I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「メイク・ミー・ルーズ・コントロール」エリック・カルメン

2017.07.21

category : Eric Carmen

Eric Carmen - Make Me Lose Control1 Eric Carmen - Make Me Lose Control2


Eric Carmen - Make Me Lose Control (1988年)



~「Make Me Lose Control」とかけて、“桜田淳子”と解く。その心は…? ~

 “ある狼”のつぶやき…

今回のテーマ曲「Make Me Lose Control」を1976年桜田淳子風に訳すと、“心の鍵を甘くさせて”…
でも彼女の歌ではそれじゃ“あぶない あぶない”と、女の子たちに“ご用心”って呼び掛けているよ。
しかも作詞家の阿久悠センセイときたらピンク・レディーにも“男は狼”なんて歌わせ、ボクら狼をレディーに対し手当たり次第ちょっかい出すケダモノみたいな言い方するんだ、失礼しちゃうよね!
 (※狼は基本、一夫一妻型で繁殖期は冬)

…さて、“なぞかけ”の答えはおわかりになりましたか(曲名です)? 


昭和歌謡を代表する作曲家、平尾昌晃先生のご冥福をお祈りいたします(私はこの曲が好き)。



~概要~

エリック・カルメンというとやっぱりスタンダード・ナンバーともいえる1975年の名曲「All by Myself」が有名ですが、これは彼にとって記念すべきソロ・デビュー曲が全米2位という、非常に恵まれたスタートでもありました。
しかし人生とは分からないもので、それを頂点として以降10年、徐々に下降線を辿ってゆくことになります。
ようやく運が巡って来たのは1987年に映画『ダーティ・ダンシング』のサウンドトラックに参加して「Hungry Eyes」を歌ったことで、これが「All by Myself」以来の大ヒットとなり劇的復活として脚光を浴びました。


「Hungry Eyes」にヒントを見出したエリックは友人ディーン・ピッチフォードと共にロックン・ロールへのオマージュを込めた「Long Live Rock And Roll」という曲の創作を始めます。
ちなみにディーン・ピッチフォードは1984年の映画『フットルース』の脚本家であり、エリックとは挿入曲「パラダイス~愛のテーマ」(歌ったのはアン・ウィルソン&マイク・レノ)の共作を通して友情を築き、同年エリックのアルバム『Eric Carmen』でも2曲共作をした仲でした。

しかし「Long Live Rock And Roll」は出来上がったものの満足に至らず、結局サビの歌詞を書き換えています。
原因は当初のフレーズが“あまりにノスタルジック過ぎた”ことで、話し合いによって“もっと[immediate(直接の、差し迫った、接近した)]が必要だ”という結論に至りました。
そして二人が知恵を絞った末エリックに浮かんだのが“How about Make Me Lose Control?”で、ディーンも“O.K.”と賛同し「Make Me Lose Control」のストーリーが仕上げられていったそうです。


「メイク・ミー・ルーズ・コントロール」は1988年5月にシングル・カットされBillboard Hot 100で3位(年間38位)、同アダルト・コンテンポラリー・チャートで3週No.1に輝きました。
この頃「Hungry Eyes」に加えてソウル・オリンピックの企画アルバムに「Reason to Try」を提供し、さらにここで「メイク・ミー・ルーズ・コントロール」を大ヒットさせるなどデビュー以来の活躍ぶりでしたがオリジナル・アルバム制作の動きは見せておらず、本曲は同年発売された『The Best of Eric Carmen』に収められています。


 



~Lyrics~

We go cruisin' so close,
心を寄せ合い、出掛けよう
The way they did long ago
昔の恋人たちがしていたみたいに…

若い二人は7月のある暑い日、父親の車を借りてデートに出掛けます。
デートのコンセプトがこのラインで示されており、ここでいう【they】とは歌詞に含まれる4曲の“1950~60年代のヒット曲に登場する恋人たち”なのでしょう。
例えば「Uptown」はロイ・オービソン1959年の歌、「Back in My Arms Again」はシュープリームス(スプリームス)1965年の全米No.1曲といった具合です。

 


Jennifer's singin' "Stand By Me,"
ジェニファーは"Stand By Me"を歌ってる
And she knows every single word by heart
アイツときたら、言葉の一つひとつ覚えている

「Stand By Me」はもちろんベン・E・キング1961年のヒット曲で、1986年公開の映画『スタンド・バイ・ミー』のテーマとしても有名です。
“20世紀にアメリカのラジオ・TV番組で最も多く放送された曲第4位”に認定されたといわれますが、まさに“二人っきり”の車の中で聴くにはぴったりのラブ・ソング。
作者であるベン・E・キングは「Stand By Me」について、“妻へのまっすぐな思いを歌った曲”と語っています。


"Be My Baby" comes on, and were movin' in time
"Be My Baby"がかかると、二人のダンス・タイム
And the heat from your touch makes me feel
その火照った肌が触れるだけで

「Be My Baby」は、女性ヴォーカル・グループ“ロネッツ”による1963年の大ヒット。
1987年に、60年代を舞台とした映画『ダーティ・ダンシング』に起用され、80年代の若者たちにも大いに共感を呼びました。
「Stand By Me」は“一途”なところが魅力ですが、「Be My Baby」は恋する女の子の健気さがとにかくかわいくて、誰もが彼女を応援したくなります♪



~Epilogue~

1949年生まれのエリック・カルメンにとって1950~60年代はまさに彼自身の青春時代と重なっており、「Make Me Lose Control」はこの年代の音楽に対するオマージュを込めた作品です。
PVの映像も“1962年の夏、あなたはどこにいましたか(Where were you in '62?)”のキャッチフレーズで1973年に大ヒットしたジョージ・ルーカス監督の青春映画『アメリカン・グラフィティ』をモチーフにしており、これはベトナム戦争に突入する前の“アメリカの楽しい時代の象徴”ともいえます。

「Make Me Lose Control」では1980年代の若者がオールディーズと共に恋人とドライブへと出掛けるストーリーですが、私もそれをイメージして選曲してみました♪

Jan & Dean - She's My Summer Girl
Jackie DeShannon. When You Walk In The Room
Ricky Nelson - Hello Mary Lou
The Supremes - You Can't Hurry Love
The Diamonds - Little Darlin'
Chordettes - Lollipop

Ritchie Valens - La Bamba
The Temptations - Get Ready
Chubby Checker - Let's Twist Again

Joanie Sommers - One Boy

…お楽しみいただけましたか?
曲は知らなくても、何となく“ほわっ”と心地よいでしょ♪
テクノロジーの発展は楽器や音響・録音機材の発展であり、1960年代中頃以降ミュージシャンの関心が新たな機材での“サウンド表現の追及”となっていったように思います。

しかしそれらがまだ不十分だった60年代前半頃まではその不足分を人の声や拍手、フィンガー・スナップ(指パッチン)など極めて原始的な“楽器”がサウンドの重要な役割を担っていました。
そのため1950~60年代前半までの音楽は“Oldies (懐メロ)”扱いされるようになってしまうわけですが、1980年代になってもエリック・カルメンをはじめビリー・ジョエル「Uptown Girl」やエルトン・ジョン「ブルースはお好き?」、ライオネル・リッチー「You Are」らがオールディーズ・テイストの作品をヒットさせているように、時代が移り変わってもそのファンが絶えることはありません。


“声は最高の楽器”

どんなに機材が進化しても、声ほど私たちの感情を表現し得る楽器はありません。
1950~60年代の音楽には、“ドゥーワップ (doo-wop)”など色彩豊かなコーラスによる“ぬくもり”が溢れています。
私たちが覚える“郷愁”とは、そうした感情をいうのかもしれませんね。

(Keep) keep this feelin' alive
ずっと、このフィーリングのまま
Make me lose control
いつまでも、この胸を熱くさせていておくれ

後半、アカペラ・コーラスがなぞるこのライン…
私の胸を熱くさせて止まないのは、こんなフィーリング♪



「メイク・ミー・ルーズ・コントロール」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Eric Carmen, Dean Pitchford /訳:Beat Wolf


髪に櫛を走らせ
通りに繰り出すと
真夏の灼熱に
街は炎の彩りに包まれている
Oh yeah

ジェニファーはパパの車を調達し
ステレオで"Uptown"をかけている
さぁ心を寄せ合い、出掛けよう
昔の恋人たちがしていたみたいに…


My darlin'
ラジオのボリューム上げ、お気に入りの音楽 
きつく抱きしめ、離さないで
ずっと、このフィーリングのまま
いつまでも、この胸を熱くさせていておくれ

**
Baby, baby
君の瞳を見つめると、狂おしくなる
灯りが消えると、熱情が燃え上がる
正気を失うくらい
いつまでも、この胸を熱くさせていておくれ

車の屋根を下ろし、月の真下の公園
7月の風は、まるで火のように熱く髪を撫でつける…
Whoa yeah

ジェニファーは"Stand By Me"を歌ってる
アイツときたら、言葉の一つひとつ覚えている
あぁ、恋とはこんなにも素敵なものだっただろうか…
それとも、これはまだ始まり?


**

"Be My Baby"がかかると、二人のダンス・タイム
その火照った肌が触れるだけで
僕の正気を失わせる
Whoa yeah

"Back In My Arms Again"が流れると
二人は目を閉じ、時を遡る
キスをして、胸は激しく高鳴り
あぁ、この夜に終わりが来ませんように…


**


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

当然ラズベリーズは現役で聴いてないですが

この「メイク・ミー・ルーズ・コントロール」やDirty Dancingのサントラ「ハングリー・アイズ」とかで突然流行ってましたよね。変なカッコの新型ソアラのCMで「All By Myself」かかったり。「Make Me~」の歌詞はDirty Dancingの世界観がちょっと出てるような感じがしますね。

2017.07.22  地味JAM尊  編集

Beat Wolfさんへ
Eric Carmen 1988年
思い出の夏ですか~~♪
今年の夏は暑いです。

2017.07.22  みすてぃむーん  編集

Re: 当然ラズベリーズは現役で聴いてないですが

ラズベリーズなんて
「Make Me~」よりずっと後に知りましたよ!(笑)

やっぱりエリックというと、「All By Myself」のイメージが大きいですね。
でも「Make Me~」の頃の曲も、とても好きです。
これにはやっぱりDirty Dancingの成功が大きいと思いますが
「Make Me~」には「ハングリー・アイズ」の"匂い"が感じられますよね。

2017.07.22  Beat Wolf  編集

みすてぃむーんさん

みすてぃむーんさんの「思い出の夏」はいつでしょう…。
私にとって1988年は新たな方向へ踏み出し、結構楽しい年でした。

今年の夏はまだまだ暑くなるかもしれないので
熱射病に気をつけてご散策くださいね。(笑)

2017.07.22  Beat Wolf  編集

ラズベリーズ時代から夢中で聴いていました。そして、1976年にソロデビューした「恋にノータッチ」(Never Gonna Fall In Love Again・・もう2度と恋なんかしない・・)が大好きでしたね~。哀愁あるノスタルジックなメロディは、当時片想いの彼女にふられた小生の傷心を癒してくれたのです。この名盤からの大ヒット曲「オール・バイ・マイセルフ」と並び、ラフマニノフ交響曲第2番をモチーフにした曲。正に紅顔の美少年を絵に描いたようなアーティストでした。その後も次々にヒット曲を放ち、「愛をくれたあの娘」(1977)、「雄々しき翼」(1977)、「チェンシオブ・ハート」(1978)、「悲しみToo Much」(1980)、「フーリン・マイセルフ」(1980)等の名曲は今聴いても心が癒されます。最近、音楽シーンから消えたけれど元気にしてんのかなあ・・、また復活してほしいですね~
(PS)佐渡の記事にも是非遊びに来られて下さい。

2017.07.23  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

ラズベリーズ時代からご存知でしたか!
でもリアル失恋時に「恋にノータッチ」は
ズバリそのものだったわけですね?(笑)

それにしても「悲しみToo Much」といい
邦題担当者は相当なシャレ好きだったのではないでしょうか?
しかも当時の田原俊彦のヒット曲に「悲しみTOOヤング」というのもあって
そういうのに良いとか悪いとかツッコミ入れるのも
洋楽の楽しい所ですね。(笑)

2017.07.23  Beat Wolf  編集

なるほどオマージュネタだったんですね

歌詞中のロネッツなんて聞くとエディ・マネーのTake Me Home Tonight思い出しちゃいますね。beatwolfさんの選曲は全部有名曲ですが、ラ・バンバはリッチー・ヴァレンスのオリジナルですか。一般的にはドナになっちゃうんでしょうが、こっちもカッコイイですね。

2017.07.27  地味JAM尊  編集

Beat Wolfさんへ
エリック・カルメン
えっ、歌謡曲が出てくるとは思ってもみませんでした。

声は最高の楽器

演奏がシャープで1960年代以降のミュージシャンの新たな機材での
サウンド表現の追求となっていったのですか。
60年代から2017の現在までの進化の違いはどんなか....はて

2017.07.27  みすてぃむーん  編集

Re: なるほどオマージュネタだったんですね

「Take Me Home Tonight」のロニー・ネタなんて、よく覚えておいででしたね。
私も、言われて何十年ぶりに思い出しましたよ。(笑)

でも、デート用の選曲に
WASPとかオジー・オズボーンを選ぶ勇気はありません!(笑)

2017.07.27  Beat Wolf  編集

みすてぃむーんさん

みすてぃむーんは桜田淳子をご存知でしょうか?(笑)
今思えば、エリック・カルメンとテーマが似てると思ったのです。
昔、日本では夏になると夏歌がリリースされて賑やかでしたね…。

昔は歌とピアノと手拍子と、カスタネットで曲を作ってました。
その後ギターが花形となって…
今は、誰もいなくても機械だけで全部作れます!?(笑)

2017.07.27  Beat Wolf  編集

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