I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「トゥルー」スパンダー・バレエ

2017.10.06

category : 1980年代

Spandau Ballet - True1 Spandau Ballet - True2


Spandau Ballet - True (1983年)



~不都合な[true]と、好都合な[false]の駆け引き?~

【true(真実の)】には“好都合なもの”もあれば、“不都合なもの”もあります。
2017年7月、「True」のヒットで知られるスパンダー・バレエが選択したのは、私たちにとって“不都合なtrue”でした。
それは、“このバンドとはもうパフォーマンスしない”と、ヴォーカルのトニー・ハドリーが脱退を宣言してしまったからです。

心を偽って現行を続けるか、それとも心の真実のままに新しい道を進むか…
人生を左右する判断は、誰にとっても難しいものです。
政治の世界に於いても…。



~概要~

スパンダー・バレエは1981年にデビューしたイギリスのニュー・ロマンティック系バンドで、本国では当初より人気を博しています。
1983年の3rdアルバム『True』のタイトル曲「True」は初めて全英No.1(4週/年間6位)に輝いただけでなく、アメリカでも初ヒットとなりBillboard Hot 100で4位(年間92位)まで上昇、世界21カ国で1位を遂げた彼らの代表曲となりました。
楽曲はバンドのギタリスト、ゲイリー・ケンプが書いたもので、歌詞は当時彼が熱を上げていたAltered Imagesのリード・シンガーだったクレア・ローガン(Clare Grogan)との関係を題材としており、ゲイリーによると“二人はプラトニックだった”と語っています。
スパンダー・バレエ自体の人気は以降、下降線でしたが1984年のバンド・エイド「Do They Know It's Christmas?」や、翌年の『Live Aid』にも参加しました。


「True」はカバーやサンプリングに使用されることも多く、1991年にP.M.ドーン(P.M. Dawn)が本曲をサンプリングした「Set Adrift on Memory Bliss」はオリジナルも成し得なかった全米No.1を達成し、2005年にネリーも同様の手法で「N Dey Say」という作品を発表しました。
こうしたカバーの多さが示すように、2015年のイギリスのテレビ局の調査でも“1980年代のお気に入り曲の10位”にランクされるなど、息の長い人気を得ています。

また、意外な思い出を告白しているのが小泉今日子で、当時運転免許を取ったばかりの彼女は一人でドライブをするのが好きで、「True」をカセット・テープでよく聴いたそうです。
実はこのテープ、当時のボーイフレンドが編集してくれたものだそうで、それを聴いて“秘めたる恋”の淋しさを温めたといいます。
彼女が44歳となった2010年のある日、ドライブ中のFMから「True」が流れ、胸がキュンとなりました。
しかしそれはもはや恋ではなく良い思い出となっていることに気づき、時が過ぎたことを実感したのだそうです。

 

 



~Lyrics~

Take your seaside arms and write the next line
君の入り江へと導いておくれ…きっと次の一行を描き出すから
Oh, I want the truth to be known
あぁ、本当の気持ちを知ってもらいたい…

「True」はバンドのギタリスト、ゲイリー・ケンプが書いた作品ですが、これはロシア出身の作家ウラジーミル・ナボコフの1955年の小説『ロリータ(Лолита - Lolita)』にインスピレーション受けており、クレア・ローガンに本をもらったことがきっかけでした。

中でも[Take your seaside arms]と[With a thrill in my head and a pill on my tongue]はこの小説の一節からの引用だそうです(部分的に変更しているらしい)。
正直[your seaside arms(あなたの海岸の腕)]の解釈については全く確信が無く、小説の内容も知らないのでフォローのしようもありません。
イメージとしては“二人にとって特別な[arm(腕のような形をした)]海岸”というイメージを抱いていますが…。


Listening to Marvin (All night long)
(一晩中)マーヴィンを聴いていると
This is the sound of my soul
これは、僕の心の声…

[With a thrill in my head and a pill on my tongue]が張りつめた神経を解きほぐしてゆく…
そのセンテンスに続く部分です。
ここに登場する【Marvin】は「What's Going On」で有名なアメリカの歌手マーヴィン・ゲイのことであり、彼へのオマージュが込められていると言われています。
楽曲自体も1960年代のモータウン・テイストとなっており、トニー・ハドリーのソウルフルなヴォーカルと合わせてこの年代を代表する“ブルー・アイド・ソウル”作品です。



~【理不尽な政治運営】が招いた【理不尽な選挙戦】~

圧力によって歪められた岩盤が耐え切れず地震を引き起こすように、大きくて無理矢理な衝撃を突然与えるとそれに比例した大きな反発力が生じるのは、物理に限らない道理です。
一国の総理大臣である安倍晋三氏本人が疑惑の当事者である【森友・加計学園への国政私物化疑惑】について、憲法53条に基づいて開催する義務のある臨時国会で、一連の疑惑を“謙虚に、真摯(しんし)に説明責任を果たす”はずだった安倍首相が国会の冒頭で宣言したのは疑惑に対する説明ではなく、【天皇の国事行為の権限に乗じた衆議院解散(憲法7条)】でした。

この変事を好機到来とばかりに、昨年就任した現職の東京都知事であり今年7月の都議選で自らが代表として率いた[都民ファーストの会]を大勝利に導いた小池百合子氏が9月、急遽自らを代表とする国政政党【希望の党】を立ち上げ世間をアッと驚かせたのは記憶に新しい所です。
しかしその理不尽な衆院解散を震源とする余震は、9/1に新しく党首を迎えて結束を新たにしたばかりの民進党をも揺るがし、両党首の合意により【野党第一党・民進党が解党し、実績も党是さえ定まっていない希望の党に合流】するという前代未聞の事件へと発展、続く小池氏の“リベラル派は排除”発言は反発を生み更なる分裂を誘発しました。


紛らわしい[リベラル]と[保守]、[左]と[右]…

これらを政治的な概念として捉える時とても曖昧であるだけでなく、多くの矛盾を内包しており誤解を招き易い区分といえます。
たとえば【リベラルliberal】は“自由な、偏見のない”という意味で、日本では自由民主党が英語名[Liberal Democratic Party of Japan]を名乗っていますが自らは保守と称しており、現在の政党で一般にリベラルと呼ばれるのはそれと対照的な共産党・社民党・立憲民主党(今回、枝野幸男氏が結成した新党)です。
リベラルは“個人の自由や権利を尊重する立場”であるため福祉政策を重視(旧民主党の“コンクリートから人へ”は有名ですね?)するのは世界共通ですが、リベラル先進国である北欧では消費税25%は当たり前であるのに対し、日本のリベラル政党の多くは消費税を上げるのに消極的です(人気取りの側面もあるし、それ以前に日本の借金が多過ぎる)。
また、[保守]は“現状の制度や思想を維持する立場”ですが日本の保守政党は何れも[改憲]を訴え、リベラル政党が[護憲]を唱えています。

[左][右]の思想は、[平等な社会][保守・愛国]という一見全く異なる概念ですが、国民に対する大義名分が違うだけで、“全体のため個人の自己犠牲を求める【全体主義】の思想”という意味で同質です。
権力者に絶大な権限を与え迅速な意思決定と大きな成果を得ることも可能である反面、権力者が余程公正な心の持ち主でなければ支配側だけが不当に利益を得る汚職の温床になりがちで、更にその性質上【独裁】を生み易いため、歴史的にもソ連や中国の文化大革命、後者はナチス・ドイツや戦前の大日本帝国といった政策の過ちによる大惨禍を招くことがあります。



~嘘いつわりのない、真の民主主義を目指して~

今回の[小池の乱2(勝手に命名)]で改めて痛感させられたのは、保守系議員の多さです。
あれだけ安倍政権による安保法や共謀罪法、森友・加計疑惑などで民意に反する政治運営に国民がうんざりさせられたにも拘らず、いざ選挙となると新たに増えるのが安保法や共謀罪法の発想に賛成の立場の保守系政党や議員であることに、失意を抱かざるを得ません。
何故なら、これまででさえ国民の大半が“No!”を突き付けた法案も、議席の2/3を占める与党+保守政党が“Yes”といって何度も強行採決を許してしまっているのに、それに抗する中心だったリベラル系の民進党が無くなり安倍首相とほぼ同じ思想信条の小池氏の意向で統一された希望の党が加わったら、かつて以上の議会軽視の専横が行われる懸念があるからです。
あるいは、選挙で民意が選択したはずの政権が確定されず、選挙後に各保守系政党(+公明党)間で主導権争いが始まり、連携・連立・分裂・合併などの末に有権者が想定し得なかった政権が成立してしまう可能性さえあります。

このように近年民意が政治や議席に反映されない違和感は、“4割の得票率で7割の議席を与える【小選挙区制】”の問題点と重なります。
よく選挙区間の[一票の格差]についての判決がニュースになりますが、“1位以外の投票が死票となってしまう現在の小選挙区制”も早急に見直されるべきではないでしょうか…。


民進党の前原誠司代表は今月9/28の党両院議員総会で“民進党の衆院議員は、離党したうえで希望の党に公認申請を行う”と発表、その後合流先の希望の党・小池代表の発言や[民進党議員の排除リスト]が出回り、結果民進党は3つに分裂しました。
こうした結果について前原氏は“すべて想定内”とコメントしており、小池氏の証言からも、彼は小池氏が全員を受け入れるつもりがないことを承知で民進党を解党し希望の党へ合流させる方針を出したと思われます。
前原氏は9/27のパーティーで“どんな手段を使っても安倍政権を終わらせる”と演説していますが、このやり方は彼自身が批判している安倍氏の手口と何が違うのでしょう?

一方小池百合子氏は、調べるほど安倍首相に劣らぬ”欺瞞の匂い”を感じます。
希望の党の綱領によると“寛容な改革保守政党を目指す”とあり、衆院選の目玉公約の一つに“2030年までに原発ゼロ”とあります。
しかし小池氏とヘイト(人種差別など)団体との関わりの疑惑と、都知事の慣例としてこれまで続いてきた関東大震災時の朝鮮人虐殺事件犠牲者への追悼文の送付を拒否したという事実、希望の党公認のための政策協定書にわざわざ[外国人に対する地方参政権の付与に反対する]条項を入れていることは、果たして寛容な保守と呼べるのだろうか…?
また、彼女にはこれまで脱原発に熱心に取り組んできたという経歴はなく、むしろ福島第一原発事故の数カ月後の時点で“再稼働のためのロードマップを作れと主張”したという記事がありました。
現在も彼女は東京電力の4番目の大株主である東京都の知事として、先日報じられた柏崎刈羽原発の再稼働について反対を提案できる立場にあるにも拘らずそれを行使していないこと、2003年に雑誌『Vоice』で“軍事上、外交上の判断において、核武装の選択肢は十分ありうる”との発言があります。


私たちの社会生活に於いて、その最も根幹にあるものは【true(真実の)】です。
どんなにオイシイ儲け話も、詐欺師に大金を預けたりはしません。
政治もそれと同じで、どんなに崇高な理念を持ち、どんなに魅力的な政策を並べようと、嘘をついたり公権力を私物化したり、人を差別し邪魔者を陥れたりする人間に、私たちの大切な生命と財産、憲法が保障する権利を預けるべきではありません。
今回の衆院解散の経緯や選挙後に起こり得る政界の混迷を考えると本当にバカバカしくて係わりたくなくなりますが、そんな腐った政治状況だからこそ私たち主権者がこれを正すための一票を投じなければならないと思うのです。
これまでの選挙だって、半数の棄権した人たちが投票してくれていたら全く違っていたはず…。

どうかこの選挙を、印篭の出ない水戸黄門にしないでください。
私たちの一票こそが、印篭です。
悪代官は、それを最も恐れています。



I know this much is true
これこそが真実



「トゥルー」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Gary Kemp /訳:Beat Wolf


(Ha-ha-ha, ha-ah-hi)

この上ない真実…
でも、おかしなものさ
それはやがて、夢を描くことを忘れ
頭と踵を逆さまにして向き合う
これは、僕の心の声…
魂の叫び


遠い世界への切符を買ってはみたけれど
こうしてまた、戻って来てしまう
なぜ僕は、次の一行を描き出せずいるのだろう…
あぁ、本当の気持ちを伝えたいのに

**
(Ha-ha-ha, ha-ah-hi)
これこそが真実
(Ha-ha-ha, ha-ah-hi)
嘘偽りない僕の気持ち

頭の中のスリルと、舌の上のピル(錠剤)が
張りつめた神経を解きほぐしてゆく
(一晩中)マーヴィンを聴いていると
これは、僕の心の声…
魂の叫び

いつだって、この手からこぼれ落ちる砂は
それそのものが、時の流れ
君の入り江へと導いておくれ…きっと次の一行を描き出すから
あぁ、本当の気持ちをわかってほしい…

**

**


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

Beat Wolf さんへ
どちらの鏡かと言えば、その中間のちょっと綺麗に
映してくれるうぬぼれ鏡かな。

でもこの曲のテーマは真実ですね~♪
「本当の気持ち」「これこそが真実」
これは自分の気持ちを正直に率直に伝えきれない
というジレンマ歌詞ですか?

2017.10.07  みすてぃ  編集

みすてぃさん

おぉ!
想定外ですが、とても納得できる答えです♪
あまりに大袈裟な美化はウソっぽいし
でも、ちょっとだけキレイになりたいという乙女心?(笑)

真実って、難しいですね。
本当の事だからそのまま言えばいいのに
でも、本当だからこそそれができないってこと、あります。
…「ズボンのチャック開いてますよ」とか?(笑)

2017.10.07  Beat Wolf  編集

Beat Wolfさんへ
「トゥルー」60~90年代の曲は、知っている曲が
ごく少々なので、今現在聴いて歌か演奏かメロディーが
好きかどうかがポイントで、「不都合な」とか「好都合な」の
昔の当時の状況には、はてと??・・・
どうしたらよいのかと戸惑うばかりです。

2017.10.11  みすてぃ  編集

みすてぃさん

みすてぃさん、そうですね…
冒頭に記載したメンバーの脱退のニュースはファンにとって“不都合なtrue”であり
同時に、それが嘘だと言って欲しいと願う(=好都合な[false])という意味です。

ただし「不都合な[true]と、好都合な[false]の駆け引き」は、記事後半への伏線でもあり
「難しい話」に関わりのある言葉なので、お気になさらないでください。(笑)

2017.10.11  Beat Wolf  編集

故ダイアナ妃がスパバレファンだったという・・・

バンドにとっては好都合な『false』。
でも「vo.が(性的に)魅力アリ」って事でファンだったとばれたのは妃にとって不都合な『true』ってことですかね?
←自分はダイアナ妃が来日した際に高校抜け出して観に行ったくらいなのでdisった訳ではありません。

選挙もな~。お願いだから派閥関係無しで、まともな奴が手を挙げてくれればな~。
国民がテロでも起こさないと変わらんのかな?

2017.10.12  地味JAM尊  編集

Re: 故ダイアナ妃がスパバレファンだったという・・・

えぇっ!そうなのですか?
ダイアナ妃っていろんな噂のある人だとは思っていましたが
それは知りませんでした…。

国民にとって「まともな奴(公務員)」は「全体の奉仕者」ですが
権力者にとって「まともな奴」は「権力者への奉仕者」です。
そして、権力者にとって「政治とは権力者へ奉仕する国民を作り出すこと(憲法と真逆)」です。
「権力者とその利害関係者」以外の一般国民の殆んどはそれを望まないはずなので
4~5割もいる棄権者が反対を投じればすぐにでも変わるのですが…。(涙)

2017.10.12  Beat Wolf  編集

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Author:Beat Wolf


ジャンルを問わず音楽が大好き♪
古い歌の“温故”から、歳月を重ねた“知新(いま思う・いま考える)”を綴ります。



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