I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

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「ウィアー・オール・アローン」ボズ・スキャッグス

2020.09.07

category : Boz Scaggs

Boz Scaggs - We're All Alone (1976年)

「一人ぼっち」と「二人きり」…AORの帝王ボズ・スキャッグスが贈る甘く切ない大人の恋物語♪

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~ Lyrics ~

Writer(s): Boz Scaggs /訳:Beat Wolf

外は雨が降り出した
しばらくは止みそうにない
それ以上泣かないで…
夢が二人をきっと
広い海へ連れ出してくれる
永遠の世界へと…

目を閉じてごらん, amie...
僕と一緒にいられるから
波をくぐり
あの懐かしい
二人の洞窟を通り抜けたら
We're all alone...


窓を閉め
光を和らげてごらん
きっと気分も休まるから
もう悩まなくていい
心を吐き出し
心を解いて始めればいい

“ふり”からだって、構わないから…

昔の物語によると
褪せることは逃れられないらしい
美しいバラも、永遠を誓った二人でさえも
だから時を風に放ってごらん
そして、僕を抱きしめて…



すべてを忘れ
We're all alone...



悲しみは風に放り出し
僕を抱きしめて
すべてを忘れ
We're all alone...




~ 概要 ~

「ウィアー・オール・アローン」は、ボズ・スキャッグス1976年の7thアルバム『シルク・ディグリーズ(Silk Degrees)』の収録曲で、アメリカでは1stシングル「Lido Shuffle」のB面曲でした。
日本では「二人だけ」という邦題がつけられていましたが、現在では原題のままの表記に改められています。

「We're All Alone」は日本での“AORブームの象徴”ともいえる作品で、本曲にはその称号を80年代にかけて受け継ぐことになるデヴィッド・ハンゲイト(b)、デヴィッド・ペイチ(key)、ジェフ・ポーカロ(dr)が参加したことでも有名です。
それまでR&B色の濃い音楽を発表し続けてきたボズが、本曲のような都会的で洗練されたテイストに転換できたのには“この3人”の貢献も大きく、特にデヴィッド・ペイチは作曲者としてアルバムの6/10曲に貢献しました。
3人はこの共演をきっかけにバンドを結成、1982年の『TOTO IV ~聖なる剣』の大成功により、彼らの演じるサウンドが時代を象徴するまでになります(過去ログ「ロザーナ」TOTO)。


アルバム『Silk Degrees』自体がアメリカで500万枚以上売れたのでボズver.が決して“マイナーなわけではありませんが、最初にカバーしチャ-ト・インさせたのはフォー・シーズンズのリード・ヴォーカルとして有名なフランキー・ヴァリ(Frankie Valli)で、1976年にBillboard Hot 100の74位を記録しました。
カバーも多く、最もヒットしたのはアメリカの女性歌手リタ・クーリッジ(Rita Coolidge)で、1977年にBillboard Hot 100の7位(1978年の年間98位)と大ヒットしています。
ちなみにリタver.の当時の邦題は「みんな一人ぼっち」、彼女のバージョンは80年代に『日産・サニーRZ-1』、ボズver.も『日産・ローレル』のCMソングに起用されました。

数あるカバーの中でも異色を放つのがアンジェラ・アキver.で、2005年のインディーズ・ミニアルバムで発表したバージョンは、オリジナルの英語詞の和訳でなく、“24歳の超落ち込んでいた時期のリアルな心境”に基づく彼女独自の日本語詞を加えた作品となっています。


 
 



~ Story ~

Through the caves of ours
あの懐かしい
Long forgotten now
二人の洞窟を通り抜けたら
We're all alone...

その洞窟を【ours】と表すからには二人にとって特別な場所であり、そこは平坦に行けるのではなく、俗世間から離れ、波の下を少し潜り、洞窟を抜けた先に“その場所”があるようです。
一方でこのフレーズからは、二人が最後にそこを訪れてから長い歳月が過ぎたことも窺わせます…。

【all alone】は“たった1人”で、【We're all alone】だけで読むと“私たちはみんな一人ぼっち”という意味になり、【孤独】を印象づけられるでしょう。
しかし【We】が[二人]で、[同じ場所にいる]なら、それは実質的に“(他者から離れた場所に)二人きり”という状態でもあり、むしろ愛し合う二人なら【本望】で、この歌にはそうしたダブル・ミーニングの伏線が感じられます。


Close your eyes, amie
目を閉じてごらん, amie...
And you can be with me
僕と一緒にいられるから

ただ、このフレーズは“二人が目を閉じることで一緒が叶う関係”であり、現実の“二人は互いに一人ぼっち”の状況に身を置いていることも示唆しています。
つまり本曲は隔てられた場所にある一方の恋人が、もう一方に“一人ぼっちじゃないよ”と励ましている物語であり、そのため歌中の【We're all alone】に“一人ぼっち”を当てはめると、筋の流れに合わなくなってしまうでしょう。

作者ボズ・スキャッグス“両者の意味が同時に成立するような歌詞にするのに苦労した”と語っており、私もそれを尊重し歌詞中の【We're all alone】は日本語にせずそのまま表記しました。
ただし彼自身“この曲の意味は自分の中でも完全にはわかっていない”と言及しているそうで、ある意味それが物語をミステリアスにさせ味わい深い作品に味付けしているのかもしれません。



~ Epilogue ~

何らかの事情で、会うことの叶わぬ境遇に置かれている二人
涙に暮れる【you】を慰めようと、安らかな“二人だけの夢の世界“へと誘う主人公…

でも【you】は何故、こんなにも悲しんでいるのでしょう?

私が思い描いた、一つのストーリー…
最愛の恋人を残し不慮の死を遂げた男は、天国へは行かずゴーストとなって彼女のそばで見守ることを決意します。
しかし彼の死を受け止めきれず彼女が悲しみに暮れていても、ゴーストになったばかりで意思疎通する術を知らない彼は、そばにいても、慰めの言葉を掛けても、それを彼女に気づいてもらえません…。


映画『ゴースト/ニューヨークの幻』より


Let it all begin
心を解いて始めればいい
Learn how to pretend
“ふり”からだって、構わないから…

「We're All Alone」は、主人公の“思いやり”で溢れています。
彼の大きな役割は、【you】の“We're All Alone(一人ぼっち)”の感情を、“We're All Alone(二人きり)”と打ち消すこと。
【you】の悲しみに寄り添い、痛みを和らげようと心を砕く彼のやさしさは、あなたの共感を誘ったことでしょう。

人間は、本質的に“一人ぼっち”です。
だからこそ共に寄り添える誰かを求め、あたため合いたいのでしょう。
一方が“一人ぼっち”を覚えたら、もう一方が“一人ぼっちじゃないよ”と抱きしめる…
『愛のいとなみ』とは、そうしたものだと思います。

夏の終わり…
窓の外からも、『愛のいとなみ』が聞こえてきました。



“あなたは一人ぼっちじゃないよ…♪”



「ウィアー・オール・アローン」 ~オリジナルより、このキーの方が好き

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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tags : 70's AOR バラード せつない愛 優しい愛 CM曲 

コメント

こんにちは。

これくらいなら僕も知っていました。

ボズ・スキャッグスで一番最初に聴いたのは、デュアン・オールマンのアンソロジーに入っていた「Loan me a dime」だったと思います。ですので当時はスキャッグスよりもデュアン・オールマンのブルージーなギターサウンドが好きでした。
そのアルバムにはクラプトンの「Layla」も入っていました。

2020.09.07  忠      編集

忠さん

変われば変わるものですよね。
同じころのイエスと80年代が別ものになったように。
「Loan me a dime」も当時としては売れ線で、楽曲もいいのに売れず
路線変更してようやく売れたのが「Silk Degrees」で
デビューから10年以上経っていたというのですから
苦労人ですよね。

2020.09.07  Beat Wolf  編集

こんばんは!(*゚ェ゚*)ノ

この歌大好きです
「みんな独りぼっち」かな?って思ってました
ボズスキャッグスのLPは3枚持ってます
CDじゃないです(笑)

2020.09.07  m  編集

Re: こんばんは!(*゚ェ゚*)ノ

大好きでしたか。
でも実は、どっちでも間違いではありません。
そこが面白いところですね。
CDじゃないところも凄いです(笑)
私はシステムが維持できず泣く泣く処分しました。(涙)

2020.09.08  Beat Wolf  編集

ボズスキャッグスはそろそろ記事にしなきゃと思って数年経っている大物歌手の一人です。やはり彼の曲ではこれが一番ですね!

2020.09.10  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

いつ取り上げてもいい曲ですが、たまたま今回でした。
一般にはこの作品からが有名ですが
それ以前からのファンにとっては複雑なのかもしれません。

2020.09.10  Beat Wolf  編集

このアルバムは
デヴィッド・ハンゲイトのBassが好きw

2020.09.11    編集

Re: タイトルなし

同感です。彼とジェフ・ポーカロの組み合わせは最高です。

2020.09.12  Beat Wolf  編集

私も、「二人きり」派です。
その上、Beat Wolfさんと同じように、最愛の人を残して亡くなってしまった男性が、その恋人(妻)を天国から見守っている歌。と思っていたので。同じように考える人がいて嬉しいです。

歌詞は行間を読まないといけない事が多いと思うので、訳すのがとっても難しいと思うけど、素晴らしい訳をありがとうございます。

2020.09.13  akubi  編集

akubiさん

そうですね。
でもそう仮定したとき、これだけ慰めてくれているのに
youの悲しみが癒える気配がないのは尋常じゃないと思いました。
普通だったらお陽さまや風に当たり気分転換できそうなのに
「光を和らげる」方がよいのですから、相当衰弱しています。

でも、だからこそ、そこまで気遣っている彼のやさしさが微笑ましく
作品に特別なあたたかさを与えているのだと思います。

2020.09.14  Beat Wolf  編集

大好きです!!

こんにちは。

忠さんが拙ブログに訪問してくださいましたよ。
音楽つながりですね。

この曲大好きです。
事実、この曲の入った80’sのAOR特集のCDをドライブに今週家内と温泉旅行に出かけてきました。

名曲ですよね。

80’sはAORの名曲が目白押しです。
この2枚組CD『 The Best  of AOR Molodies 』は私の大好きなCDです。

ひよっとしたらお持ちじゃないですか?

いつか、この Melodies の記事を書こうと思っています。

Player の Baby Come Back が最高です!!

また、音楽談義をいたしましょう。

2020.09.19  トリトン  編集

Re: 大好きです!!

それはよかったです。
AOR特集のCDを持って温泉旅行に行かれたのですね。
この季節はよく合います。

企画盤は数多くあるので追いつきません。
でも「The Best」というぐらいですから選りすぐりでしょうね。
そういえば昔はテレビショッピングでコンピレーションCDをやってました。
流れてくる曲の数々を聴くと思わず欲しくなるのですが
よく考えたら曲はほとんど持ってる…というオチでした。(笑)

2020.09.19  Beat Wolf  編集

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