I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ルック・アウェイ」シカゴ

2018.08.17

category : Chicago & Solo

Chicago - Look Away1 Chicago - Look Away2


Chicago - Look Away (1988年)



~概要~

「ルック・アウェイ」はアメリカのロック・バンド【シカゴ】1988年の19thアルバム『シカゴ19(Chicago 19)』の収録曲です。
同年9月に2ndシングルとしてカットされると12月にBillboard Hot 100で2週No.1を記録し「愛ある別れ」(1976)、「素直になれなくて」(1982)に次いで“6年毎のNo.1”を見事成立させました。

また、年間チャートではBillboardの集計ルール(12月最初の週から11月最後の週までで集計)により翌年度扱いとなり、バンド初の1989年の年間No.1ソングに輝いています。
ただし同年度には4週No.1の「Miss You Much」(年5位)、3週No.1に「Like a Prayer」(過去ログ/年25位)ほか6曲、2週No.1が7曲と、「ルック・アウェイ」と同等以上の候補が13曲あったことから、これは多くの人にとって意外な結果でした。
そんな中で「ルック・アウェイ」が年間No.1に輝いたのは、恐らくTop10内8週/Top40内16週という息の長いヒットによるもので、年間2位の「My Prerogative」もNo.1は1週だけでした。


「Look Away」は80年代のシカゴらしいバラード曲ですが、実は多くの点で“シカゴ的”でない作品でもあります。

まず“シカゴの声”といえば「素直になれなくて」など、多くの人が思い浮かべるピーター・セテラですが、本曲を歌っているのは1981年からシカゴに加入したビル・チャンプリン(vo/key/g)
ピーター在籍時はコーラスに回る事が多かったビルですが、彼の“しわがれた声”は本曲に独特な哀愁を与えています。
また、シカゴといえば“ブラス・ロック”であり、バラード曲にあってもこうした重厚さこそが“シカゴ・サウンド”の特徴でしたが、ここではブラス・セクションが用いられていません
さらに、1982年の『Chicago 16』以降“シカゴ復活の立役者”としてサウンド作りに貢献してきたプロデューサーのデイヴィッド・フォスターが外れ、サバイバーやキッス、ハート等を手掛けてきたロン・ネヴィソンが務めています。


 




~Lyrics~

When you called me up this mornin'
今朝、君からの電話
Told me 'bout the new love you found
新しい恋人を見つけたって
I said, "I'm happy for you, I'm really happy for you"
“良かった、本当に良かったね”…言葉を贈る

幕開けであり、終幕でもあるセンテンス。
別れた彼女が元彼に“新しい恋人を見つけた”と報告し、その彼が“良かったね”と祝福しているわけですが…
別れた恋人同士って、普通こんな電話のやり取りします?

でも、このセンテンスを幕開けで聴くのと終幕で聴くのでは、かなり意味合いが違って聴こえます。
特に、最後のライン…
その言葉の裏にこそ、主人公にとっての“真実”が込められている気がします。


So if it's gotta be this way
でもそれが運命であるというなら…
Don't worry baby, I can take the news, okay
心配しないで、僕はこの知らせを受け入れる

彼女に未練のある彼…
二人は、どんな別れ方をしたのでしょう。
彼女は、別れた彼のことを心から心配してる?
それとも、いつまでも未練な彼を諦めさせ縁切りするための電話?

女心とは、これ如何に…。


When we both agreed as lovers
互いが恋人と認め合っていた頃も
We were better off as friends
友人のようでいた方がうまくいった

“友達夫婦”という言葉がありますが、そんな感じの恋人でしょうか?
そう考えてみると付き合っていた頃もそれぞれ自由を求めたり、冒頭でも別れた元彼に新しい恋人の報告するなど、二人の関係性がそれに符合します。

“友達”は対等で独立性が許され、自分が縛られない分、相手も束縛できません。
お互いがそれで満足ならばそれでよいのですが、この二人の場合、双方の想いに“温度差”が感じられ、それこそが彼を終始悩ませる原因となっていたかもしれません。



~Epilogue~

「Look Away」は“男性の視点”から描かれた作品ですが、作者は女性作曲家のダイアン・ウォーレン(Diane Warren)です。
ダイアンによると、「Look Away」は同じビルで働いていた友人の実話にインスパイアされた作品だといいます。

その女性は婚姻者だったもののその後離婚、しかし元夫とは離婚後も“友人であることに同意”していました。
やがて彼女が他に好きな人ができて、結婚するとを知った時…

彼は、“荒れた”そうです! 

「Look Away」で主人公が彼女に執った態度は真逆ですが、大筋は“まんま”でしょう?
もしかしたら、主人公が彼女に対し“祝福の言葉を贈り、静かに全てを受け入れた”のは、作者のダイアンが“男たるもの、そうあって欲しい”という女性にとっての理想形を当てはめたのかもしれません。

ダイアンは楽曲提供の際、彼女自らが歌ったデモ・テープを渡していたようで、プロデューサーのロン・ネヴィソンは“彼女のデモはいつもとてもシンプルだけど、いつも素晴らしいヴォーカル・パフォーマンス”と、賞賛しています。
今回、そんな彼女が「Look Away」と「I Get Weak」(ベリンダ・カーライルへの提供曲)を歌う貴重な映像を発見しました。




But if you see me walkin' by
でも、もし何処かで僕を見掛けても
And the tears are in my eyes
この目に涙が溢れていても
Look away, baby, look away
顔を背け、僕を見ないでおくれ

上のように“荒れる”タイプの男性は、決してこんな風に思わないでしょう…
きっと主人公の彼だって彼女の電話での知らせに荒れ狂いたいほどのショックを受けたと思いますが、それを内心に留め、情けない自分を恥じています。

“よき男”は、好きな女にこそ自分の情けない姿を見せたくないものです。
(…まあ、人に依る?)
“ゴルゴの父”も、おっしゃっています。

“男の美学とは、我慢である”  さいとう・たかを



「ルック・アウェイ」


Writer(s): Diane Warren /訳:Beat Wolf


今朝、君からの電話
新しい恋人を見つけたって
“良かった、本当に良かったね”…言葉を贈る

ほかの誰かを見つけた…
もう僕はそばをうろついたりしないね
きっと、それは終わてしまったんだ
本当に終わてしまった…

その言葉から
僕とのことが吹っ切れたってわかる
もう、かつての二人に戻る道は決してないのだと
でもそれが運命であるというなら…
心配しないで、僕はこの知らせを受け入れる


でも、もし何処かで僕を見掛けても
この目に涙が溢れていても
顔を背け、僕を見ないでおくれ
**
もし、いつか通りで出会ったとしても
僕には、君への言葉が見つからない
だから顔を背けていて…
もう僕を、その目に止めたりしないでおくれ
こんな姿、君に見せたくない


互いが恋人と認め合っていた頃も
友人のようでいた方がうまくいった
ずっと、そんな風であるべきだった…
そうさ、そうしなければならなかったんだ

満足してると言ってきたけれど
僕は時々、‘ふり’をした
本当は、君に抱きしめて欲しかった
ずっと抱きしめていて欲しかった

だけど、思いもしなかった
こんなに早く、僕が置き換えられ
君からあんな言葉を聞かされるなんて…
確かに、僕は自由になりたかった
そうさ、二人はそうなることを望んでいた


**

今朝、君からの電話
新しい恋人を見つけたって
“良かった、本当に良かったね…”


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
関連記事
スポンサーサイト

tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

小生が洋楽に目覚めた1970年シカゴⅠ~Ⅲに嵌りまくっていました。反戦ワイルドなシカゴ(テリーキャスがいた時代)が今も一番大好きです。その後「愛ある別れ」などAORで復活したときはもうビックらこきました!結構この路線も好きだったですが、そのうち食傷気味になってやはり初期に優るものなしと思っています。でもいつかバブル時代に放ったシカゴヒット曲を含めて全体総括・頭の中を整理しなければ・・。いつになるやら・・

2018.08.17  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

シカゴというバンドをみていると
70年代と80年代のギャップを楽しめますね。

どんなに一時代を築いてもやがて飽きられ
アイデアも尽きて全く売れなくなる…。
そこでどうするか、ですね?

ただ、私が知る限りでは
このアルバムが一番楽曲が揃っています。

2018.08.17  Beat Wolf  編集

16や17以降からハマったんで

この時代のシカゴが大好きです!
個人的にはピーターさんが抜けて全米1位出してた直後の「長い夜(再録)」が大コケ・・・からの「Will You Still Love Me?」3位!はどっちも応援してたんで凄くうれしかったです。
「19」は「ほぼBest盤?」くらいに「シングルカット充実」でしたよね。よく聞きました。(ただLook Awayが年間1位ってのは「?」がいっぱいでしたが…( ´艸`))

2018.08.18  地味JAM尊  編集

Re: 16や17以降からハマったんで

私もシカゴといえば、「この時代」です。
確かにピーターが抜けた時点で「終わった」と思いましたが
その後よく立て直したと思います。

「19」は、地味JAM尊さんの言われるとおりです。
マイケルの「Thriller」やブライアンの「Reckless」
と比べても遜色がない評価をしています。
でも、やっぱり「Look Away疑惑」が挙がりましたか!(笑)
その点についても、今回レポートします。

2018.08.18  Beat Wolf  編集

疑惑究明されるんですね!

クライマックスの「I Miss You」疑惑も
いつか晴らされる時が来るんでしょうね‼

2018.08.20  地味JAM尊  編集

Re: 疑惑究明されるんですね!

「疑惑究明」という大袈裟なものではありません。
「裏」まで調べてはいないので…。(汗)

「I Miss You」
地味JAM尊さんは、相当なチャートマニアですね?(笑)

2018.08.20  Beat Wolf  編集

ダイアン・ウォーレンのLiveいいですね。CD出てないかな?

自分は(HN通り)ロン・ネヴィソン推しなんですが、原曲の緩急を「ヒット曲」に仕立てる才能は凄いと思ってます。ただ流行の変化で「19」の次の「21」が大コケしたときは、「時代が変わったんだ…」と相当凹みましたね。
ちなみにビル・チャンプリンはこの曲で気に入り、ソロ時代のアルバムを2枚買いました。

2018.08.21  地味JAM尊  編集

Re: ダイアン・ウォーレンのLiveいいですね。CD出てないかな?

「地味JAM尊=ロン・ネヴィソン」のことだったのですか!
私はダイアン・ウォーレンの歌は初めて聴いたのですが
彼女の歌声から、「Look Away」はハートでも合うと思いました。

「21」といえば「Explain It to My Heart」が
大好きでしたが、かすりもしなかったのがショックでした!
流行りを気にするような曲ではないと思うのですが…。

ビル・チャンプリンで一番好きなのは、「17」の「Hard Habit To Break」。
持ち味の異なるピーターとの対比が、すごくいいです。
こういうのをたくさん出して欲しかった…。(涙)

2018.08.21  Beat Wolf  編集

このHNはサバイバーの2代目Vo.に漢字当てただけです・・・

ロン・ネヴィソンのプロデュースによる「ヴァイタル・サインズ」が、『個人的神盤』なもんで。

そういや「17」も中学ん時に大流行して「バラードで泣けてくる文化」を男子内に流行らせましたね。(同時期に横浜銀蝿とか聞いてんのに。)ただ、自分の周りでは「Hard Habit~」もピーターさんだと思ってる奴多かったですよ!

「21」はシングル「Chasin'~」がおとなしすぎたんですかね?TOP40入ったらすぐ落ちた・・・時期はズレますがハートの「Will You Be There~」も同じ様な転落っぷりで当時は泣けてきましたね~(´;ω;`)

2018.08.22  地味JAM尊  編集

Re: このHNはサバイバーの2代目Vo.に漢字当てただけです・・・

なるほど、それで合点がいきました。
確かに「Vital Signs」は佳曲揃いですよね。
しかもボーナスで「The Moment of Truth」も入っていました!

でも私には、バラードを男子でつるんで共に涙を流す勇気はありません…
それこそ、「見られたくないもの」に該当します。
横浜銀蝿を聴いた後は特に!?(笑)

「何で?」としか言いようがありません。
ただ、90年代に入って明らかに流行が変わりました。
でも「I Do It for You」や「From a Distance」はヒットしているので
「何で?」としか言いようがなくなってしまうのです…。

2018.08.22  Beat Wolf  編集

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 
PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf


ジャンルを問わず音楽が大好き♪
古い歌の“温故”から、歳月を重ねた“知新(いま思う・いま考える)”を綴ります。



この人とブロともになる

参加ランキング
最新記事

全タイトルを表示
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.

FC2Ad