ヨーロッパなどで1997年6月に発売され大ヒットを遂げていた「Everybody (Backstreet's Back)」はこの時点で最新曲であったものの、ジャイヴ・レコード社長の“アメリカでの1stアルバムに【Backstreet's Back】というのは奇妙だ”との考えから当初US盤『Backstreet Boys』には含まれませんでした。 そのため、この時アメリカでリリースされたシングルはヨーロッパで前年ヒットした「Quit Playin' Games (With My Heart)」で、これがBSBにとって本国で初めての大ヒットとなります。
しかし隣国カナダの国境沿いから「Everybody (Backstreet's Back)」が伝わってくると本曲への要望が高まり、BSBのメンバーも本曲をUS盤『Backstreet Boys』に含めるよう社長に直訴(1998年の再発盤から本曲“extended version”が加えられた)、シングルもヨーロッパから9か月遅れた1998年3月に発売され、Billboard Hot 100で4位(年間22位)を記録しました。 この頃にはUS盤『Backstreet Boys』も凄まじい売れ行きで(これまで1400万枚以上といわれる)、この活躍によって1999年の第41回グラミー賞では【Best New Artist】にノミネートされています(受賞者はローリン・ヒル)。
1999年、日本では歴代ダンス・ミュージックの断片が組み込まれたようなモーニング娘。の「LOVEマシーン」が大ヒットしましたが、早速「エヴリバディ」も入っている…? 2013年の映画『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日(This Is the End)』では、劇中で「エヴリバディ」が使用されました… しかも、“BSBの本人出演”によって! コメディ・タッチなこの映画の出演で、彼らの“イメージが変わった”という方もおられるのでは?
~ “ハロウィン”な作品 ~
「エヴリバディ」はクール&ダークなテイストのダンス・ナンバーで、“ハロウィン”的な世界観を抱かせる楽曲ですが、それを増幅させているのがMVでしょう。 メンバーがそれぞれ狼男(ブライアン)やドラキュラ(ハウィー・D.)、ミイラ男(ニック)、オペラ座の怪人(A.J.)、ジキル博士とハイド(ケヴィン)という【original】で【the only one】なキャラクターに扮しています。 そんな“モンスターや多人数で踊る”さまは、きっと“何か”を連想させるでしょう。
メンバーにそうしたイメージのホラー映画のパロディ構想が浮かびますが「Thriller」のSFは50万ドル費やしたとされており、レーベル側は映像に多額のお金をつぎ込むのを反対したため、結局BSBが自分でお金を出し、成功したら費用などを払い戻してもらう形で制作されたそうです。 そうして完成した映像は1998年の『MTV Video Music Awards』で【Best Group Video】に輝くなど、高く評価されました。
~ As long as there'll be music ~
「エヴリバディ」は、【Everybody】に【Rock your body!(体を揺らそう)】を呼び掛けている作品です。 PVなどのバージョンではその目的について綴られてはいませんが、「7" Version」(最下の動画)や「Radio Edit」と呼ばれるバージョンの、サビへと繋ぐ【ブリッジ】部分にそれを窺わせる部分があります。
So, everybody, everywhere だからみんな、何処にあろうと Don't be afraid, don't have no fear 気弱になったり、恐れたりしないで I'm gonna tell the world, make it understand 世界に告げて、わからせてあげよう As long as there'll be music 音楽がある限り We'll be coming back again 僕らはきっと戻ってくる
音楽の中でも、とりわけ“(抑えきれない)強い感情”を伴ったものが【dance】のような気がします。 その感情の移ろいで、私が最も素敵に表されていると思うのがジーン・ケリーの「Singin' in the Rain」であり、今からもう67年も昔の作品でありながら、これは“究極の感情表現”といえるでしょう。
もちろん音楽やダンスは“受け身”として味わっても効果は得られますが、BSBも【Rock your body!】と呼び掛けているように、実際に“歌い”“体を揺らす”ことで本当の効果が得られるはずです。 “ダンスなんてできない…”とおっしゃる方は、ぜひ【カレ】を手本にしてみてください… なかなか上手でしょう?
~ Epilogue ~
バックストリート・ボーイズが『DNA WORLD TOUR - JAPAN 2019』で10/12、10/13、10/16と公演予定でしたが… 台風19号の接近に伴う悪天候が予想されるため、【10/12、10/13のさいたまスーパーアリーナ公演開催中止】が発表されました(10/16大阪公演は開催予定)。
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