Stevie Wonder - Stay Gold(1983年)~Summary~1962年に“12歳でデビュー”し天才の名を欲しいままにしてきたスティーヴィー・ワンダーの黄金期は1972~76年頃ですが、80年代の前半もしっとりした佳曲でNo.1を連発して第二黄金期といえるでしょう。
今日ご紹介する作品はその頃に発表されたもので、オリジナル・アルバムにも収録されていなければシングル・カットもなかったにも関わらず、特に日本で愛され続けている名曲です…。
この曲は元々1983年の
映画『アウトサイダー(The Outsiders)』の主題歌として提供された作品ですが、当時日本では映画も曲もあまり話題には上りませんでした。
83年といえば『フラッシュダンス』の話題一色で、カバー曲やドラマ『スチュワーデス物語』へと飛び火する大ブームとなっています…。
~Commercial song~そんな“知る人ぞ知る”な曲だった「ステイ・ゴールド」が有名になったきっかけは、1994年に
トヨタ・カムリのCM曲に採用されたことでした。
これによりこの曲は日本独自編集のオムニバス版などに収録され、スティーヴィーのベスト盤の定番曲ともなってゆくのです。
また、2000年代にも
三菱UFJ信託銀行がこの曲を採用、“長嶋茂雄&一茂父子がキャッチボール”するCMで話題となりました。
CMのコンセプトは“相続関連”にあったようですが、「LIFE ~ ステイ・ゴールド」のテーマとは合っているような、いないような…?
~Movie~ところで、映画『アウトサイダー』の監督は『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』の
フランシス・フォード・コッポラです。
“コッポラのYA三部作”(本作品は第一作目)と呼ばれるように、この頃まだ無名なYAスター(ヤング・アダルト・スター)が多数出演しています。
主役は
C・トーマス・ハウエルで(主役が一番知名度が低い?)、それ以外の出演者を列挙してみると…
マット・ディロン 『ランブルフィッシュ』
ラルフ・マッチオ 『ベスト・キッド』
エミリオ・エステベス 『ヤングガン』
ロブ・ロウ 『セント・エルモス・ファイアー』
パトリック・スウェイジ 『ゴースト/ニューヨークの幻』
ダイアン・レイン 『運命の女』
トム・クルーズ 『トップガン』
…という数年後だと考えられない豪華な共演で、さらには田原俊彦の「哀愁でいと」の原曲「New York City Nights」を歌った元アイドルのレイフ・ギャレットや、、ロックの殿堂入りしている“酔いどれ詩人”トム・ウェイツまで名を連ねています。
~Theme song~作詞はスティーヴィー、作曲は監督・フランシスのお父さんで映画の音楽を担当したカーマイン・コッポラ です。
素朴なバラード曲で心癒されますが歌い終わってからのスティーヴィーのハーモニカがあったかくって、それだけでも聴いていたくなるでしょう…。
タイトルの
「Stay Gold」は“輝き続ける”といった意味合いの表現で、スティーヴィーの書いた歌詞は劇中で暗唱される
ロバート・フロストの詩が素となっていると思われます。
黄金色は褪せる
創造の時 緑は黄金
すぐにうつろう
創造の時 葉は花
すぐに散り
やがて葉はただの葉
エデンは悲しみに沈み
暁はただの昼
黄金の色は褪せる (劇中より)
この詩は映画で、主人公ら若者が“花盛り”を
刹那的に生きることの虚しさを暗喩する重要な役割を果たしていています。
物語ではそうした彼らの中から若い命を落とす者が出てしまうのですが、その彼は重傷を負って初めて“俺、前に死にたいって言ったけど、本当は生きていたい”と心を改めることになるのです。
そして、彼が仲間に最期に遺した言葉が“Stay Gold”でした。
さらに彼は手紙で、“夕日を見て綺麗と思う心を失うことなく、いつまでも輝いて生きて欲しい”というメッセージも添えています。
~Epilogue~人生に於いて輝かしい時間は、ほんの一時…
物理的・生理的に、これが“真”であることは認めざるを得ません。
しかし人間には、発達した“学ぶ能力”があります。
この能力を発揮すれば、身体的にも精神的にも長く良い状態を維持することはできるでしょう。
ただし、学んだことを生かせるかが問題です。
新しく学んだ教訓がそれまでの自分を否定するものであった場合、あなたはどうするでしょうか…?
つまり
“Stay Gold”であり続けるためには、その際の“修正”ができるかどうかに掛かっていると思うのです。
つい最近、
“三浦雄一郎さんが80歳の最高齢でエベレスト登頂に成功”というニュースがありました。
彼は54歳で“世界七大陸最高峰全峰からの滑降を成功”という偉業を果たしていますが、実はそれで目標を失い暴飲暴食を重ね高血圧や狭心症・糖尿病などを発症してしまい、超人どころか普通の日常すら送れなくなってしまいます。
これに反省した彼は“70歳でエベレスト登頂を目指す”と一念発起し、厳しいトレーニングを重ね、それを成し遂げました。
その後80歳でのエベレスト登頂を目指しますが2009年に骨盤骨折の重傷を負い、医者にも“再起は難しい”と言われた中での今回の偉業だったワケです。
凡人の私たちに偉業は無理としても、私はこのニュースに
「Stay Gold」と重なる“人生のヒント”があるように思えるのでした。
“Stay Gold”…
みなさんも、そこに辿り着く自分なりの途を見つけられることを願って…。「LIFE ~ ステイ・ゴールド」 Writer(s):Stevie Wonder, Carmine Coppola/訳:Beat Wolf
ずっと昔の一瞬を思い出してごらん
きっと息を呑むほど
若くて無邪気なあなたがいるはず
改めて出逢えるだろう
あの日の輝きに…
過去の世界に足を止めてみると
すべての時間が永遠と思えるだろう
でもお天気のように
それを留めることはできないんだ
金色の輝きを…
でも叶うかもしれない
夢みることができたなら
はっきりと
心に描けたなら
きっとあなたは言うだろう
一日なんて
すぐに色褪せる
沈みゆく太陽の光とともに…
それが金色の輝きだと
人生なんて、瞳の瞬きのよう
だけど、哀しみや思いやりが詰まっている
想像できないだろうけど
すべての出来事は
歳をとってから起きるものなんだ
金色の輝きだって、そう…
最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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1983年 ソウル 希望 映画80's CM曲
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