I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ジョニー・B.グッド」チャック・ベリー

2017.03.24

category : ~1960年代

Chuck Berry - Johnny B Goode1 Chuck Berry - Johnny B Goode2


Chuck Berry - Johnny B. Goode (1958年)



~Charles Edward Anderson Berry 1926-2017 R.I.P.~

ビートルズやローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズをはじめ多くのミュージシャンに多大な影響を及ぼしたアメリカのロックン・ローラー/ギタリスト、チャック・ベリーが3月18日に亡くなりました(享年90)。
彼の遺したものの大きさは、その訃報を受けたポール・マッカートニーの“one of rock 'n' roll's greatest poets”、リンゴ・スター“Mr. rock 'n' roll music”、ブライアン・ウィルソン“a big inspiration!”、ロッド・スチュワート“It started with Chuck Berry.”、キース・リチャーズ“One of my big lights”…という追悼の言葉が物語っています。

また、ツアー中のジーン・シモンズとボン・ジョヴィは、それぞれの公演でチャックの代表曲の一つ「Johnny B. Goode」をパフォーマンスし、彼の冥福を祈りました。

 



~概要~

「ジョニー・B.グッド」はチャック・ベリー1958年のシングルでBillboard Hot 100の8位を記録、翌年3rdアルバム『Chuck Berry Is on Top』に収録された作品です。
作詞・作曲はチャック自身、彼の創作を代表するキャラクターとなった本作の主人公ジョニー・B.グッドは「Bye Bye Johnny」(ローリング・ストーンズもカバー)、「Go Go Go」、「Johnny B. Blues」といったほかの作品にも登場しています。

一方、ロックン・ロールを象徴するギター・フレーズとして多くのミュージシャンに引用されたイントロはチャックの創作ではなく、ジャンプ・ブルースを代表する歌手ルイ・ジョーダン(Louis Jordan)1946年の曲「Ain't That Just Like a Woman (They'll Do It Every Time)」でギターを弾いた Carl Hogan のコピーといわれています。

本作はローリング・ストーン誌“500 Greatest Songs of All Time”7位、同誌“100 Greatest Guitar Songs of All Time”1位にも選ばれるロックン・ロールのスタンダード・ナンバーの一つであり、エルヴィス・プレスリーやビーチ・ボーイズ、ジミ・ヘンドリックス、AC/DC、プリンスなどロック界を代表するスターたちがカバーしています。
ジョン・レノンが“ロックン・ロールに別名を与えるとすれば‘Chuck Berry’だ”と言及するほど彼を敬愛して止まないビートルズは彼の「Roll Over Beethoven」や「Rock & Roll Music」(過去ログ)を正式にレコーディングしているものの、「Johnny B. Goode」はそれが為されてはおりません。
ただし1960年代前半にBBCラジオで定期的に行っていたスタジオ・ライブでこれを披露しており(ヴォーカルはジョン)、この音源は1994年に発売された『Live at the BBC』に収録、またジョンは後年アメリカの人気トーク番組『マイク・ダグラス ショー』で憧れのチャックとの共演が実現しています。


そして、多くの人にとって「Johnny B. Goode」の魅力を再認識させられたのがマイケル・J・フォックス主演の1985年の映画『Back to the Future』ではなかったでしょうか?
ここではチャックのバージョンを背景に流すのではなく主人公マーティがダンス・パーティで歌唱する形が採られていますが、マイケル・J・フォックスのパフォーマンスが圧巻で、このシーンで本曲を知り、好きになった方も少なくないはずです(ただし実際の歌とギター音源はポール・ハンセンという人のもの)。

また、この映画はマーティが1985年から1955年にタイムスリップするというストーリーとなっていますが、創作と現実を巧みに織り混ぜた“小ネタ”が秀逸です。
1955年は現実にチャックが「ジョニー・B.グッド」を発表する3年前という設定であり、劇中では未来からやって来たマーティが歌うこの曲に閃きを覚えたマーヴィン・ベリーというギタリストが従兄弟のチャック・ベリーに演奏の模様を電話で生中継するシーンが組み込まれており、“「ジョニー・B.グッド」はマーティの歌からチャックにもたらされた”というジョークとなっています。

加えてここでマーティはチャックの代名詞でもある“ダックウォーク”のパフォーマンスを披露していますが、調子に乗った彼はベンチャーズのクロマティック・ラン奏法(テケテケ)やピート・タウンゼントのウインドミル奏法、ジミ・ヘンドリックスの背面弾き、エドワード・ヴァン・ヘイレンのライトハンド奏法、果ては機材を破壊する未来の過激なパフォーマンスにまで発展させてしまい、会場全体の冷たい視線を浴びてしまうことになります。
その場を後にする彼が放つ“みんなにはちょっと早かった。君たちの子供は気に入るよ”の捨てゼリフは、日本人にとっては植木等の“お呼びでない?お呼びでないね…”を思い起こさせる親しみ易いオチではないでしょうか…? 

 
 




~Lyrics~

Deep down in Louisiana close to New Orleans,
ルイジアナをずっと南に下り、ニュー・オーリンズの程近く
Way back up in the woods among the evergreens
枯れることもない緑の森へと道を遡ると

ルイジアナ(州)とかニュー・オーリンズ(都市)といわれてもピンとこない方も多いと思いますが、【evergreen(常緑樹)】が物語るようにアメリカ南部・メキシコ湾に面した温暖で水が豊かである一方で標高が低く、有名な2005年の“ハリケーン・カトリーナ”上陸の際は1,500人以上の死者を出しました。
また、ニューオーリンズは“ジャズの発祥地”とされ、ジャズ以外にもさまざまな音楽が息づいている土地柄です。


There stood a log cabin made of earth and wood,
土と丸太の掘っ建て小屋があって
Where lived a country boy named Johnny B. Goode
ジョニー・B・グッドってカントリー・ボーイが住んでいる

“【log cabin(丸太小屋)】に土?”と疑問に思い確認のため調べてみたのですが、確かに土も使うようです。
丸太小屋はアメリカでは開拓精神の象徴で、その建築法を新大陸に伝えたのはスウェーデン人でした。
私は丸太だけで組み立てると思い込んでいましたが、木材の隙間を埋めるために泥や木屑などを用いたりするそうです。

日本では[ログハウス(log house)]の名称が一般的ですが、英語ではより小さなものを【log cabin】として区別されており、ジョニーの暮らしぶりが詳しく伝わってきます…。


Oh, the engineers would see him sitting in the shade,
機関士たちにとっても、それはいつもの光景
Strumming with the rhythm that the drivers made.
機関車との“リズムの協奏”に

【driver】というと運転手が一般的ですが、ここは“(車・列車などの)駆動輪”を想像しました。
【strum】は“軽くかき鳴らす”という意味で、ジョニーがギターの名手になれた背景にはこうした日々の“機関車相手の猛特訓”があったからなのかもしれませんね? 

先に“ニュー・オーリンズは音楽の町”ということをご紹介しましたが、このように日常何気ない生活の音一つひとつが音楽に繋がっているとしたら、当地に暮らす人々の音楽への“おおらかな愛着”を伝えているようで、とても素敵なフレーズに思えました。



~Epilogue~

チャック・ベリーはミズーリ州セントルイス生まれで両親は建設請負業と教師という中流家庭に育ち、美容・理容の資格を取得するなど学歴に相違点はあるものの、「ジョニー・B.グッド」はチャックの人生の断片を織り交ぜた創作であるといわれています。
彼は1953年にジャズ・ピアニストのジョニー・ジョンソン(Johnnie Johnson)率いるバンドに加入していますが、タイトルの一部である【Johnny】は彼に由来するもので、ちなみに後年ジョニー・ジョンソンは自ら「Johnnie B. Bad」という作品を発表しました。
また、それに続く【B.】は自身の[Berry]、【Goode】はチャックが実際に住んでいたセントルイスの通り[2520 Goode Avenue]から採られているそうです。


それから、間もなく60年…
チャックに憧れロックの世界に足を踏み入れたポール・マッカートニーやミック・ジャガーが70代半ばにして今も世界を駆け巡り、そして90歳のチャック自身も今年6月16日にニュー・アルバム『CHUCK』のリリースを控え、新曲「Big Boys」の音源を公開しており、ここでの彼のギターと歌声はとても90歳とは思えません!

「ジョニー・B.グッド」が“今これからの少年”を主人公としていたように、当初ロックは若者の夢と希望を代弁するものでしたが、[創造者]であるチャック自らが更なる道を拓いてくれたことによりロックは“90歳でも現役でいられる”ことが証明されました。
時代は変わり、移ろうのがその宿命であるとはいえ、それは同時に古い時代の常識を打ち破る“新たな可能性”をもたらすものでもあります。
それは、私たちが少年の日に芽生えさせた夢を90歳になっても抱き続けることができるという希望であり、また難病・パーキンソン病を患ったマイケル・J・フォックスを再びステージに甦らせることでもあるのです。


Go, Johnny, go, go...
Johnny B. Goode

この作品は、そんなあなたへの応援歌
あの日芽生えた夢を、いつまでも大切に…




「ジョニー・B.グッド」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Chuck Berry /訳:Beat Wolf


ルイジアナをずっと南に下り、ニュー・オーリンズの程近く
枯れることもない緑の森へと道を遡ると
土と丸太の掘っ建て小屋があって
ジョニー・B・グッドってカントリー・ボーイが住んでいる
コイツときたら、ロクに読み書きさえ習っていないくせ
ギターを弾かせりゃ、鐘を響かすようなプレイしやがる

[Chorus:]
Go Go
Go, Johnny, go, go...
Johnny B. Goode

アイツはギターを麻袋に入れて持ち運び
いつも線路脇の樹の下に陣取った 
機関士たちにとっても、それはいつもの光景
機関車との“リズムの協奏”に
通りすがりたちも足を止め、歓声を上げる
“おぉ若いの、やるねえ!”

[Chorus:]

アイツの母ちゃんも言ったとさ“おまえなら、いつか一人前になって
きっと名門バンドのリーダーになる  
日が暮れる頃、おまえの演奏を聴きに 
あちこち遠くから、たくさんの人が押し寄せる
そしていつか、その名が光を浴びているかもしれないよ
‘今夜の演奏はジョニー・B・グッド!’って”

[Chorus:]


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
関連記事
スポンサーサイト

tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

Beat Woifさんへ
「ジョニー・B.グッド」チャック.ベリーですかー
リズムに乗って軽やかに楽しい曲で好きです。
タイムトラベルは戻れなくなった人は
何人位ですか(笑)

2017.03.24  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

心地よいメロディーもいいですが
ノリのいいリズムに乗るのも、また楽しいですね。

タイムトラベルは、過去への旅行は保証しておりません。
タイムマシンが壊れたり、燃料のプルトニウムが切れた時は
運が悪かったとお諦めください。(笑)

2017.03.24  Beat Wolf  編集

Beat Wolfさんへ。
「ジョニー・B.グッド」チャック・ベリー90歳で亡くなられていたのですか。
ストーンズやプレスリーにジミ・ヘンなど大勢のスターがカヴァーして
いた・・・・・

映画でマイケル・J・フォックスか演奏し歌ってこの曲を好きになった人が
多かったのですね。

チャックではなくて、カヴァーを何回も聴いたことがあります。

90歳のチャックは6月にアルバムリリース予定だったので生涯現役だった
のですね(^_^)v
でもきっと明るくギターを弾き身体を傾け脚をトントントンとリズミカルに動かして歌っているかもしれないですね~♪
♪GoGoGo Jonny、go、go ♪

2017.03.28  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

90歳なんて、ただ到達するだけで大変ですね。
なのに最後まで「現役」で達成できたなんて、まさに「ロックの父」です!
エルヴィスやジミ・ヘンは、そこを見習って欲しかったです…。(涙)

みすてぃむーんさんはチャック以外でお知りになったのですか?
歌っている人が多くてどれが元祖かわからなくなりますが
やっぱりバック・トゥ・ザ・フューチャーはインパクトが強いですね。
でも普段洋楽を聴かない人でも、映画を見ると好きになると思います。

身体を傾け脚をトントン…
を90歳でできたら凄いですね!
でもそれは、きっとミック・ジャガーが伝説を残してくれるでしょう♪(笑)

2017.03.28  Beat Wolf  編集

ビートルズ。ストーンズ・プレスリーが憧れていたんですからね~、超大物がまた・・。でもこの人まだ生きてたの?という声も意外とありました。

2017.03.29  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

そうですね。
有名な曲の殆んどは60年代以前なので
忘れられている方も多いでしょう。
でもロックが好きな人にとっては
忘れてはならない人なのだと思います。

2017.03.30  Beat Wolf  編集

亡くなってしまい、残念です。
彼が70才台の頃にライブを観に行ったこともありました。

『バック・トゥ・ザ~』では、黒人のバンドマネジャーみたいな人が、
チャック・ベリーに電話をかけて、
マイケル・J・フォックスの演奏を電話口に聞かせながら、
「チャック、これだよこれ!これでいこうぜ!」みたいな
会話をしていたのが痛快でした。

タイトル、「Johnny, Be Good!」とダジャレという説もありますよね?
Men At Workの曲に、『Be Good Johnny』という
似ても似つかない曲もありますよねー。

2017.03.31  つかりこ  編集

つかりこさん

それは貴重な機会を得られましたね!
でもやはり「70才台ライブ」は、彼が拓いた道といえるのでしょう。

まさに、映画のバンドマネジャーみたいな人が
チャックの従兄弟の設定で、それがヒント(パクリ?笑)となって
あの曲が生まれたというタイムパラドックスになっています。

いろんな説があるというのは人気の証であり
また、私たちにとってもいろんな妄想ができて
楽しみ甲斐がありますよね♪

2017.03.31  Beat Wolf  編集

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 
PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf
ジャンルを問わず、音楽が大好き♪
初めての方でも楽しんで頂けるブログを目指しています…。



この人とブロともになる

参加ランキング
最新記事
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.

FC2Ad