The Beatles - Act Naturally (1965年)~概要~ 「アクト・ナチュラリー」は1965年8月6日にリリースされたビートルズの5thオリジナル・アルバム
『4人はアイドル(Help!)』 の収録曲です。
同アルバムは、A面にビートルズ主演の映画『ヘルプ!4人はアイドル』で使用された楽曲から7曲、B面には「Yesterday」をはじめとする映画とは別の新録7曲が収録されました。
本曲はB面1曲目、つまり映画の楽曲ではないため、純粋なサウンドトラック盤となっている米国キャピトル編集盤 『ヘルプ(四人はアイドル)(Help!)』には未収録なので、注意が必要です。
このためアメリカでは1965年9月13日に「Yesterday」のB面曲として「Act Naturally」もシングル・カット、
Billboard Hot 100の47位 を記録しました。
日本でも同じカップリングでシングル化されましたが、何故か「Act Naturally」がA面扱いとなっています。
「Act Naturally」のリード・ヴォーカルは
リンゴ・スター で、ポール・マッカートニーがコーラスに加わっています。
作者はアメリカのシンガー・ソングライター、ジョニー・ラッセル(John Bright Russell)とヴォニー・モリソン(Voni Morrison)で、1963年にアメリカのカントリー・バンド、
バック・オーウェンス・アンド・バッカルー ( Buck Owens and The Buckaroos )によって歌唱され、Billboard Country Singles chart でNo.1に輝いた楽曲です。
『Help!』のセッションは1965年2月15日に始まり、当初リンゴの曲として同18日にレノン=マッカートニー作の
「If You've Got Trouble」 が録音されていましたが(『Anthology 2』に収録)、楽曲が不十分と判断されリンゴの曲はずっと棚上げになっていました。
結局最後まで十分な楽曲は完成できず、リンゴがバック・オーウェンスのレコードの中から気に入った「Act Naturally」を希望したため、これが選曲されました。
6月17日に計13テイクがレコーディングされ(うち12テイクまでは演奏だけの実質的にリハーサル)、同日『Help!』のセッションは終了しています。
「Act Naturally」は1965年のビートルズのツアー曲の一つ
であり、同年8月15日のニューヨーク“シェイ・スタジアム”コンサートや、9月12日の『エド・サリヴァン・ショー』などの映像が残されています。
1989年には最初に本曲を歌唱したバック・オーウェンスが「Act Naturally」をセルフ・カバーしており、その際にリンゴ・スターとのデュエットが実現していますが、制作された西部劇風のPV
もまたリンゴらしくて一興です。
また、今回見つけた『The Muppet Show』
の映像が面白いので、ご一緒にお楽しみください♪
VIDEO VIDEO VIDEO VIDEO ~Lyrics~ 「Act Naturally」は、“ある実話”がきっかけとなって創作されています。
作者ジョニー・ラッセルはある日、友人のミュージシャンからロサンゼルスでのレコーディング・セッションへの参加を依頼されました。
ところが、それを受けるためには約束していた恋人とのデートをキャンセルしなければなりません。
LAに行く理由を彼女に問い詰められたジョニーは、次のように説明しました…。
They're gonna put me in the movies 僕を映画に出演させてくれるって They're gonna make a big star out of me ビッグ・スターに仕立てるつもりらしい これには思わず彼女も吹き出し、二人で大笑いしたそうです。
Might win an Oscar you can never tell オスカーだって獲れるかも…誰も想像さえしないだろうけど アメリカ映画の祭典『アカデミー賞』で、受賞者がもらう【オスカー像(Oscar Statuette)】。
でも
“Oscarってダレ? ” と、思った事ありませんか?
デザインは映画芸術科学アカデミー創設会員の一人で自らもアカデミー美術賞を11回受賞したセドリック・ギボンズ(Cedric Gibbons)で、モデルはエミリオ・フェルナンデス(Emilio Fernández)というメキシコ人俳優との定説があるそうですが、何れも[Oscar]ではありません。
呼称の由来には、“女優の
ベティ・デイヴィス が1935年の受賞式で当時の夫【Harmon Oscar Nelson】に似ていると発言”したとするなど諸説ありますが、1933年の新聞にオスカーの名称が登場していることから、“1931年にアカデミー賞事務局のマーガレット・ヘリック局員が初めて像を見た際に親類の
【Oscar Pierce】 に似ていると発言”したとする説が有力とされているようです。
~Epilogue~ リンゴ・スターが【
RINGO STARR And His All Starr Band JAPAN TOUR 2019 】として、来日いたします(3/27-4/11)。
盟友のポールも近年ほとんど休みなしといっていいほどツアー三昧の日々を送っていますが、ポールより2つ年長で78歳のリンゴも“老いて益々盛ん”で、2013年春から3回/6年の来日を数えます。
1989年以来、今回で14期目となる豪華なメンバーは以下のとおりです(予定)。
スティーブ・ルカサー(TOTO) グレッグ・ローリー(ex.サンタナ / ジャーニー) ヘイミッシュ・スチュワート(ex.アべレージ・ホワイト・バンド) コリン・ヘイ(ex.メン・アット・ワーク) ウォーレン・ハム(ex.ブラッド・ロック / カンサス / AD) グレッグ・ビソネット(ex.デイヴ・リー・ロス) 昨年のツアーではTOTOやメン・アット・ワーク、10ccの曲を3曲ずつ入れていたので、恐らくそういう構成になるのでしょう。
今年はグレアム・グールドマン(10cc)に代わって、80年代から90年代にかけてポールのバンド・メンバーだったヘイミッシュ・スチュワートが入る予定なので、彼がその穴を埋めると思われます。
VIDEO VIDEO 映画『Help!』が事実上リンゴ・スターの主演作であり、彼のキャラクターを知っている誰もが「Act Naturally」を“リンゴらしい”と評するでしょう。
リンゴにはジョンやポールのような他を圧倒する音楽的才能があるとは言えませんが、彼の持つ“天然”こそ、他のメンバーにはない優れた才能であり、彼はそれによってドラムスや俳優、人間関係に至るまで人々を魅了しました。
「Act Naturally」は一面【僕はビッグ・スターになる】という夢のある歌ですが、他方それを導く根拠には彼がそれまで歩んだ苦難が秘められていることに気づくはずです。
そうした苦しみを「Help!」と赤裸々に訴える者もあれば、「Let It Be」と全てを投げ出す者、
「While My Guitar Gently Weeps」 (過去ログ) とギターを泣かせる者もあります。
We'll make a film about a man that's sad and lonely 独りぼっち寂しい男の映画をつくる And all I gotta do is act naturally だから僕は、普段どおりふるまうだけでいいんだ …でも、苦しみをユーモアに代える男もステキでしょ?
「アクト・ナチュラリー」 VIDEO Writer(s): Johnny Russell, Voni Morrison /訳:Beat Wolf 僕を映画に出演させてくれるって ビッグ・スターに仕立てるつもりらしい 独りぼっち寂しい男の映画で だから僕は、普段どおりふるまうだけでいいんだ * 賭けたっていい…きっと僕はビッグ・スターになる オスカーだって獲れるかも…誰も想像さえしないだろうけど 映画は僕をビッグ・スターにしてくれる 僕なら、上手に役を演じられるから ** 君も、映画を観においで そしたら、はっきりわかるはず 世界一の愚か者でも成功を収められるって しかも僕は、普段どおりふるまうだけでいいんだ 独りぼっち寂しい男が 跪いて懇願する場面… 僕なら、リハーサルなしで演れる 普段どおりふるまうだけでいいんだもの * **最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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ヘルプ! リンゴ・スター カントリー ほっこり
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