Oasis - Wonderwall (1995年)~リアム・ギャラガー来日公演~ イギリスのロック・バンド、オアシス(Oasis)の元ヴォーカリストであるリアム・ギャラガー(Liam Gallagher)が8月17日にZEPP TOKYOで一夜限りの単独公演を行います。
今回の来日では、引き続きロック・フェスティバル
『SUMMER SONIC 2017』 への参加も予定されています。
ところでオアシス名物といえば[兄ノエルvs.弟リアムの兄弟ゲンカ]ですが、その
終わりなき[百年戦争の発端] について、リアムが最近出演した『Howard Stern Show』で明かしています。
“
15歳の時 、外で飲んで家に帰ったら(酔って)電気のスイッチも見つけられなくて、そしたら小便漏れそうになってその場で出したらノエルが買った新しい音響システムに小便をしちまってた んだ。あれは根に持ってると思う”
(※要約編集;
原文 はもっとヤバい…)
VIDEO 「Wonderwall」の最新のパフォーマンスも披露してくれました♪ ~概要~ 「ワンダーウォール」は1995年10月にリリースしたオアシスの2ndアルバム
『モーニング・グローリー[(What's the Story) Morning Glory?]』 の収録曲で、3rdシングルとしてカットされ全英2位/126万枚売り上げ、アメリカ
Billboard Hot 100で8位(1996年の年間56位) を記録、オアシスにとってアメリカで唯一のTop10シングルです。
作者はノエル・ギャラガー で、リハーサルで初めて違うベース・ラインでこの曲を弾いた時、リアムは“
バカ野郎、何やってんだ!オアシスはファンク・バンドじゃない ”と気に入らない風だったものの、
後になって彼が歌うことを希望したため自分で歌いたい気持ちを抑えてリアムに譲った 経緯がありました。
…にも拘らず1996年の
『MTVアンプラグド』 に出演した際、喉の不調を理由にリアムが収録直前に突然歌うのを降りてしまったため(彼の場合“よくあること”ですが)、代わりに
ノエルが「Wonderwall」を含めた全曲でヴォーカル を務めています。
2012年の
ロンドン・オリンピックの閉会式 に於いて、オアシスは既に解散していたため、ノエル以外のメンバーで構成される
ビーディ・アイ (Beady Eye)が「Wonderwall」をパフォーマンス したことをご記憶の方も多いでしょう。
しかし兄弟仲が悪かったせいかその際わざわざ兄であり仲間であるノエルの承諾を窺う必要があったそうで、実はこの時ノエルも参加を打診されていたものの彼は“
イランの核開発のプログラムとか、そんな感じのトップ・シークレットの問題が関わっている ”との理由で断ったとか!?
モノクロで描かれるPVは、1996年のブリット・アウォーズで
“Best British Video” を受賞した名作です。
この映像で特徴的な“回転するレコード”を見るたび同時期日本でヒットしたスピッツの
「ロビンソン」 と重なり“スピッツがマネした?”と当時思い込んだものですが、発売日を調べると「ロビンソン」が1995年4月、「Wonderwall」が1995年10月なのでマネしたのはオアシス…
…なワケないですね?
ちなみに、「Wonderwall」のPVでは2番の歌詞の所でチェロを演奏していることになっていますが、実際にレコーディングで使用された楽器はポール・ "ボーンヘッド" ・アーサーズによるメロトロンでした。
“意外なこと”にこの曲はドラッグ撲滅キャンペーンの一環を担っており、PVも
1995年にMDMA(エクスタシー)摂取により18歳で亡くなったイギリスの女子高校生 の葬式をサポートしたそうです。
「Wonderwall」について、U2のジ・エッジやBlurのアレックス・ジェームス、Metallicaのラーズ・ウルリッヒらが“自分が書けていたら”と嫉妬するなど、多くのミュージシャンにカバーされています。
作者ノエルのお気に入りはアメリカのシンガー・ソングライターのライアン・アダムス(Ryan Adams)
で、彼のアコースティック・テイストを“
お前にこの曲をやるよ。俺たちはこんなに上手くやれなかったから ”と賞賛し、自らも彼のようなアレンジで演奏していました。
逆にお気に召さなかったのが
ワン・ダイレクション (One Direction)
で、“
陳腐なポップ・ミュージックをやるクソバカども ”と例によってボロ[クソ]にこき下ろしています。
VIDEO VIDEO VIDEO VIDEO ~Lyrics~ Back beat, the word is on the street “Back beat”...通りで噂が囁かれてる That the fire in your heart is out 君の心の火はもう消えてしまったって 【back beat】は音楽用語で、四分の四拍子の曲で二拍目と四拍目にアクセントを置くスタイルですが、ここでの意味は不明です。
但し「Wonderwall」発表の前年、デビュー前のビートルズを描いた
映画『Backbeat』 が公開となっており、ビートルズ・マニアのノエルがこれを観ていないとは考えられません!
VIDEO And all the roads we have to walk are winding 二人が歩まなければならない全ての道は曲がりくねり And all the lights that lead us there are blinding 導く全ての光は、目を眩(くら)ませる 【the roads ... winding】も、ビートルズ・ファンならピンとくるでしょ?
「The Long And Winding Road」(過去ログ) はビートルズ末期の作品で、当時のポール・マッカートニーの心境を綴ったとされる名曲です。
ビートルズ解散直前のポールの心情は“推して知るべし”ですが、果たして「Wonderwall」の主人公は…?
I don't believe that anybody …そして、今この瞬間も信じない Feels the way I do about you now 僕ほど君を求め、感じる誰かが他にいるなんて ちょっとばかり表現を盛っていますが、ご容赦を。
1996年にノエル自身がNMEに語ったところによると 、「Wonderwall」は当時の恋人メグ・マシューズ(Meg Mathews)のために書かれたものだそうです(97年に結婚)。
しかし彼女と離婚した後には“
これは想像上の友だちがやってきて、あんたを自分自身から救ってくれる話 ”と説明するようになったとか…?
~Epilogue~ 本曲のタイトル【Wonderwall】は直訳すると[不思議な壁]ですが、言葉としては一般的ではありません。
この特殊な言葉について
リアム は“[Wonderwall]はどのようにも捉えることのできる、美しい言葉だよ。バスのチケットを探し回り、そいつをやっと見つけて、引っぱり出す。畜生、[Wonderwall]はそういう時のための言葉さ ”と、独特の言い回しで解説しています。
一方、【Wonderwall】は
ジョージ・ハリスン がビートルズ在籍中の1968年に発表ししたソロ・アルバム
『不思議の壁(Wonderwall Music)』 に依るといわれています。
ノエル の“
ビートルズは俺にとって、すべてはそれに尽きる最も重要な存在。そこに始まり、そこで終わる ”という発言からも、彼がどれほどビートルズに多大な影響を受けているか想像に難くはないでしょう。
ただしこのアルバムは映画のためのサウンドトラックであり、収録される
「Wonderwall To Be Here」 ほか19曲の殆んどはインストゥルメンタルの上、多くはインドのボンベイで録音されたという通りのサウンドで、そこからはオアシスの「Wonderwall」をイメージさせるものは感じられません。
むしろ興味深いのは、
映画のストーリー です。
この映画はある老科学者が、
ジェーン・バーキン 演じる若い娘(ちなみに、ここでの彼女の役名は“
Penny Lane ”!)の美しさに心を奪われてしまう…という物語ですが、二人はアパートの隣人であり、彼は
接する部屋の【wall(壁)】の穴から日夜彼女を覗き見る ことで想いを慰めています。
VIDEO And after all そして、やっぱり You're my wonderwall 君こそ、僕の“wonderwall”だから 彼と彼女の不思議なカンケイ…
映画で[wall]の果たした役割を考えると、「Wonderwall」の意味も“見えてくる”かもしれませんネ?
…ところで余談ですが今回、この映画に登場する老科学者のストーカーっぽい行いは、私が子どもの頃に見た強烈な記憶を思い出させました。
昔『土曜ワイド劇場』の名物シリーズで天知茂が名探偵・明智小五郎を演じる
“江戸川乱歩の美女シリーズ” というのがあって、その中でも鮮烈なイメージが残っている
「人間椅子」 (ドラマでのタイトルは 「禁断の実の美女」)のエピソードです。
醜貌のため女性と縁遠い椅子職人(レオナルド熊)が、自分が入れる革張りの椅子を作ってそこに座った美女の感触を密かに楽しむ…という、衝撃的(変態的?)な内容。
ここでの椅子職人の心境を題材にすると、もっと“濃い”歌が出来上がりそう?
「ワンダーウォール」 VIDEO Writer(s): Noel Gallagher /訳:Beat Wolf 今日こそ、“その日”となるだろう “あの頃”を君に思い出させるんだ でもそろそろ、君も気づくべきだった 自分の為すべきことに …そして、今この瞬間も信じない 僕ほど君を求め、感じる誰かが他にいるなんて “Back beat”...通りで噂が囁かれてる 君の心の火はもう消えてしまったって そんなの全部耳に入ってると確信してるけど 君ときたら、疑うことを知らない …でも、今この瞬間だって信じない 僕ほど君を求め、感じる誰かが他にいるなんて * 二人が歩まなければならない全ての道は曲がりくねり 導く全ての光は、目を眩(くら)ませる 君に言いたいことは たくさんあるというのに どう伝えたらいいか、わからない ** だって、たぶん… 僕を救えるのは、君しかいない そして、やっぱり 君こそ、僕の“wonderwall”だから 今日こそ、“その日”となるはずだった でも君が、“あの頃”を思い出すことはない そろそろ君も気づくべきだった 自分の為すべきでないことに …そして、今この瞬間も信じない 僕ほど君を求め、感じる誰かが他にいるなんて * ** ** たぶん 僕を救えるのは、君しかいない…最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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1995年 ブリットポップ 男の恋 名作MV
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