Wham! - Freedom (1984年)~Freedom...?~ 明けまして、おめでとうございます。
新年の第一回目の作品は、ワム!の「フリーダム」。
タイトルに「Freedom」を掲げながら、“全然自由じゃない”主人公の物語です。
普通にポップ・ソングとして聞き流しても十分楽しい曲ですが、今回はそのギャップに着目して“大人テイスト”に仕上げてみました。
~概要~ 「フリーダム」は、
ジョージ・マイケル がデビューのきっかけとなったポップ・デュオ“Wham!”時代の1984年にリリースした作品です。
ジョージはソロになった1990年にも同名のタイトル「Freedom! '90」を発表していますが、これは全く別の作品。
ワム!は1984年に「Wake Me Up Before You Go-Go」で一躍世界のアイドルに上り詰め、「フリーダム」はその2ndアルバム
『メイク・イット・ビッグ(Make It Big)』 からの3rdシングルで全英3週No.1、
Billboard Hot 100は3位(1985年・年間76位) を記録しました。
このころ日本でも人気急上昇の彼らは『マクセル・カセット・テープ』CM
に起用され、「フリーダム」の別ver.をパフォーマンスしています。
また、シュワシュワっとポップなノリで“Freedom”と歌っているせいか、近年も
『キリン FREE』CM に起用されたことをご記憶の方も多いでしょう。
作者はジョージ自身で、「Freedom」について次のように語っています。
“
オリジナルは19歳の時に書いたんだ。当時はまだ自分の才能に気づいてなかったので、こんな曲ができたのが信じられなくてぞくぞくした。だけど、この曲をきっかけにライターの道を真剣に考えるようになったんだ。 ”
…ちなみに「Freedom」のメロディの一部は、後年ソロとして大ヒットすることになる「Faith」のオルガンのイントロにも使用されています。
ワム!はこの曲がヒットして間もなく解散してしまうのでライブ映像は口パクのテレビ出演モノ
が貴重であり、“音のみ”だと1986年ウェンブリー・スタジアムでの
ファイナル・コンサートの音源 が残されています。
ジョージにとってソロ転向=路線変更でもあるので以降「Freedom」は演奏されないだろうと私は思い込んでいましたが、今回発見しました!
かなりスローであるものの、コレはこれでいいかも?
I don't need your freedom キミの自由なんて、無くしてしまいたい… Girl all I want right now is you 今のボクには、キミこそ望むすべてなんだ 1行目は訳というより、主人公の本音をコトバにしてみましたっ!
そこのカノジョ、一途なカレの気持ちを解ってあげてね?
MVは1985年にワム!が中国公演を行った時の映像を編集していますが、当時の中国で“I don't need your freedom”はシャレにならない!?
VIDEO VIDEO VIDEO VIDEO ~2016年、日本の“freedom”が危ない?~ 昨年末、予(かね)てより危惧していた
『報道ステーション』古舘伊知郎・『NEWS23』の岸井成格・両氏の降板 が遂に発表されました(共に今年3月まで)。
昨年3月には
NHK『ニュースウォッチ9』の大越健介氏が降板 しており、
“この3人は何れも官邸の不興を買っていたとされるキャスター” であり、これを“たまたま(偶然)”時期が重なったと言われても、偶然が三度重なる【偶然×偶然×偶然】の奇跡的な確率を信じる根拠を、私は知りません。
特に岸井氏は安全保障関連法成立前後にかけて繰り返し“安保法案は廃案にすべき”とハッキリ主張しており、11月にはその岸井氏を名指しで
“私たちは、違法な報道を見逃しません”と批判する全面広告 《写真》が産経(11/14)・読売(11/15)新聞に掲載されていたのをご存知の方も多いでしょう。
広告主は
『放送法遵守を求める視聴者の会』 という団体で、
“公権力とは関係を一切もたない非力な一国民としての運動”とする主張に反し 代表呼びかけ人の作曲家・すぎやまこういち氏は“『安倍総理を求める民間人有志の会』の発起人”、同呼びかけ人の渡部 昇一氏は“『取り戻せ、日本を。 安倍晋三・私論』の著者”、同事務局長の小川榮太郎氏も“『約束の日 安倍晋三試論』の著者”であり、
どう見ても中立の一市民ではなく安倍首相の積極的支持者及び利害関係者 です。
また、同団体の
呼びかけ人7名のうち4名は 「汚れた英雄」ローズマリー・バトラー の記事でお伝えした
安倍氏と密接な関係を持つ保守主義(右翼)団体『日本会議』の活動に参加 しているという構図。
官邸が表だって動けない部分の活動を、安倍首相の積極的支持者らで構成する任意団体『日本会議』に計画・運営させ、憲法改定運動を広める
『美しい日本の憲法を作る国民の会』 、政権に批判的な言論・報道を封じる
『放送法遵守を求める視聴者の会』 という
“安倍首相とは関わりない一国民を装った別働隊” が計画を実行する…というコト?
そもそも
“権力者は国民を自分の意のままにコントロールしたい欲望を常に抱いている” ものであり、
“その抑圧から国民の権利・自由を守る盾の役割を果たしているのが『憲法』” です。
また、1950年に施行された
『放送法』 には国家権力に支配・利用された戦前の反省を元に“放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。(第3条)”という条文を入れ、
国家権力の介入から独立を担保 しています。
官邸が 岸井氏の言論に直接抗議するとこの法規に触れる恐れがあるため、
“一国民”の名を借り新聞広告で… …という筋書きは、妄想?
しかし残念なことに、安倍政権によるメディアへの“影響力”は増すばかり。
就任記者会見で会長自らが“
(放送内容について)日本政府と懸け離れたものであってはならない ”と発言している
NHKの最近のニュース番組 を視聴して感じるのは、
安倍首相周辺の動向を伝える割合が非常に多くなった こと…(宣伝効果によって、支持率維持に貢献?)。
また、昨年の
大河ドラマ『花燃ゆ』は安倍首相の地元が舞台 であり、彼の敬愛する吉田松陰とその妹・文を主人公とした物語ですが、一方でこのドラマは文とその義兄であり後の夫となる小田村伊之助(楫取素彦)の物語でもあります。
調べてみると
この小田村伊之助 なる人物は、安倍首相と同郷で『日本会議』の副会長であり歴史教科書も出版している明成社の社長・小田村四郎氏のご先祖 に当たることが判明しました!
“なぜ松陰の妹が主役?”の疑問…
さらにこのドラマが昨年放送された背後には、真田幸村の没後400年(1615年没)にあたる2015年に『真田丸』を放送する計画が内定していたものの、“安倍首相への配慮が優先された”という説もあります。
…公共放送を私物化しているのは、誰 一方、元旦深夜に放送されたテレビ朝日の
『朝まで生テレビ!』 では、
“自民党の区議会議員(東京都大田区)大森昭彦氏が、その肩書きを伏せて一建築板金業経営者として番組を参観しアベノミクスの波及効果に対する意見を述べた” ことが発覚し、ネット上では“ヤラセではないか”と大炎上になっているそうです。
“
大森議員 はテレビ朝日関係者と長い交流歴があり、番組側から依頼を受け出演 ”したそうで、それが本当なら番組側は彼の素性を知った上で建築板金業経営者として出演依頼したことになり、政治的な思惑の疑念も内包するという意味でNHK『クローズアップ現代』のやらせ事件以上の大問題であり、公共放送の責任が問われるべきとしたらこうした事例ではないのでしょうか?
~Epilogue~ 自由が奪われるのは、何も“強制”によってだけではありません。
独裁者として有名なドイツの
アドルフ・ヒトラー は、国民の圧倒的な支持を得て国家元首にまで上り詰めた政治家です。
当時、第一次世界大戦の敗戦による多額の賠償と世界恐慌による困窮に苦しんでいたドイツ国民は、打開策を打ち出せないドイツ社会民主党政府に失望し、強い指導者を求めていました。
一身に国民の期待を集めたのは、
“議論ばかりで何も決められない民主主義に代わって、強力な独裁政治・ファシズムこそがドイツを救う” と、強く民衆に訴えた国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)を率いるヒトラーでした。
ヒトラーというと天才的な演説を思い浮かべるかもしれませんが、決して弁舌だけで熱狂的支持を集めたわけではありません。
政権を握ったヒトラーは失業者対策としてアウトバーン(高速道路)など公共事業を推し進め600万人を数えていた失業者を300万人に減少させ、庶民が自動車を所有できる大衆車開発のため国営企業フォルクスワーゲン社を創設し、週休2日・週40時間労働や福利厚生施設を促進、
政権発足から5年で国内の工業総生産を2倍・税収を3倍に押し上げ、ドイツは世界に先駆けて恐慌を脱した のです。
これによってヒトラーは1934年の国民投票で89.93%という支持率を得るなど、国民の支持も絶頂に至ります。
しかしこの間、
憲法を事実上無効化し立法権を全てヒトラーに委ねる『全権委任法』 (1933年)、ユダヤ人から公民権を剥奪する『ニュルンベルク法』(1935年)など
後に悲劇の元凶となる法律が次々と可決されていったにも関わらず奇跡的な経済成長に酔いしれる国民は関心を寄せず、懸念すべき現実にも目をつぶりました 。
やがて国民は民族共同体の構成員としてその指導者であるヒトラーに絶対の忠誠を誓うことが義務づけられ、ドイツは1939年に自ら破滅への戦争へと足を踏み入れることになるのです…。
…おわかりでしょうか?
ヒトラーは暴虐を尽くしただけでなく、一方で国民には“多くのアメ玉”を与えました。
国民はアメ玉が欲しいばかりにその暴虐を見て見ぬふりし、口を噤(つぐ)んだのです。
ヒトラーの“狂気”があったからこそドイツは経済危機からいち早く脱することができたといえますが、そもそもコントロールできないからこそ狂気であり、そうした末路は世界のあらゆる歴史が証明しています。
歴史は 受験のための知識の羅列ではなく、
先人の失敗に学ぶ教訓 です。
私は、安倍政権下で違憲法強行成立、原発再稼働、沖縄米軍基地問題、マイナンバー…といった国民の関心が高く大多数が懸念し反対する法案・政策が、それを覆す結論ありきで次々と強行に決められているにも関わらず内閣支持率が5割近くあるということに強い違和感を覚えています。
もしも支持率の数字に不正なく本当に国民の半分がこの内閣を支持しているとするなら、この違和感はドイツ国民がヒトラーを支持した歴史を省みずにはいられません。
当時を経験したドイツの人たちは、どんな教訓を学んだのでしょう…
最後に、そのナチス・ドイツ下で敗戦を迎えた牧師
マルティン・ニーメラー が残した一篇の詩をご紹介します。
彼らが最初共産主義者を攻撃したとき ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった 私は共産主義者ではなかったから 社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった 私は社会民主主義ではなかったから 彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった 私は労働組合員ではなかったから そして、彼らが私を攻撃したとき 私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった 「フリーダム」 VIDEO Writer(s): George Michael /訳:Beat Wolf 毎日、違ったウワサを耳にする みんな、キミはカノジョとして問題アリだって! ほかのオトコと一緒にいるのを見たとか ボクのこと、アソビだとか あぁ... もしもボクを愛しているなら それを否定してよ …なのにキミったら、ボクもそうすればいいとか ネンネだからわからないとか、笑って言うんだ * だけど、キミは全部わかって言っている ボクが一度、二度…永遠にキミを許してしまうこと だから キミは平気でボクを後戻りさせ、地獄へ引き込めるのさ 一緒でいる限り キミはそうする… ** キミを自由になんて、させたくない ボクは遊び回ったり ほかの誰かなんて、望んでない パートタイムの恋なんて、虚しいだけ キミの自由なんて、無くしてしまいたい… 今のボクには、キミこそ望むすべてなんだ まるで、自分の牢のカギを持つ囚人みたい だけどボクは、キミに愛してもらえるまで逃げられない 毎日毎日 ほかの男のウワサを知りながら過ごすんだ “アタシに全部捧げるなんて、おバカさん” …君は、ボクの手を取り言うけれど 賭けたっていい いつか、キミが誰かに同じことを言われるから * **最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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1984年 ポップ せつない愛 自由 CM曲 *
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