「カーマは気まぐれ」は1983年の2ndアルバム『カラー・バイ・ナンバーズ(Colour by Numbers)』からの2ndシングルでイギリスで6週No.1(年間No.1)、翌年アメリカBillboard Hot 100でも3週連続No.1(1984年の年間10位)を記録するなど、全世界16カ国でNo.1に輝いたカルチャー・クラブ最大のヒット曲です。 この活躍により同曲は1984年のブリット・アワードで“Best Selling Single”を受賞、2015年のイギリスのテレビ・アンケートによると“1980s No.1ソング(191曲)の9位”に選出されています。
作品のタイトルは当初「Cameo Chameleon」だったそうで([cameo]はカメオ細工などの意味)、その後【Karma】に変更されました。 移り気な恋人を、体色をコロコロ変化させるカメレオンに喩え、続くライン【You come and go】もこれと似た韻をなぞるなど、歌詞全体が韻を踏みまくって遊び心に満ちています。
I'm a man without conviction 僕は信じ抜く心を持たず I'm a man who doesn't know how to sell a contradiction たった一つの矛盾さえ容れない小さな人間だって
この歌は【カメレオン→カーマ】というシャレが妙味になっていますが、もう一歩進めて【キャメロン】というのはどうでしょう? [2006年イギリス地方選挙]… イギリス人の皮肉好きは有名ですが、その際労働党が掲げたテーマが「Karma Chameleon」でした。 “コロコロ色を変えるカメレオン”は政党としてマイナス・イメージのはずですが、これにはライバルの保守党に対する皮肉が込められています。 当時、保守党党首に初当選したばかりのデーヴィッド・キャメロン氏(現・イギリス首相)を【Cameron=Chameleon】に準(なぞら)えて、“a man without conviction(信念のない男)”と皮肉ったわけです。
Every day is like survival 生き残りのために力を合わすべき人であって You're my lover not my rival 決して、争うための相手じゃない