「シー・ラヴズ・ユー」は1963年8月23日にイギリスで発売されたビートルズのデビュー4枚目のシングル曲で、B面は「I'll Get You」。 オリジナル・アルバムには入っておらず、ベスト盤『The Beatles / 1962-1966(赤盤)』や編集盤『PAST MASTERS VOLUME ONE』などに収録されています。 本曲のオリジナル2chマルチトラック・テープがモノ・ミキシングの後に破棄されたため「She Loves You」のリアル・ステレオ・ヴァージョンは存在しておらず、【stereo】と表記されているものは1966年12月のベスト盤『A Collection Of Beatles Oldies』発売の際にエンジニアのジェフ・エメリックがモノラル音源から作成した【疑似ステレオ】です。
イギリスでは発売前から予約が50万枚に達しただけでなく通算7週間No.1(Top3内も18週間)という異例のロングセラーとなり、166.7万枚を売って当時のシングル売り上げ最高記録を樹立しました。 (この記録は1977年にウイングスの「Mull Of Kintyre」に更新された)
一方アメリカではデビュー以来ビートルズの苦戦が続いており、それまで3枚のシングルは英『Parlophone』と同系列の大手・米『Capitol Records』に発売を断られ、マイナー・レーベル『Vee-Jay Records』からリリースするもイギリスで大ヒットした「Please Please Me」「From Me To You」さえチャート・インさせることができませんでした。 “悪しき前科”によって(?)、続く「She Loves You」は Capitol に断られ、Vee-Jay にも断られ、ようやくマイナー・レーベル『Swan Records』との契約を獲得し1963年9月16日の発売にこぎ着けますが、やはり全くヒットには至らず…。
ところが同年11月にイギリスで「抱きしめたい」がリリースされると状況は一変(アメリカでの発売はそれから1ヶ月後)、アメリカのラジオ局も進んでこれをオンエアすると、それが導火線となってアメリカ全土で“ビートルズ旋風”が巻き起こり、社会現象にまで発展します。 1964年2月1日に「抱きしめたい」が全米チャートを制する頃、大衆のビートルズへの飽くなき関心は過去の作品にも向かうこととなり、「She Loves You」もチャートを急上昇して同年3月21日に「抱きしめたい」から王座を奪う形で Billboard Hot 100のNo.1(2週/年間2位)に輝き、250万枚以上のセールスを記録しました。
1963年夏のイギリス・ツアー中の6月26日、訪問したイングランド北東部ニューカッスル(Newcastle upon Tyne)のツアーバスの中で歌を書き始め、その夜遅くまで数時間ホテルのツインベッドにジョンとポールが向かい合って座り、アコースティック・ギターを弾きながら作曲、後日リヴァプールにあるポールの家族の家で完成させました(後述)。
You think you've lost your love あの娘にフラれたと思っている? Well, I saw her yesterday でも昨日、彼女に会ったんだ
コメントを投稿