I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「トーチャー」ジャクソンズ

2017.09.22

category : Michael Jackson

Jacksons - Torture1 Jacksons - Torture2


Jacksons - Torture (1984年)



~マイケル・ジャクソンの“ザ・ハロウィン・アルバム”~

マイケル・ジャクソンといえば世界をアッと言わせた「Thriller」(過去ログ)ですが、彼は“ハラハラ・ドキドキ”が大好き!
そんなマイケルはハロウィンを毎年楽しみにしていたそうで、今回“ザ・ハロウィン・アルバム”というコンセプトの下「スリラー」や「ゴースト」といった“いかにも”なソロ作品に加え、貴重なゲスト参加作品、ジャネットとの兄妹ユニットやジャクソンズからの作品も編集したアルバム『スクリーム』がリリースされることとなりました(配信:9/29、CD:10/4)。

本記事で選曲した「Torture」はその収録作品の一つで、私の大好きな曲でもあります。
ハロウィンには少し早いですが、凝ったミュージック・ビデオも含めごゆっくりお楽しみください♪


Blood on the Dance Floor X Dangerous (The White Panda Mash-Up)



~概要~

「トーチャー」はジャクソンズの5th(ジャクソン5を含めると16th)アルバム『ヴィクトリー(Victory)』からの2ndシングルで、Billboard Hot 100の17位を記録した作品です。
ただしCBSのオリジナル・アルバム以外となるとモータウン時代のジャクソン5のベスト盤には収録されず、かといってマイケルのソロ作品ではないため、後世お耳に触れることが少なかったかもしれません。
(そういう意味で、今回発売される『スクリーム』は貴重)

また、本アルバムは『Thriller』で歴史を塗り替える大スターにまで上り詰めたマイケルの同作後初めてとなるアルバムであり、それに加え1975年以来グループから離れていた三男ジャーメイン・ジャクソンが参加したということで話題になりました(6人編成)。
そして、「Torture」はそのジャーメインとマイケルが2人でリード・ヴォーカルを担当し、ジャーメインはそのままグループに在籍しましたが、Victoryワールド・ツアー後マイケルはソロ活動に専念するためジャクソンズを脱退しました。

「Torture」は長男ジャッキー・ジャクソンがリードして創作した作品で、作詞・作曲はジャッキーとKathy Wakefield、プロデュースもジャッキーが行っており、当初彼は自分がマイケルとデュエットするつもりで書いたものの、そのパートをジャーメインに譲ったようです。
サウンドは本来のジャクソンズの音楽というより、マイケルが『Thriller』で確立させた爽快なロック・テイストの強いナンバーで、本アルバムには『Thriller』同様TOTOが大きくサポートしていますが、「Torture」のドラムスにはジェフ・ポーカロが参加しています。


マイケルもアイデアを出し、映像に費用をかけ過ぎたため制作会社が破産したともいわれるミュージック・ビデオはサスガに見応えがあります。
「トーチャー」の作者でもあるジャッキーが主演しティト、マーロン、ランディが出演していますが、ヴォーカルのジャーメインは出演していません。
マイケルは多忙のため撮影に参加できず、映像の最後に“ワックス・ダミー(蝋人形)”で出演しています《写真・左》!

ただし“「Thriller」仕立て”な映像は見所満載で、歌詞がわかると仕込まれた“ネタ”の意味も理解できるでしょう。
ジャクソンズを模したと思われるスケルトン(がいこつ《写真・右》)のアクションも雰囲気があり、うち一人は“後ろ歩き”しているではありませんか!? 
でもこの映像からわかるのはこの時の“ジャクソンズは5人”という彼ら自身の認識で、この点から考察するとこのアルバムでジャーメインは正式復帰ではなく“ゲスト扱い”の参加だったのかもしれません。
PV制作に於いて、実はもう一人“興味深い人物”が参加しており、当時NBAロサンゼルス・レイカーズの現役チアリーダーだったポーラ・アブドゥルです。
ポーラは“メンバーの強い要望”(※後述)により本作PVで初めて振り付けの仕事に携わることとなり、それがきっかけでジャネット・ジャクソンの振り付け⇒自らがポップ・スターと、シンデレラ・ストーリーを歩むこととなります。

Jacksons - Torture3

 



~Lyrics~

It was on a street so evil
行く手に開(はだ)かる 邪(よこしま)
So bad that even hell disowned it
その邪悪さに、地獄さえこれを遠ざける

実は、Lyricsは少しわかり辛いものとなっており、本ブログでは混在して紛らわしいSheとyouを基本的に[She=you]として独自の解釈を加えながら和訳を進めました。
全体を通して見ると1番の歌詞だけが「Thriller」みたいに“おどろおどろしい”内容となっていますが他は“失恋ソング”のようであり、元々失恋ソングだったものを途中から「Thriller」にするアイデアが生まれて書き換えた印象があります。
PVは基本的にストーリーを導いてくれる内容となっているので、併せて味わうとわかり易いでしょう。

【disown】は[~を自分のものと認めない・~と縁を切る]ですが、“すんごい言われ方”ですね?
要するに“地獄も手を余すほどのワル”という意味と思いますが、映像に描かれる男の顔もかなり不気味です。

Jacksons - Torture4

Every single step was trouble
踏み出す一歩、すべてが苛(さいな)まれ
For the fool who stumbled on it
愚かなる者はよろめき、躓(つまず)く

英語の【hell(地獄)】はキリスト教に基づく概念であり、一般的には[死後の刑罰の場所または状態]、[霊魂が神の怒りに服する場所]とされます。
仏教にも地獄の概念があり、六道輪廻の最下層で、罪を償わせるための世界です。

“一歩踏み出す度に[trouble(苦しみ)]”って、辛そう…
でも映像の地獄の道の表現もユニークで、コレ《写真・右》だと“愚か者でなくても転ぶ”でしょ? 


Eyes within the dark were watchin'
暗闇に浮かぶ目の視線を浴び
I felt the sudden chill of danger
俄かに戦慄を覚えた

歌詞からは[2つの目]を想像していたのですが…
映像では、“こんなん”なってます!?《写真・左》 

Jacksons - Torture5

[地獄]を想像させながら[オチ]まで用意してくれるなんて、案外ユーモアが通じる?
しかも驚いて目玉に突っ込んだ手が、こんなコトに!《写真・右》

Jacksons - Torture9 …コレって、オレ様のパクり?



~Epilogue~

歌詞を読むと、本作は“断ち切れない失恋の苦痛”をテーマとしています。
ヴィジュアルにすると、こんなカンジ!?

Jacksons - Torture6

確かに【torture】は“拷問”ですが、このイメージでいいのだろうか…? 

実は、写真でクモの巣に囚われているジャッキー・ジャクソンがこの撮影後、現実に【torture(激しい苦痛)】に苛まれています。
別項でポーラ・アブドゥル《写真・左》がこの映像の振付けを担当していることを紹介いたしましたが、実は彼女を本作に誘ったメンバーとはジャッキーでした。
ジャッキーは自身もバスケット・ボールが好きで、その縁からロサンゼルス・レイカーズのチアリーダーのポーラとは以前から“特別な関係”にあったものの、彼には1974年に結婚した妻(イーニッド・スパン)がありました《写真・右》。

Jacksons - Torture7

本撮影でも既に決まっていた振り付け師をクビにしてポーラを後任に充てたり、周囲にも二人の関係を隠さないなど開けっぴろげだったためすぐに露見し、修羅場となります。
3人がもみ合う中、イーニッドの車がジャッキーの脚を轢(ひ)いてしまい、彼は大怪我を負いました。
その3年後の1987年に2人は離婚、ポーラとは結婚も考えたものの1988年に別れが訪れています。

She was up a stair to nowhere
階段を上り、君は何処へともなく…
A room forever I'll remember
永遠に忘れることのない部屋

1988年は、ポーラがデビュー・アルバム『Forever Your Girl』で一躍全米No.1のトップ・スターに上り詰めた年《写真・左》。
「Torture」は実話ではありませんが、このラインはまさにポーラが階段を駆け上がって遠くへ行ってしまうジャッキーの未来を暗示していたかのようでもあります《写真・右》。

Jacksons - Torture8

【永遠に忘れることのない部屋】…
決して取り戻すことのできない過去の一瞬を望むことは、まさに拷問です。
でも、たとえそれを取り戻すことが叶わなくても、たくさんの経験を残してくれたはず。


She stared as though I should have known her
君は、僕が理解すべきだったと、じっと見つめていた
Tell me what's your pain or pleasure
教えてよ…何が痛みで、喜びだったというの?

…それを省み自ら答えを出してこそ、やがて“その拷問”が未来への教訓として生かされる気がします。



「トーチャー」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Jackie Jackson Kathleen Wakefield /訳:Beat Wolf


[Jermaine]
行く手に開(はだ)かる 邪(よこしま)
その邪悪さに、地獄さえこれを遠ざける
踏み出す一歩、すべてが苛(さいな)まれ
愚かなる者はよろめき、躓(つまず)く
暗闇に浮かぶ目の視線を浴び
俄かに戦慄を覚えた
何ものかが告げている…
“歩み続けよ…だが、お前は来るべきではなかった…”

[Chorus]
君は、愛のないナイフのように
僕の人生を傷つける
そして一人、僕は夜を彷徨う
…何故なら、僕はこの想いを止められない
まさに、それは拷問…

[Michael]
階段を上り、君は何処へともなく…
永遠に忘れることのない部屋
君は、僕が理解すべきだったと、じっと見つめていた
教えてよ…何が痛みで、喜びだったというの?
ここで君が見つけた、取るに足りないこと全部
単に、後のスリルのためだったの?
だけど孤独も、この胸の情熱も 
主に捧げるため、僕はここにいる

[Jacksons]
君は言った…“愛のない人生は
まさにナイフ
そして、無慈悲な夜
あなたが、その想いを止められないなら”
まさに、それは拷問…

[Jermaine and Michael]
…だけど、僕にはまだその意味を見出せない
いや…見ている君の顔は
本物? それとも、夢なのか…
君の名前が
頭の中で木霊(こだま)し
心の中で、愛の炎が灯りはじめる

[Chorus]


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

Beat Wolfさんへ
ジャクソン時代のマイケルは若かったのですね。
声質に若さがあって綺麗です。
兄弟が多くて本来ならまだまだ元気なはずですよね( ;∀;)

ジャネットは元気なのに残念ですね。

2017.09.23  みすてぃ  編集

みすてぃさん

マイケル26歳、瑞々しいでしょ♪
でもジャネットどころか
今もきょうだいのご両親が80代で共にご存命です!
たぶんこの一族は生命力に恵まれていて
あんなことがなかったら、マイケルも長生きだったでしょう。
本当に残念ですよね。

2017.09.23  Beat Wolf  編集

ポーラ・アブドゥルってそんなロマンスがあったんすか?

知らなかった~。「Knocked You Out」とか聞いて「綺麗な人だな~」と大ボケかましてた高校生でした・・・。

今回知っていたのは百目タイタンのみ!
しかし音楽ブログでデルザー軍団が出てくるとは・・・。メタル系で『鋼鉄参謀』やイーグルスで『荒鷲師団長』とか無しっすよ。

2017.09.26  地味JAM尊  編集

Re: ポーラ・アブドゥルってそんなロマンスがあったんすか?

私も、ポーラ・アブドゥル芸能界入りの経緯に
こういう背景があったことは今回初めて知りました。

子どものころ見た百目タイタンは強烈でしたが
今回の映像も似た感動を覚えました。
イーグルスで『荒鷲師団長』…
その手がありましたね!?(笑)

2017.09.26  Beat Wolf  編集

ジャクソンズ、懐かしいですね~!ベンやABCの頃から聴いていました。その後、マイケルとジャネットだけがビッグになり過ぎたって感じでしたね。

2017.09.27  ローリングウエスト  編集

Beat Wolf さんへ
洋楽の歌詞は熱くって濃いですね。
でもそれと私生活が合致しているとは
限らないので、熱い歌を歌っていても
イメージが崩れる時があります。

♪ー君の顔は....夢なのか...木霊する♪
この木霊の表現は初めてみました。

2017.09.27  みすてぃ  編集

ローリングウエストさん

懐かしいですね。
ジャクソン5はリトル・マイケル
「トーチャー」は「Thriller」のマイケルが魅力です。
別物ですが、どちらも魅力的なのが彼の凄さだと思います。

2017.09.27  Beat Wolf  編集

みすてぃさん

そうですね…
私の言葉遊びも含まれていますが
今回、彼自身の未来を予言するかのような歌詞にはびっくりしました!
でも、確かに曲のイメージと歌詞のギャップのある作品ってありますよね。

…あっ!その部分、行をごっちゃに間違えて記述していました。
みすてぃさんのお陰で、誤植を発見できました。
ありがとうございます(修正しておきました)。
それにしても、山で「木霊」は自然ですが
頭の中で響くのは、「こだま」の方が違和感がないかもしれません。(笑)

2017.09.27  Beat Wolf  編集

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Author:Beat Wolf


ジャンルを問わず音楽が大好き♪
古い歌を“過去”として懐かしむだけでなく、『温故知新』…“今”に繋がる何かを探し求めます。



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