~ Lyrics ~ Writer(s): Felix Bernard, Richard B. Smith /訳:Beat Wolf ソリの鈴の音が響いているよ… 耳を澄ましてごらん 小道に雪がきらめいて 素敵な眺め 今夜、二人は幸せ 冬のおとぎの国を歩いていると 青い鳥は行ってしまったけれど 今は新たな鳥がここに羽を休め 恋の歌を披露してくれる 二人一緒に 冬のおとぎの国を歩いていると * 草原で雪だるまを作ろう それをブラウン牧師に見立てるのさ きっと彼はしゃべり出す…“君たち結婚は?” そして二人は返事する…“いいえ牧師さん でも、きっとお役目を果たせるでしょう あなたが町におられるうちに” ** あとは二人、話し合おう 暖炉のそばを夢に描きながら 困難に恐れず立ち向かうため 二人で立てた計画 冬のおとぎの国を歩きながら * **~ 概要 ~ 「ウィンター・ワンダーランド」は
1934年に創作 されたアメリカの楽曲で、ASCAP(米国作曲家作詞家出版者協会)が2014年に発表した
【オールタイム・クリスマスソングTop30】で4位 にランクされ、日本では
「すてきな雪景色」 という邦題でも知られるクリスマス・スタンダードです。
カナダ出身の人気歌手
マイケル・ブーブレ は2011年の5thアルバム『クリスマス(Christmas)』で本曲をカバー、そのボーナストラックとして収録されました。
「Winter Wonderland」は作詞;リチャード・B・スミス(Richard B. Smith)/作曲;フェリックス・バーナード(Felix Bernard)が創作し、
リチャード・ヒンバー(Richard Himber)の楽団 とその専属歌手ジョーイ・ナッシュ(Joey Nash)の録音によって、1934年に初めて発表されました。
本曲は同年の Guy Lombardo や1946年の Johnny Mercerとヒットを重ね、特に1946年の
ペリー・コモ(Perry Como) ver.
は今日まで歌い継がれた数多くのカバーの原型となったであろう意味で重要な役割を果たしたといえるのでしょう。
VIDEO VIDEO その後ビング・クロスビーやディーン・マーティン、フランク・シナトラ、エルヴィス・プレスリーほか200組以上の歌手がカバーしたといわれますが、
女性ヴォーカル も負けてはいません。
お薦めは
エラ・フィッツジェラルド と
ドリー・パートン 、ユーリズミックスあたりで、男性ヴォーカルよりバラエティーに富んでいるところが魅力です。
しかしそれ以上の“傑作”と私が評するのは
ドリス・デイ(Doris Day) ver.(
最下の動画)で、1964年に『The Doris Day Christmas Album』で発表されました。
その
“うっとりする美しさ” は群を抜いており、今回マイケル・ブーブレとどちらをメインにするか迷った程ですが、作品本来の魅力である“ウキウキ感”に欠けるため、一歩譲ることとしました。
VIDEO VIDEO ハートウォーミングなテイストは
デュエット にも相性がよく、2012年に
マイケル・ブーブレもロッド・スチュワート と共演
しています。
また、「Winter Wonderland」の歌い手として知られる大御所
トニー・ベネットは2014年にレディー・ガガ と共演
、こちらも話題を呼びました。
VIDEO VIDEO ~ Story ~ Gone away is the bluebird 青い鳥は行ってしまったけれど Here to stay is a new bird 今は新たな鳥がここに羽を休め 【bluebird】は北アメリカに生息するスズメ目ツグミ科の
【ルリツグミ】 を表し、名前の如く鮮やかな青色とまさにラブ・ソングなかわいらしい囀(さえず)りが、人々に広く愛されている鳥です。
アリゾナ州など南部では年間を通して一定の場所に暮らす留鳥ですが、北部など寒い地方だと冬は南に渡ってしまいます。
本作では雪だるまを作れるほど降雪しているので、舞台は恐らくアメリカ北部でしょう。
そんな暖かいとはいえない地方に越冬のためやって来る“冬の使者”というと日本ではハクチョウが真っ先に思いつきますが、彼らの歌声に人間がラブ・ソングの趣きを感じるかというと…??
【a new bird】って、どんな鳥?
VIDEO In the meadow we can build a snowman 草原で雪だるまを作ろう Then pretend that he is Parson Brown それをブラウン牧師に見立てるのさ 雪だるまを作り、それを牧師に見立て結婚式…
まさに【Winter Wonderland】♪
ただ、同じパートで【When you're in town】という所は、少し説明を要するでしょう。
一般に牧師は[pastor]ですが、
【parson】 はギリシャ語[prósōpon(仮面)]⇒ラテン語[persōnam]⇒古フランス語[persone]⇒英語[person(人)/parson]と派生した古めかしい言葉で、
【教区牧師】 とも訳されます。
キリスト教は地域毎の【教区】を単位とし【教区教会】を拠点として宗教活動が行われますが、人口が少ない農村部の教区教会以外の
小さな教会では専任の牧師を置かず、巡回説教者が複数の教会を巡回して務めを果たすことがある そうで、本曲はそうした地方の事情が反映されていると考えられます。
~ Epilogue ~ 「Winter Wonderland」は、1934年に発表された作品。
作詞者のリチャード・B・スミス はアメリカ北東部ペンシルベニア州の生まれで、地元ホーンズデールにあるセントラルパークが雪に覆われた光景から、その着想を得たといわれています。
1930年に彼は28歳で結婚していますが、翌
31年に肺結核と診断 され同州のサナトリウムに入院、「Winter Wonderland」は
その療養中に書き上げられ ました。
34年に「Winter Wonderland」が発表されハリウッドでのライターの契約を得ていたものの
1935年 9月29日、自身の誕生日に
34歳の若さでこの世を去って います。
We're happy tonight 今夜、二人は幸せ Walking in a winter wonderland 冬のおとぎの国を歩いていると 「Winter Wonderland」は、そんな一人の男性によって書かれた詩。
雪の中を歩いたり、雪だるまを作ったり…
“素朴な季節の中に【wonderland】がある” ことを、彼は私たちに伝えたかったのかもしれません。
「ウィンター・ワンダーランド」ドリス・デイ VIDEO 最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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