I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「マイ・ガール」テンプテーションズ

2018.02.23

category : ~1960年代

The Temptations - My Girl1 The Temptations - My Girl2


The Temptations - My Girl (1964年)



~心を引きつけるもの~

[名は体を表す]といいますが、Beatlesの【beat(拍子)】はまさに[言い得て妙]です。
ではTemptationsの【temptation】はどんな意味が込められているかというと、“心を引きつけるもの”。
よく【music】の三要素はリズム(律動)/メロディー(旋律)/ハーモニー(和声)といわれますが、“心を引きつけるもの”が含まれていなければ【音楽】は名乗れません。

ドキドキしたりハラハラしたり、心躍ったりほっこりさせられたり…
「My Girl」は、きっとあなたに素敵な【temptation】を届けてくれるでしょう。



~概要~

テンプテーションズは1961年にモータウンからデビューした黒人5人組のソウル・コーラス・グループですが、当初しばらくはヒットに恵まれませんでした。
転機の一つは1963年にミラクルズ(The Miracles)のスモーキー・ロビンソンが楽曲提供&プロデュースに関わるようになったことで、1964年初頭には「The Way You Do the Things You Do」を初めてメジャー・ヒットさせています。
もう一つは1964年にメンバーのエルブリッジ・ブライアント(Elbridge Bryant)に代わって加入したデヴィッド・ラフィン(David Ruffin)の存在で、スモーキーはコンサートでの彼の歌声に感動、彼の声にぴったりの曲を書くことができたら大ヒットになると予感してデヴィッドをリードとしたシングルを制作することに決めました。

そうしてスモーキーがミラクルズのロナルド・ホワイトと共作で書き上げたのが「マイ・ガール」で、Billboard Hot 100のNo.1(1965年の10位)に輝きました(2ndアルバム『The Temptations Sing Smokey』に収録)。
また、デヴィッドの後任として1968年に加入したリード・シンガーはデニス・エドワーズですが、その彼がこの2月に髄膜炎による合併症のため亡くなったとのことで(享年74)、ここに追悼いたします。

作者であるスモーキー・ロビンソンをはじめオーティス・レディング、ローリング・ストーンズ、スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソンほか数多くの大スターにカバーされた楽曲であり、ローリング・ストーン誌【The 500 Greatest Songs of All Time 88位】にもランクされています。
数あるカバーの中でも私にとって印象的だったのは、ホール&オーツが1985年に元テンプテーションズのデヴィッド・ラフィンとエディ・ケンドリックスと共演を果たした『Live at the Apollo』のステージで、まるで子供のようにはしゃいでいるダリルとジョンが忘れられません。

 
 



~映画『マイ・ガール』~

「My Girl」というと、きっと多くの人にとって印象深い(あるいはこれで本曲を知った)と思われるのが1991年に公開された映画『マイ・ガール(My Girl)』でしょう。
1971年の名作『小さな恋のメロディ』を意識したか同じ11歳の少女と少年との淡い恋物語となっていて、少女役にアンナ・クラムスキー、少年役には前年に『ホーム・アローン』で大ブレイクしたマコーレー・カルキンが出演しています。

映画の大ヒットを受けて「My Girl」のシングルも再リリースされており、Billboard AC27位/UK 2位というリバイバル・ヒットを記録しました。
映画とタイアップしたPVも制作されており、テレビでテンプテーションズの白黒の映像を視ていたマコーレーの家にメンバーが訪れ、歌を披露する演出となっています。

 



~Lyrics~

I've got sunshine on a cloudy day.
曇りの日にも輝くお陽さまを手に入れたよ
When it's cold outside I've got the month of May.
外が寒くても、心は5月

作詞のスモーキー・ロビンソンはご存知ブラックミュージック界の大御所で、モータウンの設立時の副社長でした。
ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランから“現代アメリカ最高の詩人”と評された人物でもあり、心模様を【May】と表したのも素敵ですが[day][say][way]と、尽(ことごと)く韻を踏んでいるのもサスガです。

その彼をして“sleeping giant(眠っている巨人)”と言わしめたのが1964年にテンプテーションズに加入したばかりのデヴィッド・ラフィンで、スモーキーは彼の声を“芳醇でまだしわがれていない比類なき声”と形容しました。
(デヴィッドはローリング・ストーン誌【100 Greatest Singers of All Time 65位】にもランクされている)


I've got so much honey the bees envy me.
ミツバチが羨(うらや)むほどの甘い蜜を手に入れたよ
I've got a sweeter song than the birds in the trees.
木々の鳥の囀(さえず)りよりも、甘い歌を

「My Girl」は、【一生に唯一人の女性を見つけた男性の悦び】を描いた歌ですが、実は同年スモーキーが書いた「My Guy」という作品もあります。
「My Guy」は【女性が男性への愛の忠誠を誓う】内容で、モータウンの女性歌手メアリー・ウェルズ(Mary Wells)が歌唱し、Billboard Hot 100の2週No.1を記録しました。

ちなみにメアリーの方が年齢的に下ですがいち早くスターの地位に上っており、モータウンのコンサートではテンプテーションズが彼女のバック・コーラスを務めていたこともあったそうです。


My girl (my girl, my girl)
Talkin' 'bout my girl (my girl).

愛しいあの娘の話をしているからさ

【girl】は“若い女性”ですが、【My Girl】は“恋人”のニュアンスがあります。
ミラクルズは元々ハイスクールの友人らで構成されたコーラス・グループ(当時は[The Matadors]と名乗っていた)で、メンバーのEmerson "Sonny" Rogersが徴兵され、代わりに妹のクローデット(Claudette Rogers Robinson)が加入しました。

クローデットとスモーキーは1959年に結婚、「My Girl」は彼女への愛情から着想を得ていますが、歌詞は彼女個人に捧げたものでなく、世界の全ての女性に向けて書かれたものだそうです。



~Epilogue~

もうすぐ、【ひなまつり】。
少し前、ニュースを検索をしていたところ…

綾瀬はるかの『世界平和』の夢を笑うな!

という見出しがあり、何事かとアクセスしてみると、彼女の“世界平和”発言を【笑い話にするような論調】で、あるサイトが配信していたというのです。
兎にも角にも、事実を確認するために他の配信先や元データ(動画)で確かめてみたところ、映画『今夜、ロマンス劇場で』(現在公開中)の初日舞台あいさつで司会者に【現在実現して欲しい夢】を問われ、それに対する綾瀬はるかと共演者らの応答をレポートした記事で、指摘された配信元は彼女の“夢は世界平和”発言に[周囲はあ然][閉口]したと報じる内容でした。
そして、周囲をあ然とさせたという彼女の発言とは…



オリンピックも開催中ですし、世界平和です。
皆さんがいつも健やかに過ごせる、そんな世の中になればと思います



[閉口]どころか、世間一般とかけ離れた芸能界のトップで活躍するスターがこのような感覚を保たれていることに、私はとてもうれしい気持ちになりました。
(※[あ然][閉口]は配信元編集者独自の形容表現であり、私が動画で見た限り出演者の言動に悪意は無く、現場の雰囲気を表すのにこれらが適切な言葉だったかは疑問が残ります)

ご存知のように綾瀬はるかは【天然】という定評がありますが、今回の発言にあるような雑念のない天然ぶりこそ、彼女が性別・世代を問わず広く愛される所以でしょう。
でも、彼女のこの発言は単なる性格に由るものではなく、生育や家族、仕事としての経験に裏付けられているようです。


綾瀬はるかは広島県広島市出身で、その芸歴で特筆すべきは10年以上に亘って広島や戦争に関するドキュメンタリーに継続して関わっていること、東日本大震災後に福島を舞台とした大河ドラマ『八重の桜』に出演していることです。
その過程に於いて被爆者や被災者と呼ばれる人たちの元を訪ね、彼らの生の声に多く接してきました。

とりわけ彼女の大伯母は原爆で若くして亡くなっており、その妹である祖母から当時の災禍の話を聞き、“私も長く生きとらんから。あんた、忘れんようにね。戦争なんか起こさんように、女性がしっかりせなだめなんよ。女性の力で戦争を起こさんいうことをせなだめよ”と、託されたそうです。
(詳細は、こちらのサイト

I guess you'd say
きっと、あなたは問うだろう…
What can make me feel this way?
“何がそんな気持ちにさせるの?”って

祖母から託された“平和”への願い…
女雛の間に脈々と受け継がれし、永久不変の魂



「マイ・ガール」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Smokey Robinson, Ronald White /訳:Beat Wolf


曇りの日にも輝くお陽さまを手に入れたよ
外が寒くても、心は5月


きっと、あなたは問うだろう…
“何がそんな気持ちにさせるの?”って
My girl...  (my girl, my girl)
愛しいあの娘の話をしているからさ

ミツバチが羨(うらや)むほどの甘い蜜を手に入れたよ
木々の鳥の囀(さえず)りよりも、甘い歌を



Hey hey hey...Ooooh.

お金も、出世や名声も要らない
一人の男として、望み得る富のすべてを手に入れたんだ



曇りの日にも輝くお陽さまを手に入れた
愛しいあの娘と共に…


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 映画 

コメント

これはこれはスタンダードなオ-ルディズと来ましたか!脳裏に確実に残っている数々の60年代前半曲。このあたりが自分の中で整理されていないんですよね~!勉強しなきゃと思ってつい後になってしまっております。

2018.02.23  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

まぁ、私も気に入った曲を取り上げているだけですけどね。
ただ、60年代の曲はよくCDで企画盤が発売されていたので
古い年代の割には親しみがありました。

2018.02.23  Beat Wolf  編集

こんばんはー
「マイ・ガール」はわりと最近、別の曲からこの曲を知り
初期の歌い出す前のリズムに惹かれました~♪
でもこのグループの動画をみるととても昔の感じで
スーツ姿と振付が真面目そうにみえました。
曲は古びない感じがしましたけれども....

2018.02.24  みすてぃ  編集

みすてぃさん

おやおや!
最近別の人のを聴かれたのですね。
でもテンプテーションズのが真面目そうにみえるとは
面白い振り付けをしていたのでしょう。(笑)

最新と異なるアンティークに面白みや温かみを感じるように
この曲も「手作り感」が好きです。
でも、意外と歌詞も素朴だけど素敵ですよ♪

2018.02.24  Beat Wolf  編集

意識して聴かなくても記憶に残ってるオールディーズ

「マイ・ガール」って歌えるんですよね。CMとかでも頻繁に使われていたんでしょうが・・・同時代性などあるわけもないのに一緒にサビが歌えるって、改めて考えると凄いことですよね。この辺の「意識しなくても自身に残る」ってのが祖母トークによって生じる「綾瀬はるかさんの平和への意識」になってたんでしょうね。(使うタイミングが微妙だったとしても・・・)
我らが「社広報課長」も10年以上前(ごくせんの頃?)「琉球王国の復活」をメディア相手に語ってた時期がありましたが、沖縄出身の人にとっては「当然な発想」かも知れませんが当時は唐突感が否めませんでした。揶揄する前に相手のバックボーンを考えるようにしたいですね。

2018.02.27  地味JAM尊  編集

Re: 意識して聴かなくても記憶に残ってるオールディーズ

そうですね。
シンプルで耳馴染みもよく、すぐ耳に入ってきます。
でもこうして文章を書いていると
シンプルでありながら人にtemptationを与える創作って
とても難しいことだと痛感させられます。

まぁ…メディア的には
「映画みたいな素敵な恋人を見つけて、早く結婚したいです」
みたいなことを言ってもらえたら、100点でしょうね?(笑)
「芸歴長いんだから、いい加減そこんとこ解れよ!」という気持ちで書いたのかもしれませんが
そんなウラ都合を忖度して発言したら、綾瀬はるかじゃありませんよね?(笑)
彼女は本当に平和を願っていると思います。

「琉球王国の復活」は、今の方がリアルなのでは?(笑)

2018.02.27  Beat Wolf  編集

こんばんはー
♪曇りの日に輝くお日さまを手に入れたよ
外が寒くても、心は5月 甘い蜜を手にいれたよ
木々の鳥の囀りよりも甘い歌を♪
下から2枚目のバージョンを聴いていました。
この曲のリズムとメロディーからリズムに乗って
ダンスのような感じで聴くのが合っているような
気がしてます。↑別の人ではなく別の曲からこの曲を
聴くきっかけになりました。

2018.03.01  みすてぃ  編集

みすてぃさん

何だか、みすてぃさんは
この歌詞のような光景に最近見覚えがあるのでは?(笑)
でも、今度こそ鳥にピューンと逃げられず
甘い歌もゆっくり楽しめるといいですね。

なるほど、ダンスですか!
私は最初に提示した概要左上のダンスが気に入っています。
別の曲からこの曲に入られたのですね。(笑)

2018.03.01  Beat Wolf  編集

懐かしい🌟
今日は、ひな祭りなので娘達と雛ランチ!
暖かい日差しの中、梅に花を(桃の花ではなかった^ ^)見てランチしてきました。
久しぶりに、お邪魔して懐かしい曲が。。。
サビの部分だけでも歌ってしまう。

“temptation”心を惹きつけるもの
名は体を表す。なるほど!

生きる上でも必要なことですね。
心躍るようなこと見つけて生きていきたいですね(*^_^*)
とりあえず、今日はひな祭り🎎で心踊ってます(笑)
昨日は満月🌕素敵な週末を(*^_^*)

2018.03.03  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

母娘で雛ランチですか!
素敵ですね。
男同士なら酒を酌み交わす…でしょうが
父親の場合、何か重みのある人生経験でも語らないと
サマにならないイメージがあります。(笑)

この動画の彼らの表情こそ、“temptation”ですね!
あと、コーラスや振り付けにも
見ている人を楽しませようというサービス精神を感じます。

でもそういうのって、歌う側だけでなく
聴く側の「楽しんでやろう」という気持ちも大切だと思います。
そういう心の人の持ち主の方が、人生得ですね。
…☆dct☆さんみたいに?(笑)

2018.03.03  Beat Wolf  編集

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