I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「フィールズ・オブ・ゴールド」スティング

2020.05.25

category : Sting & The Police

Sting - Fields Of Gold (1993年)

多くのミュージシャンがカバーし、ポール・マッカートニーをも嫉妬させたスティングの名曲 ♪



~ Lyrics ~

Writer(s): Sting /訳:Beat Wolf

きっと君は僕を思い出す
西風があの大麦畑を撫でるとき
きっと君は忘れ去るだろう…
嫉妬深い空に浮かぶ、あの太陽のことを
二人が黄金色の世界を歩むとき


彼女は恋人と連れ立った
あの大麦畑を眺めるために
彼女は彼の腕の中に落ち
その髪も解(ほど)けた
黄金色の畑に包まれて

僕と、ずっと一緒にいてくれる? 
恋人でいておくれ
あの大麦畑に包まれて
きっと忘れ去るだろう…
嫉妬深い空に浮かぶ、あの太陽のことを
二人で一面の黄金色に寝そべっていると

あの大麦畑を撫でる西風をごらん
まるで、恋人がそうしているかのようだ
唇にキスをすると
彼女の身体は、舞い上がるよう
黄金色の畑に包まれて

[Bridge]
僕は軽い約束を結んだことなどなかった
だけど、破ったことは幾つかある
だから残された日々に誓おう
二人で黄金色の世界を歩み続けると…

大麦畑に包まれた
あの夏の日々から長い歳月が過ぎ
ほら、子どもたちが
陽が沈む中を駆け回っている
黄金色の畑に包まれて


きっと君は僕を思い出す
西風があの大麦畑を撫でるとき
嫉妬深い空に浮かぶ、あの太陽に話すといい
二人が黄金色の世界を歩んだことを

二人が黄金色の世界を歩んだことを…




~ 概要 ~

「フィールズ・オブ・ゴールド」はスティング1993年の4thソロ・アルバム『テン・サマナーズ・テイルズ (Ten Summoner's Tales)』からの2ndシングルで、 Billboard Hot 100 の23位(年間87位)を記録しました(英国では3rdシングルで16位)。
内省的なコンセプト・アルバムとして高い評価を得た前作『The Soul Cages』に対し、それと対照的で明るく聴き易い本アルバムはエリック・クラプトンとのコラボ曲で映画『リーサル・ウェポン3』のサウンドトラック「It's Probably Me」の話題性や、映画『レオン』の「Shape of my Heart」(過去ログ)、そして「Fields Of Gold」というオールタイムを代表する名曲が1枚に収まっている、人気の高い作品です。

スティングは1990年にイングランド南部のウィルトシャーにある1578年に建てられたエリザベス朝のカントリー・ハウス『Lake House』を購入し家族と共に移り住みましたが、本アルバムはその自宅で録音され、そこでの情景から着想を得て創作されたのが「Fields Of Gold」でした。
今年ローリングストーン誌はミュージシャンが自宅で演奏する映像シリーズ『In My Room』を配信、スティングによる「Message In a Bottle / Fragile / Englishman In New York」はこの Lake House からの映像)

Sting - Fields Of Gold Lake House

PVはポリスの名作「Every Breath You Take」(過去ログ)をはじめ、スティングのビデオを数多く手掛けたゴドレイ&クレーム(Godley & Creme)のケヴィン・ゴドレイ(Kevin Godley)が監督を務めました。
映像はスティングのシルエットが“静寂な夜の町”を歩いて移動するもので、そのシルエットの内側は“賑やかな日中の町”が映し出されています。
よく見るとシルエットの内側と外側は動作と移る景色が同期して編集されており、これにはモーション・コントロール・カメラという映画のSFXなどに用いられる機材によるものだそうです。
(※映像は歌詞を反映していない)


「Fields Of Gold」はスティングの代表曲に数えられる名曲であり、彼の穏やかな歌声はまさに作品の本質を十二分に表し、誰が歌ってもこれに及ぶものなどあろうはずがない…
しかし、そう言い切ってしまうのを躊躇うほどのカバーが世に存在します。
その人の名はアメリカの女性歌手、エヴァ・キャシディ(Eva Cassidy)

エヴァは1996年5月に『Live at Blues Alley』で「Fields Of Gold」をカバーしていますが、同年11月に33歳の若さでこの世を去っています。
同年7月には癌が骨や肺に拡がり余命3~5か月と診断されていたそうですから、この曲を選曲する時点で“何かの予感”が影響を及ぼしていたかもしれません。

エヴァの「Fields Of Gold」は男性であるスティングとはテイストが異なるものの(歌詞も一部異なる)、その“透明感ある歌声”は時間の概念を忘れさせるほどの美しさがあります。
彼女のバージョンは2002年のソルトレークシティ・オリンピックのフィギュアスケートでミシェル・クワン選手がエキシビジョンでを使用するなど、女性から絶大な人気がありケルティック・ウーマンやケイティ・メルアなど多くの女性歌手がカバーしてきました。

もしこの曲がお好きでエヴァver.が未聴であるなら、ぜひご一聴ください。


 
 



~ Story ~

You'll remember me when the west wind moves
きっと君は僕を思い出す
Upon the fields of barley
西風があの大麦畑を撫でるとき

出だしのフレーズだけで、“素敵なストーリー”を予感させるでしょう?
個人的には、PVでこの世界観を再現して欲しかったのですが…
そこで今回、このイメージに近い映像を探してみました♪

このやさしいゆらめきが心を解きほぐし、時間を忘れさせるようです。
でもニャンコがこれを見たら、どんな反応をするのだろう…? 




You can tell the sun in his jealous sky
嫉妬深い空に浮かぶ、あの太陽に話すといい

一方、スティングらしいのは謎めいたフレーズ。

タイトルにもなっている【fields of gold】や【the fields of barley】が歌詞中で繰り返されるのは直感的に理解できますが、この【the sun in his jealous sky】が“何か意味ありげ”です。
歌詞を読む限り“二人は【the sun】を忘れたい”ような印象で、しかも【his jealous sky】も太陽と感情的な繋がりがあると仮定すると、これも二人の“忘れたい”に何らかの影響を及ぼしている可能性もあるのかもしれません。


When we walked in fields of gold
二人が黄金色の世界を歩んだことを

また歌詞全体を読むと、物語が二人の人生を時系列で綴っていることがわかるはずです。
そして最後の一行は【we walked】と、“過去形”で締めくくられています。
「Fields Of Gold」は本来やさしいラブ・ソングですが、自らの死期を察知していたであろうエヴァ・キャシディは、その歌にどんな想い込めたのでしょう…。



~ Epilogue ~

あの曲が好きで、僕があれを作るべきだった。何で彼なんだ!

スティングの「Fields Of Gold」は、『ポピュラー音楽史上最も成功した作曲家』としてギネス・ブックに掲載されるポール・マッカートニーをも、悔しがらせました。
(2018年、『LIPA』でのQ&Aセッションに答えて)

一方、これを聞きつけたスティングは“ポールの曲の中には、僕が作ったらよかったのにって思うものがかなりある。一生の借りがある人からそんなことを言われるなんて、すごく特別だ。ありがとう、ポール”とつぶやいたそうです。
でもポールの言葉はお世辞ではなく、本当にそう思い自らも試みようとした節があります。
彼が1997年に発表した曲の一節…

Bend, little willow
Wind's going to blow you hard and cold tonight
...”

(※ 【willow】は[ヤナギ])




See the west wind move like a lover so
あの大麦畑を撫でる西風をごらん
Upon the fields of barley
まるで、恋人がそうしているかのようだ

また、スティングは作品の着想について次のように語っています。

イングランドの僕らの家は大麦畑に囲まれていて、夏にはそのきらめく表面の上を風が移り、金色の海の波のようでうっとりするんだ。それは何か原始的で本質的な性の営みのようで、まるで風が大麦を愛撫しているかのような光景だった。そして確信した。恋人たちはここで約束を交わし、心を癒す季節の移ろいにより絆を深めただろうって…”

幸福とは、それに“気づく”ことから始まるものかもしれません。



「フィールズ・オブ・ゴールド」

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
関連記事
スポンサーサイト



tags : 1993年 AC 優しい愛 癒やし 

コメント

この曲は実に素晴らしいですよね。心が落ち着きます。世界で最も独特で影響力ある彼のソロ時代はまだ一度も書いていないんですよ。ポリス前編なでなので、後編を書き切ってスティングのソロ時代の名曲をチョイスしなくっちゃ!気付きありがとうございます。

2020.05.26  ローリングウエスト  編集

スティングにしかない魅力ってありますね…!

タイトルを忘れたのですが、何かのドラマ(アメリカの?)に使われていたスティングの曲、私の中ではかなり上位です…!年を重ねても益々才能あふれるダンディなアーティストですね♪

2020.05.26  畑かぶら  編集

スティングに続きエヴァ

聴き終えたら、次にエヴァが歌う"フィールド..."
思わず続けて聴いてしまいました。
彼女の声を聴きながら歌詞を読むと、癌で亡くなった
彼女の声が切なく聞こえて来ました。
良い訳だけに...
有難う御座いました。

2020.05.26  コタパパ  編集

ローリングウエストさん

そうですね。
スティングもそう思って作ったと思います。
元来ポリスのファンにとってソロ時代は微妙だと思いますが
この頃にはファンも成熟して素直に受け入れられたかもしれません。
あと、圧倒的に女性の人気が高いですね。

2020.05.26  Beat Wolf  編集

Re: スティングにしかない魅力ってありますね…!

映画などへの楽曲提供も多いし
このルックスですから自らの出演も多いですね。
私も若い頃、ロックスターが60とか70まで現役でいるなんて
想像もしませんでしたが、彼は今もダンディでちゃんと現役です♪

2020.05.26  Beat Wolf  編集

Re: スティングに続きエヴァ

スティングもいいですが
この曲といえば、彼女も忘れられません。
もちろんこの曲は彼女のために作られたわけではありませんが
彼女のために作られたと錯覚するほど素晴らしいですね。
その儚さからミニー・リパートンを思い出させます。

2020.05.26  Beat Wolf  編集

こんにちは。

今こちらでは麦畑が黄金色に輝いています。光の関係かも知れませんが麦わらはすごく透明感があるんですね。そして風が吹くと風が見えるんです。ですからこの曲も丁度今頃(春から夏へと変わるころ)の景色なんですね。
スティングはwikipediaでみたら生まれたのはイギリスはスコットランドです。きっと比喩やおとぎ話といった物語とともに育ったのかもしれません。意味も知らずに聴いていたレッドツェッペリンの「移民の歌」なんかも確かにイギリスの詩でした。

2020.05.29  忠      編集

忠さん

そちらは産地でしたか。
黄金色というと稲作だと秋のイメージですが
麦はこれからですね。

なんといってもハリー・ポッターの国ですから
子どものころからファンタジーで育っているでしょう。
「移民の歌」を聴いてそんな要素があるとは思いませんよね?(笑)

2020.05.29  Beat Wolf  編集

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 
PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf
ジャンルを問わず音楽が大好き♪


参加ランキング
最新記事

全タイトルを表示
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.