~Lyrics~ Writer(s): Allee Willis, Danny Sembello /訳:Beat Wolf もう我慢したくない ここに踏み止まり、背後のドアをロックしよう 立ち止まったり、逃げる暇なんてない 日々生きてゆくため、懸命に働かなきゃ 空から降ってくるお金なんてない 心を奪われたオトコにカネまで巻き上げられ 誰かに、大事なおニューのシボレーを盗まれ 家賃は期限で、泊まる所さえない [Chorus:] でも言葉にするのは難しい 正直、どうしても変えられないものもある それに、見つけることだって難しい 心に歯止めをかける強さを だから、心を燃やしている… ニュートロン・ダンスに 経営者はマトモな代価を払わず 庶民はみんな、汚れた空気を吸っている 屋根は素朴な夢の上に崩れ落ち 心は、成り上がるための企みに拍動を始める [Chorus:] 心が燃えている… [Chorus:] 未来には巨万の富が待っている 後はただ、信じるだけ ニュートロン・ダンスを踊っていると、もの凄くハッピー だから、心を燃やしている… ニュートロン・ダンスに Whoo oooh... I'm so happy doin' the neutron dance...~概要~ ポインター・シスターズは1973年にデビューしたアメリカの女性 R&B コーラス・グループです。
【Sisters】は【Pointer】4姉妹によるプロジェクトを意味し、本作発表時はルース(Ruth)/アニタ(Anita)/ジューン(June)の3名が在籍していました。
「ニュートロン・ダンス」は1983年の10thアルバム
『ブレイク・アウト(Break Out)』 から翌年11月に5thシングルとしてカットされ、
Billboard Hot 100の6位(1985年の年間38位) を記録しました。
これによってポインター・シスターズは4曲連続 Top10 を達成、アルバムは1983年11月から Billboard 200 で最高8位/105週チャート・インする異例のロングセラーとなっています。
また、本曲は1984年12月公開のアクション
映画『ビバリーヒルズ・コップ』 のサウンドトラックでもあり、同アルバム収録曲で最初に発売されたシングルでした。
映画の監督マーティン・ブレストは音楽をアクションの原動力と考えており、たまたま聴いていた『ブレイク・アウト』の中から「ニュートロン・ダンス」を気に入り、それがまだシングル・カットされていなかったことで映画で使ってみることにしたそうです。
劇中では
最初のシーン でアクセル(エディ・マーフィ)がおとり捜査に失敗してド派手なカー・チェイスへと展開する場面
に使われていますが、物語の幕開けとなるこのシーンはアクセルの“独断癖・ハッタリ・マシンガントーク”、“軽妙で型破りなコミカル・思いも寄らないハプニング…”といった作品の魅力を凝縮したような映像と音楽になっています。
本曲と共に映画の持ち味を象徴しているのは主人公アクセル・フォーリーの名を冠したインストゥルメンタル「Axel F」
で、アクセルが“何か企んだり、それによって何か起こるかも…?”という想像を抱かせるテイストとなっており、こちらは映画の音楽担当者であるハロルド・フォルターメイヤーによる作曲です。
VIDEO VIDEO VIDEO VIDEO ~歌詞~ I'm just burning doin' the neutron dance 心を燃やしている…ニュートロン・ダンスに 「Neutron Dance」の作者は
EW&F「September」(過去ログ) などの
アリー・ウィリス (Allee Willis)と、「Maniac」で知られるマイケル・センベロの弟 Danny Sembello 。
【neutron】 は原子核を構成する中性の粒子で、透過力の強い中性子線の性質を用いて
中性子 爆弾も開発されました。
このためリード・ヴォーカルを務めたルース・ポインターは初めて「Neutron Dance」を聴いた時、リズムと活発なアレンジを気に入ったものの、爆弾のイメージから歌うことを躊躇し歌詞の一部を修正するよう要望しましたが認められず、代わりに自らのルーツであるゴスペルを取り入れることにしたそうです。
(アリーは恐らく、日常の不当な扱いに対する
“主人公の爆発寸前の不満や怒り、そのエネルギー” を【neutron】と表したかったと思われますが…)
しかし本曲に神経を尖らせたのは、ルースだけではありませんでしたっ!!
当時は時代背景として【東西冷戦】の最盛期で、相手国であるソ連共産党の中央機関紙『Pravda』で「Neutron Dance」は“中性子爆弾の歌”として誤訳され、
アリーはソ連政府に“米国で最も危険な1人”と名指し され入国禁止処分となる騒ぎに発展したそうです。
Someone stole my brand new Chevrolet 誰かに、大事なおニューのシボレーを盗まれ アリーによると、「Neutron Dance」の
歌詞は彼女自身の体験 に由来しているといいます。
彼女とダニーは本曲が初顔合わせで、二人は彼女の自宅で短い打ち合わせを行っていますが、その際も“事件”が起こりました。
アリーが歌詞を書いている時ふと窓の外を見ると
【誰か】が彼女の愛車・ピンクの1962年製【シボレー・コルヴェア(Chevrolet Corvair)】のドアを鉄梃(かなてこ)でこじ開けようと しており、彼女が叫んだのがこのフレーズだったそうです!
ドラマでは警官でもない主人公の周りで何故か次々と事件が起こりますが、作家の周りでもこの法則が成立する…?
~Epilogue~ 「ニュートロン・ダンス」のPVを見て多くの方がニンマリするのはきっと、“エディ・マーフィが笑い声を挙げる場面”でしょう。
一つは“彼のあの笑い方そのもの”に、そしてもう一つは彼が通りですれ違いざまに思わずふり返り二度見して笑った
“2人の男性のファッション” です。
そのファッションとは、あの時代を生きた若者なら一度は見たことがあろう、
マイケル・ジャクソンが「Thriller」(過去ログ) で着用していたジャケット(映像のはオリジナルとデザインが若干違う)。
さすがの私もアレを所有したことはありませんが、何度かすれ違ったことがあって、やはりエディと同じ反応をしていました。
もう一つ際立っているのは、ポインター・シスターズの“肩幅”!
1984年は漫画『ドラゴンボール』の連載が始まった年であり、サイヤ人らが身に付けている大きな肩パットが世界的に流行… してない、してないっ! じゃあ、『北斗の拳』… 違ぁ~う!!And to get ahead your heart starts pumping schemes 心は、成り上がるための企みに拍動を始める 彼女は、日々の不当な扱いにただじっと耐え逃れようとする弱気と、決別する覚悟を決めました…。
1980年代は女性の社会進出や地位の向上がテーマとなった時代で、ファッションにも男性と競うような大きめのサイズや肩パットを取り入れるスタイルが流行しました。
きっと、そんな時代に活躍した女性らは、悔しさのエネルギーを“来たるべき日のエネルギー”として蓄え、増幅させていたのでしょう。
それが、絶大なパワーを内に秘めた【neutron】…。
でも下はミニスカートで“美脚”を強調し、“別の野心”も疎かにしないのがこのファッションの素晴らしいトコロかもしれません?
「ニュートロン・ダンス」 VIDEO 最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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