I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

「あの娘におせっかい」ウイングス

2019.05.10

category : Beatles & Solo

Wings - Listen To What The Man Said (1975年)

一緒に歌わずにはいられない歌い出しの心地よさ…ポール・マッカートニー究極のポップ・ソング ♪



~Lyrics~

Writer(s): Paul McCartney, Linda McCartney /訳:Beat Wolf

いつの時、いつの日も
世間のこんな声を耳にするだろう
“恋はblind(盲目)”
よくわからないけど、僕ならこう言う
“愛はkind(思いやり)”

Du-du-du...

兵士の男の子が女の子にキスして
悲しみの世界を後に、旅立ってゆく
でも彼は、くよくよなんてしない
恋しているんだもの
彼なら、きっとこう言う
“愛は素敵なもの”

Duh duh duh duh...

[Chorus]
そうさ、みんな確信している
人は、それぞれ歩むべき道を探す宿命なんだ
たとえ他人が、何と言おうと
誰もが知っている
“愛はすべての人にとって素敵なもの”
誰もが知っている
“愛は成長してゆくもの”
…それが、“その男”の言っていること
だから耳を傾けてみて?
“男”の言葉に…

[Chorus]

それはまったく驚くべきこと…



~概要~

「あの娘におせっかい」はポール・マッカートニーがビートルズ脱退後に結成したグループ【Wings】1975年の4thアルバム『ヴィーナス・アンド・マース(Venus and Mars)』の収録曲です。
前作『Band on the Run』(過去ログ)は全米No.1+グラミー受賞などビートルズに匹敵する成功を収めましたが、一方でメンバーが3人となる存続危機に陥っていたため新たにジミー・マッカロク(g)とジョー・イングリッシュ(dr)を加え、バンド名も【Paul McCartney & Wings】から4年ぶりに【Wings】に戻しての再起を懸けた作品でもありました。
本曲はそのアルバムからの1stシングルとして同年5月16日にカットされ、Billboard Hot 100のNo.1(年間42位)に輝いています。

作詞・作曲はポールと奥さまのリンダ・マッカートニーで、本曲は『Venus and Mars』中に於いて次曲「Treat her Gently / Lonely Old People」とメドレー形式になっているため、シングルなどのアウトロは「あの娘におせっかい」の明るい曲調から哀愁へと移ろうフェイドアウトとなっています。
「あの娘におせっかい」はキャプテン&テニールの「愛ある限り (Love Will Keep Us Together)」 から全米No.1の座を奪取していますが、それにも拘らず同作曲者のニール・セダカは“ポップスは詞とメロディが上手く結びついているのが一番だけど、マッカートニーはそれをやってのけた。あの曲は素晴らしいよ”と、賞賛しました。

ポールは楽曲の出来から高い期待を抱いてレコーディングに臨んだとされますが、当初はその期待値に見合った結果は得られなかったようです。
そこに元 Traffic のデイヴ・メイソンがスタジオを訪れギター演奏で力を貸してくれたものの、それでもまだ不十分でした。
すると誰かに“近くにサックス奏者のトム・スコットが住んでいる”ことを聞いて、彼を招きソプラノ・サックスを試した所これが大正解、僅か一度であのプレイをやってのけたそうです!

All right, okay, he-he-he
Very good to see you down in New Orleans, man...


冒頭のMCはポールによるものですが、直接歌詞の内容に関連しているようには思えません。
ウイングスはこのレコーディングでアメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズを訪れており、2000年の『Eight Arms To Hold You』( Chip Madinger/Mark Easter 著)は、ニューオーリンズのR&Bバンド、ミーターズ(The Meters)のギタリスト、レオ・ノセンテリ(Leo Nocentelli)への言及としています。


全米No.1といえばキャリアの代表曲と数えるに十分なはずですが、ウイングス のベスト盤『Wings Greatest』 (1978年)には収録されておらず、ツアーでもウイングス時代の『Wings Over the World tour』(1975-76)以外では、『Out There tour』(2013–15) ぐらいしか演奏されていません。
1987年の『All The Best!』で初めてポールのベスト盤の類いに収録され、当時そのプロモーションのため BBC の人気トーク・ショー『Wogan』で「あの娘におせっかい」を披露しています(ただし音声は事前録音したもの)。
ミュージック・ビデオ(メイン動画へ)も制作されていますが、1976年のアメリカ・ツアーの模様を収めた1979年のドキュメンタリー番組『Wings Over the World』(映画『Rockshow』)や「Mull of Kintyre」(過去ログ)、ギネス認定(1979)の映像が入っているのでプロモーションとして制作されたものではなく、後年編集されたものと思われます。


 
 



~Epilogue~

「あの娘におせっかい」は、いかにもポールらしいメロディーと、“愛は素敵なもの”という世界観に満ちたラブ・ソングです。
口さがない人はそうした作風を、女子供のための「Silly(ばかばかしい) Love Songs」(過去ログ)と呼ぶかもしれません。
しかし【The Man】は、恋人を残し戦地に赴く(と想定される)兵士さえ、それを“気にしない”だろうと言っています。
まぁ、サスガにそれは辛かろうと思いますが…?

He's in love
恋しているんだもの

それでも【The Man】は、主張を譲りません。
そういえばポールの1983年の作品「Pipes of Peace」(過去ログ)でも、彼が第一次世界大戦の最前線で戦う一兵士という設定でPVが制作されていて、そこで恋人(または妻)の写真と手紙に心を癒される場面が描かれていました。
ポールは、ここでも…

I Light A Candle To Our Love
愛のキャンドルに、火を灯そう
In Love Our Problems Disapper
ぬくもりで、きっと僕らの問題も消えてなくなる

と歌っていて、これと照らし合わせると何故これほど彼が愛を尊重するのか見えてくるでしょう。
“心にそれが灯ってさえいれば、どんな苦難も至上を尽くして乗り越えられる”と…。

もちろん直接ふれあえるに越したことはありませんが、それが叶わない時でも本当に強く結ばれた絆は、それを超越した方法でぬくもりを通わすこともできるのです。
算盤を極めた人が、道具がなくても“暗算”で答えを導き出せるように…。

our love will grow
愛は、成長してゆくもの…



「あの娘におせっかい」

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

懐かしい♪

昔よーく聴いてました^^
Ebony&Ivoryとか、Let'em in(だっけな??)好きだったなあ。

2019.05.11  畑かぶら  編集

Re: 懐かしい♪

よく聴いてらしたのですね。
私が初めて聴いたのもEbony&Ivoryだったかもしれません。
そこからビートルズに遡ってウイングスに辿り着きました。(笑)

2019.05.11  Beat Wolf  編集

こんにちは~ビ-トさん

あの娘におせっかいですね

いかにもポ-ルらしい作風で

すんなり耳に入ってきたのを覚えてますね

ちょうど中学に上がるぐらいのときに聴きました

あれから40年以上経つて聴くけど

いいんですよ~ね~

当時の事もいろいろ思い出しましたよ

懐かしい一曲をありがとうございました

2019.05.15  たまごバナナ  編集

たまごバナナさん

40年以上経つと、色々忘れてしまいますね。
でも忘れていたものを思い出すのは
脳の活性化のためにもなるので、お勧めです。
ポ-ルは何十年もずっと活動を続けているので
ふり返るのにちょうどいいですね。(笑)

2019.05.15  Beat Wolf  編集

小生がちょうど洋楽を聴き始めた頃の思い出深い名曲はポールの初のソロヒット「アナザーデイ」でした。ポールの人生で孤独感・脱力感に苛まされていた心境が綴られていましたが、愛妻リンダや子供たちに支えられ1971年にウイングス結成は大きな転機になった気がします。ポールがリンダにキーボードを教えて夫婦共にステージに立ち素人起用だと最初非難を浴びせていた評論家達もだんだん正当な評価を下すようになりましたね。名バラード「マイラブ」が初のNo.1ヒットに輝き、さらに1973年発表の第5作「バンド・オン・ザ・ラン」の時代になると人気・実力は揺るぎないものになった感があります。

2019.05.17  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

さすがよく歴史をご存知です。
ビートルズ後期で
男の友情はあてにならない
と痛感したと思います。
信じられるのは家族だけだと。(笑)

だからリンダを一時も身近に置きたかったのでしょう。
大変だったのはリンダですが、よく頑張って支えたと思います。

2019.05.17  Beat Wolf  編集

軽快な曲ですね。
サックス🎷の音でより軽快に!

ポールが愛にこだわる訳、愛にいっぱい助けられたのでしょうね(^^)
Our love will grow

2019.05.19  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

☆dct☆さん向きだと思います。(笑)

バラードもいいですが
ポールって、基本「こういう人」です。
自然にしてたら、こういう感覚で生きてると思います。

もちろん、「Our love will grow」って大事です!(笑)

2019.05.19  Beat Wolf  編集

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