I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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Beatles(the other songs)


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Paul McCartney


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George Harrison


Ringo Starr


「エヴリー・リトル・シング」ビートルズ

2018.01.26

category : Beatles & Solo

Beatles - Rock Roll Music1 Beatles - Every Little Thing


The Beatles - Every Little Thing (1964年)



~Every little thing we made~

ウォークマン、トランジスタラジオ、VHS、CD、DVD、Blu-ray
乾電池、液晶つきポケット電卓、移動電話、フラッシュメモリ
シャープペンシル、クオーツ腕時計、光ファイバー、内視鏡…

日本人はこれまで、実に多くの[小さなもの]を世に生み出してきました。
そして近年、私たちの[小さなもの]への探究心が【新たな分野】に向けられています…。



~概要~

「Every Little Thing」は、1964年12月4日に発売されたビートルズ4作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ビートルズ・フォー・セール(Beatles for Sale)』の収録曲です。
世界的にシングル・カットの記録はありませんが日本では「Rock and Roll Music」(過去ログ)のB面としてリリース、85万枚の最高売り上げを記録しました。

通常【レノン=マッカートニー】はリード・ヴォーカル=主な作者であるのに対し、「Every Little Thing」のリード・ヴォーカル=ジョン・レノン、作者=ポール・マッカートニーという極めて例外的な作品です。
ビートルズはヴォーカルのダブルトラック(重ね録り)を多用していたのでヴァースはジョンのダブルトラックのように聴こえますが、耳を澄ますとポールのユニゾン(ジョンと同じ音で歌っているが殆んど判別できない)も入っており、逆にコーラス部分ではジョンが抑えてポールの声が前面に出ています。
また、例外的といえば本曲では打楽器に[ティンパニ]が取り入れられているのも斬新です(もちろん、リンゴ・スターが演奏)。

本曲の噂として【ジョージが寝坊で遅刻したためリード・ギターを含む全てのパートをジョンが弾いている】というのがあります。
一説によると本曲について、ポールが1964年に“the electric guitar riff was played by Lennon, rather than by George Harrison”と言及したとされており、『Beatles for Sale』のライナーノーツでも渋谷陽一が“ジョージが録音に遅れてきたので彼のギターが入っていない。だからジョンのギターがリードの替わりもやっていて…”と解説していることから、そのように広まったのでしょう。
ただしレコーディング・セッションの記録を調べてみると「Every Little Thing」の録音は1964年9月29日(テイク1〜4)と30日(テイク5〜9)の2日間に分けて行われており、遅刻という理由によってジョージが2日間・計9テイクのセッションに全く参加していないというのも、常識的に考えて不自然な話です(本曲のマスターは最終第9テイクといわれる)。

「Every Little Thing」のカバーとしてはイギリスのロックバンド・イエス (Yes) の1969年のデビュー・アルバム『イエス・ファースト・アルバム』でのバージョンが有名で、ただしこれが「Every Little Thing」と判るまで1′40″以上要するでしょう。
また、後のカーペンターズとなるリチャード&カレンがThe Richard Carpenter Trio名義でインストゥルメンタル・カバーした貴重な未発表音源も存在します。


 
 



~Lyrics~

When I'm walking beside her
あの娘と並び歩いていると
People tell me I'm lucky
みんなに、運が良いって言われる

Beatles - Every Little Thing2

もしも写真のような女の子と並んで歩いていたら、みんなにさぞ羨ましがられることでしょう…
でもその幸せ者とは、歌の作者ポール本人です!
この女性はイギリスの女優ジェーン・アッシャー(Jane Asher)で、ビートルズ時代のポールと5年間交際していました。

当時ポールはジェーンの実家に居住しており、「Every Little Thing」はこの家の音楽室から生まれています。


I remember the first time
出逢った頃を思い返してみても
I was lonely without her
彼女がいないと淋しくて…

ポールとジェーンが出逢ったのは1963年、BBCラジオの対談でした。
それをきっかけに二人の交際は始まりますが、翌1964年はビートルズがアメリカで大ブレイクを果たして世界を飛び回る多忙を極めた年であり、旅先での淋しい気持ちをジェーンへのラブレターとしてポールが書いたのが彼の初期の名曲「All My Loving」(過去ログ)です。

そんな状況下で書いた「Every Little Thing」がポールからジェーンへのメッセージであることは誰が見ても明白ですが、この歌のリードをジョンに譲っているのは何故だろう…?


Every little thing she does,
あの娘がしてくれる
She does for me, yeah
ちょとしたこと、一つひとつ

【Every Little Thing】というと、日本のみなさんは真っ先に「Time goes by」の【ELT】を思い浮かべるでしょう。
一方、ビートルズ・ファンはこのユニット名を聞くと、必ず本曲のことを連想するはずです。
ELTの名前の由来について調べてみると[ビートルズの楽曲『Every Little Thing』を由来]といった記述が散見できるものの、メンバー自身または所属先による言及は(今回の検索では)発見できませんでした。
ただ、wikiには創設メンバーの五十嵐充が[中学初期にTHE BEATLESに夢中]という記述があったので、少なくとも彼はビートルズを通して「Every Little Thing」という言葉を認知していた可能性があります。

また、スティングが在籍したロック・バンド【The Police】の1981年の作品には「Every Little Thing She Does Is Magic」という楽曲があり、ここまでフレーズが同じだと…!?





~Epilogue~

先日、『NHKクローズアップ現代+』の「#くいもん小さくなってませんか 食の“スモールチェンジ”裏事情」を視聴しました。
実は私自身、何年も前から実感して気になっていたテーマであり、それが最近SNSで話題となっているというのです。

既定量減で判り易いのは500g入りのヨーグルトが400g(-20%)、1Lのパック飲料が900ml(-10%)になったり、それ以外でも一般加工食品や菓子類・缶詰・飲料・調味料などあらゆる食料品の減量が報告されています。
食料品以外でも昔は700mlだったボディソープ(ボトル)が500ml前後(-29%)、ティッシュペーパーが200組⇒160組(-20%)など身近な商品が小さくなっています。


アベノミクスは日銀に異次元金融緩和させ世の中に出回るお札を異次元に発行させる【円安誘導政策】であり、円の価値が下がるので外国人にとって日本が割安となり日本の商品や日本株・日本旅行が買い易くなる反面、国内では原油や原料・外国の商品は割高で輸入することを強いられます。
普通に考えると原材料費が増えた分を商品の小売価格に上乗せすればよいのですが、近年国内で見られる現象は値上げを抑えて内容量(または品質を落とす)を減らす【商品の小型化】です。

でも何故、国内では値上げではなく【商品の小型化】が採られるのでしょうか…
理由は単純です。
それは、【消費者の所得が下がり続けている】からです。

Beatles - Every Little Thing3 『NHKクローズアップ現代+』より

これは[G7各国の名目賃金の推移]ですが、グラフを見ると一目瞭然です。
2000年からの16年間で【各国が1.4倍前後に上昇しているのに対し、日本だけ賃金が低下】しています。
それは、これまで右肩上がりで成長を続けた衣料品最大手ユニクロが2015年に値上げ路線に転じて売り上げを減少させ、2年で方針を撤回させたことからも明らかで、現実を無視して無理矢理値上げしても個人所得が増えない限り高いものを買えるはずがありません。

大企業やお金持ちが空前の内部留保や資産を増やす一方、2000万人を超す非正規労働者の7割が年収200万円未満4割が100万円未満/3割が100-200万円)という実態があります。
労働者=消費者であり、彼らを安く使うのは経営者にとって目先の利益ですが、利益を分け与えなければ彼らは商品やサービスを消費せず、次世代の消費者を育むこともできません。
次世代を育むことのできない社会に、未来はないのです。

#くいもんみんな小さくなってませんか日本

それは、決して【小さなこと】ではありません。




「エヴリー・リトル・シング」


Writer(s): Lennon–McCartney /訳:Beat Wolf


あの娘と並び歩いていると
みんなに、運が良いって言われる
…そうさわかってる、僕はラッキーな男
出逢った頃を思い返してみても
彼女がいないと淋しくて…
今も、その想いは止まらない


あの娘がしてくれる
ちょとしたこと、一つひとつ
…そうさ、僕のためにしてくれること
その一つひとつに

あの娘といると、僕は幸せ
その愛を感じていられるだけで
…そうさ、彼女は今も僕を愛してくれる
一つ、確かなことは
これからも僕は彼女をずっと愛し
この想いは、決して絶えることはない



Every little thing...


最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 1964年 ピュアな愛 コーラス ビートルズ・フォー・セール 

コメント

Beat Wolfさん
エヴリ・リトル・シングは初めて聴きました。
メンバーは若かったですねー
最初の動画と二つめの動画とではジョンの
感じが違います。
1行目の「僕の悪い癖」ってなんだろうか....?

2018.01.27  みすてぃ  編集

みすてぃさん

そうですね。
ビートルズの中では、あまり有名な曲ではありません。
この頃まだみんな、20代前半でしたから♪

ネタバレになってしまいますが
最初の動画は「ヴォーカル・パート」(+少しギター)の音源です。
「僕の悪い癖」は杉下右京の決まり文句ですが
みすてぃさん、ドラマ『相棒』ご覧になった事ありませんでしたか?(笑)

2018.01.27  Beat Wolf  編集

~She Does Is Msgic⁇

↑ の頃は純粋に恋愛を歌っていたStingも「見つめていたい」では偏愛・偏執として歌ってますよね。う~む、若いうちじゃないと純粋系では歌えないのかな・・・。甲虫楽団初々しいですね。

あっそうそう、最後に一つだけよろしいですか?(右京風)
先般のBeat Wolfさんのフォローとお菓子を貢ぐことで夫婦仲も安定しております。とりあえず自分は水曜の300回記念の放送に期待大です。(リクエスト「僕の先生はフィーバー」です←ギブ兄弟繋がりではありませんよ)

2018.01.28  地味JAM尊  編集

Re: ~She Does Is Msgic⁇

80's世代はそれを思い浮かべますよね!
やっぱり「細かいことが気になるのは悪い癖」で
やがてストーカーになっちゃったということでしょうか…?(笑)

…おっと、最後にそれを言われると
目前のゴールを撤去された気分になりますよ?(笑)
…えっ!
300回記念に右京が北野広大になるんですか?(喜)
あのドラマが大好きで、VHSもDVDも持ってました。

2018.01.28  Beat Wolf  編集

どんな時だって口笛を吹いて挫けない男♬

そうありたいもんですね。小学生ん時、毎週見てました!2も刑事編も。
右京さんが劇中で「やさしさ紙芝居」や「カリフォルニア・コネクション」歌ったら、立派な楽屋落ちですが( ´艸`)
「冠城君、何故あなたはこの曲を一緒に歌わないのですか~っ!」とか。

2018.01.28  地味JAM尊  編集

Re: どんな時だって口笛を吹いて挫けない男♬

…そのレコード、持ってました!
本人も転校生役で出演してましたね。
「嵐を巻き起こして」すぐ去ってしまいましたが?(笑)

そのネタ、微妙にリアルですね!
欲は言わないので
右京が何気に花歌を口ずさんでくれたらうれしいです~♪(笑)

2018.01.29  Beat Wolf  編集

欲を言えば

右京さんに制止された冠城君が「POISON 〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」を歌ってくれてもいいんですがね。ちなみに次の映画版のゲストは松嶋菜々子と伊藤蘭にしてもらって「なぜ出てるんですか~っ⁉」って特命の2人がハモるってのは・・・。

ポールごめんね。スパイズ・ライク・アスのためにアルバム買ったから許して。

2018.01.31  地味JAM尊  編集

Re: 欲を言えば

それでは、私も欲を言わせてもらいましょう!

2組の夫婦がディスコに繰り出し
「冠城君、僕は40年前こうやってフィーバーしたものですよ」
(熱中時代で志穂美悦子と踊った)
と自慢すると、蘭さんに
「えっ…? 誰と踊ったって??」(▼皿▼#)
…と、修羅場となる所が見たいです。(笑)

「スパイズ・ライク・アス」は大好きで、2014年2月の記事にありますよ。
(右袖の「全タイトルから表示」から追った方が早いです)

2018.01.31  Beat Wolf  編集

Beat Wolfさん
ビートルズとスティングと聴き比べても随分と
違いますね。
相棒があるのは知っていますが、ドラマは殆ど
どれも見たことがないです。
音楽を聴くか、洋画を見ています♪

2018.01.31  みすてぃ  編集

みすてぃさん

フレーズは引用してますが、違う歌ですからね。
むしろ、歌詞は真逆です。(笑)

音楽と洋画ですか…
時を忘れ、ゆったりとした時間を過ごされているのですね。
みすてぃさんの訪問先も、レポートも都会の喧騒を忘れさせる気がします。(笑)

2018.02.01  Beat Wolf  編集

エブリのほうでしたか・・!渋い~。カップリングのロックンロールミュージックは武道館での来日で披露した曲ですね。武道館といえばロックコンサート殿堂として世界的にも有名ですが、当時は音楽公演会場になること自体が非常識でありえないとの認識、「日本武道の神聖なる場に長髪・不良の喧騒バンドを演奏させるなんて無礼な興行!」と大反対の声がありましたが、今やロックアーティスト憧れのLIVE殿堂「武道館」という存在になっていますね。

2018.02.01  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

エブリの方でした。(笑)
ビートルズが武道館公演することで箔がつき
以降武道館公演は多くの歌手にとって大きな目標となりましたが
当時は大変だったみたいですね。

でも、ビートルズどころか音楽にも興味のない人たちまで
巻き込んでそんな騒ぎになるなんて
今ではありえない影響力があったのでしょうね。

2018.02.02  Beat Wolf  編集

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