I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

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「ペニー・レイン」ビートルズ

2016.03.11

category : Beatles & Solo

Beatles - Penny Lane1 Beatles - Penny Lane2


The Beatles - Penny Lane (1967年)



~ジョン・レノン、髪を切る。~

ジョン・レノンは1967年に『ジョン・レノンの 僕の戦争 How I Won the War』という作品で、ビートルズ以外では初めて映画に出演しました。
その際ジョンは兵士役を演じるため長髪をバッサリ切り落としていますが、その時の毛髪が半世紀を経て先日オークションされた…というハナシ。
出品者はハンブルクの理髪師(映画の撮影はドイツだった)で、長さ約10センチの髪の束《写真》は2月20日の競売で3万5000ドル(約400万円)で落札されたそうです。

…ということで、本日は“床屋さん”を舞台としたビートルズ作品のご紹介です♪
(※先日亡くなったジョージ・マーティンについては、後日改めて特集いたします。)

Beatles - Penny Lane3 



~概要~

「ペニー・レイン」は1967年2月(英;17日/米;13日)にリリースした14枚目のオリジナル・シングル(「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と両A面)で、イギリスでは1963年の「プリーズ・プリーズ・ミー」(過去ログ)以来“4年ぶりに1位になれなかった”(3週2位)と騒がれたのは、ビートルズならではといえるのでしょう。
ビートルズ歴代でも屈指といえるこの超強力両A面シングルのNo.1を阻んだのはエンゲルベルト・フンパーディンクの「Release Me」という曲で、この出来事についてリンゴ・スターは“連続No.1がプレッシャーだったのでホッとした”と振り返り、『全曲解説シリーズ(2) ザ・ビートルズ』(邦題)でジョン・ロバートソンは“こんな結果になったことは、当時イギリスのレコード購買層だった者全員にとって永遠に恥じるべき”とまで言及しました。
一方アメリカBillboard Hot 100では「ペニー・レイン」が単独A面で、ビートルズ13番目のNo.1(1週/年間55位)に輝いています。
また、ローリング・ストーン誌“The 500 Greatest Songs of All Timeで449位”にもランクインしている楽曲でもあります。

作者&リードヴォーカルはポール・マッカートニー(詞の一部をジョンが手伝っている)で、彼は以前から故郷リヴァプールにある“Penny Lane”という地名に詩的な響きを感じそれをモチーフとした曲を作りたいと願望していたらしく、ジョンが故郷を題材とした「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」に取り掛かったのに触発され、本格的に創作を始めたといわれています。
「ペニー・レイン」は大ヒット曲であるにも拘らず公式アルバムに収められなかったため、同曲が収録された米キャピトル編集盤のサウンド・トラック『マジカル・ミステリー・ツアー』が長らく重宝されました。

ポップで聴き易い曲ですが『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のセッションで録音されているため、サウンドはビートルズの中で最も手間が掛けられた作品の一つといえます。
レコーディングには1966年12月29日から1ヶ月近く費やしており、その間何度も録音→リダクション(トラックを整理)→オーバー・ダビングを繰り返し、特にピアノはポール、ジョン、ジョージ・マーティンらで6~7回ダビングを重ねたそうです。
それでもまだポールが満足できずいた1月11日の夜、BBCで放送されていたクラシック・コンサートでバッハの「ブランデンブルグ協奏曲第二番ホ長調」のトランペットに閃きを覚え、早速翌日この奏者デヴィッド・メイスンを呼び寄せいろいろ試した結果バロック調の“ピッコロ・トランペット”が選ばれ、「Penny Lane」で印象的なあの目の覚めるような間奏ソロが取り入れられました。

ビートルズのアウトテイク集『The Beatles' Anthology 2』ではさまざまなテイクからの音源を一つにした編集になっていますが、確かにあのトランペット・ソロが無いと気の抜けたサイダーのような物足りなさを覚え、ポールが最後までここに拘った理由がよくわかります。
「ペニー・レイン」はツアーをやめた直後の作品なのでビートルズでのライブ演奏は実現しておらず(何れにしても当時の機材では再現しようもない)、ポールがソロになってからの映像でお楽しみください♪

 



~Lyrics~

In Penny Lane there is a barber showing photographs
ペニー・レインにある床屋さんは、カットした
Of every head he's had the pleasure to know
数々の写真を人に見せるのが生き甲斐

イギリスにはイタリア系の理髪店が多いそうで、ポールによるとこの床屋はペニー・レインに実在した『BIOLETTI』《写真》というお店をモデルにしており(PVにもチラッと映っている)、写真が貼ってあったり立ち止まって挨拶を交わすクダリも実話だそうです。
現在もこの建物はありますが『BIOLETTI』は無くなっており、『Tony Slavin』という別の床屋が入っています。
ちなみに大のビートルズ・ファンとして知られる森高千里はこの地にオマージュを込めた「Tony Slavin」という作品を発表していますよ。(PVは“ご当地巡り”となっていて、ビートルズ・ファンも楽しめます♪)

Beatles - Penny Lane4 


And the banker never wears a mac
だってこのお偉いさん、どんな土砂降りでも
In the pouring rain, very strange
レイン・コートを着ないんだ…おかしいね?

【mac】は[Macintosh]の略で、スコットランドの化学者チャールズ・マッキントッシュが1823年にゴム製の防水布を発明したことから“レインコート”が生まれました。
もちろん、[McCartney]姓を持つ“ポールのあだ名”に引っ掛けてもいますよ♪

何故、彼は土砂降りでもレイン・コートを着ないのだろう…
なんて、真剣に考えた方はいませんか?
このエピソードについて、ポール本人は“多少でっち上げた”と語っているそうです。
…おかしいね? 


A four of fish and finger pies
4つの“フィッシュ・アンド・フィンガー・パイ”
In summer, meanwhile back
夏がくると、あの頃を思い出す

【fish and finger pies】は、素直に考えるとイギリスを代表する料理[fish-and-chips]を想像するでしょう。
ポールはこの点について、“殆んどの人は聞いたこともないだろうしご婦人方は決して口にしないだろうけど、【finger pies】は猥(わい)談好きなリヴァプールの若者にとってちょっとした冗談なんだ”と語っています。
すなわち【fish】【finger】【pies】は何れも“スラング的には性的表現”であり、夏がくるとそれを思い出すと言いたいらしい…? 


Behind the shelter in the middle of a roundabout
ラウンドアバウトの真ん中にある待合所の後ろで
The pretty nurse is selling poppies from a tray
かわいいナースがトレーを下げてヒナゲシを売っているよ

Beatles - Penny Lane5

【roundabout】は“環状交差点”を意味する主にイギリスで用いられる言葉で、日本ではアメリカ式の“ロータリー(rotary)”の方が一般的でしょう。
PVでこのフレーズの一瞬にチラッと流れる“バスロータリー”《写真》は実際ペニー・レインにあるもので、具体的にはこれをモデルとしていると思われます。

イギリスには戦没者を追悼する“Remembrance Day(11月11日)”という記念日があって、募金の協力者に赤いヒナゲシの造花を配ることから“Poppy Day”とも呼ばれています。
ちなみに、1995年にリリースされた「Free as a Bird」のPVにはこのフレーズを想起させるワン・シーンが込められているので、見逃していた方はリンクからどうぞ♪



~Epilogue~

ビートルズの故郷リヴァプール (Liverpool) は“海商都市リヴァプール”として世界遺産にも登録されるイギリスの歴史上も重要な役割を果たしてきた港町ですが、その発展の陰には“奴隷貿易の拠点”という負の歴史もある町です。
このうち【Penny Lane】はリヴァプールにある“通り(及び地区)の名前”であり、その歴史を物語るように名称は奴隷商人ジェイムズ・ペニーに由来しています。

報道によるとリヴァプール市議会は先日、ビートルズが同市に与える経済および文化的影響について『Beatles Heritage In Liverpool And Its Economic And Cultural Sector Impact』なる報告書として初めて発表しました。
それによると人口約43万人のリヴァプール市に於いて、解散後40年以上経つにも拘らずビートルズに関連する経済効果は毎年15%伸びており、その額は8,200万ポンド(約137億円)/年にも及んでいるといいます。


Penny Lane is in my ears and in my eyes
ペニー・レインは、今も僕の目と耳に残る故郷の情景
There beneath the blue suburban skies
街はずれの青い空の下
I sit, and meanwhile back
そこに座り、あの頃を思い出す


ビートルズのメンバーにとってペニー・レインは家からはおよそ2~3km離れた場所に位置し、ポールにとっては母校Liverpool Instituteやビートルズの演奏拠点だったCavern Clubへの通り道にあり、とりわけジョンは実際に住んだこともあったそうです。
「Penny Lane」に登場する人々は彼らのような大スターではなく、地元の人しか知らないようなごく普通の人たちばかり。

日本のお笑い界の大御所・志村けんの、彼が得意とする“爺さんコント”や“変なおじさん”は小学校教諭だった父・憲司さんをモデルにしたといわれ、また芸名の“けん”(本名;康徳)も父の名前から取ったものだそうです。
そう考えてみると、私たちの何気ない日常の中にもユーモアたっぷりで“おかしいね?”と思わずツッコミを入れたくなるような魅力的な人たちが埋もれているのかもしれません。

あした街を歩くあなたに、そんな楽しい出会いがありますように♪ 



「ペニー・レイン」



Writer(s): Lennon-McCartney /訳:Beat Wolf


ペニー・レインにある床屋さんは、カットした
数々の写真を人に見せるのが生き甲斐
行き交う人はみな
そこで立ち止まり、挨拶を交わすんだ

角には、車を連れた銀行のお偉いさんがいて
背後で子どもたちがくすくす笑ってる
だってこのお偉いさん、どんな土砂降りでも
レイン・コートを着ないんだ
おかしいね?


ペニー・レインは、今も僕の目と耳に残る故郷の情景
街はずれの青い空の下
そこに座り、あの頃を思い出す

ペニー・レインには砂時計を持ち歩く消防士がいて
ポケットに女王陛下の写真を入れている
消防車を磨くのが生甲斐だから
いつだって車はピカピカさ

ペニー・レインは、今も僕の目と耳に残る故郷の情景
4つの“フィッシュ・アンド・フィンガー・パイ”
夏がくると、あの頃を思い出す

ラウンドアバウトの真ん中にある待合所の後ろで
かわいいナースがトレーを下げてヒナゲシを売っているよ
…ちょっと舞台のヒロインを気取り?
でも、まさにそんなカンジだね

ペニー・レインの床屋が、別のお得意さんのヒゲそりしている
ほら、あの銀行家も自分の番を座って待っている
そこへ消防士が土砂降りの中
駆け込んで来る…
おかしいね?




最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 1967年 偉大な曲 サイケデリック 故郷 物語 心地よい マジカル・ミステリー・ツアー 

コメント

こんばんは~
「Penny Lane」はメロディー、リズム、演奏に
ユーモアがあって楽しい曲といままで聴いて
きましたが、可笑しみのある人たちを描いて
ポールが歌っていたのですね。
和訳を知っている曲と全く知らないで聴いていた
曲とでは、イメージが違いますね。
とても「おかしいね」に焦点が当てられていた
のですね(笑)
この曲は好きで、時々聴いていましたよ!

2016.03.11  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

そうそう、イロイロ工夫していますよ。(笑)
ライブで聴くと少し荒いですが、オリジナルはとても緻密です。

ユーモアは、ポールはこういうストーリー展開を得意としています。
「おかしいね」、ツボにはまりましたか!
ポール、いいツッコミ入れてるでしょ?(笑)
でも、和訳だけではきっと理解できない点も多いと思うので
解説記事で説明しますね♪

2016.03.11  Beat Wolf  編集

こんばんは~~
人口約43万人のリヴァプール市に於いて、解散後
40年以上経ってもビートルズの経済効果が
約137億円って凄いですね^^
どうして解散したの、まだ2人は健在なのに
残念と・・・・。
気を取り直して、ポールとトランぺットと共に
「ペニーレイン」を聴き、PVと何気ない日常の
ユーモアにも気をつけてみよう。
ラストの動画もいいですねぇ♪

2016.03.14  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

ちょっと調べてみたのですが、人口約47万人の千葉県市川市の一般財源(H25)が
850億円なので、137億はスゴいですよね!

このトランぺットを思いついたのは、金星だと思います。
ユーモア、大切ですね♪
ただの通り道だとしても、そんな気持ちで歩いたら
意外な発見があるかもしれません。

解散については、「イロイロ」あったと思いますよ?(笑)

2016.03.14  Beat Wolf  編集

こんばんは、
昨日ラストの動画と書いたのですが、それは
「続き」の前のビートルズの全員の動画のことです。
すみません・・・♪

2016.03.15  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

ラストの動画、イイでしょう♪
「vevo」だけあって、画質もキレイだし。
ジョンのサングラス…“おかしいね?”(笑)

動画といえば、「浅野内匠頭の動画」ご覧になりました?
きっと、“可笑しい”ですよ?(笑)

2016.03.15  Beat Wolf  編集

故郷を思いながら作った感じ良く出てますね。
ビートルズのPVの中で、トランペットと馬の闊歩が凄くあってて、楽しい〜(*^^*)

ジョンのサングラス(笑)

今日は、どんな楽しい出会いがあるか、キョロキョロしてみます(≧∇≦)

2016.03.18  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

まぁ…ロンドン~リバプールは、電車で2時間ちょっとなんですけどね?(笑)
確かに、トランペットと馬の闊歩は合っていますし
ジョンのサングラスも…(笑)

そんな風に考えてみるだけで
見慣れた風景から楽しみが見つかるかもしれません♪

2016.03.18  Beat Wolf  編集

ポピーデイ

こんにちわ、
自分でもこの歌を訳して見たので、色々見て回りました、 
ポピーデイのことを書いている方は少ないのですね。
それから、hourglass は、砂時計の様な格好のコルセットだと思いますけれど、どうでしょう? 
fire engine はポンプだと思います、his とあるし、
性器のことですね。 

では

2018.03.03  ノエルかえる  編集

Re: ポピーデイ

ご自分でもこの歌を訳されたのですね。
この歌がポピーデイを言及しているかは断定できませんので
あくまで私の想像です。

hourglass はコルセットで、fire engine はポンプ…
それもいいと思います。
いろんな解釈を楽しめる自由が、詩の面白い所ですね。

2018.03.03  Beat Wolf  編集

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