I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

「ラ・イスラ・ボニータ~美しき島」マドンナ

2019.09.13

category : Madonna

Madonna - La Isla Bonita (1987年)

“ディスコ・クイーン”から一転、少し翳りのあるラテン・テイストのマドンナは如何?

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~ Lyrics ~

Writer(s): Madonna, Patrick Leonard, Bruce Gaitsch /訳:Beat Wolf

昨夜、サン・ペドロの夢を見た
一度も行ったことがないのに、知っていた歌
砂漠のような瞳を湛えた少女…
すべてが昨日のことのようで、遠い昔ではない

[Chorus]
そよ風の吹く熱帯の島
全てあるがままで、何ものにも支配されない自然
憧れの地
“La isla bonita(美しい島)”
人々はサンバを興じ
どこまでも高い太陽
耳に響き亘る鈴の音、目に焼きついた情景
あなたのスペインの子守唄

サン・ペドロに恋をした
海に運ばれた暖かい風が、彼の声を届ける
“Te dijo te amo(愛してる)”
そんな日々が続くよう祈るも、瞬く間に過ぎ去った

[Chorus]

[Bridge]
太陽が空をあたためるところで過ごしたい
シエスタには、たくさんの人が行き交う
美しい顔…憂いとは無縁の世界
少女が少年に恋し、少年が少女に恋する地

昨夜、サン・ペドロの夢を見た
すべてが昨日のことのようで、遠い昔ではない

[Chorus]




~ 概要 ~

「ラ・イスラ・ボニータ~美しき島」はマドンナ1986年の3rdアルバム『トゥルー・ブルー(True Blue)』からの5thシングルです。
1987年2月25日にリリースされ、本アルバムからのシングルとして5曲連続Top5入り(「Like a Virgin」から10曲連続)となるBillboard Hot 100の4位(年間58位)を記録しました。

本曲の作者はマドンナ、パトリック・レナード、Bruce Gaitsch の共作となっていますが、元々はパトリックの作品でした。
パトリックは1984年にジャクソンズ『VICTORY Tour』の音楽監督/キーボーディストを務め、翌年はマドンナの『The Virgin Tour』に参加、本作でプロデューサーの一人に抜擢された人です。
こうした縁からか、当初インストゥルメンタルの状態で本曲はマイケル・ジャクソンの『Bad』への提供を試みたものの採用されず、その後マドンナが気に入って歌詞を創作したとされます。
Bruce Gaitsch はリチャード・マークスの「Don't Mean Nothing」の共作者としても知られるギタリストで、付加的な部分に貢献があります。

「La Isla Bonita」は“美しい島”を意味するスペイン語で、歌詞中に幾つか使われているスペイン語のフレーズは Bruce Gaitsch によるようです。
マドンナはスペイン系ではありませんが、イタリア系の父とフランス系の母の血を引く“ラテン民族”の末裔であり、彼女は本作を“ラテン・アメリカの人々の美しさと神秘への賛辞”と語っています。
彼女はラテンの音楽が大好きで長年サルサとメレンゲを聴き、ジプシー・キングス(フランスのバンド;日本ではキリン淡麗〈生〉のCM曲「ボラーレ」が有名)を愛聴してきたそうで、本曲にもラテン音楽の楽器が取り入れられました。

「La Isla Bonita」は1987年の『Who's That Girl World Tour』以降、マドンナの殆んどのワールド・ツアーで演じられてきました。
日本では【三菱ビデオ・デッキ】CMや、1995年に浅野温子主演のドラマ『沙粧妙子 - 最後の事件 -』の挿入歌に使用されており、意外と認知度が高いかもしれません。


 
 



~ Story ~

Last night I dreamt of San Pedro
昨夜、サン・ペドロの夢を見た

本曲に登場する【San Pedro】について、どんなイメージを描いたでしょう…
もしかして、こんな感じ?

Madonna - La Isla Bonita

実は、サン・ペドロは世界中あらゆる所に存在するのですが、メキシコの南にベリーズ(Belize)という小国があり、そこにある【San Pedro Town】がインスピレーションの源であるとする説があります。
ただし、マドンナ本人は“サン・ペドロが何処かなんて知らない、スタジオへの高速の出口で見掛けたかも”と、言及しているそうです(ロサンゼルスにも【San Pedro Bay】がある)。


I fell in love with San Pedro
サン・ペドロに恋をした

…ん! 恋? 
当地への強い憧れを【fell in love】と表現したのか、それとも【San Pedro = 憧れの男性】なのか…
この辺りが、本作の趣深い所でしょう。

当時マドンナは俳優のショーン・ペンと新婚(1985年に結婚)で、アルバム『True Blue』は彼に捧げられたアルバムとされています。
実際にもショーンの父はスペイン系であり、【San Pedro】も“そうした意味”かもしれません。



~ Epilogue ~

1987年にMTVで20週連続“最もリクエストされたビデオ”となったPVも、興味深い作品です。
映像の中でマドンナは化粧っ気が無く“白いドレス”を身につけた女性と、真っ赤な口紅で“赤いドレス”に着飾った女性という、【正反対な2つの女性像】を演じています。
“白いドレス”の女性は路上で興じられるラテン音楽を窓から眺め涙を零し祭壇に祈りを捧げる一方、“赤いドレス”の女性は心の赴くまま踊り、路上に下りて衆人とダンスを興じるさまが印象的です。

Madonna - La Isla Bonita2

私には、この女性の実体は“白いドレス”の方で、“赤いドレス”の女性が彼女の内に秘めた熱情…肉体から抜け出た魂がそれを叶えているように映りました。
PVの舞台であろうラテン・アメリカはカトリック教徒が圧倒的に多く、同じくカトリックの家庭で生育したマドンナの、とりわけ幼少時の彼女自身の気持ちを【2つの女性像】として投影して表し、カトリック女性が内に秘めた心を代弁したのかもしれません。
カトリックは伝統性や戒律が厳しい上、特に女性は制約が多く、マドンナがそれをどう思ってきたかは、その概念に於ける“Madonna”というアイコンの“異端性”や、これまでの protestant(抗議者)のような彼女の言動をみれば想像できるでしょう。

とりわけ有名なのは1989年の「Like a Prayer」(過去ログ)で、【十字架を焼く】などPVに描かれた数々の映像は世界のカトリック教会に大きな衝撃を与えました。
またマドンナは今年、オーストラリアのテレビ局のインタビューでローマ教皇への謁見を望むとして、“神は女性についてどうお考えだと思いますか? 女性には自分の身体を自由に扱う権利があるという考えに、神は同意すると思いますか?”と訊きたいと発言しており、今もカトリックの女性に対する抑圧に疑問を抱いていることが窺えます。


All of nature wild and free
全てあるがままで、何ものにも支配されない自然
This is where I long to be
憧れの地

マドンナは、今も“美しい島”を求め旅を続けている…。



「ラ・イスラ・ボニータ~美しき島」

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
関連記事
スポンサーサイト



tags : 80's ダンス ラテン 哀愁 

コメント

マドンナさん、いつか記事特集をレポしなきゃと思いつつ50巻が過ぎてもまだ取り上げていないんですよね~。80年代の大物って何かRWは遠慮しちゃうんです。そろそろスタートさせねば・・、参考にさせてもらいます。

2019.09.16  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

それぞれ自分にあった記事を編集するということでいいと思います。
むしろローリングウエストさんのブログでマドンナをやったら
みなさんの方が驚かれるかもしれません。(笑)

2019.09.16  Beat Wolf  編集

一応、ヒット曲はそれなりに聞いてきたので決して無理しているわけじゃないんですけどね・・苦笑

2019.09.17  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

そうでしたか、これからもお互い頑張りましょう。(笑)

2019.09.18  Beat Wolf  編集

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 
PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf
ジャンルを問わず音楽が大好き♪


参加ランキング
最新記事

全タイトルを表示
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.