I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「エリー・マイ・ラヴ~いとしのエリー」レイ・チャールズ

2019.12.28

category : Ray Charles

Ray Charles - Ellie My Love (1989年)

日本人が愛して止まないサザンの名曲を“ソウルの神様”レイ・チャールズが歌う…夢は叶う ♪

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~ Lyrics ~

Writer(s): Keisuke Kuwata, Rumiko Varnes, Pete Hawkins /訳:Beat Wolf

お前の心の痛みを何度も置き去りにした
背を向け、立ち去ったこともある
でも見つけようとして行き着くのは
この世界に幸せになれる場所などないということ
お前がそばにいないなら…
エリー 愛する人よ so sweet


心が離別を囁き
今はこんな遠く離れている
夜、お前を抱いて眠り
そして朝、目覚められたら
どんなにあたたかく、晴れやかだろう…
エリー 愛する人よ so sweet

**
俺のために微笑んでおくれ baby
永遠に忘れられない人 on my mind
俺とまた酌み交わしておくれ baby
今度こそ、きっとうまくいく
お前のような女は他にはいない
望むなら、何でもしよう
エリー 愛する人よ so sweet


**




~ 概要 ~

レイ・チャールズは1940年代からアメリカで活躍した盲目の黒人歌手/ピアニストで、ブラック・ミュージックを根底としながらもビートルズの「Eleanor Rigby」をカバーしたり、カントリー界の大御所ウィリー・ネルソンとデュエットするなど、あらゆる音楽に自身の“soul(魂)”を失うことなく調和させる類稀な表現力を持った音楽界の“レジェンド”です。
人種やジャンルを超えた幅広い人気を獲得し、ローリングストーン誌【100 Greatest Singers of All Time 2位】にも位置付けられています。

1985年の「We Are The World」では数ある大スターが居並ぶ中で“トリ”を務めたことでもわかるように、音楽界に於いてその存在は“別格”といえますが、当時日本ではマイケル・ジャクソンの方が圧倒的に知名度で優っていたでしょう。
そんな“ソウルの神様”が日本で最も脚光を浴びたのが、1989年でした。



これはサントリー・ウイスキー『ホワイト』のテレビCMで、ゼンマイ仕掛けの人形と共にレイ本人も出演するという豪華なものでした。
しかも彼が歌っていたのは日本人が愛して止まないサザンオールスターズの名曲「いとしのエリー」であったため、一躍話題となったことをご記憶の方も多いでしょう。

このカバーは「Ellie My Love(邦題;エリー・マイ・ラブ~いとしのエリー)」と題され、オリジナルの世界観に基づいた英語詞(作詞は Rumiko Varnes, Pete Hawkins )が添えられています。
何でも、CM依頼の際に候補曲を幾つか提示されレイが選んだのが「いとしのエリー」だったそうで、このサスガの“選曲耳”によって本曲は40.2万枚を売り上げオリコンチャートで3位(洋楽シングル・チャート17週連続No.1/同・年間No.1)を記録、彼にとって日本で最大のヒットなりました。


レイ・チャールズとクインシー・ジョーンズが長年の友人であることは知られていますが、本曲のプロデュースはマイケル・ジャクソンの『Thriller』でホーン・アレンジを務めたクインシーの片腕ジェリー・ヘイ(Jerry Hey)が担当しています。
演奏の殆どはジェリーの指揮によってL.A.で録音され、レイのヴォーカルだけジョン・レノンが死の直前にレコーディングしたニューヨークのスタジオが使用されました。

ライナーによると、レイがどのように「いとしのエリー」を英語で歌うのか、スタッフはレコーディング当日まで彼の歌を聴かされていなかったようで、既にほかの録音を完了させていたことと相まって(?)、レイがピアノと共に何度か試みるたびオリジナルからどんどん変わってゆくその創作過程は、彼らにとって“緊張とスリル溢れる時間の流れ”だったそうです。
しかし気が付くとそれが“摩天楼に稲妻が走っていた”といいますから、そこにはレイ・チャールズにしか見えない明らかな道があったのでしょう。



~ 「いとしのエリー」サザンオールスターズ ~

「いとしのエリー」は、1979年3月25日に発売されたサザンオールスターズの3枚目のシングル。
当初3rdシングルは、彼らを一躍ブレイクへと導いた「勝手にシンドバッド」と同じ路線の「思い過ごしも恋のうち」が予定されていましたが、桑田佳祐の強い希望で路線の全く違う「いとしのエリー」が選曲されました。
この選択は大正解で、本曲は「勝手にシンドバッド」を上回るオリコン週間2位(1979年度年間11位)、人気音楽番組『ザ・ベストテン』で7週連続1位(1979年度年間2位)を記録しています。

1983年にはドラマ『ふぞろいの林檎たち』の主題歌に採用され、これがパートIV(1997年)まで長期に亘ってずっと主題歌として使用され続けたことは、本曲を幅広い世代に浸透させた一因といえるでしょう。
こうした人気の持続によりシングルは1979年を含めこれまで計5回発売され、2008年までに72.8万枚のセールスを記録、これはサザンの中で10番目の数字です。


また、タイトルにも掲げられた【エリー】については複数の説があり、一つは“エリック・クラプトン”から取ったというもの、もう一つは桑田佳祐の姉“えり子”さんに因んでいるとするもの。
こうした類いは誰かの推論に基づく都市伝説であることが少なくありませんが、本件については根も葉もあり、何れも桑田佳祐自身の発言が根拠となっています。
これについて当の本人はラジオ番組で“どちらの説も当時のインタビュー等で適当に語ったもの”と釈明した上で、“【エリー】という言葉の響きの良さから決めたのが真相”と言及したそうです。






~ Epilogue ~

「いとしのエリー」のエピソードというと、ファンの方は本曲が当時まだ恋人だった原由子へ捧げた作品であることをご存じでしょう。
彼女を【泣かした】事に対する、“ごめんなさい”の気持ちを込めて書かれたものであると…。

しかし歌詞から伝わる趣旨は「別れても好きな人」であり、男性が精一杯の想いの丈を込めてはいるものの、それによる明るい未来が示されているわけではなく、ど真ん中“失恋ソング”に見えます。
ただ、これをきっかけに桑田佳祐と原由子が幸せな結婚を遂げているため、現実が物語を補完して“ハッピーエンド”の未来を抱かせ、一般的な「いとしのエリー」のイメージを構築したといえるのでしょう。


There were times I left your heart in pain
お前の心の痛みを何度も置き去りにした
Time again I've turned and walked away
背を向け、立ち去ったこともある

一方、レイ・チャールズの「Ellie My Love」は、より具体的です。
英語詞がどんな背景で書かれたかは不明ですが、彼が何故この曲を選んだのか…
彼の伝記映画『Ray/レイ』をご覧になった方なら、思い当たるのではないでしょうか?


泣かした事もある 冷たくしてもなお
よりそう気持ちがあればいいのさ


オリジナルのサザンver.には【泣かした事】について具体的な言及はありませんが、原由子 著『娘心にブルースを』によると、それはまさに上の「Ellie My Love」のフレーズのような出来事でした。
二人はデビュー前から漠然とした将来の結婚の約束を交わした間柄でしたがある夜、彼が“好きな人ができた”と別れを切り出したのです。
彼女は了承するも涙が止まらず、彼も泣いて最後に握手をして別れました。

“…大丈夫か?” “うん…大丈夫だから、元気出して”

しかし帰宅後も彼から何度も電話があり、一晩じゅう涙と共にそんな遣り取りをしていたようです。
夜が明け、仕事で迎えに来た瞼がパンパンに腫れ上がった彼は、彼女に言いました。

“結婚しよう!ずっと一緒にいよう!”

その想いの中で書き上げ、数日後の電話で初めて彼女に聴かせたのが「いとしのエリー」でした。
“あの夜”、彼は彼女との絆を断ち切ろうとして断ち切ることができませんでした。
そして、身を切るような思いをしてようやく気づいたのでしょう。
彼女の彼に対する深い愛と、自らの彼女に対する愛の強さ…

“よりそう気持ち”の大切さを。



「エリー・マイ・ラヴ~いとしのエリー」

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
スポンサーサイト



tags : 80's ソウル バラード 男の恋 CM曲 偉大な歌手 

コメント

初聴きです♪

最初からまるでレイの曲だったかのような馴染み具合!オドロキです♪聴かせてくれますねえ…!

2019.12.29  畑かぶら  編集

Re: 初聴きです♪

初めてでしたか。
当時CMで使用され、とても印象に残っています。
追記でご紹介しますね♪

2019.12.29  Beat Wolf  編集

こんばんはビ-トさん

懐かしかですね

まだまだ元気そうなレイ・チャールズ久しぶりに

見ましたね

すごく話題に登ったので

よく覚えてますよ

名曲はどこの国に行っても

訴えるものがあるのでしょうね

ビ-トさん、今年も沢山ありがとうございました!

来年も宜しくおねがいします。

良いお年をお迎えください。

2019.12.30  たまごバナナ  編集

たまごバナナさん

遅くなって申し訳ありません。

懐かしいでしょう。
この曲はサザンの曲だし
CMで流れたので有名ですね。

この曲は名曲ですが歌いやすかったと思います。
声も結構近いですし。

こちらこそありがとうございました。
たまごバナナさんも良いお年をお迎えください。

2020.01.01  Beat Wolf  編集

ビ-トさん、あけましておめでとうございます!

いつもご訪問ありがとうございます

良い一年になりますようにと願っております。

今年も宜しくおねがいします!

2020.01.03  たまごバナナ  編集

たまごバナナさん

あけましておめでとうございます。
こちらこそ旧年中はお世話になりました。
今年もよろしくおねがいいたします。

2020.01.03  Beat Wolf  編集

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 
PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf
ジャンルを問わず音楽が大好き♪


参加ランキング
最新記事

全タイトルを表示
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.