I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


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Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「ダンシング・イン・ザ・ストリート」デヴィッド・ボウイ&ミック・ジャガー

2020.04.17

category : David Bowie

David Bowie & Mick Jagger – Dancing In The Street (1985年)

ロック界のスーパースター、デヴィッド・ボウイ&ミック・ジャガー奇跡のコラボが実現した作品 ♪

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


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tags : 80's R&B ロック  新型コロナ 

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「モダン・ラヴ」デヴィッド・ボウイ

2019.01.04

category : David Bowie

David Bowie - Modern Love1 David Bowie - Modern Love2


David Bowie - Modern Love (1983年)



~概要~

「モダン・ラヴ」は、デヴィッド・ボウイ1983年の15thアルバム『レッツ・ダンス(Let's Dance)』の収録曲。
【Dance】をタイトルに掲げたアルバムのオープニングを飾るに相応しいダンサブルなロック・ナンバーで、同年9月に3rdシングルとしてリリースされ Billboard Hot 100で 14 位を記録しています。
当時デヴィッドは大規模なワールドツアー『Serious Moonlight Tour』の真っ最中であり、本曲発売直後の1983年10月には日本武道館をはじめ3度目の日本公演が行われました。


作詞・作曲はデヴィッドですが、まず直感するのはサウンドの【modern(現代式の)】さでしょう。
これは共同プロデューサーのナイル・ロジャース(Chic)に依るところが大きく、また彼によるイントロからのギター・カッティング、トニー・トンプソンのパンチとキレのあるドラミング、本作がブレイクのきっかけとなった名ギタリスト、スティーヴィー・レイ・ヴォーンらの名演奏も光ります。
ただ、彼らの活躍がデヴィッドの【カルト】な魅力を薄めたという意味で、“らしくない作品”でもあります。

ナイルはプロデュースを依頼された際デヴィッドに【赤いスーツを着て赤いキャデラックに乗ったリトル・リチャードの写真】を見せられ、“今度のアルバムはこんなサウンドにしたい”と伝えられたといいます。
正直デヴィッドとリトル・リチャードの歌唱スタイルは正反対に思えるのですが、「Modern Love」の音楽的要素というなら彼の1957年の作品「Keep a Knockin'」に通じるものがあるかもしれません。
似ているといえばエルトン・ジョンの「I'm Still Standing」(録音;1982年9月)のサウンドとの類似が指摘されており、そのことはお互い認識していたようです(「Modern Love」の録音は1982年12月)。


1985年7月13日、各国のミュージシャンが参加した伝説のチャリティ・コンサート『LIVE AID』が世界規模で催され、デヴィッドはロンドン・ウェンブリー・スタジアム会場でパフォーマンスを行いました。
デヴィッドの出番は有名な“クイーンの21分”(実際はもっと短い)の後で、「TVC 15」、「愛しき反抗(Rebel Rebel)」、「モダン・ラヴ」、「ヒーローズ」の4曲を披露し、中でも大きな歓声を浴びたのが「モダン・ラヴ」でした。

デヴィッドは1984年に「Tonight」でティナ・ターナーとデュエットしていますが、1987年にはペプシのCMで再演しており、そのテーマが「Modern Love」でした。
音源はデヴィッド&ティナによる新録で、映像は短いながらデヴィッドが科学者に扮し機械に好みの女性のデータを入力すると生成され出てきたのがティナ…というストーリーになっていて、二人とも見事なダンスを披露しています。
またその他にも本曲は映画やTVなどメディアへの起用が多数あり、特に21世紀に入ってからのものが多く、息の長い人気が窺えます。


 
 



~Lyrics~

I know when to go out
いつ退くべきか それとも、とどまるべきか…
And when to stay in
心の中はハッキリしている
Get things done
さぁ、禅問答に終止符を打とう…

イントロに挿入される、デヴィッドによるスポークン・ワード。
ダンサブルな音楽とデザイナーズ・ファッションに身を包んだ彼ですが、この部分があることで作品のテーマはそんな【modern】な話ではないことを予感させます。

PVではコンサートで入場してくるシーンと同期されており、このステージに臨む彼の決意のようにも想像させられます。
【go out】と【stay in】の間で葛藤してきたであろう彼が、一体どんな【Get things done】を導いたというのでしょう…。


I'm standing in the wind
俺は風の中に立っている…
But I never wave bye-bye
だけど決して、サヨナラと手を振りはしない

主人公の出した答えは、コレ!

…ですが、PVをはじめライブなどで歌唱する際デヴィッドはこのフレーズのところで観客へ向けて【bye-bye】と手を振るのがお約束となっています。
(1990年の東京ドームでは【sayonara】と言っていた)


Modern love walks on by
Modern love... いつか心を踏みにじる
Modern love gets me to the church on time
Modern love... “時間どおり、教会へ”と連れていっておくれ

ミュージカル・ファンの方は、【gets me to the church on time】のフレーズに覚えはありませんか?

1964年にオードリー・ヘプバーン主演で映画化もされた『マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)』の第2幕で歌われる「Get Me To The Church On Time(時間通りに教会へ)」です。
主人公・貧しい花売り娘イライザの父・アルフレッドが思わぬ大金を手に入れ、愛人と結婚式を挙げる前夜に酒場で仲間と飲み交わす場面で歌われる曲で、だから「時間通りに教会へ」と歌っています。
しかし不憫なことに娘のイライザは、彼に“お前を引き取れない。お前なら一人でもやっていける”と言い渡されてしまうのです。

この時のイライザと、このフレーズの心情は重なる…?
(但し、デヴィッド・ボウイ本人が関連を言及しているわけではありません)



~Epilogue~

【modern love】は言うまでもなく“現代的な恋”ですが、実際そのような日本語を私たちが日常で使うかというと、少し耳慣れない気がします。
しかし【modern love】のもつニュアンスは、日本でもそのイメージを基にした歌曲や物語が多数創作されてきたので、日本人にとってとても身近であり憧れの概念でしょう。
但し…

God and man... モダンな恋など信じない

主人公は、【modern love】を“否定的なもの”と捉えているようです。
【modern】は移ろう宿命にあり、[最新]や[流行]は今この時にあってこそ輝き、時が過ぎればその輝きは失われます。
一方で【love】は[最新]であることに価値があるのではなく、むしろ[永遠]こそ望まれるもの…

Endless Love - Diana Ross & Lionel Richie(過去ログ)


「Modern Love」の和訳に際し、私の心に浮かんだのが中村雅俊の「時代遅れの恋人たち」
(作詞:山川啓介 作曲:筒美京平)

手のひらに澄んだ水をすくって
お前の喉に 流し込む
そんな不器用で 強くやさしい
つながりは ないものか…


洋の東西や時代、文化や流行は移ろっても、変わらないものがある…
詩は身近にあって、その大切さをいつも私たちに教えてくれたような気がします。



「モダン・ラヴ」


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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

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「ラザルス」デヴィッド・ボウイ

2016.01.22

category : David Bowie

David Bowie - Lazarus1 David Bowie - Lazarus2


David Bowie - Lazarus (2015年)



~デヴィッド・ボウイ…“art”に命を捧げた男~

1月10日、“ロック界のカリスマ”デヴィッド・ボウイが肝臓がんのため亡くなりました(享年69)。
かつて“メジャーなカルト・ヒーロー”と形容されたように、難解な一面を持ちながらトータル・セールス1億3000万枚以上を達成する“artistの理想形”といえるそのスタイルは、後進に多大な影響を与えた偉人でした。

そして彼の最期を飾ったシングル「Lazarus」を以って、“生涯を懸けたartは完結”…
デヴィッド・ボウイからのラスト・メッセージ、お聴き届け下さい。



~概要~

「ラザルス」は、デヴィッド・ボウイの69回目の誕生日であり彼が亡くなる2日前の2016年1月8日に発売された25枚目のアルバム『★』(“Blackstar”と読む)の収録曲です。
プロデューサーは1969年から現在に至るまで12作ものアルバム制作に携わり“デヴィッドを知り尽くした盟友”、トニー・ヴィスコンティ
アルバムからは昨年11月に先行シングル「★」がデジタル配信されており、それに続く2ndシングルとして12月17日に「ラザルス」が配信されました。

UK Official Singles Chartでは1/15付・初登場45位、US Billboard Hot 100では1/30付・初登場40位(これは、この週の最高位ランク・イン)を記録しており、デヴィッドにとってHot 100のTop40ヒットは1987年の「Never Let Me Down」以来のことです。
また、デヴィッドの死去に伴ってUKチャートでは「Heroes」(12位)・「Life On Mars」(16位)・「Starman」(18位)・「Let's Dance」(23位)・「Space Oddity」(24位)など、トップ100に彼の過去の作品を含め13曲がランク・インする現象が起きています。
一方UKアルバム・チャートでは『★』が初登場1位を記録し10枚目のNo.1となったのをはじめシングル・チャート同様トップ100内にデヴィッドのアルバム19枚がチャート・インする騒ぎとなり、US Billboard 200でも初登場1位に輝きましたが意外にも彼のアルバムが全米No.1を獲得したのはこれが初めてのことです(これまでの最高は2013年『The Next Day』の2位)。

さらに「ラザルス」は、オフ・ブロードウェイの劇場“New York Theatre Workshop”で昨年12/7~1/20に限定公演されたミュージカル『Lazarus』のためデヴィッドによって創作された楽曲でもあります(『Lazarus』の主演はマイケル・C・ホール)。
この舞台は1976年にデヴィッドが初めて主演したカルト映画『地球に落ちて来た男(The Man Who Fell To Earth)』の40年後を描いた内容となっており、デヴィッド自らも脚本など共同制作者として数年懸かりで密かに精力を注いできたプロジェクトでした。
デヴィッドの突然の死を受け、ニューヨーク市は彼の長年に亘る芸術への功績に敬意を表しミュージカル『Lazarus』の最終日である1月20日を“David Bowie Day”とすることを定め、当日のカーテンコールで宣言書が授与されたそうです。

 



~Lyrics~

Look up here, I’m in heaven
見上げるがいい、俺は天国(ここ)にいる
I’ve got scars that can’t be seen
この傷痕、見ること能(あた)わず

まるでデヴィッド自身に起こる運命を予言していたかのような一節…
【scars】は“癌による傷あと”? …それとも、69年の波乱の生涯を生きた“心の傷”?

【Lazarus】というと、欧米では“イエス・キリストの友人で新約聖書に記される聖人”を思い浮かべることが多いようです。
『ヨハネによる福音書』に拠ると、ラザルス(ラザロ)は一旦病死するものの4日後に墓を訪れたイエスによって蘇り、布に巻かれたまま墓から出てきた…というのです!
包帯で巻かれたような不気味な目隠しといい、デヴィッドは死病に憑かれたラザルスに自分を重ねたのでしょうか…(それとも、奇跡の蘇生を望んだ?)。


I’ve got drama, can’t be stolen
この趣向、これを出し抜くこと能わず
Everybody knows me now
そしてその瞬間、誰もが俺を認識している

予言めいた歌と映像、直後に訪れたデヴィッドの死、訃報が駆け巡り世界じゅうが彼の死を悼んだ…
これはまるで、今回“デヴィッド周辺で起きた現実が彼自身による演出”であるかのようでさえあります。
…だとしても最近はマイケル・ジャクソンやマドンナなど、正式発表前に不法リークされてしまう事件が後を絶ちません。
そんなに上手くゆくのでしょうか…?(~Epilogueへと続く~


Then I used up all my money
やがて、金も使い果たし
I was looking for your ass
あいつを追い求めていった

【your ass】は、恐らく最もデヴィッドの実像を示していると思われる言葉です。
まず【your】は“あなた”を意味することに変わりありませんが、“相手の性別を特定しない都合良さ”がこの表現のポイントであったのではないでしょうか?
その二人の関係を暗示しているのが【ass】ですが、これは“学校では決して教えない類いの言葉”であり敢えて訳は“あいつ”に止めておいたので、“禁断”をお知りになりたい方はこっそりとお調べくださいね? 



~Epilogue~

『★』のプロデューサー、トニー・ヴィスコンティは今回の一連の出来事が“死期を悟ったデヴィッド自身が綿密に計画した、ファンへの別れのメッセージ”であることを認めています。
偶然ではなく、発表の時期も含めたすべてが故意に行われたものであったと…。

“彼の死も、彼の生と変わりなくアートの一部なんだ。
彼は『★』をみんなのために作った。別れの贈り物として…。”


それゆえ、デヴィッドの命を懸けたプロジェクトの漏洩を防ぐためアルバム『★』のレコーディングとミュージカル『Lazarus』の計画は完全秘密裏に遂行され、デヴィッドの病のことはごく一部の人間だけが共有し録音に参加したミュージシャンにさえそのことは伏せられていたそうです。
ミュージカル『Lazarus』の舞台監督イヴォ・ヴァン・ホーヴェは、終末へと向かうデヴィッドの最期の日々について以下のように語っています(要約編集)。

“1年3ヵ月以上前、彼から肝癌を患っていると告げられた。それが理由で、責務を全うできない可能性があることも…。壇上のボウイは元気そうだと報道されていたが、舞台裏では極度の疲労のため倒れていた。でも彼は作業を中止するのを拒み、病と必死に闘っていた。舞台挨拶の日、彼はステージから降りると椅子が必要なほど弱っていたにも関わらず‘さあ、次のを創ろう’と言ったんだ。”

David Bowie - Lazarus5

This way or no way
これ以外に道はない…


デヴィッドは死の2日前で、自身の69歳の誕生日である1月8日に長年彼を撮り続けてきたフォトグラファー、Jimmy Kingとフォト・セッションを行っています(恐らく生前最後の公式写真)。
ここでの彼は、この世に残された時間が僅か48時間であるというのに、全く“死の影”を感じさせません…。

David Bowie - Lazarus3 David Bowie - Lazarus4

18か月に亘りガンと闘い続けたデヴィッドは、家族に言いました。
“騒がれずに逝きたい、葬式はしないでほしい…。”
彼はスーパースターDavid Bowieに相応しい終幕だけでなく、一人の人間David Robert Haywood Jonesとしての終末の意思も明確でした。
デヴィッドは大きなショーやファンファーレに浴することを望まず、自らは“ただ消え去る最期”を、世界中のファンには“彼と音楽を共有した‘いい時間’だけ覚えていてほしい”と望んでいたそうです。

トニー・ヴィスコンティは、次のようにデヴィッドの遺志を代弁しています。
“彼は常に自分のしたいことをしました。そして自分流のやり方で、ベストのことをしたいと思っていました。
彼の人生と同じように、彼の死も芸術作品だったのです。彼が残したレコードは彼からの訣別のプレゼントです。”


Ain’t that just like me
…俺らしいだろ?

David Bowie , R.I.P. 



「ラザルス」


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tags : 2015年 アート・ロック メッセージ ミュージカル 

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Author:Beat Wolf
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