I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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「俺ならマイク・タイソンを倒せるぜ」DJ・ジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンス

2019.07.26

category : 1990年代

DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince - I Think I Can Beat Mike Tyson (1989年)

「俺ならマイク・タイソンを倒せるぜ」と叫ぶ男のビデオにマイク・タイソン本人が出演 ♪

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~概要~

「俺ならマイク・タイソンを倒せるぜ」はアメリカの人気ラップ/ヒップホップ・デュオ、DJ・ジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンス1989年の3rdアルバム『And in This Corner...』からの1stシングルで、 Billboard Hot 100の58位まで上昇した作品です。

ラップ (rap) というと80年代中ごろに Run-D.M.C.やビースティ・ボーイズなどのヒットが見られたものの、当時はまだジャンルとして確立されてはおらず、その後も拡がり続けたことから1989年に初めてグラミー賞に【Best Rap Performance】が創設され、その初代受賞者が彼らでした。
89 -92年にかけて彼らはグラミー以外でもアメリカン・ミュージック・アワードや MTV Video Music Awards の常連で、本曲も1990年にグラミーにノミネートされ、授賞式で楽しいパフォーマンスを披露しています。

元々DJジャジー・ジェフ(音楽を担当)は地元でも有名なテクニシャンで、とあるパーティーでザ・フレッシュ・プリンス(作詞/ラップを担当)と意気投合しデュオを結成しました。
すっかり人気者になったザ・フレッシュ・プリンスは90年ごろから俳優業にも進出し、1997年にはこんな映画にも出演…



そう、日本でも大ヒットした『メン・イン・ブラック』シリーズの【J】(ジェームズ・エドワーズ)、あのウィル・スミス(Will Smith)です!
今や数々の主演作が興行収入1億ドル超えを記録しハリウッドを代表するドル箱スターの一人であり、“本業”がすっかり移ってしまった感があるものの、ソロ歌手としても作品発表しており、今年出演したディズニーの実写版映画『アラジン』でも自ら歌唱しています。


「俺ならマイク・タイソンを倒せるぜ」は、当時37勝0敗の無敵の強さで王座に君臨していたボクシング・ヘビー級世界チャンピオン、マイク・タイソンを題材とした作品です。
今回、歌詞は和訳していませんがタイトルが示すとおりの物語で、軽いノリで挑んではみたものの“本物は悪夢なくらい強かった”…というお笑いネタになっています。
PVもそんな内容になっていて笑ってしまいますが、特筆すべきは本物のマイク・タイソンとプロモーターのドン・キングが出演していることで、この映像だけでもホンモノの迫力が伝わってくるでしょう。
映像ではタイソンに為す術もなくひねられてしまう彼ですが、ウィルは2001年の『ALI アリ』で伝説的なボクサー、モハメド・アリを演じアカデミー賞主演男優賞にノミネートされていますから、何事も一度くらい経験しておくのは無駄ではない…? 


 



~ "Iron" Mike Tyson ~

この世に“スター”と呼ばれる人は星の数あれど、ジャンルの枠を越えて世界の人々から広く注目を集める“巨星”は限られています。
1980年代であれば歌手のマイケル・ジャクソン、陸上100mのカール・ルイス、そしてボクシングのマイク・タイソン…

彼らに共通するのは、“素人が初見でわかるその凄さ”でしょう。
タイソンの場合体格が180cm/96-100kgと、ヘビー級(90.719kg以上)の中では小柄でありながら、巨漢ボクサーを吹き飛ばす強いパンチで次々と秒殺してゆくさまは、大人から子どもまで一瞬たりとも目を離せない、まさに“スリル”でした。
私は格闘技が好きで色々な選手を見てきましたが、全盛時のタイソンのような存在を未だ知りません。

1988年3月17日、東京ドームのこけら落としのイベントの一つとして設けられたのが3月21日のタイソンの世界戦であったことを、ご記憶の方も多いでしょう(対トニー・タッブス戦2R 2:54TKO勝ち)。
「俺ならマイク・タイソンを倒せるぜ」のリリースは1989年9月で、その直前までのタイソンの戦績は37戦37勝33KO無敗という驚異的なものであり、年齢も23歳という若さから、“マイク・タイソンを倒す”が“あり得ないジョーク”として成立するほどその強さが世間に認識されていた時代でした。


 


そんな風潮の中で迎えた次の第38戦、1990年2月11日の東京ドームでのジェームス・ダグラスとの一戦…
その結末に驚かれた方も多かったでしょう(10RKO負け)。
タイソンにしては長丁場で苦戦したのに加え、8Rにはダグラスから約13秒のダウンを奪ったにも拘わらずレフェリーが約4秒後れて数え始めたためダグラスがKOを免れ(ロングカウント事件)、10Rに逆転した後味の悪い試合でした。
しかし第36戦目のフランク・ブルーノ戦は5RKO勝利を収めるもののパンチを浴びてぐらつく場面が見られ、第37戦目のカール・ウイリアムス戦は1RKO勝利と盤石に見えたものの元世界チャンピオンの浜田剛史氏はその仕上がりに違和感を指摘するなど、かつてとは違う兆候が現れ始めており、“落日”は時間の問題だったのかもしれません。

タイソンの生い立ちはまさに『あしたのジョー』のようであり、その才能に惚れ込み、少年院出所後に身寄りのない彼の親代わり(法的保護者)となってボクシングの英才教育を施し、タイソンも“オレにとってオヤジ以上の存在”と信頼を寄せていたのが、名トレーナーのカス・ダマト氏でした。
しかしその彼はタイソンのデビュー後間もなく1985年11月に他界してしまい、その後彼のチームに支えられタイソンは破竹の勢いで快進撃を続けるものの、その中心的存在としてダマト氏に次ぐ信頼を寄せていたジム・ジェイコブス氏が1988年3月に急死すると完全に精神的支柱を失い、ここから“タイソンの暴走が始まった”と言われます。

それまでのトレーナーとマネージャーは解雇されチームは空中分解、周囲に金目当てのイエスマンだけが集まって練習は減り、体重は増え、自らが生命線としていた“スピードと瞬発力”を奪いました。
また、生前ダマト氏に“絶対に組んではいけない”と念を押されていたプロモーターのドン・キング氏と契約したのが第35戦の後、絶対的強さに陰りが見え始めたのが上記した第36戦…そして、“落日”は間もなく訪れました。
“落日”前夜、タイソンは対戦相手ダグラスを見くびり、ホテルに何人もの女性を連れ込んで“スパーリング”を楽しんだといわれますが、もはや本人の王者としての自覚は元より、彼の周りにはそれを案じ諫められる者がいなくなってしまっていたのです。

“驕る平家は久しからず”・・・


~ 時代が変われば、タイソンも変わる? ~



ここまで現役時代のマイク・タイソンについてお伝えしてきましたが、2019年5月に公開されたという彼の動画に、私は目を疑いました!
“泣く子も黙る”コワモテのタイソンが女性の髪と服をし、マニキュアまで塗って、おまけに声まで女性のように甲高いというのですから!!

一方、“彼女”の話し相手となっている人も全体は女性の姿ですが顔は見事なヒゲ面で、ヒップホップMCのスヌープ・ドッグのようにも見えます。
これはどういった“趣向”なのでしょうか…。




次の動画はどう見ても『セサミストリート』ですが、幼い男の子がタイソンそっくり
というか、アップした顔にはヒゲと、頬には彼の特徴的なタトゥーのような痕跡が!?
でも声は、かわいい幼児の声…。




最後はコチラ…
サスガに、これは“変”だとお気づきでしょう?

実は、3つの動画は全部“加工された映像”です。
つまり元の映像にタイソンの顔を加工処理していますが、状況と表情、発言と口の動きに違和感がなく自然でしょう?

これは AI(人工知能)の Deep Learning(深層学習)を用いて作成されたもので、既にこうした映像を作れるアプリまであるといいます。
凄い時代になったものです…。



~Epilogue~

…でもこれらの映像を見て、何か“胸騒ぎ”がしませんか?
だって、「タイソンは全くそれを実行していない」のに、「映像の中でタイソンは姿を変えていろんな発言」をしているのです。

この映像を見た瞬間、私は昔アニメ『シティーハンター』で覚えた“胸騒ぎ”が蘇りました。
それは、冴羽獠がボディーガードの仕事で女性を連れている所をテレビ局が「彼を陥れる目的で撮影」し、その「映像の獠の手にナイフを持たせ凶悪な人相に加工編集」して放送し、世論を誘導して「獠を誘拐犯に仕立て上げてしまった」のです。
当時の技術で現実に人を騙せるか疑念を抱いていましたが、今回の動画は危ない!


こうしたフェイク画像や動画は【ディープフェイク(deep fake)】と呼ばれ、既に欧米で大問題になっています。
タイソンの動画は「本人から遠い特性の人」を選んで合成してあるのですぐ異変に気づきますが、もしも「本人の顔、仕草、声、話し方で合成」されていたらどうでしょう?
下の動画は、その危険性を注意喚起するために BuzzFeed が制作した AI による「ディープフェイク」です(オバマ氏本人が実際に言ったものではなく合成映像で、声は俳優がモノマネしている)。


動画右下の【字幕 on/off】-【設定】-【字幕(2)】-【自動翻訳】-【日本語】で調節ください)


ディープフェイクは、間もなく日本でも拡がるでしょう。
それは、「発言していないことを言ったことに」して人を陥れ、本物の孫の映像を用いて「オレオレ詐欺」で脅迫し、「捏造した浮気動画」で家庭を崩壊させるかもしれません。
たとえフェイクであることが後で判明しても、失われた大切なものが元どおりになるとは限らないのです。

あなたも、この映像に含まれる“あらゆる悪意の可能性”を想像してみてください…。


最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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tags : 80's ラップ ダンス 楽しい 

コメント

今年は井岡や村田など日本人ボクサーが大活躍の年ですね。実は今年最後の洋楽記事はS&G「ボクサー」にする予定です。関連して「あしたのジョー」「ロッキーのテーマ」「アイオブザタイガー」も掲載です!
この週末は台風の動きに心落ち着かない週末でしたが、いよいよ梅雨明けで本格的な真夏の到来~!今年の梅雨は丸々1ケ月に渡って雨が降り続きましたね。でも今度は猛暑・熱中症対策にケアしていかなければなりません。直射日光を避けクーラーを効かせた水分補給など留意してまいりましょう!

2019.07.29  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

そうですね。
日本人にとって体格制限のないバレーや野球より
制限のあるボクシングの方が有利です。
何と言ってもタイソンみたいのと戦わなくていいですし。(笑)

私はこうなることはある程度予想してました。
梅雨からいきなり真夏になるのですから体に堪えますね。
日本一涼しい富士山にでも行きたいですが
そこまで行くのにどれだけ汗をかくか…。(汗)

2019.07.31  Beat Wolf  編集

カルチャークラブは80年代の象徴の一つですね。まだ一度も取り上げていませんが音楽性は結構高いものがあったような気がします。

2019.08.08  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

ビートルズは不良…
なんて言ってた時代が平和に思えるでしょう。
でもそのとおり、音楽はしっかりしていたのです。

2019.08.10  Beat Wolf  編集

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