「ロック・アンド・ロール・ミュージック」は1964年12月4日に発売されたビートルズ4作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ビートルズ・フォー・セール(Beatles for sale)』に収録された作品です。 英・米ともにシングル・カットはありませんがフィンランドやノルウェー、オランダ、オーストラリアなどで発売され、とりわけ日本ではビートルズ最高の85万枚を売り上げました。
ビートルズが敬愛する黒人歌手チャック・ベリーが作詞・作曲し1957年にBillboard Hot 100で8位を記録した楽曲のカバーであり、ここではジョン・レノンがリード・ヴォーカルを務めています。 オリジナルのチャック・ベリーが抑揚を抑えたクールな歌唱であるのに対し、ジョンはまさに“エキサイト”しており感情に訴え掛けてくるようです。
ビートルズはコンサートのオープニング曲として歴代「I Saw Her Standing There」や「Twist and Shout」など激しいロック・ナンバーを好んで選曲してきましたが、1966年のツアーでは本作品が選ばれており、この年初来日を果たした日本武道館公演のOPを務めたのも「Rock and Roll Music」でした。 このうち、武道館公演初日(6/30)では通常よりキーを下げ短縮したバージョンが披露され、この音源は1996年にリリースされた『The Beatles' Anthology 2』に収録されています。
本作品はビートルズ以外にもビーチ・ボーイズ、REOスピードワゴン、ブライアン・アダムスなど錚々たる顔ぶれにカバーされるロックのスタンダードであり、オリジナルのチャック・ベリーver.はローリング・ストーン誌“500 Greatest Songs of All Time 128位”にランクされ、ロックの殿堂“500 Songs that Shaped Rock and Roll”入りを果たしています。 また、カバーではありませんか今回Youtubeで見つけた音源にはビートルズの「Rock and Roll Music」とレッド・ツェッペリンの「Rock And Roll」をマッシュアップ(※)させた作品があり、マッシュアップ好きの私にはタマラナイ1曲♪ (※mashup;2つ以上の曲から片方はボーカルトラック、もう片方は伴奏トラックを取り出してそれらをもともとあった曲のようにミックスし重ねて一つにした音楽の手法)
~Lyrics~
It's got a back beat, you can't lose it 強烈なバック・ビートを、もう放せない Any old time you use it いつだって、そうするさ
ここで記される【In The Mood】は一般的な文章の一部でなく“曲名”と解釈していますが、実際それを意味するかは不明です。 「In The Mood」というと1939年にグレン・ミラー楽団によって大ヒットしたジャズの超有名曲が真っ先に浮かび、どんな名曲であってもナマイキ盛りの若造に掛かってはそんな言い方になるのかもしれません。 あなたは“若かりし頃”、どうでした?
It's way to early for a congo コンゴにはちょっと早い So keep a rocking that piano やっぱり、ロックなピアノを刻み続けよう
【congo】は上の[tango-mambo-]の流れと思われますが、正直【way to early for a congo】の真意はよくわかりません(たぶん韻を重視しただけで、深い意味はない)。
一方、ビートルズの「Rock & Roll Music」で大きな魅力となっているのが、ファンキーなピアノ・プレイ♪ ここでのプレイヤーには諸説あって、アルバムのライナーを担当したDerek Taylorは“ジョン&ポールとジョージ・マーティンが一つのピアノで演奏”、『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ』の著者Mark Lewisohnは“ジョージ・マーティン”、エンジニアを務めたGeoff Emerickは“ポール”だと言っています。
Just let me hear some of that rock and roll music ロックン・ロールを聴かせてよ! Any old way you choose it 君だって、それがいいだろう?
…かつて“ロックは若者の象徴”でしたが、今は当のポール・マッカートニーも74歳を迎え、現代の若者からは「Rock and Roll Music」のような心湧き立つロックン・ロールが聴こえてこないような気がします。 昔、私が抱いていた“演歌はおじさん・おばさんの音楽”という偏見と同じ感覚で、若者たちはロックを捉えているのだろうか…。
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