I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ハロウィーン・タウンへようこそ」from ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

2017.10.20

category : Disney/Animation

This Is Halloween from the Nightmare Before Christmas1 This Is Halloween from the Nightmare Before Christmas2


This Is Halloween from the Nightmare Before Christmas(1993年)



~The Nightmare Before Christmas~

西洋の慣習でありながら日本の文化として完全に定着し、国民に愛されているクリスマス…
赤と白を纏(まと)ったやさしげな笑顔のサンタクロースが子どもたちにプレゼントを渡すため空をかけ巡るイメージは、子どもだけでなくみんなを幸せな気持ちにさせてくれます。
一方、暗い闇夜に耳まで裂けたかぼちゃ頭のジャック・オー・ランタンが不気味な笑みを浮かべているイメージのハロウィン…

santa_convert_20131223150610.png This Is Halloween from the Nightmare Before Christmas3

全く正反対ですが、もしもこの二つのイメージを一つにしたらどうなると思います? 



~概要~

「ハロウィーン・タウンへようこそ」は、1993年公開のディズニー(Touchstone Pictures)映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(The Nightmare Before Christmas)』のオリジナル・サウンドトラックであり、OP曲です。
制作は『バットマン』や『アリス・イン・ワンダーランド』など独特な世界観を映し出してきたティム・バートンで、彼がディズニーのアニメーター時代に書いた詩が原案となっています。

ディズニー(カテゴリ)というとミッキー・マウスなどの“かわいいキャラクター”や、シンデレラなどいわゆる“ディズニー・プリンセス”が社風を象徴していますが、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のホラー・テイストはこれと対極であり、アニメーションでありながら内容が不気味で子ども向けでないと判断されたためディズニー系列の大人向け実写映画会社タッチストーン・ピクチャーズの作品として公開されました。
しかし100名を越える一流のアニメーターが1コマ1コマ丹念に創造(1440コマ/分)し、完成まで3年を費やした(1分の映像を撮影するのに1週間かかったといわれる)という“ストップモーション・アニメーション”による人形の動きや表情が実に豊かであり、こうした手作り感のせいかホラー・テイストでありながら映像には何処か温かみを感じさせるものがあります。

映画の音楽は主役ジャック・スケリントンの歌声も演じたダニー・エルフマンが担当し、「This Is Halloween」を含めた作曲・作詞も彼が担いました。
本曲は映画の冒頭で物語の舞台となるハロウィン・タウンについてのイントロダクションの役割を果たしており、ハロウィン・タウンの住人(声優)によって歌唱されています。
こうしたオバケ・妖怪の世界の概念は私たち人間社会とはギャップがあり、日本でもそうしたダーク・ヒーローとして愛され続けたアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のOPテーマ曲でも、“お化けにゃ学校も試験もなんにもなーい!”と紹介されていました。

 



~Lyrics~

This is Halloween, everybody make a scene
今夜はハロウィン、みんなで騒げ
Trick or treat till the neighbors gonna die of fright
“トリック・オア・トリート!”お隣さんを震え上がらせるまで

【Trick or Treat】は、ハロウィンで子どもたちが仮装してご近所を回る際に発する言葉です。
[Trick]は“いたずら”[Treat]は“ごちそう”で、Treatをくれない場合は子どもたちがTrick(生卵を玄関に投げつけるなどいろいろ)しても許されるそうですが、日本人には教育的に差し障りがありそう?

ちなみに[Treat=お菓子]となったのは、カトリックの聖人らを弔う祝日『Allhallowtide(万聖節の時節;10/31-11/2)』に於いて子どもたちや貧しい人々が家々を回って歌を歌い、代わりに十字模様の入ったお菓子[Soul cake]を分け与えた慣習からきているようです。
1963年にこの歌をピーター・ポール&マリーが「A' Soalin」としてレコーディングし、2009年にはスティングもカバーするなど意外に侮れない美しさがあります。

 


Skelleton Jack might catch you in the back
スケルトン・ジャックに後ろから捕まると
And scream like a banshee
キミはバンシーみたいな悲鳴を上げ

物語の主人公ジャックは元々カボチャ頭の案山子(かかし)ですが、冒頭の「This Is Halloween」のシーンの中で全身を炎で焼いてしまい[skeleton(骸骨)]となってしまいました。
この非常にスマートなキャラクターのデザインについて、自らもディズニーのアニメーター出身であるヘンリー・セリック監督は“長い脚で華麗に動く蜘蛛が着想源”と語っています。

「This Is Halloween」には劇中のキャラクターが多く登場しますが[banshee]はこれに該当せず、アイルランドおよびスコットランドに伝わる家人の死を予告するという女の妖精で、彼女の泣き声が聞こえた家では近いうちに死者が出ると言われているそうです。


[CHILD CORPSE TRIO]
Tender lumplings everywhere
どこもかしこも、かよわいウスノロばかり
Life's no fun without a good scare
ステキな恐怖がなけりゃ、人生楽しくもない

私たちの世界では通常[scare(突然の恐怖)]は避けたいものですが、ハロウィン・タウンではその逆です。
[lumplings]は作詞者ダニー・エルフマンによる造語だそうで、私は[lump(のろま)]+[‐ling(…に属する人)]をイメージしました。
ちなみに彼は当時オインゴ・ボインゴ(Oingo Boingo)というロック・バンドのメンバーであり、1994年のアルバムで「Tender lumplings」という曲も発表しています。

…それにしてもオバケとはいえ、子どもが人生を語るとはちょっとナマイキ? 



~Epilogue~

本作の主人公であるジャック・スケリントン(Jack Skellington)はハロウィン・タウンの住民に“パンプキン・キング”と称されているように、ハロウィンを象徴するカボチャの提灯【ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-Lantern)】《写真・左》を彷彿させます。

この提灯の由来については諸説ありますが、アイルランドの古い伝承によると[Jack the Smith]という飲んだくれで嘘つきな男にまつわる話が基になっているようです。
そのジャックがこの世の生を終えた時、生前の悪行から天国に行くことは叶わなかったものの、サタンを騙すことに成功して地獄行きも免れ、この時サタンから永遠に消えない地獄の炎を授かり、くり抜いたルタバガ(カブに似たアブラナ科の根菜)《写真・右》の中に灯してこの世の墓場を彷徨った…そして、そのランタンの灯火はundead(幽霊やゾンビなど)やvampire(吸血鬼)を遠ざけると一部の人々の間で信じられるようになってゆきました。
やがてこの伝承がアイルランド移民によってアメリカに伝えられ、ルタバガがカボチャに変わって広まった…とのことです。

This Is Halloween from the Nightmare Before Christmas3 This Is Halloween from the Nightmare Before Christmas4


Wouldn't you like to see something strange?
見知らぬものを見てみたいと思わない?

物語は主人公ジャック・スケリントンがハロウィンにマンネリを覚え、初めて目にしたクリスマスの華やかさに心を奪われることに始まります。
そこでジャックはハロウィン・タウンでもクリスマスを催そうとしたり、自分がサンタクロースとなってクリスマス・タウンの子どもたちにプレゼントを配ることを思いつくのですが、あくまで“ハロウィン的思考”でしかクリスマスを捉えられない彼やハロウィン・タウンの住人らのギャップが滑稽であり、一方でそれがタイトルにもなっている【The Nightmare(悪夢のような出来事) Before Christmas】を引き起こすことにもなるのですが…。

This is Halloween, this is Halloween
今夜はハロウィン、楽しいハロウィン
Pumpkins scream in the dead of night
カボチャは夜中に悲鳴を上げる

クリスマスとハロウィン…
影があるから光が輝いて見え、光があるからこそ影の黒さが際立つものです。

物語の最後にジャックがサンタクロースに“上手くいくと思ったのかね?”と説教されたように、対極的な概念にあるものをきちんと理解もせず安易にこれを一つにすることは失敗を招くだけでなく、白と黒というそれぞれの際立った特性さえ失わせてしまうことにもつながりかねません(灰色は別の使い道がありますが)。
幸いなことに、私たちには白は白、黒は黒の魅力をそれぞれ両方楽しむ機会が与えられています。
まずはスリリングでミステリアスなハロウィンを堪能することにいたしましょう♪

でもジャックがやった[ビックリ箱のプレゼント]は、意外とやってみたい人も多い? 



「ハロウィーン・タウンへようこそ」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Danny Elfman /訳:Beat Wolf


[SHADOW]
あらゆる齢の男の子、女の子
見知らぬものを見てみたいと思わない?

[SIAMESE SHADOW]
一緒に来れば見られるよ
われらがハロウィン・タウンなら

[PUMPKIN PATCH CHORUS]
今夜はハロウィン、楽しいハロウィン
カボチャは夜中に悲鳴を上げる

[GHOSTS]
今夜はハロウィン、みんなで騒げ
“トリック・オア・トリート!”お隣さんを震え上がらせるまで
それこそわが町、どこもが悲鳴
このハロウィン・タウンで

[CREATURE UNDER THE BED]
オレっち、ベッドの下に潜んでる
しっかり研いだ自慢の歯、ギラリと光る真っ赤な目

[MAN UNDER THE STAIRS]
オレ様、階段下に潜んでる
指はニョロニョロ蛇のよう、髪には蜘蛛が棲んでいる

[CORPSE CHORUS]
今夜はハロウィン、楽しいハロウィン

[VAMPIRES]
ハロウィン、ハロウィン…
わが故郷、この町では
誰もがカボチャの歌を大合唱

[MAYOR]
こんな町、好きじゃないだろうって?
誰もがこんな次のサプライズを心待ちにしているよ

[CORPSE CHORUS]
あの角を曲がると、何者かがゴミ箱に潜み
ワッと飛びかかろうと待っている、さぁどうする…?

[HARLEQUIN DEMON, WEREWOLF & MELTING MAN]
“ギャー!” これぞハロウィン
赤いの、黒いの、おまけにヌルヌルした緑

[WEREWOLF]
…怖いだろう?

[WITCHES]
“大丈夫!”
一度二度、そう唱え
一か八か、サイコロを転がしてごらんなさい
真夜中、お月さまに乗って

[HANGING TREE]
誰もが悲鳴を上げる、上げずにはいられない!

[HANGED MEN]
われらがハロウィン・タウンでは

[CLOWN]
オイラ、剥がせる顔の道化者
パッと現れ、跡形もなく消え失せる

[SECOND GHOUL]
“誰かそこにいるの?”と言う時の、“誰”
その髪を吹き抜ける風こそ、オレ

[OOGIE BOOGIE SHADOW]
オレ様は夜月の影
その夢を恐怖でいっぱいにする

[CORPSE CHORUS]
今夜はハロウィン、楽しいハロウィン
ハロウィン、ハロウィン…

[CHILD CORPSE TRIO]
どこもかしこも、かよわいウスノロばかり
ステキな恐怖がなけりゃ、人生楽しくもない

[PARENT CORPSES]
でもそれはお仕事、イジワルなんかじゃない
わが町、ハロウィン・タウンでは

[CORPSE CHORUS]
この町では

[MAYOR]
こんな町、好きじゃないだろうって?
誰もがこんな次のサプライズを心待ちにしているよ

[CORPSE CHORUS]
スケルトン・ジャックに後ろから捕まると
キミはバンシーみたいな悲鳴を上げ
とび上がる
今夜はハロウィン、悲鳴をあげろ
さぁ、この特別な男に道を開けておくれ…

カボチャ畑の王、われらがジャック
誰もが称えるカボチャの王さま!

[EVERYONE]
今夜はハロウィン、楽しいハロウィン
ハロウィン、ハロウィン…

[CORPSE CHILD TRIO]
わが故郷、この町では
誰もがカボチャの歌を大合唱

[EVERYONE]
La la-la la, Halloween! ...


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
関連記事
スポンサーサイト

tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 映画 

コメント

我々の少年時代にはハロウインのハの字もなかったですが、今や国民的な大行事になっちゃったですね!商業主義で仕掛けをしたとはいえ、これだけの大ムーブメントにしちゃったものは大したもんです。エホウ巻きと一緒かな・・(笑)

2017.10.20  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

確かにここ何年かのことですが
日本の大きな行事・慣習なんて殆んど商業主義でしょう。
でも個人的には、中元・歳暮の方がプレッシャーが強くて苦手です。(笑)

2017.10.20  Beat Wolf  編集

Beat Wolfさんへ
悲鳴を上げるハロウィンですか。
こんなハウスが前にあったら音楽のニギヤカさと
家中に点滅するド派手な明かりで眠つけません(>_<)
身体が自然に踊りだしたらなお困ります(-"-;A ...アセアセ

2017.10.21  みすてぃ  編集

みすてぃさん

みすてぃさんはこの映画をご覧になりました?
主人公はカボチャですよ!(笑)

ここまで本格的ではなくとも
日本にも飾りつけしてるハウスがありますね。
このお宅も小さい子がいるようで、お父さん頑張ったのだと思います。(笑)

2017.10.21  Beat Wolf  編集

Beat Wolfさんへ
ティム・バートンの作品の何作かは好きです。
スティングの声も歌い方も聴いてしまいますし、
スティングの傍らのよく一緒に仕事している
ギタリストの演奏もよいですね~♪

伝承によるジャックのサタンを騙して炎を授かり
ルタバガになったいきさつはダークです。

ティム・バートン作を連想させる人形もいますね^^

2017.10.25  みすてぃ  編集

みすてぃさん

この映画はティム・バートンが描いた原画を素にしたキャラが
そのまま人形になっているので、ティム・バートン好きの人には
実写以上に彼の世界観を堪能できると思います。

スティング素敵ですよね。
それで思いついたのですが、ハロウィンに
スティングが覆面で家庭を訪問し「Soul cake」を歌うという
ドッキリがあったらうれしいのに~♪(笑)

サタンを騙した男の逸話はダークでしょ!
でもこの話からすると、この世を彷徨う人魂(ひとだま)って
こういうことだったのかと思わされますね?(笑)

2017.10.25  Beat Wolf  編集

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 
PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf


ジャンルを問わず音楽が大好き♪
古い歌の“温故”から、歳月を重ねた“知新(いま思う・いま考える)”を綴ります。



この人とブロともになる

参加ランキング
最新記事

全タイトルを表示
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.

FC2Ad