I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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「ハイウェイ・スター」ディープ・パープル

2016.05.06

category : Deep Purple

Deep Purple - Highway Star1 Deep Purple - Highway Star2


Deep Purple - Highway Star (1972年)



~ディープ・パープル武道館伝説、再び!~

1968年デビューのハード・ロック界のレジェンドでありながら、今なお創作&ツアーをこなす“現役”として精力的に活動を続けるディープ・パープルの日本公演が、間もなくスタートします(5/9~18)。
ディープ・パープルはこの4月8日、奇しくも“武道館つながり”のチープ・トリックと共に『ロックの殿堂』入りを果たしており、現在ニュー・アルバムも制作中でメンバーのイアン・ギランは“しばらくツアーから離れていたのでバンド内のエネルギーは爆発寸前なんだ、覚悟しておいてくれ!”といった趣旨のメッセージを日本のファンに伝えているそうです。

残念ながらオリジナル・メンバーのジョン・ロード(2012年に死去)やリッチー・ブラックモア(諸々の事情…)は参加していませんが、イアン・ペイス〈Ds.〉/イアン・ギラン〈Vo.〉/ロジャー・グローヴァー〈B.〉など「ハイウェイ・スター」当時のメンバーは今も健在です。
今回のツアーでは1972年・伝説の武道館の再現が試みられる趣向もあるそうで、もちろん「ハイウェイ・スター」も披露されることでしょう♪





~概要~

「ハイウェイ・スター」はディープ・パープル1972年の6thアルバム『マシン・ヘッド(Machine Head)』の収録曲でシングル・カットはありませんが(日本はされた)、彼らの代表曲の一つとして認識される楽曲です。
この曲は1971年、ポーツマスに向かうツアー・バスの中でリッチー・ブラックモアがアコースティック・ギターでリフを弾いているとそれにイアン・ギランが即興で歌詞を付けていくという形で生まれ、最終的にメンバー全員によって仕上げられました。

ディープ・パープルというと“ハード・ロックの親玉”というイメージがありますがデビュー当初は“アート・ロック”を志向しており、ジョン・ロードやリッチー・ブラックモアはクラシック音楽の影響を強く受けた音楽家です。
1970年の「Deep Purple in Rock」からハード・ロックに転向していますがそうしたクラシック・テイストはその後も見られ、「ハイウェイ・スター」でも間奏のオルガンやギター・ソロにはJ・S・バッハ風のコード進行を応用していることをジョン・ロードが語っています。


当時本国イギリスで揺るぎない人気を確立していた彼らは多忙を極めイアン・ギランが肝炎を発症するなど体調管理もままならず、同じく人気が高まっていた日本では1972年5月に予定されていた公演が延期される事態が生じ、8月にようやく初来日が実現しました。
この時の公演の模様を日本限定販売として録音されたのがライブ・アルバム『Live in Japan』であり、オリコン14位を記録しています。
ジャケットが日本武道館のステージを写したものであるため武道館ライブの音源であるかのように思われがちですが実際にはトラックの半分以上は大阪フェスティバル・ホールのものであり、「ハイウェイ・スター」もその一つでした。

しかし、これが予想以上に出来が良かったためタイトルを『Made in Japan』として海外でも発売されることとなり、イギリスで16位/アメリカBillboard 200で6位と、世界的大ヒットに至っています。
なお、このアルバムはローリング・ストーン誌“50 Greatest Live Albums of All Time 32位”に選定されるなど、今なお名盤と評されるライブ記録であり、メイン動画はその映像です。

 



~Lyrics~

Nobody gonna take my car
誰も、オレの車を捕えられはしない
I'm gonna race it to the ground
レースできっちりカタをつけてやる

作品の舞台となっている【highway】は日本では“高速道路”という認識で用いられることが多いですが、欧米では“(都市や町を結ぶ一般道を含めた)主要幹線道路”を指します。
つまり主人公はプロのレーサーではなく、俗にいう“走り屋”なのでしょう。

でも欧米の走り屋はスケールが違って、アメリカでは1970年代にNYからLA(約4,528km)までアメリカ大陸横断自動車レース“キャノンボール”(非合法)が行われており、近年これを模したヨーロッパの公道5000kmを走るラリー“ガムボール3000が毎年行われているそうです(もちろん非合法)!

 

It's gonna break the speed of sound
音速も超える
Oooh it's a killing machine
恍惚のマシーン

【the speed of sound】は“音速”であり、速度単位はマッハ(Mach)です。
自動車レースをテーマとした1967年のアニメに『マッハGoGoGo』というのがありましたが、果たして自動車が音速を突破することは現実に可能なのでしょうか?[マッハ1=1,224km/h(高度0m/気温15℃)]

国際自動車連盟 (FIA) によるこれまでの最高速度記録は1997年にイギリスのスラストSSC (Thrust SSC)が記録した1,227.985km/hで、これはマッハ1.016と人類初の“超音速”を達成しているものの時間制限に遅れたため公認はされていません。
ちなみに、この車両は全長16.5m/全幅3.7m/重量10.5tで“ジェット戦闘機のエンジンを2基搭載”するという私たちがイメージする自動車の概念とは全く別モノであり、“翼のないジェット機”といった方が当てはまりそう…?
また、現在もこのプロジェクトは継続しており、後継車ブラッドハウンドSSCはロケット技術を投入し1,609km/hを目指し開発が進められているそうですよ!(興味のある方は《動画・右》をどうぞ♪)


Nobody gonna take my girl
誰も、オレの女に触れさせはしない
I'm gonna keep her to the end
命尽きるまで、オレのもの

1番では【it】だったものが、2番では【my girl/her】に変わっていますョ!
車好きの中には“愛車に恋人と匹敵する愛情”を注ぐ人もいると聞きますが、この場合の[her]は…?
収入に不釣り合いの高価な車や過重な改造など、そのあまりの熱心さに大抵の女性は嫉妬するか呆れるかのどちらかでしょうネ?

でも、車好きの男性にとって“車=オレ”であり、“かっこいい車=かっこいいオレ”なのです!
女性に置き換えるなら、“ブランド物への執着心”を想像すると彼の気持ちも理解できるのでは? 



~Epilogue~

ディープ・パープルは、日本でも歴代屈指に愛されたハード・ロック・バンド。
驚異的な演奏テクニックはアマチュア・バンドにとって大きな目標となってきただけでなく、インパクトのあるサウンドは度々CMに起用され、更にいろいろな形にカバーされたりして親しまれてきました。

「Highway Star」のカバーといって多くの方が恐らく真っ先に思い浮かべるのは、王様「高速道路の星」でしょう。
英語詞を直訳し原曲に乗せて歌うという直訳ロックのスタイルは独特のコミカル感があり、カラオケでは“最強のネタ”として盛り上がったのでは?
また、リコーダーやウクレレを用いて原曲のハード・ロックとは正反対のかわいいテイストを開拓した栗コーダーカルテットver.も忘れられません。

…でも何れのカバーも非常にユニークであり、こういう発想って日本人にしかできないと思いませんか?
日本人は没個性的だなんて言われることがありますがそれは表面に出さないからであって、頭の中には面白い創造がいっぱい詰まっているのだと再認識させられます♪




さて…
ゴールデン・ウイークも終わりましたが、“五月病”は無事越えられましたでしょうか?
それにしても、今年は山口県の山陽道や福島県の常磐道をはじめ大きな交通死亡事故が相次ぎました。

重大な交通事故といえば真っ先に“スピードの出し過ぎ”を思い浮かべますが、近年は高齢者や運輸ドライバーの過重労働による“思いがけない事故”も増えています。
交通事故の大半は自分の能力を超えた無理を強いることによって生じるものですが(高齢・疲労もこれに入る)、これからはこうした他者による“巻き込まれ”にも十分注意する必要がありそうです。
事故は自分が起こしても、巻き込まれても、死んでしまった人が一番損をしますから。

Alright hold tight
いいぞ、しっかり食らいつけ
I'm a highway star
オレたちがハイウェイ・スターだ!

夜に輝くお星さまは空の彼方にあってこそ美しいものですが、人間の【star】はこの地上で生きてこそ輝くことができます。
自動車運転はその全ての一瞬が生命と運命の輝きを奪い得るものであることを、どうかお忘れなきよう…。



「ハイウェイ・スター」


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tags : 1972年 HR/HM スポーツ/ドライブ 日本で人気 

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