I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

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「渚の誓い」エア・サプライ

2020.07.14

category : Air Supply

Air Supply - Making love out of nothing at all (1983年)

80年代の“夏”と言えばサザンにチューブに、エア・サプライ!清涼感ある歌声をどうぞ ♪

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~ Lyrics ~

Writer(s): Jim Steinman /訳:Beat Wolf

どう囁けばよいか 
どう泣き叫べばよいか、知っている
どこで答えが見つかり
どう欺けばよいかも、知っている

どう見せかければよいか
どう企てればよいか、知っている
いつ真実と向き合い
いつ夢をみるべきかかも、知っている

君のどこへ触れればよいか
何を明らかにすればよいか、知っている
いつ君を引き寄せ
いつ解き放てばよいかも、知っている


そして夜は次第に褪せ
時は矢のように過ぎ去ることを、知っている
だけど伝えるべきすべて、僕は君に告げたりしない
試みるべきと、わかっていても…

富へと続く道も
名声を得る術も、知っている
すべてのルールも、それを破る手だても
そして、僕は最も大切なことを心にいつも刻んでいる


だけど…どうすれば君から離れられるか、僕にはわからない
決して君をがっかりさせたりしない
だけど…どうすればそんな風に振舞えるか、君がわからない
無から愛を生み出すなんて…

(Making love) out of nothing at all...


君を見るたび
すべて太陽の光は、その髪に波となって流れ込み
すべて夜空の星は、その瞳に狙いを定め照らし出す
まるで、スポットライトのように

ドラムのように高鳴るこの胸の鼓動は
我を失い、君のリズムを追い求めている
君は、夜の地獄から暗闇を取り除き
果てなく輝き、燃え続けるかがり火へと変えてくれる

そうさ…僕はそれを追い続けなければならない
すべてはそれに起こり、君に捧げるまで無であり続ける

僕なら、走者をよろめかすことができる
ファイナル・ブロックを決め
ホイッスルの音と共にタックルし
スタジアムを揺るがすことができる
そして、この夜を永遠にすることも
夜明けまでに憂いを消し去り
それまでの約束をすべて果たし
君を脅かす悪魔をすべて追い払うことだってできる


だけど、君無しではそれが何一つ描けはしない
君は、僕が這いつくばるのを見たい?
僕は君のようにはできそうにない
無から愛を生み出すなんて…

(Making love) out of nothing at all...




~ 概要 ~

「渚の誓い」はオーストラリアのソフトロック・バンド、エア・サプライ1983年のベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ(Greatest Hits)』 に収録された新曲で、Billboard Hot 100 で3週間2位(年間66位)を記録したバラード曲です。
本アルバムのオリジナルは本曲を含め全9曲であるのに対し、日本盤は沢田研二・多岐川裕美主演1981年のドラマ『いつか黄昏の街で』主題歌として独自のヒットを記録した佳曲「あなたのいない朝(I'll Never Get Enough Of You)」(過去ログ)と、「Making love out of nothing at all」のシングルB面にもカップリングされたロック・ナンバー「Late Again (Live ver.) 」の2曲を加えた全11曲が編集されました。


「渚の誓い」の作者は、現在までに全世界で史上3位のセールスを挙げているミートローフのアルバム『地獄のロック・ライダー』の全曲を作曲したアメリカの作詞家/作曲家/プロデューサーとして有名なジム・スタインマン
ただし本曲はエア・サプライのために作曲された楽曲ではなく、元々は1980年のドラマ『A Small Circle of Friends』のために書き下ろされたメインタイトル(インストゥルメンタル)でした。
ジムは本曲と「Total Eclipse of the Heart」をミートローフのアルバム『Midnight at the Lost and Found』(1983)に提供するつもりでしたが、ミートローフのレコード会社がジムへの楽曲使用料の支払いを拒否したため本曲はエア・サプライに、「Total Eclipse of the Heart(愛のかげり)」はボニー・タイラーへと提供されました。
皮肉にも「愛のかげり」は全米4週No.1/「渚の誓い」も3週間2位という共に大ヒットを遂げることになりますが、「渚の誓い」のNo.1を阻んでいたのが「愛のかげり」だったというのも、奇遇と言うほかありません。

エア・サプライのファンが「渚の誓い」を聴いてまず“おやっ?”感じたのは、“ドラマティックなバック・コーラス”でしょう。
これは当時ジム・スタインマンが作曲/プロデュースを務めたボニー・タイラー「ヒーロー」やバリー・マニロウ「涙のラストレター」といった作品群に共通するもので、“ドラマティック/大仰”と好みが分かれるかもしれません。

サウンド面でいうと当時エア・サプライはサポート・ミュージシャンの編成を大幅に再編しており、ブルース・スプリングスティーンのEストリート・バンドのメンバーとして知られるロイ・ビタン(key)やマックス・ワインバーグ(dr)、そして「渚の誓い」の中間部でギター・ソロを演じているのは、マイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」で有名なギター・ソロを弾いたエドワード・ヴァン・ヘイレン…
ではなく、そのパロディであるアル・ヤンコビック「今夜もイート・イット」(過去ログ)でそのギター・ソロを演じたギタリストのリック・デリンジャーで、それまでのエア・サプライに比べかなりロック色が強くなっているといえます。


「渚の誓い」は1983年10月から古谷一行・古手川祐子・小川知子出演のドラマ『さよならを教えて』の主題歌として話題を呼んだので、ご記憶の方もあるでしょう。

また「愛のかげり」でジム・スタインマンの作品との相性の良さを証明したボニー・タイラーは、1995年にジムのプロデュースにより「Making Love (Out Of Nothing At All)」のタイトルでカバーし、全英45位を記録しました。
ピアノ前奏により導かれるのはエア・サプライと同様ですが、ボニーver.はここでオペラ『蝶々夫人』のアリア「Un bel dì vedremo」を併用して趣きを加えています。


 
 



~ Story ~

I know just how to whisper
どう囁けばよいか
And I know just how to cry
どう泣き叫べばよいか、知っている

“これでもか”というぐらい、繰り返される同じ形式のフレーズ…
「愛のかげり」をご存じの方は、きっとその共通点を思い浮かべるでしょう。
ジョン・レノンが、「Love」や「Nobody Told Me」(過去ログ)など好んで用いた手法です。

「渚の誓い」で主人公がそれほど繰り返し訴えているのは、【you】のことなら“何でも知っている”し“何でもできる”、ということ。
それは、人が“魔法”と呼ぶものです。
でも、魔法が【スタジアムを揺るがす】ほどの力を与えるなら、受験のためにそれを後回しにするなんて勿体ない? 


But I don't know how to leave you
だけど…どうすれば君から離れられるか、僕にはわからない
And I'll never let you fall
決して君をがっかりさせたりしない

そんな彼にも、“わからない”ことが!
魔法にかかった彼にとってこの“わからない”は“幸せなこと”のはずなのに、メロディは急に“しんみり”と…。
ここが、“詞+メロディ”で表される【歌】がメロディを伴わない【詩】に勝る面白さでしょう。

多くの歌は“楽しい詞+楽しいメロディ”など同じ感情を二段重ねすることで効果を倍増させますが、敢えて“幸せな詞+悲しいメロディ”のような矛盾を合わせることによって、“内在する相反の要素”を表すことができます。
たとえここでそれに気づかなくても、最後の同じフレーズで作用を及ぼしている“彼の事情”を察知できるでしょう。



~ Epilogue ~

from nothing, nothing comes
無からは何も生じない


この言葉は哲学の一分野である形而上学、また科学の一領域である宇宙論などで、主に世界の存在の起源や根拠について議論する際に使用される概念です。
【無(nothing)】は“何も存在しない”ことであり、“無から有が生じることはあり得ない”という意味で用いられます。


Making love out of nothing at all
無から愛を作り出す

「渚の誓い」の、“最大の謎”でしょう。
【love】という人間の『精神活動』は、それを感じる誰か(送り手)と、その感情の対象(受け手)の両方が存在して(または『出逢って』)初めて成立し得るものであり、何れかが無であれば愛は生じないはずです。
(ただし故人など、対象が現在は実在せずとも送り手の心の中に存在し続けている場合は【無】とはならず、【love】は成立し得る)

Making love out of nothing at all
無(主人公のいない)から愛を作り出す

個人的には、このように解釈しています。
興味深いのは「渚の誓い」には『2つのMV』が存在することで、共に『二人の葛藤』が描かれていますが、それぞれ異なる結末が用意されているので比較してみるのも一興でしょう。
(ちなみに、『記事冒頭のMV』でグラハム・ラッセルの恋人役を演じているのは実の恋人(1986年に結婚)です!)



「渚の誓い」

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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tags : 80's AOR せつない愛 ドラマ 清涼感 美声 

コメント

まさにこの年代のAORですね♪

個人的には夏を代表するアーティストはそれほど好みじゃないのですが^^;、エアサプライの爽やかさは好感が持てます☆梅雨ももうすぐ明けて本格的な暑さが到来しそうですね…!

2020.07.15  畑かぶら  編集

Re: まさにこの年代のAORですね♪

そうですね。
「夏を代表するアーティスト」というと「熱い」も少なくありませんから。
AORは「秋」が似合う曲が多いので、感じが違いますね。
なので「AORで夏っぽい」エアサプライは貴重だと思います。
個人的にはエアサプライのような夏を希望ですが
畑かぶらさんも熱中症・感染などお気をつけくださいね。

2020.07.15  Beat Wolf  編集

Air Supply 好きです!!

こんにちは。

おやっ。変だなあ~。
昨日この記事にコメントしたと思ったのですが、残っていませんね。どうしてでしょうか?

悩んでもしょうがないので、もう一度コメントを書きます。

Air Supply ですね。
Lost in Love の大ヒットが印象に残っていますね。

ラッセル・ヒッチコックのハイトーンボイスが耳に残っていますね。

≫1980年リリースした「ロスト・イン・ラヴ」が全米第3位といきなりのブレイク。その後「オール・アウト・オブ・ラヴ」(第2位)「シーサイド・ラヴ」(第1位)など、7曲連続のトップ5ヒットを放ちました。

何だか、Air Supply のベスト盤を聴きたくなりましたね。

好きなAORグループの一つです。
清涼感のある爽やかな曲が多くて大好きですね。


2020.07.16  トリトン    編集

Re: Air Supply 好きです!!

拍手でコメントされたからです。
拍手コメントを見るにはもう一度拍手を押してくださいね。

この曲はそのあと最後のトップ5でした。
この曲が入ったベスト盤は当時私の愛聴盤でした。
この季節になると毎年聴きたくなるので
たまにこうして特集しています。

2020.07.16  Beat Wolf  編集

「ペパーミントサウンド」と称され、当時席巻していたAORブームの旗手を担っていた「エアサプライ」!爽やかな海のイメージに彩られた数々のヒット曲は一時夢中でした。中年オヤジが青春真っ盛りの純愛歌を称賛するのは背中がムズ痒くなりますが、当時はまだ20歳前半だったので素晴らしいバラード曲の数々に一挙魅せられてしまいました。でも2~3nd盤あたりになるともう耳触りのいい曲ばかりでもう食傷気味・・、全て同じ音楽に聴こえて完全に飽きてしまいました。当時席巻していたデビッドフォスター風のAOR曲(シカゴ、TOTO等)とゴッチャになり区別がついていなかったなあ・・。

2020.07.23  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

なんだかんだ言って音楽は商売ですから。
レコード会社は売れる見込みがあるから契約してくれるし
ミュージシャンは契約金に見合った利益をレコード会社に提供する責務があります。
歴史が証明するように音楽は流行によって盛衰が左右されるものであり
プログレやディスコ、HRもその例外ではなく、流行が過ぎれば衰退します。

結局私たちは自分の若い頃に流行した音楽から抜け出せないのかもしれませんね。

2020.07.23  Beat Wolf  編集

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