I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
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Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「リズム・オブ・マイ・ハート」ロッド・スチュワート

2023.01.30

category : Rod Stewart

Rod Stewart - Rhythm of My Heart (1991年)

男は海を航(わた)る…その胸を激しく打ち鳴らす「Rhythm of My Heart」に突き動かされて

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


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tags : 1991年 ソフト・ロック ケルト 郷愁 新型コロナ  

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「マギー・メイ」ロッド・スチュワート

2018.09.21

category : Rod Stewart

Rod Stewart - Maggie May1 Rod Stewart - Maggie May2


Rod Stewart - Maggie May (1971年)



~概要~

「マギー・メイ」は、ロック界を代表する“スーパースター”ロッド・スチュワートにとって、初めてのヒット曲といえる作品。
ロッドは1960年代初頭からあちこちを渡り歩きながら音楽活動を行っていましたが成功と言えるほどの結果は得ておらず、1967年に【ジェフ・ベック・グループ】のヴォーカリストとして参加しようやく実力に見合った成功を収めました。
しかし69年にバンドは解散、バンド・メイトのロン・ウッドらと【フェイセズ (Faces)】を結成する傍ら、1stソロ・アルバムを発表しています。

1971年5月、3rdソロ・アルバム『エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー(Every Picture Tells a Story)』を発表、7月に最初のシングル「A面;Reason to Believe/B面;Maggie May」がリリースされ、「Reason to Believe」はアメリカBillboard Hot 100の98位でランク入りしました。
しかしラジオ局を中心に「Maggie May」の人気が急上昇、10月にHot 100のNo.1(5週/年間2位・全英5週No.1/年間2位)に輝いた頃には「Maggie May/Reason to Believe」と、「Maggie May」がA面扱いされるようになっていました。

ロッド本人によると当初「Maggie May」の扱いは、シングルB面どころか殆んどアルバムに入り損ねるところだったそうで、その理由は“(周りの)誰にも気に入ってもらえなかったんだ。メロディーが無いって…”というものでした。
また、本曲が彼の運命を変えるきっかけとなったことについて、“クリーブランドの熱心なDJがレコードをひっくり返して(B面の「Maggie May」をかけて)くれなかったら、俺は今でも(誰に知られることなく)シコシコやってただろう。運のいいヤツっているもんだ”と語っています。
そんな「Maggie May」は2010年、ローリング・ストーン誌【The 500 Greatest Songs of All Time 131位】の評価を獲得しています。

本曲レコーディングには共作者のMartin Quittenton(A.Gt.)、フェイセズからロン・ウッド(E.Gt.)とイアン・マクレガン(H.Org.)らが参加しています。
また、「Maggie May」は“マンドリンをフィーチャーした最初の大ヒット曲”としても知られ、Ray Jacksonという人が演奏していますが、彼は本曲の他にも「Mandolin Wind」などでマンドリンを演奏したにも拘らず同アルバムのクレジットに個人名を記載されず、ロッドが“Lindisfarne(バンド名)のマンドリン・プレイヤーによって演奏された。名前は忘れてしまった”と紹介していたとか!

世代を越えて愛され続け、今日まで何れの年代もロッドによってステージで歌われ続けた「Maggie May」ですが、やはり思い出深い一つは1993年に出演した音楽番組『MTVアンプラグド』でしょう。
盟友ロン・ウッドらと共に演奏された名曲の数々はアルバム『Unplugged...and Seated』としても大ヒットし、アコースティックなサウンドが似合う「Maggie May」はその目玉の一つでした。


 
 



~Lyrics~

Wake up Maggie I think I got something to say to you
起きてよマギー、言いたいことがある
It's late September and I really should be back at school
9月ももうすぐ終わるし、俺も学校に戻らなきゃ

主人公は、どうやら学校へ通う年齢のようです。
9月の終わりというと日本ではとっくに学校が始まっている時期ですが、イギリスの夏休みは5・6月頃~8月末・9月末ぐらいまでと極めて長く、彼は夏休みの期間をずっとマギーの所へ転がり込んでいたものと想像させます。

日本の1~2カ月程度の夏休みでもよほど計画的に自制して過ごさない限り生活そのものを持て余し気味になりがちですが、うるさい親のいない他人の家に転がり込んで4ヶ月近く夏休みを過ごすと、どうなるのでしょう…。


The morning sun when it's in your face really shows your age
朝日が“その顔”を照らすと、実の年齢(とし)まで露わになる
But that don't worry me none in my eyes you're everything
だけど“この目”はそんなの気にしない、俺にとってはあんたがすべて

“朝日に照らされると実の年齢が露わになる”って…
マギーって、どうやら“学生である主人公より相当年上”のようです。
彼が何カ月も転がり込んでいられる環境であることから考えると、“独り暮らしの社会人女性”?

一方、主人公は薄々“遊ばれてる?”とやり切れない感情を抱えながら、その若さゆえか彼女への想いは一途です。
その言及から、“容姿以外に惚れている(若くない容姿が好き?)”ようですが…。


Or steal my daddy's cue and make a living out of playing pool
それとも親父のキューを盗んで、玉突きで生きてみるか
Or find myself a rock and roll band that needs a helpin' hand
あるいは、助けが必要なロックンロール・バンドに途を見出すか…

ここは、ロッド自身の足跡を感じさせます。
ロッド・スチュワートは「Maggie May」の大ヒットで“ソロ歌手”として認められ、今日までの約半世紀のキャリアの殆んどをソロとして歩んできましたが、フェイセズ以前まではさまざまなバンドを渡り歩きました。

ロック歌手を目指す前ロッドがサッカー選手を目指していたことは有名ですが、1973年に全英8位を記録したフェイセズのシングル(ロッド/ロン・ウッドの共作)に「玉突きリチャード(Pool Hall Richard)」という作品があり、ビリヤードも選択肢の一つだったかもしれません。
ただし【pool】は“賭け金”という意味からイギリスでは“賭け玉突き”を指すこともあり、彼が真っ当なプロを目指したかは特定できません(むしろ賭け玉突きの方が作品に合っている?)。



~Epilogue~

まずは、この映像をご覧ください。



投稿主によるとこの映像は1961年のニュース映画のアウトテイクで、『the 6th Beaulieu Jazz Festival』(イングランド南岸ニュー・フォレスト)に訪れていたビートニク(Beatnik)を映したものらしいのですが、この中に登場するギターを背負った若者に見覚えがありませんか?
…そう、彼が若きロッド・スチュワート(Roderick David Stewart)だというのです!

ロッドがこれを自分と認めたかは不明ですが、“1961年(16歳)に『the Beaulieu Jazz Festival』に行った”ことはイギリスの音楽雑誌『Q』2007年1月号で本人も認めています。
しかも、「マギー・メイ」はここで出逢った女性とのことについて、おおよそ実話とまで告白しています。
それについて、具体的に語ってくれているのですが…

about the first woman I had sex with!
…訳しません!

ただし、この女性の名前は【Maggie May】ではなく、“リヴァプールの古い民謡を引用した”と語っています。
その民謡とはビートルズも『レット・イット・ビー』でカバーした「Maggie Mae」(Maggie Mayとも綴る)のことで、ここに歌われる女性“Maggie Maeは娼婦”です。
ロッドは『the Beaulieu Jazz Festival』のビアテントで年上の女性に強引に口説かれ“貴重な体験”をしたそうですが、彼女が娼婦であったかはわかりません。


Oh Maggie I wish I'd never seen your face
マギー、あんたと出逢わなければよかった
You stole my heart but I love you anyway
だけど心を盗まれた俺は、それでもあんたに惚れている 

彼女との出逢いは、“その若者”の人生にどんな影響を与えたのだろう…。



「マギー・メイ」


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tags : 1971年 フォーク・ロック 男の主張 偉大な曲 

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「ダウンタウン・トレイン」ロッド・スチュワート

2016.10.07

category : Rod Stewart

Rod Stewart - Downtown Train1 Rod Stewart - Downtown Train2


Rod Stewart - Downtown Train (1990年)



~鉄道の日~

10月14日は、“鉄道の日”。
1872年10月14日(旧暦・9月12日)に新橋 - 横浜駅を結んだ日本初の鉄道が開業したことから、1922年に鉄道省により制定されました(当時は“鉄道記念日”)。
それから144年が経った2016年、北海道新幹線が開業しリニア中央新幹線品川駅工事が着工するなど鉄道は著しい発展を遂げた一方、それに伴い寝台特急カシオペアや急行はまなす、特急スーパー白鳥など“旅情誘う名物列車”が惜しまれながら今年をもって運転終了しました。

…そんなワケで、今回は【Train】をテーマとしてみました♪ 



~概要~

「ダウンタウン・トレイン」は1989年のベスト・アルバム『The Best of Rod Stewart』のため新たに録音されたシングルで1990年1月にリリース、「Da Ya Think I'm Sexy?」以来11年ぶりにロッド・スチュワートが英・米両方のチャートでトップ10入り[UK 10位/US Hot 100 3位(年間37位)]を達成した作品です。

オリジナルはアメリカのシンガー・ソングライターのトム・ウェイツが1985年に発表したアルバム『Rain Dogs』に収録された作品で、作者も彼です。
一応シングル・カットはしたもののチャ-ト・インは果たせず(…というか、彼は生涯を通じてHot 100にチャ-ト・インしたシングルは1つもない!)、ボクシング元世界ミドル級王者のジェイク・ラモッタ(※)が出演したPVが特筆されます。
(※ジェイク・ラモッタはロバート・デ・ニーロがアカデミー主演男優賞を獲得した映画『レイジング・ブル』の原作者であり、これは彼の自伝に基づいたものである)
その後1987年にメアリー・チェイピン・カーペンターやパティ・スマイス[本曲は彼女のバージョンで初めてチャート・イン(95位)]ら女性歌手によって歌い継がれ、1989年にロッドが歌うに至ったというわけです。

ロッドver.のヒットの要因として彼自身の哀愁たっぷりのヴォーカルがあるのはもちろんですが、プロデューサーを務めたトレヴァー・ホーンの貢献も大きく、ロッドはその出来映えについて『The Best of Rod Stewart』のライナーで“すばらしい才能にあふれ社交的なトレヴァー・ホーンがプロデュースした一枚岩のような曲”と評しました。
“レコーディングに貢献”といって忘れてはならないのは1960年代からの盟友ジェフ・ベックで、ここではスライド・ギターで参加しています。
また、「Downtown Train」は元々ロッドのお気に入りというわけだったわけでなくWEAレコードのロブ・ディキンズの紹介によるものだったらしく、“彼が、僕の関心をこの美しいトム・ウェイツの曲に向けてくれた”と、その功績に言及しています。

私が初めて「Downtown Train」のパフォーマンスを目にしたのは1991年のグラミーで、これはロッドが本作品で“Best Male Pop Vocal Performance”にノミネートされたことによるものですが、実際には恐らくこの時の歌は“口パク”だったと思われます。
ただ、この時のロッドのパフォーマンスがとにかくカッコよくて、今もお気に入りの映像です。
でも、どうしてもロッドの生歌が聴きたいという方のために、正真正銘の生歌映像をお付けいたしましょう♪

 



~“酔いどれ詩人”と「Da Ya Think I'm Sexy?」~

トム・ウェイツというと歌詞の難解さが有名で、「Downtown Train」についても本人が“誰にもカバーできない曲を書いたつもりだった”と語っているように、彼以外の人がこの詞を歌いこなすには解釈を変更する必要があるように思えます。
そこで、特に問題となる2番の歌詞についてオリジナルのトム・ウェイツver.とロッド・スチュワートver.を、私なりの解釈で比較してみました。




You wave your hand and they scatter like crows
お前が別れの手を振ると、奴らは烏のように四散する
They have nothing that'll ever capture your heart
…そんな連中に、その心を熱くさせるものなどあろうはずもない

まずは、トム・ウェイツver.。
ここで歌詞を難解にさせている最大のクセモノは【they】の存在で、早くも1行目から“Youが手を振ると、どうして【they】がカラスのように四散する?”という疑念が湧いてくるはずです。
主人公は、Youにとって【they】が好ましからざる存在と考えていて、同時に彼はYouに片想いしているらしいことは窺えるものの、その先を究明しようとするとどうしても1行目の疑念が立ちはだかってくることになります。

そこでこの“【You】を娼婦”、“【they】をその相手客”と仮定してみたらどうでしょう…
用が済んだらお互い惜しむことなくサヨナラ…というのも頷けるはずです。
さらに、3番の歌詞で[I know your window...]から始まる抽象的な部分も“惚れた娼婦が客と交わっているホテルの外に立つ主人公”とするなら彼の苦悩も具体的に理解できるし、全体としてもストーリーの筋が通ると思います。


You wave your hand and they scatter like crows
君が別れの手を振ると、それは烏のように四散する
They have nothing that'll ever capture your heart
…そこに、心を熱くさせるものなどあろうはずもない

一方、トム・ウェイツver.の解釈をロッド・スチュワートの「Downtown Train」にそのまま当てはめようとすると、ロッド自身のイメージや彼のバージョンから受ける清々しさとのギャップに違和感が湧いてきます。
でも考えてみれば“酔いどれ詩人”と形容されるトムの歌を、「Da Ya Think I'm Sexy?」を地でゆくロッドがカバーするのですから、そこに違和感が生じるのも無理はありません。

そこで、ロッドver.では“都会へ旅立った片想い(もしくは元恋人)の女性を、今も忘れられず見守り続ける主人公”という基本設定を描いてみました。
すなわち“【You】は娼婦ではない普通の女性”、“【they】は特定の人物ではなく、彼女を取り巻く大都会の空虚や危険”と捉え和訳を完成させました。



~Epilogue~

作品のテーマの一部となっている【downtown】は普通名詞としては[商業地区に・都心部に]といった意味ですが、この作品ではそこを走る電車は【Brooklyn girls】で溢れているということから、舞台は“ニューヨーク市ブルックリン区ダウンタウン・ブルックリンと思われます。
ブルックリンはニューヨークの5つの区の中で最も人口が多い250万人が居住する大都会で、区内にはニューヨーク市地下鉄が18線通っておりマンハッタンとを行き来する者の92.8%はこの地下鉄を利用するそうです。
「Downtown Train」のPVには地下鉄が登場し、《概要》の項で紹介したグラミーのパフォーマンス映像でも【Will I see you tonight on a downtown train】のラインにくるとロッドが頻(しき)りに右手で下を指さす仕草をすることからも、【Train=地下鉄】という解釈が成立します。


Will I see you tonight on a downtown train
“今夜、ダウンタウン・トレインで会えない?”
Every night, every night its just the same
…毎夜毎晩、唯そればかり想い巡らす

これまでトム・ウェイツver.とロッド・スチュワートver.のテイストの違いをあれこれ述べてきましたが、ストーリーの一番大切な部分は誰が歌おうと決して変わることはありません。
要は一人の男が一人の女を好きで、事情があって実現は叶わぬままであるものの、毎夜毎晩相手のことを思い浮かべている…
そんな、シンプルなラブソングです。
散々こねくり回しておいて言うのもなんですが、難解な歌詞を乗り越えた後、この真っすぐで解釈の余地もないメッセージに辿り着いた今の私の心情は、長く続いた雨の後、淀みなく澄み渡った青空に出あったような感動に似ています。

…改めて、この歌が好きになりました♪ 



「ダウンタウン・トレイン」


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tags : 1990年 AOR せつない愛 乗り物 

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