~ Lyrics ~ Writer(s): Annie Lennox, David A. Stewart and Pat Seymour /訳:Beat Wolf 夢がその瞳に火を灯し 眠りの亡霊があなたを遠くへ吹き飛ばした 月は青白く翳(かげ)り そして、あなたは遥か彼方… 息遣いは、迂闊(うかつ)なあなたを 人生のカオスに困惑しない思考へと変え もう一日、また一夜が 愛しいあなたを、また連れて行ってしまった そして、あなたは知っている あなたが誰か頼りを必要とする時 私が、そこにいる“その人”となるつもりであることを 明日が来れば だから、明日まで待っていて… 昨夜、あなたがこの腕の中で眠っている間 私は、あなたが何処にいるのか想い巡らせていた あなたは、まるで… この危険な世界で熟睡する赤子のよう 空は、どの星も朗らかに輝き 百万年の悠久を伝えているかのよう 私たちは、どれほど小さな存在であろう… この広い宇宙の下で そして、あなたは知っている あなたが誰か頼りを必要とする時 私が、そこにいる“その人”となるつもりであることを When tomorrow comes Wait till tomorrow comes, yea yea... 明日まで待ちきれない, baby どうか明日まで待っていて 明日になれば、きっと私はあなたと一緒…~ 概要 ~ ユーリズミックスは
アニー・レノックス と
デイヴ・スチュワート によるイギリスのポップ・デュオで、1983年に2ndアルバムから「スイート・ドリームス」の大ヒットによりブレイクを果たし、80年代に数々のヒットを輩出しました(
過去ログ
「恋をあなたに」アニー・レノックス&アル・グリーン )。
活動停止後も彼らはキャリアを重ね、アニーはローリング・ストーン誌【100 Greatest Singers of All Time】 93位に選出され、デイヴもミック・ジャガーと【SuperHeavy】を結成するなど、21世紀も顕著な功績を残しています。
「ホエン・トゥモロー・カムズ」は1986年6月に発表した5thアルバム
『リヴェンジ(Revenge)』 からのリード・シングルで、全英30位を記録しました(アメリカでは発売なし)。
ユーリズミックスは基本アニー&デイヴのプロジェクトですが、ここでのサポート・メンバーは“リヴェンジ・バンド”と呼ばれた固定メンバーで、同年夏からの『The Revenge Tour』にもそのまま参加するなど、バンド・サウンドが味わえる作品となっています。
リヴェンジ・バンドの貢献は作曲にも及んでおり、「When Tomorrow Comes」ではアニー&デイヴに加えキーボードの Patrick Seymour が共作しました。
また、本曲でベーシストを務めた John McKenzie が今年5月に亡くなったと、報じられています。
アナログ・レコード【12インチシングル】の全盛時代、本曲は2種類のバージョンが収録されました。
「Extended Version」
は言葉どおり6:37の“長いバージョン”ですが、ありがちなクラブ・ミックスとは異なり“新たなアレンジ”としての試みが感じられ、聴き応え十分です。
一方もう一つの「Orchestral Version」は言葉のような創意は感じられず、オリジナルとあまり変わらない気がするので、ここでは紹介を省略いたします。
ユーリズミックスは 独創的な音楽への評価は勿論、マイケル・ジャクソンや
マドンナ 、デュラン・デュランらと並ぶ同時代の
先進的な映像クリエイター としても知られています。
「Sweet Dreams (Are Made of This)」や「Missionary Man」ほか数々のミュージック・ビデオの名作により世界に衝撃を与えてきた彼らですが、「When Tomorrow Comes」は意外なほどシンプルです(
記事最下)。
“素直な曲にシンプルな映像”は正解で、ここでは他作品であまり見ることのできないアニーの豊かな笑顔を堪能できるでしょう。
VIDEO VIDEO VIDEO VIDEO ~ Story ~ Underneath your dream lit eyes 夢がその瞳に火を灯し Shades of sleep have driven you away 眠りの亡霊があなたを遠くへ吹き飛ばした 【Shades of sleep】って何だろう…。
直訳すると“眠りの陰”ですが、私は“悪夢”のようなイメージを抱きました(【shade】には“亡霊”の意味もある)。
彼女は彼を愛しているものの、彼は夢を追うのに夢中で、それが彼を彼女の手の届かない遠く離れた世界へと走らせたのかもしれません。
Last night while you were lying in my arms 昨夜、あなたがこの腕の中で眠っている間 And I was wondering where you were 私は、あなたが何処にいるのか想い巡らせていた …そんなことをイメージしていると、それを覆すような文が入ってきたりします。
そこで、興味深いのが
PV でこのフレーズと共に表されるアニーのパフォーマンス です。
前項で触れたように本PVは極めてシンプルで、その殆どはスタジオでのメンバーの演奏シーンで構成されていますが、アニーの足元には当初より“白いシーツ”が用意されており、このフレーズの辺りで
彼女は主人公の女性を演じるかのようにシーツの上に1人で横たわり眠っているかのよう なパフォーマンスを表しています。
もしかしたら、
このフレーズは“彼女の夢の中の出来事” …ということなのかもしれません。
~ Epilogue ~ And you know そして、あなたは知っている that I'm gonna be the one あなたが頼る誰かを必要とする時 Who'll be there when you need someone to depend upon 私が、そこにいる“その人”となるつもりであることを “幸せな時も、困難な時も、病める時も、健やかなる時も、死がふたりを分かつまで愛する…”
“その人”となることが彼女の願いであり、それが叶う日こそ「When Tomorrow Comes」なのでしょう。
本作を創作し、歌唱する
アニーは実生活で1988年に2度目の結婚 (同年妊娠)を遂げており、その時系列からこの歌は彼女自身のそうした心情を投影したものと私は想像していました。
ところが今回、記事編集に際し
本曲のレコーディング時期が“1985年9月” であることが判明し、ちょっと意外でした。
1985年 というと
アニーが最初の夫と離婚した年 (月日は不明)であり、彼女が2人目の夫といつ出会ったか不明ですが、さすがにこのタイミングで2人目の夫への「When Tomorrow Comes」はないでしょう(増して、それが最初の夫に向けてのものでないことは同アルバムに「Missionary Man」が入っていることから明白)。
むしろ、人生で初めて体験する離婚の最中、誰に向けたわけでなく“希望の歌”を創作したとするなら、それは耐え難い辛さから自分を励ますためだったのかもしれません。
When tomorrow comes... “明日になれば(きっといいことあるよ)” 、と…。
「When Tomorrow Comes」は音楽的に大好きな曲ですが、私の人生観にも繋がる特別な感覚を抱かせるテイストです。
一方、
ディープ・パープルの「Highway Star」 (過去ログ)は大好きな曲でも、人生観には繋がりません。
だって、「Highway Star」のとおり生きたら“命が幾つあっても足りない”でしょう?
VIDEO VIDEO “…高なるこの鼓動が聴こえてるか?” /
“Oh 溺れてみたい…” GLAYの「SOUL LOVE」 も、人生観に繋がるテイストを持った曲。
こうした特別なテイストに不可欠な要素が【高鳴る鼓動】で、
“喜び”や“希望”を抱いたとき胸が躍るあの心地よさ です。
(同時発売の「誘惑」
も強烈な魅力ですが、まさに
“溺れてみたい”テイスト …)
VIDEO 【鼓動】は生命活動を刻む律動であり、私の最も好きな音楽です。
急ぎ過ぎず、過不足なく、力強いリズムで、明るく元気に、 そして…
When tomorrow comes 明日も、きっと 「ホエン・トゥモロー・カムズ」 VIDEO 最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
関連記事
スポンサーサイト
コメントを投稿