Rosemary Butler - Ridin' High (1982年)~Rosemary Butler~ “ローズマリー・バトラー”って、誰?
洋楽に詳しい方でも、この時代を経験してない方には恐らく彼女のことをご存じないでしょう。
しかし、この時代を経験した方ならば洋楽に詳しくなくとも、きっと“あの曲か!”と思い出していただけるはずです。
それほど、この年の彼女の活躍は眩いものがありました!
…そういうのフツウ、“一発屋”って言うんじゃないの?
(※ローズマリーは、決して一発屋ではありません!
2発… )
~概要~ ローズマリー・バトラーは1960年代前半から音楽活動を始め、リンダ・ロンシュタットやボニー・レイットのバック・ヴォーカルも務めた大ベテランですが、これまでその実力に反して自身のチャンスには恵まれてはきませんでした。
しかし、そんな彼女が突如日本で
映画『汚れた英雄』の主題歌 を歌うことになり
オリコンで3位を記録し34.7万枚 の大ヒット、これは1983年の年間売り上げで27位(YMO最大のヒット「君に、胸キュン」と同記録)、洋楽部門としては
アイリーン・キャラの「フラッシュダンス」(過去ログ) に次ぐ堂々の2位に輝いています!
さらに同年、ローズマリーはアニメ映画『幻魔大戦』の主題歌
「光の天使 CHILDREN OF THE LIGHT」 (作曲はEL&Pのキース・エマーソン)も歌い、こちらも21.5万枚を売り上げ年間57位(洋楽部門3位)と、目覚ましい活躍を成し遂げた一年となりました。
「Ridin' High」はグラミー賞“Best Female Rock Vocal Performance”の常連パット・ベネターも真っ青の本格派ロック調ですが、作曲は日本人です!(時期から考えて、「アイ・オブ・ザ・タイガー」を意識した?
)
この頃、日本でこんなカッコいいロックやってた人いたっけ…?
…そんな想像を巡らすや、作曲者の
小田裕一郎 は本作以外では松田聖子の
「青い珊瑚礁」 や田原俊彦の「恋=Do!」というアイドルの作品を多く手掛けた人で、この年、杏里の「CAT'S EYE」も大ヒットさせています。
映画『汚れた英雄』
は
大藪春彦 が1969年に発表した長編小説を原作、
角川春樹監督 のデビュー作として1982年12月に公開されました。
主演はこの頃絶世の美男子ぶりを誇った草刈正雄で、その美しさを生かして財を築いたレーシング・ライダーの物語です。
『汚れた英雄』というタイトルと共に、
“0.1秒のエクスタシー” というキャッチ・コピーもソソられるものがあります…。
VIDEO VIDEO ~Lyrics~ The way you kiss me その唇は、口づけにさえ You never miss me, do you? 私を渇望しない…そうでしょう? 草刈正雄が扮する主人公・北野晶夫は天才的なレーサーですが、一方でその美貌を武器に複数の金持ち女性らをパトロンとすることで活動の資金を得ています。
そのため彼にとっての“第一義はレースや勝利”であって、“それを叶えるためのカネ”、“カネを得るための女”といった構図になっていて、女に心を奪われてしまってはレースも、資金源も失ってしまう…といったところでしょう。
彼女にとっては、悩ましいところです…。
Riding High, Riding High 速く…もっと速く You are the lonely rider I know あなたは、孤独のライダー 【Riding High】は慣用句として捉えず、【ride=(バイクを)走らせる】+【high=高速・高い所】と解釈しました。
そう叫ぶ彼女の心の裏側には、彼に対する応援というよりそれと正反対の心情があるような気がするのですが、いかがなものでしょう…?
頂点を目指す闘いは孤独であり、平凡な日々を過ごす人には理解できない狂気です。
彼女が彼に感じる“壁”には、そんな背景もあるかもしれません…。
You're going too fast だけど、あなたは急ぎ過ぎている You beter think twice ... oh no ... もう一度、よく考えた方がいい... oh no 【too fast】に込められた思い…
危険と隣り合わせの恋人を持つ女性は、みんな同じことを願うでしょう。
そして、危険な行為や生き方を【think twice!】と願うもの。
主人公も映画の本編で華々しい活躍を遂げますが、その後の彼に待ち受ける運命は…?
~安倍首相と“国民運動団体”『日本会議』~ 2015年9月18日…
奇しくも、日本を凄惨な大戦へと導く発端となった
“満州事変”と同じ日(1931年9月18日・柳条湖事件) 、それと同じように主権者の許しを得ぬ独断によって、国民全体に関わる極めて重大な『安全保障関連法案』が成立してしまいました…。
“歴史は繰り返す”といいますがこれは単なる偶然か、歴史の皮肉?
“奇妙な一致”は、それだけではありません。
安倍晋三首相 は
『日本会議』 という任意の“国民運動団体
※ ”を支援する
『日本会議国会議員懇談会』の特別顧問 を務めていますが、この
『日本会議』には満州事変を主導した石原莞爾中佐の満州国建国思想に多大な影響を及ぼした宗教団体『国柱会』 (宗教右派とされる)が関与 しているという点に於いても、奇妙な一致があります。(
※東京新聞は“日本最大の右派組織”、ニューヨーク・タイムズは“ナショナリスト(国家主義者)組織”と評している )
また、驚くことに今回『安全保障関連法案』の強行採決を演じた
第三次安倍内閣・全閣僚19名中16人と、首相補佐官5名全員もまた『日本会議』のメンバー に属しているとしたら、単なる偶然で済まされない要素を想像してしまうのも無理はありません。
一方、『安全保障関連法案』をはじめ安倍首相と心が交わらない決定的な理由は
“真実を語ろうとしない態度” であり、震災によって“原発・安全神話の嘘”を学習している私たち国民には、彼が集団的自衛権の安全性について連発する“根拠に乏しい太鼓判”は理解に苦しむばかりです。
集団的自衛権の是非に関してはもっと世論が割れてもいいはずなのに、彼の言う“限定的な集団的自衛権”に殆んどの人が気持ち悪さを覚えるのは、彼が
国民を“終点を隠したバス”に無理やり乗せようとしている からに外なりません。
安倍首相が、私たち国民を何処に連れて行こうとしているのか…
そのヒントこそ、『日本会議』にあると思うのです。
『日本会議』 は神道・靖国神社など
宗教団体('15現在、役員の約4割を占める) や財界・法曹界・学会、国会及び地方議会議員らによって構成される任意の保守主義団体で、以下のような活動目的を掲げています。
(※要約文は私が編集しましたが“ニュアンス”を崩さぬよう、極力原文にある単語をそのまま用いました)
1.美しい伝統の国柄を明日の日本へ =同じ歴史・文化・伝統を共有し民族の同胞感を育み、皇室を中心に国民が一体感を抱く国
2.新しい時代にふさわしい新憲法を =弊害ももたらした占領軍押し付けの憲法を廃し、歴史的な国柄を反映した憲法の制定
3.国の名誉と国民の命を守る政治を =先の大戦を一方的に断罪するわが政府の謝罪外交を是正し、国民の生命と財産を守る確固とした政治
4.日本の感性をはぐくむ教育の創造を =行きすぎた権利偏重・自虐的な歴史教育・ジェンダーフリー教育を是正し、国を愛し公共につくす精神の育成
5.国の安全を高め世界への平和貢献を =戦没者追悼の心と国を守る世論を喚起、集団的自衛権を行使し国際社会の平和建設に積極的に汗を流す
6.共存共栄の心でむすぶ世界との友好を =和を尊ぶ国民精神と文化を海外に発信し、世界の国々との友好事業をすすめる
~Epilogue~ 安倍首相の目指す“終着点”が、あなたなりに描けましたか?
満州事変を起こした将校らも、“
五族協和 ”(五民族が協調して暮らせる国)、
“王道楽土 ”(王道によって治められる安楽な土地)というもっともな理念を掲げていましたが、実際に満州国で行われた政治はそれとは正反対の関東軍による植民地支配でした。
共産主義が失敗したのも同じ矛盾が理由であり、要は
どんなに美辞麗句を掲げようと“それを行う人間の能力と品性次第” なのです。
『日本会議』の理想には美しい点もありますが、それを実行するメンバーの中には
“沖縄の新聞はつぶせ” 発言が問題となった自民党勉強会の参加議員、
“法的安定性は関係ない” 発言の礒崎陽輔・首相補佐官、東京都議会で塩村文夏都議に対し
“早く結婚しろ” とヤジを飛ばした鈴木章浩都議など、
何れも“同じ品性” が窺えます。
また、国民の大半が反対すると知りながら法案を強行採決した安倍首相自身も、父である故・安倍晋太郎氏に
“おまえは政治家として最も大事な情がない” と評されました。
You don't care what people say about you 誰に、何を言われようと気にもせず 『安全保障関連法案』の成立によって、国民の望まぬ“日本は先制攻撃もする”というメッセージを世界に発信してしまったことは“戦争しない国”というイメージの代え難い国益を損ねました。
しかし今回、法案そのものより
後世に対して犯した許されざる罪は、“国民大多数に逆らい、権力者は独断ができる”という前例を残してしまったこと であり、私たちの選択如何では“次”を試みる者が現れるでしょう。
これで
“彼ら”が宣言 したとおり、まさに“
法的安定性が崩壊 してしまった”ことは間違いありません。
しかし、安倍首相は、直ちに
来年7月の参院選 に向けて全力を注いでくるでしょう。
そして、これまでと同様に選挙までアメをばら撒いて支持率を回復させ国民がそれに気を取られている隙に、着々と
“憲法改定” の準備を進めるはずです。
現に『日本会議』の別働団体
『美しい日本の憲法を作る国民の会』 は昨年10月から“1000万人の賛同者を集める”ための活動を行っているし、安倍氏は何としても参院の3分の2を獲るために、維新の党を分裂させた橋下徹氏の橋下新党との連携を図るでしょう。
Searching for an endless game all thru your life 人生を懸け終わりのないゲームを追い求める、あなた 私たちには、
“数多の血の代償によって得た歴史の教訓” があります。
関東軍が勝手に始めてしまった戦争(満州事変)を、指導者が“やってしまった以上、仕方ない”と追認して日本がどうなったかを?
“五・一五事件”、“二・二六事件”、そして“盧溝橋事件(日中戦争の発端)”…
これを放置したために軍は同じような暴挙を繰り返し、国民が大戦争へと引きずり込まれてしまった ことを、忘れてはなりません。
今、
権力の暴走をコントロールする責任を負っているのは私たち国民 です。
“法案が成立してしまった以上、仕方ない”と違憲を犯した当人を処罰せず何事もなかったように放置してしまったなら、主権者である私たちがこれを追認したことになり、味をしめた彼またはそれに続く者がさらに同じ過ちを繰り返すでしょう。
権力の暴走とは、そうして膨張するものです。
安倍氏と『日本会議』に支配された、今の
自民党の“不自然な沈黙” を見てください…
あれこそが彼らにとっての
“美しい姿” であり、彼らが未来に思い描く
“美しい日本” です。
権力の暴走をコントロールするのは他の誰でもない、
私たち主権者の責任 です。
「汚れた英雄」 VIDEO Writer(s):Tony Allen, 小田裕一郎 /訳:Beat Wolf ~Lyricsはこちら~ 野望を燃やし 届かぬ栄光へと手を伸ばす、あなた 目に見えない壁を巡らせ その唇は、口づけにさえ 私を渇望しない…そうでしょう? * 誰に、何を言われようと気にもせず 人生を懸け終わりのないゲームを追い求める、あなた 浮かんでは消える記憶の霞を走り抜け 振り返らず 信じる道を突き進む…そうでしょう? ** 二人が重ねた夜、流した涙… 私の愛の言葉が息絶えることはない *** 速く…もっと速く あなたは、孤独のライダー 高く…もっと高く あなたを深く愛してる だけど、あなたは急ぎ過ぎている もう一度、よく考えた方がいい... oh no. * ** ***最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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