I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

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「赤鼻のトナカイ」ジーン・オートリー

2017.12.15

category : Christmas

Gene Autry - Rudolph The Red Nosed Reindeer1 Gene Autry - Rudolph The Red Nosed Reindeer2


Gene Autry - Rudolph The Red Nosed Reindeer (1949年)



~マライアさんちのクリスマス~

クリスマスというと、トナカイの引くソリに乗ったサンタクロースが空を飛んでやって来るイメージで、寒さ厳しくなるこの季節にあたたかさを灯してくれます。
私たち一般人はそんなイメージを実際目の当たりにできることはまずありませんが、“クリスマスの女王”とも形容されるマライア・キャリーは例外のようです。
そのマライアはツアー中のロンドン公演で、次のように語っています。

(クリスマスは)最高の時間を過ごすわ。
みんなのクリスマスと比べ、私の方が凄いなんてことは言えない。でも、本物のトナカイが来るのよ。それにもちろん、サンタクロースもね♪


“みんな”って、どこの世界に住んでいる人たちのことだろう…? 



~概要~

「赤鼻のトナカイ」は「ジングルベル」「サンタが街にやってくる」と並ぶ三大クリスマス・ソングの一つで、日本でも“真っ赤なお鼻のトナカイさんは…♪”の日本語訳詞(新田宣夫)でお馴染みの歌です。
作者はクリスマス・ソングを専らとするアメリカのソングライター、ジョニー・マークス

オリジナルの発表は[The Singing Cowboy]として親しまれたカントリー歌手ジーン・オートリー (Gene Autry) で、1949年9月1日にリリースされると200万枚を売り上げてBillboardでもNo.1に輝いています(※Hot 100が生まれる前のチャート)。
1949年10月8日、ジーンはラジオ番組に出演して歌を披露しており、さすがに当時の映像は無いだろうと思ったら1953年のものが今回見つかりました。

その後ビング・クロスビーやポール・アンカ、スプリームス、ジャクソン5に坂本九、石原裕次郎、フィンガー5…といった豪華な顔ぶれがカバーするなど、1985年までに「赤鼻のトナカイ」の総売上は1億5000万枚を突破したとされています。
カバーがたくさんあって限定するのに困るのですが、私は古き良き時代の匂いがするエラ・フィッツジェラルドディーン・マーティン、美しいハーモニー&かわいいアニメが楽しいビヨンセのデスティニーズ・チャイルドver.がお気に入りです。

また子どもにとって夢のある歌だけに、日本では『オバケのQ太郎』や『怪物くん』『Dr.スランプ アラレちゃん』『美少女戦士セーラームーン』ほか多数のアニメ・キャラクターにより歌唱されてきました。
一方かなり意外なキャラクターも本曲へのアプローチを試みており、泉谷しげるやザ・デストロイヤーver.はお好み次第でドウゾ?


 
 



~Lyrics~

You know Dasher and Dancer
みんなが知ってるダッシャーにダンサー
And Prancer and Vixen
プランサーにヴィクセン

サンタクロースそのものの起源は4世紀頃とされていますが、今日一般的な“トナカイのソリに乗ったサンタ”という概念は1821年にニューヨークで出版された作者不詳の詩『Old Santeclaus with Much Delight』が最初だとされています(ただし、この時点ではトナカイは1頭のみ)。

その後1823年12月23日にアメリカ・ニューヨークの新聞Sentinel紙に無名で発表された詩『サンタクロースがきた(A Visit from St. Nicholas)』で、Dasher, Dancer以下8頭の名前を持つトナカイが登場し、これが米国内で定着し世界に広まってゆきました。


Rudolph the red-nosed reindeer
赤鼻のトナカイ、ルドルフは
Had a very shiny nose
とてもつやつやした鼻の持ち主

【赤鼻のトナカイ、ルドルフ】は、大手総合小売り業チェーン『モンゴメリー・ウォード (Montgomery Ward)』の広告コピーライターのロバート・ルイス・メイ (Robert Lewis May)が、1939年に同社の宣伝配布用の小冊子のために書いた詩文『ルドルフ 赤鼻のトナカイ(Rudolph the Red-Nosed Reindeer)』の主人公として創作されたキャラクターです。

1948年、ロバートの義理の兄弟ジョニー・マークスがルドルフの詩に基づいた歌曲「Rudolph the Red-Nosed Reindeer」を作詞・作曲しビング・クロスビーらへの楽曲提供を試みるものの断られ、1949年にジーン・オートリーによって初めて世に発表されることとなりました。
その後『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』は1964年にNBCでパペット・アニメーションが制作され、以来現在に至るまで日本はもちろん世界中で同アニメが放送・DVDなどで愛され続けています。

ちなみにトナカイの鼻について、wikiには【鼻の色は黒、もしくは白い毛が混じったもので歌にあるような赤ではない】と記述されており、私が写真と動画を何点か確認した所見を補足すると、鼻部は黒か白の毛で覆われていて皮膚は殆んど露出しておらず、毛が白い場合は部分的にピンク色に見えるものもありました。
(※トナカイの自然分布は北極圏周辺と極寒の環境であり、鼻は呼吸の際に体温を放出しないよう機能が備わっているそうです)

 


All of the other reindeer
だけど他のトナカイたちはみんな
Used to laugh and call him names
それを笑いものにしたり、悪口を言って

12/9のTBS『報道特集』で、“色覚検査の是非”についてのレポートがありました。
昔は学校での色覚検査は定期健康診断の必須項目でしたが2003年に必須から外されて行われなくなり、そのため自分の色覚異常を認識せぬまま進路決定がなされ、採用時にそれが発覚し就職できなくなるケースが相次いでいるというのです(※このため昨年度から一部で検査が実施されるようになった)。

学校で色覚検査が行われなくなくなった理由は“色覚異常に対する差別や偏見”で、学校での色覚検査に反対という男性の体験によると、検査時の誤答を教師が笑いのネタにしたため他の生徒たちに笑われ、心に深い傷を負ったといいます。
ただこの場合、原因は検査そのものではなく色覚異常という個人情報を公然として扱ったたこと、加えて教師の言行があまりに不適切であったように私には映りました。
人間関係にユーモアは必要ですが、人を貶めて取る笑いは最低です。



~Epilogue~

詩文『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』の作者ロバート・L・メイには1939年当時、癌の病を抱えた妻イヴリン (Evelyn) と4歳になる娘バーバラ (Barbara) の家族がありました。
この年のはじめロバートは所属会社の上司から、クリスマスの買い物客への宣伝配布用の冊子として、動物を主人公とした元気が出る内容のものを書くよう依頼されます。

そこで彼は、娘バーバラが大好きな鹿(deer)を主人公とする物語を思いつき、ルドルフの話を詩として彼女に読み聞かせ反応を確かめながらストーリーを創作してゆきました。
しかし妻イヴリンは物語の完成を待つことなく同年7月に帰らぬ人となり、心配した上司が絵本づくりの仕事を他の者に交代させることを提案しますがロバートはそれを断り、翌月に完成させて誰よりも最初にまずバーバラとイヴリンの両親に読み聞かせたといわれます。

Gene Autry - Rudolph The Red Nosed Reindeer3


“どうして、うちのママはみんなと違うの…?”

【赤鼻のトナカイ】は、そんな4歳の愛娘バーバラの問いから生まれました。
イヴリンの癌は1937年に見つかったといいますから、バーバラが2歳の頃からのことであり、彼女にとって母との思い出の殆んどは“闘病生活”だったのでしょう。
そんな“バーバラの言葉は彼女の幼い心の中でもやもやした疑問であり不安”、そして言葉が純粋であるからこそ、それは“ロバートにとっては最愛の妻と娘の不幸を救えない無力な自分の映し鏡”だったに違いありません。
そして、父であるロバートは娘の“問い”に答える責務がありました…。

"Rudolph with your nose so bright,
“ルドルフや、おまえの輝くその鼻で
Won't you guide my sleigh tonight?"
今晩、わしのソリを道案内しておくれ?”

人と違う人生には、人より多くの孤独と苦難が訪れるかもしれない。
でも人と違うからこそ、人にはない輝きが秘められていることを忘れちゃいけないよ。
大切なのは恐れて輝きを失うことではなく、信じてそれを磨くことなんだ。
 (※個人の解釈です)

父から、愛する娘への願い… 
今年も赤鼻のトナカイは“贈りもの”をあなたの心へ届けるため、世界を駆け巡ります。



「赤鼻のトナカイ」



Writer(s): Johnny Marks /訳:Beat Wolf


みんなが知ってるダッシャーにダンサー
プランサーにヴィクセン
コメットやキューピッド…
それと、ダンダーとブリクセム
…だけど、思い出してごらん?
すべての中で、一番有名なトナカイのことを…

赤鼻のトナカイ、ルドルフは
とてもつやつやした鼻の持ち主
実物を見たことのある人なら
お鼻が光ってる…とさえ言うかもしれないね

だけど他のトナカイたちはみんな
それを笑いものにしたり、悪口を言って
かわいそうにもルドルフを
ちっとも仲間の遊びに入れてあげなかったんだ

ある霧の立ちこめたクリスマス・イヴのこと…
サンタさんがやってきて、こう言ったよ
“ルドルフや、おまえの輝くその鼻で
今晩、わしのソリを道案内しておくれ?”

それからはトナカイみんなが彼を認め
“赤鼻のルドルフは
きっと歴史に名を残すトナカイになるよ!”
と、高らかな声で喜び唱えられるようになりました


最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 1949年 歴史的名曲 祈りのクリスマス 

コメント

Beat Wolfさん
「赤鼻のトナカイ」ですか~
ビヨンセのデスチャの軽やかな感じから
2つめの動画の歌い方はおじ様風、
でもメルヘンです…♪

2017.12.16  みすてぃ  編集

みすてぃさん

「赤鼻のトナカイ」です~♪(笑)

本当にいろんな人が歌っていますが、基本は「おじ様風」
デスチャはかなりかわいらしいアレンジですね。
特に「古き良き時代風」(後で紹介)が私のお気に入りで
どこかのお店で流れたら、テンション上がります!(笑)

2017.12.16  Beat Wolf  編集

数々の洋楽コーナーで1940年代の曲を取りあげた記事は初めてです!でもクリスマスソングならばそれもあり、赤鼻トナカイはこんなに歴史ある歌だったのですね。一般記事は今年これで最終回(2017年末狂歌レビュー)にて最終回となりますが、12月23日の洋楽記事(エルトンジョン初期)でLAST公開となりますのでまたのお越しを楽しみにしております。そこで今年の最後のご挨拶とさせて頂きます。

2017.12.16  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

さすがのローリングウエストさんも1940年代はご覧になってませんでしたか!
でもここではクリスマスソングも何曲も取り上げているので
結構あったりします。

そうですか。
では、後ほどお邪魔させていただきます。

2017.12.16  Beat Wolf  編集

うっわ、超いい話じゃないっすか

さっき知ったかぶって嫁さんに話しちゃいましたよ。バーバラちゃんもお母さんの容態を意識しつつも「違い」に言及せざるを得なかったんでしょうね。でもロバートさんは病床の妻に「誇りをもって」たんだろうな~。
後のバーバラちゃんが「うちのママはみんなのママと違うけど、天国からずっと私を道案内してくれてるんだよ」とか言って欲しいな~と10代で母親亡くした自分は思っちゃうんですよね。今後「赤鼻のトナカイ」聴いたら、泣くかもしれん・・・。

2017.12.19  地味JAM尊  編集

Re: うっわ、超いい話じゃないっすか

いい話でしょう♪
誰かに話したくなる気持ち、よく分かります。
(ブログに書いた本人ですから!(笑)
特に、子どもたちに伝えたいですね。

特にこの時期のお母さんの機能や愛情は
代替が効かないくらい大事だと、個人的に思います。
それに、癌だから仕方ないなんて説明しても
幼いバーバラには理解できるはずもありません…。

でも地味JAM尊さんも10代でお母さまを亡くされていたなんて
知りませんでした。
さぞ、さみしい思いをされたことでしょう。
これからは「赤鼻のトナカイ」を聴く度にお母さまを思い
「あったかい涙」をいっぱい流して下さいね!(笑)

2017.12.19  Beat Wolf  編集

Beat Wolfさん
マライアさんちには、本物のトナカイとサンタクロースまでも
来るんですかーウフッ
赤鼻のトナカイは三大クリスマスソングの一つだったのですか。

サンタの起源が4世紀頃でトナカイのソリに乗ったサンタの概念が
1821年という起源については大体知ってはいても、あらためて
後からの物語なんだなと (´;ω;`)ウッ…

でも温かいクリスマス精神を受け入れることでしょうか……

2017.12.20  みすてぃ  編集

みすてぃさん

そうらしいですよ!(笑)
私もフィンランドのサンタさんは見たことがありますが
さすがに本物のトナカイは見たことがありません。
三大クリスマスソングです~。
日本語バージョンも素敵ですね♪

サンタの起源は古いですが、私たちが抱く
赤い服着てトナカイのソリに乗ってやってくるイメージは
大抵アメリカで創られたものです。

でも「温かいクリスマス精神」は、素敵な表現ですね♪
起源は何であれ、世界の人たちをそんな気持ちにさせてくれるのですから。(笑)

2017.12.20  Beat Wolf  編集

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