I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

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「誰かが彼女を見つめてる」ジャクソン・ブラウン

2018.04.13

category : Jackson Browne

Jackson Browne - Somebodys Baby1 Jackson Browne - Somebodys Baby2


Jackson Browne - Somebody's Baby (1982年)



~概要~

1980年のアルバム『Hold Out』で遂に全米No.1に上り詰めたジャクソン・ブラウンは、この頃アルバムをおよそ3年毎に発表しており、1982年はその狭間の年でした(次作『愛の使者』は1983年)。
1982年7月にリリースしたシングル「誰かが彼女を見つめてる」はオリジナル・アルバム収録用の作品ではなく、同年公開の青春映画『初体験/リッジモント・ハイ(Fast Times At Ridgemont High)』のサウンドトラックとして発表されています。
シングルはBillboard Hot 100で7位(年間68位)を記録し、ジャクソンにとって最大のヒット曲となりました。

当時反核運動や社会問題が最大の関心事となっていたジャクソンが素朴なラブ・ソングを歌った背景には、次のような事情があったようです。
「Somebody's Baby」の共作者ダニー・コーチマー(Danny Kortchmar)は『初体験/リッジモント・ハイ』の脚本家キャメロン・クロウ(Cameron Crowe)の友人で、映画の楽曲提供に携わっていました(ドン・ヘンリーの「Love Rules」など)。
元々「Somebody's Baby」はダニーが着想した楽曲で、そこに“何か特別なもの”を吹き込んで完成させるには、彼の友人でもあるジャクソン・ブラウンの助力が必要と判断し、依頼したことからジャクソンの関わりが始まりました(ジャクソンはキャメロン・クロウの友人でもある)。
ただし上記のとおりジャクソン自身は本作品を“unabashed pop song(臆面もないポップ・ソング)”と呼ぶほど違和感を持っていたようで、次のアルバムには収録されませんでした。

しかし映画の脚本家が何でこんなにロック・ミュージシャンに友人がいるかというとこれがまた異色の経歴の持ち主で、キャメロン・クロウは元々ローリング・ストーン誌の記者だった人です。
この特殊な経歴は映画のサウンドトラックに生かされ、ジャクソンやドン・ヘンリー以外にもジョー・ウォルシュやドン・フェルダー、ティモシー・B・シュミット、Go-Go's、サミー・ヘイガー、グラハム・ナッシュ、Poco、ドナ・サマー、スティーヴィー・ニックス…ほか、普通ではあり得ないほど豪華なウエストコースト・ロックのスターが顔を揃えています。

 



~Lyrics~

Well, just, a look at that girl
ほら、ちょっとあの娘を見てごらん
with the lights comin' up in her eyes.
瞳に輝きが溢れているだろう

映画『初体験/リッジモント・ハイ』というと何といっても有名…というか、男の子がこの映画を見る大半はフィービー・ケイツ(Phoebe Cates/写真)目当てだったのではないでしょうか?
特に日本ではソフィー・マルソーやブルック・シールズと並ぶ人気のアイドル女優で、この映画のポスターを振り返ってみると主役ではないフィービーが別格にクローズアップされていることからも、当時の風潮が窺えます。

しかしやっぱりフィービーが“陰の主役”だったと思えるのがレンタルビデオになって、この映画のビデオ・テープにある“有名なフィービーのムフフなシーン”の所で映像が乱れる現象が頻繁に見られたそうです。
つまり、そこの箇所だけテープが傷むほど繰り返し再生された形跡が…!? 

Jackson Browne - Somebodys Baby3

She's got to be somebody's baby.
きっと、彼女はもう誰かの恋人
She must be somebody's baby.
誰かのものに違いない

フィービーのような女の子が身近にいたら、男の子は【my baby】にしたいと願うでしょう。
【She's probably somebody's only light】【Gonna shine tonight】と想像すると、夜も安らかに眠れないかもしれません。
また“ある者”は、上の写真の続きを妄想し、一人で興奮し過ぎるかもしれません。

「Somebody's Baby」は、誰もが覚えのあるそんな青春の1ページです…。


She's got to be somebody's baby.
きっと、誰かの恋人に
She must be somebody's baby.
誰かのものになる

どんな美人も交際にブランクはあり、意外にも“実はフリー”だったということもあるでしょう。
「Somebody's Baby」でも主人公がある日【She said she's got to be somebody's baby】を耳にして、意外な真実が判明します。

上と全く同じセンテンスですが、ここは彼女の言葉と解釈し【got to(must)】に“~でなければならない”の意味を充てました。
そんな彼女の実情を知り、主人公の心に【gonna(~するつもり)】が芽生えてゆきます…。



~ロック・ファンなら、楽しみ2倍の映画!~

『初体験/リッジモント・ハイ』が公開された時代を振り返ってみると、当時『グローイング・アップ』や『ポーキーズ』のようにちょっとエッチな青春コメディー映画が多数あったことを思い出しました。
これらの映画は日本の宣伝でも“エッチ”な側面ばかり強調されていたせいか、内容も確かめないまま“低俗映画”の烙印が押されていた印象があります(確かにそういう側面は否定しようもありませんが…)。

しかしこうした映画はその時代のリアルなアメリカの若者の文化や風俗を描いた側面もあり、特に『リッジモント・ハイ』は原作者のキャメロン・クロウが直前に1年間カリフォルニアの高校に学生として潜入取材し書いた作品です。
その甲斐あって『リッジモント・ハイ』は興行的な成功だけでなく、2005年に“アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録”され、2015年にEntertainment Weekly誌“50 Best High School Movies 2位”に選出されました。

また、ローリング・ストーン誌の記者出身であるキャメロンが関与しているだけあって、映画のサウンドトラックは当時のアメリカを代表するロック・スターらによって構成されています。
【概要】参照)
『あの頃ペニー・レインと(Almost Famous)』をはじめとするキャメロンお得意の“ロックの小ネタ”が本作でも満載で、どこか覚えのあるような“Pat Bernardo”《写真・左》なる女性キャラクターや、背景に溶け込んだロック・スターの写真、初デートの友人に“デートのBGMは『レッド・ツェッペリンIV』!”というアドバイスに、ハートナンシー・ウィルソンのカメオ出演(写真・右/1986年にキャメロンと結婚)ほか、当時を知るロック・ファンなら映画を2倍楽しめることでしょう。

Jackson Browne - Somebodys Baby4



~Epilogue~

『初体験/リッジモント・ハイ』の登場人物のうち「Somebody's Baby」の世界観と符合するキャラクターは、初体験を憧れる少女ステイシー(ジェニファー・ジェイソン・リー/動画)と、彼女に純朴な恋心を抱く真面目な少年マーク(ブライアン・バッカー/写真)です。
そんなマークの想いを余所(よそ)に、ステイシーがバイト先で声をかけられた年上の男と初体験に至る場面で「Somebody's Baby」が使われています。
しかし行為を重ねるステイシーはやがて“お決まりの悲劇的結末”を迎え、男にも見捨てられ、心も体も深く傷つきました。

Jackson Browne - Somebodys Baby5 

Yeah, she's gonna be somebody's baby tonight.
あぁ今夜こそ、誰かの恋人
Gonna shine tonight, make her mine tonight.
照らしてくれる…だから今夜、きっと彼女は僕のもの

人生が難しいのは必ずしも“転ばぬ先の杖”とはいかないことで、“転んで痛さを学ぶ”ことも少なくありません。
ステイシーにとってそれはとても大きな代償でしたが、転んだことで初めてマークのやさしさこそが探し求めていたものであったことに気づきました。
映画のエンディングには、二人の“その後”が報告されています…

Rat(Mark)& Stacy
Having a passionate love affair.  その後も二人はラブラブ
But still haven't gone all the way. だけど、未だエッチなし


若い二人の未来に、幸多かれ! 



「誰かが彼女を見つめてる」


Writer(s): Jackson Browne, Danny Kortchmar /訳:Beat Wolf


ほら、ちょっとあの娘を見てごらん
瞳に輝きが溢れているだろう
きっと、彼女はもう誰かの恋人
誰かのものに違いない
街角の男たちは皆
尻込みして、素通りさせている

きっと、あの娘は誰かの恋人
誰かのものに違いない
きっと、もう誰かの恋人
とても素敵な娘…

たぶん、あの娘は誰かの唯ひとつの光
今夜、照らしてくれる
あぁ今夜、彼女は誰かのもの…間違いなく


あの娘と友だちの会話を耳にした
ほかに誰もいないと思って、こう言ってた
誰かの恋人にならなくちゃ
何としても、だって…
車やネオン、明かりが
街をライトアップさせる頃…

きっと、誰かの恋人に
誰かのものになる
きっと、ならなくちゃ
とても…

あの娘は誰かの唯ひとつの光
今夜、照らしてくれる
あぁ今夜、彼女は誰かのものになる


目を閉じて、見ないふりをしても
あの娘を視界から消し去ることはできない
彼女のこと、もっと知りたい…
でも、僕は自分との闘いに克たなくちゃ
そうさ…まずは彼女と距離を縮めること
今夜、話しかけてみよう

そうさ、あの娘は誰かの唯ひとつの光
今夜、照らしてくれる…
あぁ今夜こそ、誰かの恋人
照らしてくれる…だから今夜、きっと彼女は僕のもの


最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 1982年 ソフト・ロック ピュアな愛 映画80's 

コメント

馬鹿中学生真っ盛りでしたんで

フィービー・ケイツ目当てで図書館で映画雑誌のグラビア見まくってましたが、映画館行く度胸はありませんでした・・・(ポーキーズは普通に観に行ったんだけど)。ジャクソン・ブラウンのこの曲も印象深いですが、日本ではSO MUCH IN LOVE がかかりまくってましたよね(SONYのCM?)。2枚組のほとんどがイーグルス関係者だ~と当時思いましたね、また買おうかな?

2018.04.18  地味JAM尊  編集

Re: 馬鹿中学生真っ盛りでしたんで

当時フィービーは映画雑誌に、毎月のように載っていましたね。
確かにタイトルに「初体験」と入ってると
わかりやすい反面、下心も外から丸見えですからね?(笑)

So Much in Loveは、私も大好きです。
曲も良かったですが、CMも曲に合わせて印象的でした。

サントラは、まさにイーグルス再集結かと思わされます。
でも有名なシーンで流れたCarsの「Moving In Stereo」ほか
入ってない曲が結構ありますね。(笑)

2018.04.18  Beat Wolf  編集

こんな青春もアリなんですね!?

この曲も、映画も初めてです。こんな青春もアリなんですね!?まぁ、興味の内容はどこも変わりませんが!笑)

当時住んでいたのがクマやシカ、それにサルが出てくるような田舎でしたから本屋も映画館も無し。町に住んでいた高校のお坊ちゃんの同級生は「不純異性交遊」で転校させられました!(今どうしているんだろう・・・・そこそこ幸せになっていることを願っていますが・・・)
上のビデオを見ると、夜中に家から抜け出す時に迎えに来た車はDATSUNのフェアレディーZですね。この当時の頭の中には、音楽と女と車しかなかったですね!恥)

2020.05.18  忠      編集

Re: こんな青春もアリなんですね!?

当時はこんな映画が流行ってました。
私は恥ずかしくてこの手の映画は見に行ったことはありませんが…。

クマやシカですか。
自然豊かなところにお住まいでしたね。
でも現代は本屋や映画館の方が少なくなってしまいました。
もしかしたらこれからの日本は音楽と女と車より
クマやシカの方が増えるかもしれませんね。(笑)

2020.05.19  Beat Wolf  編集

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