I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

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「ソー・マッチ・イン・ラヴ」ティモシー・シュミット

2018.06.29

category : Eagles & Solo

Timothy B Schmit - So Much in Love1 Timothy B Schmit - So Much in Love2


Timothy B. Schmit - So Much in Love (1982年)



~概要~

「ソー・マッチ・イン・ラヴ」は、元イーグルスティモシー・シュミット(Timothy B. Schmit)が1982年に映画『初体験/リッジモント・ハイ(Fast Times At Ridgemont High)』へ提供した作品で、シングルとしてもBillboard Hot 100の59位まで上昇しています。
日本では1983年2月からPioneerのミニコンポ【Vibration】のCMにも使用され、話題を呼びました(別項参照)。
アルバムは1982年の『初体験/リッジモント・ハイ』サウンドトラック、84年の1stアルバム『Playin' It Cool』に収録されています。


「So Much in Love」は元々1963年にアメリカのソウル・ヴォーカル・グループであるザ・タイムス(The Tymes)のデビュー曲であり、Hot 100のNo.1(1週/年間11位)にも輝いた楽曲で、当時の邦題は「なぎさの誓い」とされていました。
ザ・タイムスは同年4月に地元フィラデルフィアのラジオ局『WDAS-FM』後援のオーディションを受けており、その頃はまだザ・ラティニアーズ (The Latineers) と名乗っていました。
見事オーディションに合格すると、彼らはCameo-Parkway Recordsと契約を結び、とんとん拍子でデビューの機会が与えられていますが、その決め手になったのが後に「So Much in Love」として世に知られることになる楽曲だったそうです(別項参照)。

「So Much in Love」は同年の1stアルバム『So Much In Love』《冒頭の写真・右》に収録され、1957年ジョニー・マティスのカバー曲「Wonderful! Wonderful!」もHot 100で7位に達するなど好調な滑り出しで、アルバムもBillboard 200の15位を記録する目覚ましい活躍を見せた一年となりました。


公式・非公式さまざまなカバーがなされている楽曲ですが、ほかに有名なのは1988年にサイモン&ガーファンクルのアート・ガーファンクルがアルバム『Lefty』でカバーしたバージョンで、ACチャートで11位を記録しました。
また「So Much in Love」はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースが好んでライブに取り入れていることでもお馴染みの歌で、テレビ朝日系列の音楽番組『ベストヒットUSA』では小林克也が“(収録中)勝手に歌い出した”として番組で紹介したことをご記憶の方もあるでしょう。
オリジナル以外で最大のヒットに至ったのは1993年のR&Bヴォーカル・グループAll-4-Oneで、Hot 100の5位(1994年の年間28位)を記録しています。


 
 



~Lyrics~

As we stroll along together
君と寄り添う散歩
Holding hands, walking all alone
手を繋いで、二人きり

本曲はザ・ラティニアーズ(ザ・タイムス)のジョージ・ウィリアムズ(George Williams)によって創作された作品で、オーディション当時「As We Strolled Along」と呼ばれていました。
それをプロデューサーのビル・ジャクソンが気に入って彼らの合格の決め手となったと言われますが、リリース前にビルがタイトルを「So Much in Love」とするなど手直しをして、ロイ・ストレイジスのアレンジによってデビュー・シングルの完成に至っています。


As we stroll by the sea together
君と一緒に海辺の散歩
Under stars twinkling high above
ずっと高くで星たちがきらきら見守っている

誰もいない海、波の音、満天の星…
デートには最高のシチュエーションですね。

ザ・タイムスver.の特徴の一つは“波の音”を入れたことで、これもプロデューサーのビル・ジャクソンのアイデアによるものだそうです。
ヴォーカル・エコーがよく効いていて、“お風呂”で気持ち良さそうに歌っているようにも…?


So much love have we two
あふれる愛が二人を結ぶ…
Just can't wait to say "I do"
もう君の“I do”を待ちきれない

「So Much in Love」は基本的に現在形で書かれていますが、【We will vow】とあるように“ここだけ未来形”が使われています。
【aisle(教会の通路)】とか【vow(誓う)】…ときて“I do 待ち”ですから、どんな場面か察しがつくでしょう?

どんなに美しい曲も、“この場面”だけは使用を避けた方がよいというものがありますが、「So Much in Love」には一点の曇りもありません!
このジャンルにありがちな“ジャーン!”的な派手さはありませんが、【so much love】にあふれています ♪



~Epilogue~

So Much in Love ...

ザ・タイムスの“スタンダード感”やヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの“ほっこり感”、アート・ガーファンクルの“さすがの安心感”、All-4-One の“スイーツ感”もいいですが、私はやっぱりティモシー・シュミットver.の“純粋感”が一番のお気に入りです。
最初に聴いたのがティモシーだったというのもあるかもしれませんが…

当時、ちょうど初めて本格的なオーディオを買うことを決め、どういうのを選ぶかあれこれ探求していた時期でした。
そんな最中にテレビに流れてきたのがPioneerのミニコンポ【Vibration】のCMであり、ティモシーの「So Much in Love」だったのです。
私はそれまで【バラコン(別単品でオーディオを構成)】を基本路線として雑誌やカタログで情報収集していましたが、このCMの影響で一時ミニコンポに心が傾きかけた思い出があります。

「So Much in Love」は間違いなく一瞬にして私の心を捉えた曲ですが、CMの映像もまるでアメリカの青春映画のワンシーンのようで、心を惹きました。
未知なる洋楽の世界に足を踏み入れようとしている少年の期待を膨らませるに十分過ぎるくらい…。

 


ティモシーの「So Much in Love」に刺激を受けたのは私だけではなかったようで、日本の歌手・山下達郎もその一人です。
元々彼のドゥーワップ好きは有名で、作品の多くにそうしたコーラスが取り入れられているだけでなく、1980年には日本では珍しい“ひとり多重録音”アカペラ・アルバム『ON THE STREET CORNER』まで発表するほどでした。
その後ティモシーの「So Much in Love」が発売、その日本盤レコードのライナーが“山下達郎も真っ青な多重録音によるコーラス”と解説していたことに触発され、遂に彼も「So Much in Love」をレコーディングすることを思い立ったとする説もあります(「So Much in Love」は'86年『ON THE STREET CORNER 2』に収録)。


So in love
恋しているんだ
In a world of our own
二人だけの世界の中

もうすぐ“七夕”…

ティモシーの「So Much in Love」はこの時節にぴったりと思い、選曲してみました。
でも今年は統計開始(昭和26年)以来初めて6月中に梅雨が明けたはずなのに(関東甲信地方まで)、今週はずっと雨模様で7/7(土)も全国的に雨の予報です。
一般に天気予報は外れたら困りますが、7/7の夜だけは神さまの“粋な計らい”で満天の星空を、と期待しているのは…私だけでしょうケド? 



「ソー・マッチ・イン・ラブ」


Writer(s): George Williams, Bill Jackson, Roy Straigis /訳:Beat Wolf


君と寄り添う散歩
手を繋いで、二人きり
二人は恋をしているんだ
でも、何をすべきかわからない
恋しているんだ
二人だけの世界の中

君と一緒に海辺の散歩
ずっと高くで星たちがきらきら見守っている
二人は恋をしているんだ
君と僕以外、他にない
恋しているんだ
言葉で表せないほど、いっぱい
So in love, So much in love...

二人寄り添う散歩
どれほど君が必要か、伝えよう
“I love, love you my darling...”
君は、想いに応えてくれるかな

一緒に教会の花道を歩くとき
生涯ともにあることを誓い合う
あふれる愛が二人を結ぶ…
もう君の“I do”を待ちきれない
恋しているんだ
君と僕
So in love, Are you and I...


最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 1982年 ドゥーワップ ピュアな愛  映画80's CM曲 

コメント

「初体験~」より「SONYのCM」が有名?

ヒューイもいいし、All-4-Oneもよかった。
みんな原曲に忠実にカバーしますよね。
って事は完成度が、異様に高いんですね。
「男が女を愛する時」とか「二人の絆」とか「Sea Of Love」とか・・・
オリジナルが初めて流行った時は、本当に感動しただろーなー。羨ましい!

2018.06.30  地味JAM尊  編集

Re: 「初体験~」より「SONYのCM」が有名?

…そうですね、私もこの曲を知ったのは
CMがきっかけでした。

「みんな原曲に忠実にカバー」=「楽曲として最強」だと思います。
誰が歌っても感動できちゃうので
自分の歌の上手さで感動させたい歌手には面白みがないでしょう。
「I Will Always Love You」のホイットニー・ヒューストンみたいに?(笑)

近年は「楽曲最強」みたいな曲は生まれにくい時代と思います。
そういう意味で、40-50年前は幸せな時代だったのでしょうね。

2018.06.30  Beat Wolf  編集

この曲は古いスタンダードナンバーだと思っていたのですがイーグルスのティモシーシュミットが作曲したとは初めて知りました。この頃のスターたちは色々な人間交流がありますね。小生もイーグルスのグレン・フライやティモシーシュミットとコラボしていたカーラボノフを公開中です。

2018.07.03  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

ご指摘のとおり、この曲は古いスタンダードのカバーです。
確かにイーグルスは曲も面白いですが
友人関係も面白いですね。

カーラ・ボノフですか
確かこの頃、二人はアルバムで共演していますね。

2018.07.03  Beat Wolf  編集

しくじった!SONYじゃなかった~、何でも「It's SONY」だと思い込んでました。

ゴメンナサイついでに
ご教示ください。

ティモシー・B・シュミットって、なんでカタカナ表記だと「B」が無くなるんですか?
昔はついてた気がするんですが・・・幻覚か宇宙人による記憶操作でしょうか?

2018.07.06  地味JAM尊  編集

Re: しくじった!SONYじゃなかった~、何でも「It's SONY」だと思い込んでました。

いえいえ。(笑)
前コメで気づいてましたが
本文で触れるので、敢えて言及しませんでした。

「B」ですか?
よくわかりません。
「So Much in Love」シングルを確認すると
カタカナだと「B」は省略されています。
でも私も今回、当初「ソー・マッチ・イン・ラブ」と書いてましたが
シングルを確認すると「ブじゃなくヴ」だったので、修正しました!(笑)

2018.07.06  Beat Wolf  編集

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