I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「マホガニーのテーマ」ダイアナ・ロス

2017.11.24

category : Diana Ross

Diana Ross - Theme From Mahogany (Do You Know Where Youre Going To)1 Diana Ross - Theme From Mahogany (Do You Know Where Youre Going To)2


Diana Ross - Theme From Mahogany (Do You Know Where You're Going To) (1975年)



~ダイアナ・ロス、AMA生涯功労賞を受賞~

11月19日に開かれた『第45回American Music Awards』で、ダイアナ・ロスは長年に亘る音楽業界への貢献が認められ生涯功労賞(Lifetime Achievement Award)を受賞いたしました。

授賞式に於いてダイアナは娘や息子、その伴侶、孫たち、モータウンからベリー・ゴーディ・ジュニア、スモーキー・ロビンソンといった家族や長年の友人が見守る中で「The Best Years Of My Life」「Ain’t No Mountain High Enough」など圧倒的なパフォーマンスを披露しました。
また、アメリカ音楽史を代表する歌姫の栄誉に対し、現代を代表する歌姫テイラー・スウィフトやオバマ元大統領夫妻からも祝福のビデオ・メッセージが届くなど、その影響の大きさを物語っています。

それにしても…
御齢73歳にして、このセクシーさ!

Diana Ross - Theme From Mahogany (Do You Know Where Youre Going To)3 



~概要~

1960年代に【The Supremes】(シュープリームス/スプリームス)として12曲の全米No.1ヒットという途方もない記録を打ち立てたダイアナ・ロスは、ソロに転じた70年代に入ってもスーパースターとして進化を続けていました。
1971年、ビリー・ホリデイの伝記映画『ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実』に主演しゴールデングローブ賞新人賞を獲得するなど銀幕へと新境地を開くと、1975年には2作目の映画『マホガニー物語(Mahogany)』で再び主演を務めることとなります。

その主題歌こそ「Theme From Mahogany」であり、サブタイトルが「Do You Know Where You're Going To」でした。
作者は映画の音楽も担当したマイケル・マッサー(作曲)と、キャロル・キングの公私に亘るパートナーとして知られたジェリー・ゴフィン(作詞)。
この二人はホイットニー・ヒューストンの「Saving All My Love for You」やグレン・メデイロス「Nothing's Gonna Change My Love For You」、ピーボ・ブライソン&ロバータ・フラック「Tonight, I Celebrate My Love」(過去ログ)ほか数々の名曲を世に送り出したゴールデン・コンビです。

1975年9月、「Theme From Mahogany (Do You Know Where You're Going To)」は『Mahogany』のサウンドトラック・アルバムからのシングルとしてリリースされ、翌年1月にダイアナのソロとしては3曲目のBillboard Hot 100のNo.1(1976年の年間43位)に輝きました。
しかし、こうした活躍にも拘らず本曲はアカデミー歌曲賞の対象外とされそうになり、これに音楽業界が猛反発したためノミネートされる変更がなされたものの、結局『Nashville』の「I'm Easy」が受賞するという騒ぎが起きています。
恐らくこれは「Do You Know Where You're Going To」が元々1973年にThelma Houstonに提供された曲(レコーディングはしたが発表はしていない)で、映画のために創られた楽曲ではなかったからでしょう。


歌姫ダイアナの全米No.1ソングだけあってマライア・キャリーやジェニファー・ロペスといった後世の歌姫たちに歌い継がれましたが、日本では男性歌手である野口五郎が「涙のほほえみ」(訳詞 : 藤公之介)というタイトルでカバーしています。

そして、「マホガニーのテーマ」が特に日本で親しまれた理由といえば、やはりネスカフェのCMです。
ネスカフェは歴代多くの洋楽曲をCMに起用してきましたが、その中で恐らく最も有名なのが「マホガニーのテーマ」でしょう。
歌詞の一部を[Nescafé]に変更して歌われるこのCM、もちろんダイアナ本人が替え歌を歌っているわけではありません。
ただ【Do You Know...】に導かれるダイアナの叙情的な声の響きは日本人の琴線に触れるようで、後年彼女は世界で例外的に日本で「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」(過去ログ)を大ヒットさせることになります。


 
 



~Lyrics~

Once we were standing still in time
かつて、二人は立ち尽くした…
Chasing the fantasies that filled our minds
二つの心を満たす幻想を追い求め

『マホガニー物語』に於いて、ダイアナは一流ファッション・デザイナーを夢みる女性・トレーシー(マホガニー)を演じています。
ポップ・アイコンとしてのdiva(歌姫)とは、単に際立った女性歌手に与えられる称号ではなく、女性としての生き方やファッションなどさまざまな文化への影響力が及ぶものであり、まさにこの時代のダイアナはそうした存在でした。
映画の主人公トレーシーはデザイナー志望の女性ですが、本作の衣装はそれを演じたダイアナ自身がデザインしたものが使われており、当時のファッション・シーンにも影響を与えたそうです。

但し、社会での華やかな活躍が私生活の充実を保証するものではありませんが…。

Diana Ross - Theme From Mahogany (Do You Know Where Youre Going To)4


You knew how I loved you, but my spirit was free
貴方は私の愛を理解してくれた…でも私の心はそれに縛られることなく
Laughin' at the questions that you once asked of me
投げ掛けられたその問いさえ、あざ笑った

トレーシーは政治家志望のブライアンと出逢い恋に落ちますが、互いの野心が邪魔して、なかなか愛を深めることができません。
“恋か、夢か…”の選択を迫られるのはこの手のストーリーによくある展開ですが、“トレーシーの選択は夢”でした。
トレーシーはこの美貌ですから、その夢の実現に有力な男たちが次から次と現れ、彼女もそこからチャンスを掴んでゆきます。

そんなある日、ブライアンがローマまで彼女を追って来てアメリカに連れ戻そうとしますが…。


Now looking back at all we've planned
いま…二人が思い描いていた夢を振り返ると
We let so many dreams just slip through our hands
あまりにその多くを、掌からすり抜けさせてしまっていた

ローマでブライアンは、トレーシーに“どんな成功でもわかち合う相手がいなければ無意味だ”と説得を試みますが、彼女はその言葉を弱音だと罵倒し彼を追い返してしまいます。
その後トレーシーはヨーロッパのファッション界で大成功を収め、念願の夢を実現させることができました。

しかし、そのとき彼女の胸に去来した想いとは…?



~Epilogue~

物語の主人公トレイシー(マホガニー)は夢を追って恋を後回しにした結果、夢を実現させたもののブライアンに忠告されたとおり、その喜びを心から分かち合う人がいない孤独感に襲われます。
…でも、もし彼女が恋を得て夢を掴むチャンスを逸したとしたら、後悔しなかったでしょうか?
どちらも両立できるなら問題ないわけですが、それが叶わないなら取捨選択するしかありません。


Do you know where you're going to?
あなたは自分が何処へ向かおうとしているか、ご存知ですか…

改めて向き合ってみると、哲学的で重苦しい問いです。
恐らくこの【where you're going to】に従って取捨選択がなされたなら後悔も少ないのでしょうが、実際は目先に提示された条件の範囲で取捨選択を迫られるため、後悔も多くなるのでしょう。

“we know what we are, but know not what we may be.
自分の何たるかはわかっても、この先どうなるかはわからない”  ~戯曲『ハムレット』より~


ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ハムレット』第四幕 第五場で、突然の父の死で失意に陥った娘(オフィーリア)の言葉。
確かに、人生の先を見通すことはなかなか至難であるに違いありません。
ただ、【where you're going to】は大事ですが、それ以上に忘れてはならないことがあります…。


Do you like the things that life is showing you
人生という演劇に満足されていますか?

少なくとも私にとってこれこそが優先すべき問いであり、それと比べると【where you're going to】はそのための目標に過ぎません。
つまり人生を生きる喜びを棄損してまで【where you're going to】に拘る必要はなく、ルートAが不都合ならば途中でルートBに変更すればよいのです。
人生とは漠然とした先行きのへ思案ではなく、今を生きることなのですから…。


夢中で日を過ごしておれば、いつかはわかる時が来る。
 ~坂本龍馬(司馬遼太郎『竜馬がゆく』より)~





「マホガニーのテーマ」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Michael Masser, Gerald Goffin /訳:Beat Wolf



あなたは自分が何処へ向かおうとしているか、ご存知ですか…
人生という演劇に満足されていますか?
何処へ向かっているのか…
Do you know?

**
あなたの望みは叶えられていますか?
後ろを振り返っても、そこに開かれた扉はありません
本当に望んでいるものは何か…
Do you know?

かつて、二人は立ち尽くした…
二つの心を満たす幻想を追い求め
貴方は私の愛を理解してくれた…
でも私の心はそれに縛られることなく
投げ掛けられたその問いさえ、あざ笑った



いま…二人が思い描いていた夢を振り返ると
あまりにその多くを、掌からすり抜けさせてしまっていた
でも何故、こんなにも長く待たなければならなかったのだろう…
その問いに対する答えが
どんなに悲しいものであるか理解するまでに


**


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 映画 

コメント

Beat Wolfさん
ダイアナ・ロスって、こういう声で歌い方だったのですかー
とても意外です。
この曲がどのような解説になるのか展開が全くわかりません……

2017.11.25  みすてぃ  編集

みすてぃさん

おやっ!
ダイアナ・ロスの歌をお聴きになったことありませんか?
…それはとても意外でした。
でもこの曲を聴くと、コーヒー飲みたくなりません?(笑)

2017.11.25  Beat Wolf  編集

コーヒーCM曲がまさかの

全米No.1でダイアナ・ロスが歌ってたなんて、小学生の鼻たれ小僧には知る由もありませんでした。当時は「〇〇を入れないコーヒーなんて…」って言いながら、真っ白にして飲んでたな~。

この曲を主題歌?に使った映画??全く聞いたことないんですが、マホガニーって登場人物ですか?

2017.11.26  地味JAM尊  編集

Re: コーヒーCM曲がまさかの

ダイアナ・ロスとか全米No.1なんて小学生に知る由もありませんが
心地よいいいメロディーっていうのは何となくわかりますよね♪
でも「コーヒーにたっぷり〇〇」ですか!
私は「コーヒー牛乳」でしたよ?(笑)

マホガニーは映画で、主人公(ダイアナ)の芸名です。

2017.11.26  Beat Wolf  編集

Beat Wolfさん
この曲が描いているのは、女性の人生の取捨選択で一つを選べば、
相反する片方を断念と言うか諦めるという心の選択ですか....

同時にそれは、Beat Wolfさんの「人生という演劇」になぞらえて、
それこそが選択優先されるべきで生きる喜びを損なわない
選択をするという人生哲学を、この曲から汲み取られているのですか~♪

2017.11.30  みすてぃ  編集

ダイアナロスはまだRW洋楽記事で取り上げていない大物女性歌手の一人です。シュープリームス時代も含めてあまりにもヒットが多すぎて自分の頭の中で整理しきれていないのですよ。でも中高大とずっと彼女の沢山のヒット曲が脳裏に刻まれ続けています。来年こそ記事デビューしようと思っております。

2017.11.30  ローリングウエスト  編集

みすてぃさん

この映画の主人公の女性は夢を叶えるため外国に旅立ち
恋は置いてけぼりになったということです。
ただし映画の結末は、その逆境を教訓に
「本当に大切なものに気づく」というストーリーになっていますよ♪

「人生という演劇」は、全くの意訳になっています。
この歌は「何処に行こうとしてる?」がテーマですが、私には難しい問いで
「楽しいこと・生き甲斐は何か」を求める方がわかり易かったのです。(笑)

2017.11.30  Beat Wolf  編集

ローリングウエストさん

ネットの功罪の功の部分でいうと
自分のお目当ての曲が簡単に聴ける時代になりました。
なので、過去に触れられなかった曲を
探求してみるのも面白いと思います。

齢を重ねて、意外な曲が好きになるかもしれませんよ?(笑)

2017.11.30  Beat Wolf  編集

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Author:Beat Wolf


ジャンルを問わず音楽が大好き♪
古い歌の“温故”から、歳月を重ねた“知新(いま思う・いま考える)”を綴ります。



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