。
何故なら、信じていない人に根拠も与えず“信じろ”と言っても信じるはずはないし、愛してない人を“愛せ”と求められても愛情は湧いてはこないからです。
(反面、別の相手はコロッと信じたり好きになったりするという気まぐれで非論理的な所もあり…)

また、私たちの頭上高く確かに存在する【空】を[信じる]とは言わず、その存在の有無を確認しようのない【天国】に[信じる]を用いるように、それが不確かで疑わしさを内包するからこそ【信じる】が成立し得るという特質があります。
つまり【信じる】とは、“疑わしいものを疑わない”という矛盾との闘いであるともいえるのです。
だからこそ[信じる]が適用される愛は、困難が立ちはだかるワケですが…。


ただ、【信じる】の本質はその真実性ではなく、[信じたい][信じよう]という[願望][意思]であり、従って【believe in love】とは[愛を強く願う][愛を貫き通す]といった強い気持ちが込められた言葉だと私は考え至りました。
[believe]や[love]の強さをお金で換算できるモノで示すのは具体的で価値判断し易いですが、それで価値を量れるモノって何だか[believe]や[love]の本質を台無しにしてしまう恐れがある気がします。

もしも未来に人間の内心を測定できる機械ができて、その瞬間毎の感情をリアルタイムに[believe][not believe]と外部にはっきりと表示される時代が来たらどうします?
嘘はつけなくなるものの、反って人間関係に波風が立つでしょう。
(女性は男性にそういう機械を付けたがるかもしれませんが…)

[believe]や[love]は金額や機械で示されるべきものではなく、何気ない互いの一つひとつの意思疎通によって確かめ合うからこそ価値があるのだと思います。
こんな風に…。

Do you believe in love
愛を信じるかい?
Oh you're making me believe it too
あぁ…ボクにそう信じさせてくれるのはキミなんだ



「ビリーヴ・イン・ラヴ」


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tags : 1982年 ロック/ポップ 希望の愛 コーラス ロバート・ジョン“マット”ラング 

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「スタック・ウィズ・ユー」ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース

2014.11.14

category : Huey Lewis And The News

Huey Lewis And The News - Stuck With You1 Huey Lewis And The News - Stuck With You2


Huey Lewis And The News - Stuck With You (1986年)



~“いい夫婦”って、何だろう?~

11月22日の“いい夫婦の日”を前に、昨年はベット・ミドラーの「愛は翼にのって」に“感謝”の気持ちを込めましたが、今年はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「スタック・ウィズ・ユー」♪

そんな大切な日の大役を、“のほほん”としてアゴが2つに割れているヒューイ・ルイスに任せて大丈夫?
(“アゴが2つ”は、関係ナイだろっ! 
でも夫婦って、意外にそんなトコロに長続きの秘訣が隠されているのかもしれませんね♪

(“アゴが2つに割れているコト”か? )  シツコイ… 



~概要~

ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは1980年代を代表するアメリカのロック・バンドで、1985年の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌「パワー・オブ・ラヴ」を歌ったことでも有名です。
全米No.1バンドとなったプレッシャーの中、前作『Sports』から3年をかけて難産の末1986年に発表されたのが4thアルバム『FORE!』でした。

「スタック・ウィズ・ユー」はその1stシングルとしてリリースされた作品で、Billboard Hot 100では「パワー・オブ・ラヴ」に続いてNo.1を獲得しています(3週/年間21位)
作者はメンバーのヒューイとクリス・ヘイズ(g)で、アルバム用に用意した曲をマネージャーのボブ・ブラウンに聴かせた所ダメ出しされ、2人とも4時間部屋に押し込められて完成させたのがこの作品でした。

約6分にも及ぶ前置きの長いPVはスーパー・スターの証で、ロケ地となった美しい島はバハマの首都ナッソーから10マイルほど離れたサンゴの島“パラダイス島(Paradise Island)”です。
メンバーはそれぞれにリゾート気分を満喫していますが今回一番オイシイ思いをしたのはやっぱり、美女(Keely Shaye Smith)とイチャついた“割れ顎のオトコ”でしょうかねェ…?(まだ言ってるし!)
それはさて置き、彼らの周りをウロつく怪しい“三角の背びれ”の正体は…? 

 Stuck with you LIVE 1987



~Lyrics~

We thought about breaking up
別れを考えたこともあるけれど
but now we know it's much too late
今じゃそれも、薹(とう)が立つ

【薹】は、フキやアブラナのように“花をつける茎(花茎)”のことで、あまりに伸びて固くなり食べ頃を過ぎると“薹が立つ”といいます。

美味しいものは美味しいうちに食べた方が良いに決まっていますが、不満や怒りの感情が芽生えた時その勢いのまま相手にぶつけてしまわず一端心の内に収め、冷静に考えられるようになってから結論を出すのも一つのテかもしれません。
もし、そのまま何となく不満が沈静できたなら、無駄な争いをせずに済んだということでそれはそれで“薹が立つ”も、役に立つでしょ? 


We are bound by all the rest
残りの人生…きっと離れられず、君と一緒なんだろうな
Like the same phone number
同じ電話番号に

bound】はbindの過去形・過去分詞で、“縛りつける・結びつける”の意味合いです。
“君を放さない”とか自らの力で実現させるというより、何か見えない力によって“縛りつけられている”ということでしょうか…。
それを“運命”と言うか“腐れ縁”と言うかは、人によるでしょうが? 


If we change our minds
ただ、もし心の迷いが生じたとしても
Eventually, it's back to you and me
詰まる所…帰る場所は、君と僕なんだってことさ

change our minds】は、ここでは“一時的な気の迷い”なのでしょうね。

“男は船、女は港”の喩えもありますが、それは“お互いさま”。
個人の洞察力の差を除外すれば、一般的に付き合いの長さに比例して相手への理解も深いはずです。
共に重ねた時間が長ければ長いほど、その“ありがたみ”は代え難いものとなる…。 



~Epilogue~

“夫婦とは何ぞや?”

シニア向けの宿泊予約サイトゆこゆこネットが今年9月、配偶者がいる50代以上の男女メルマガ会員に対し『夫婦関係を表す漢字』についてアンケートしたところ、男女ともに1位は“忍”だったそうです。
“バラ色の幸せ”を夢みたはずの結婚も、現実は“愛より忍が大事”か…?
(2位以下は男性が愛・和・絆・信、女性が和・信・愛・心という結果)


Yes, it's true, (yes it's true)
あぁ…それが僕の心からの望み(yes it's true)
I am happy to be stuck with you
君と離れずいることが、僕の幸せなんだ

【stuck(stick)】は“〔そばを離れない〕や〔忠実である〕”といった前向きな意味がある一方、“(仕方なく)我慢する”のように少し後ろ向きなニュアンスが込められることもあります。
“〔そばを離れない〕や〔忠実である〕”は愛情や優しさを直感的にイメージし易いですが、長い歳月に於いてそれは“義務感や責任感、あるいは諦め”を伴って果たされることも少なくないでしょう。
でもそれらは突き詰めれば、相手に対する“愛情や優しさ”があるからこそ生まれる苦しみのはずです。

【stuck(そばを離れたくない)】からこそ、【stuck(我慢)】する…
…そう考えてみると、“夫婦=忍”という答えも満更ではない気がしてきます。 



「スタック・ウィズ・ユー」


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tags : 1986年 ロック/ポップ 夫婦愛 

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